高利回りの株主優待30選|100株の実質利回りランキング2026年版

株主優待の実質利回りは、高い順に並べると2桁になる銘柄がいくつもあります。ただし、その上位に並ぶのはクオカードでもギフト券でもありません。ポイント、自社サービス、自社店舗限定の買物券です。

株主優待を出している1,653社を、優待の種類ごとに1社ずつ確認しました。「100株で買える」「買ったその年から受け取れる」「◯◯円と金額が明記されている」という3つの条件を満たしたのが126社です。この記事は、その126社を実質利回りの高い順に並べたものです。

並べてみると、はっきりした傾向が出ます。誰でも額面どおりに使える優待ほど、利回りが低くなります。クオカードの平均は1.27%、ポイントの平均は22.44%。この差がどこから来るのかまで解説します。

ただし先に書いておきたいことがあります。利回りが高い銘柄が、良い銘柄とは限りません。上位に並ぶのは株価が大きく下がった結果としてその数字になっている銘柄が多く、なかには優待そのものを取りやめる企業もあります。その見分け方もあわせて解説します。

この記事でわかること

・16テーマ126社を横断した実質利回りベスト30(100株・2026年9月1日の株価)
・1位はabcの178.57%。ただしその理由まで書いています
換金性が高い優待ほど利回りが低いという関係(テーマ別の表)
・ベスト30のうち28社が10万円以下で買えること
・投資額が最小の銘柄は2,000円
・テーマ別の記事16本への入口
・優待と配当を合わせた総合利回りの計算ツール

※ この記事は制度とデータの解説であり、特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。優待の内容は変更されることがあるため、購入前に各社のIR情報で確認してください。

今回のランキングの決め方

今回の順位に関しては以下の条件のもとで計算してランキング化した形です。

項目 条件
調べた銘柄数 株主優待を出している1,653社を優待の種類ごとに1社ずつ確認し、条件を満たした126社から選定
株数 100株(最低単元)でもらえるものだけ
保有期間 買ったその年からもらえるものだけ(継続保有が条件のものは除外)
優待の性質 「◯◯円」と金額が明記されていて、追加の購入や契約が前提でないもの
年2回の優待 年間の合計額に直して比較
実質利回り 年間の額面 ÷(株価×100株)×100
株価 2026年9月1日の終値

他の株主優待サイトの利回りランキングと最も違うのは、優待の種類ごとに1社ずつ企業の開示文を読んだうえで積み上げている点です。額面が大きく見えても、追加の支払いが必要なものはこの段階で外しています。

実際に外したものの例を挙げます。

書かれ方 外した理由
「買い上げ2,000円毎に1枚(1,000円)利用可能」 購入額に連動するため額面にならない
「入会時登録料無料優待券30,000円分」 サービスへの入会が前提
「本体226,800円のところ190,800円で購入できる」 22万円の本体を買う前提。優待の価値は差額のみ
「クーポンの利用は商品ご購入価格の50%が上限」 額面ではなく割引券
「◯枚」「対象商品より1点」 金額が書かれておらず利回りが出せない
抽選・申込制・記念優待 確実にもらえない

株主優待の実質利回りランキングベスト30

実質利回りの高い順に30社を並べました。すべて100株で買えて、買ったその年から受け取れます。右端の「テーマ」は、その銘柄を詳しく扱っている記事です。

銘柄(コード) 投資額 年間の額面 実質利回り テーマ 権利確定
① abc(8783) 5,600円 10,000ポイント 178.57% ポイント 8月
② フィスコ(3807) 8,700円 13,200円 151.72% ユニーク 6月、12月
③ 北の達人コーポレーション(2930) 12,900円 7,370円 57.13% 自社製品 2月
④ ジーイエット(7603) 4,100円 2,000円 48.78% 割引券/長期保有優遇 2月・8月
⑤ アトラグループ(6029) 18,500円 4,800円 25.95% 美容・化粧品 12月
⑥ KOZOホールディングス(9973) 2,000円 500円 25.00% 割引券 12月
⑦ ファンデリー(3137) 20,600円 5,000円 24.27% 割引券 3月
⑧ VTホールディングス(7593) 53,700円 10,000円 18.62% 車・バイク 9月
⑨ エム・エイチ・グループ(9439) 23,000円 3,500円 15.22% 長期保有優遇 6月
⑩ 田谷(4679) 26,300円 3,300円 12.55% 割引券/美容・化粧品 3月

1位から4位までは、すべて株価が100円を下回っている銘柄です。実質利回りは「額面 ÷ 投資額」で計算するため、株価が下がるほど自動的に上がります。優待が手厚くなった結果ではありません。

もうひとつ、上位に並ぶ優待には共通点があります。ポイント、自社商品、自社店舗限定の買物券など、使い道が限定されるものばかりです。この関係は記事の後半で数字にして示します。

【1位】abc(8783)178.57%

5,600円で年10,000ポイント分
権利確定:8月 テーマ:ポイント

今回の1位は、株主優待ポイントを配るabcです。内容欄には「【初年度贈呈】100ポイント/株」と書かれており、備考で「初年度100株の保有で100株×100ポイント=10,000ポイントの付与」と企業自身が計算まで示しています。

投資額が5,600円しかないため、実質利回りは178%を超えます。株価が56円まで下がっていることが、この数字の最大の理由です。優待が特別に手厚いという意味ではありません。

継続保有でポイントが増える設計にもなっており、1年以上で1.5倍、2年以上で1.6倍、最大2.0倍まで上がります。ただしポイントの使い道は限られるため、額面がそのまま現金の価値になるわけではない点は押さえておきたいところです。

【2位】フィスコ(3807)151.72%

8,700円で年13,200円分
権利確定:6月、12月 テーマ:ユニーク

フィスコの優待は、同社が運営する「クラブフィスコ」のIPOナビを1か月間無料で使える権利です。1回6,600円相当で、権利確定が6月末と12月末の年2回あるため、年間13,200円相当になります。

投資額8,700円に対して13,200円相当なので、1年で投資額を上回る計算になります。ただしこれは「株価が87円であること」と「サービスの定価が6,600円であること」の掛け算です。

IPOの情報を実際に使う人にとっては額面どおりですが、使わない人にとってはゼロに近くなります。詳しくはユニークな株主優待10選で解説しています。

【3位】北の達人コーポレーション(2930)57.13%

12,900円で年7,370円分
権利確定:2月 テーマ:自社製品

北の達人コーポレーションは化粧品と健康食品の通販会社です。優待は自社商品1点(7,370円税込相当)で、2026年2月の対象商品は美容液「ヨイピール」とされています。

投資額12,900円に対して7,370円相当なので、実質利回りは57%を超えます。金額換算が明示されている自社製品の優待としては、今回でもっとも比率が大きい部類です。

ただし届くのは化粧品1点です。その商品を使う人にとっては額面どおりですが、使わない人には価値が出ません。自社製品型の優待に共通する性質です。

【4位】ジーイエット(7603)48.78%

4,100円で年2,000円分
権利確定:2月・8月 テーマ:割引券/長期保有優遇

ジーイエットは衣料品店を展開する企業で、優待はマックハウトやアウトレット-J、NAVYなどで使える買物優待券です。3年未満でも年2,000円相当、3年以上で年4,000円相当になります。

投資額が4,100円と、今回のベスト30で2番目に小さい金額です。株価が41円まで下がっているため、利回りが48%を超えています。

使えるのは自社グループの店舗だけです。近くに店舗がなければ額面どおりの価値にはなりません。割引券の株主優待10選長期保有優遇の株主優待10選の両方に登場する銘柄です。

【5位】アトラグループ(6029)25.95%

18,500円で年4,800円分
権利確定:12月 テーマ:美容・化粧品

アトラグループは接骨院・整骨院の支援を手がける企業です。優待はホットマッサージジェル「ほねつぎHOT」1箱(4,800円税込相当)です。

投資額18,500円に対して4,800円相当で、実質利回りは25%を超えます。贈呈は翌年3月ごろとされています。

本業の接骨院事業から生まれた自社商品が、そのまま優待になっている形です。詳しくは美容・化粧品の株主優待で扱っています。

【6位】KOZOホールディングス(9973)25.00%

2,000円で年500円分
権利確定:12月 テーマ:割引券

KOZOホールディングスは持ち帰り寿司の「小僧寿し」を展開する企業です。優待は小僧寿しアプリを通じて提供される500円相当の優待券です。

注目したいのは投資額です。100株で2,000円しかかかりません。今回のベスト30で最も少ない資金で買える銘柄です。株価が20円まで下がっていることの裏返しでもあります。

受け取りにはアプリのインストールが必要です。グループ各店舗(店舗限定)とECサイトで使えます。額面は小さいものの、投資額に対する比率では25%になります。

【7位】ファンデリー(3137)24.27%

20,600円で年5,000円分
権利確定:3月 テーマ:割引券

ファンデリーは管理栄養士が監修する冷凍宅配食の会社です。優待は国産ハイブランド冷食「旬をすぐに」で使える食事クーポン5,000円相当です。

投資額20,600円に対して5,000円相当で、実質利回りは24%を超えます。6月に発送される定時株主総会の招集通知に同封されます。

使えるのは自社の宅配食サービスだけです。食事の宅配を利用する人にとっては現金に近い価値になりますが、そうでなければ使い切るのが難しくなります。

【8位】VTホールディングス(7593)18.62%

53,700円で年10,000円分
権利確定:9月 テーマ:車・バイク

VTホールディングスは自動車ディーラーを全国に展開する企業です。100株では車検時利用優待券(10,000円)のほか、新車・中古車購入時の優待券やレンタカーの割引券が届きます。

額面10,000円は「車検を同社グループで受けること」が前提です。車を持っていない人には価値が出ません。利回り18.62%という数字は、この条件とセットで読む必要があります。

逆に、車を持っていて車検の時期が合う人にとっては、額面どおりに使える優待です。詳しくは車・バイクの株主優待で扱っています。

【9位】エム・エイチ・グループ(9439)15.22%

23,000円で年3,500円分
権利確定:6月 テーマ:長期保有優遇

エム・エイチ・グループは美容室「モッズ・ヘア」などを運営する企業です。優待はオンラインストア「MHG-WEBSTORE」で使える優待券3,500円相当で、3年以上の保有で4,500円相当に上がります。

投資額23,000円で年3,500円分なので、初年度から15%を超えます。保有を続ければ利回りはさらに上がる設計です。

継続保有の定義が「継続して権利確定月末日の株主名簿に記載されている期間」とだけ書かれており、他社に比べて簡素です。判定の詳細はIRに確認したほうが確実です。

【10位】田谷(4679)12.55%

26,300円で年3,300円分
権利確定:3月 テーマ:割引券/美容・化粧品

田谷は美容室「TAYA」を運営する企業です。優待はヘアケア商品などから1つを選ぶ形式で、3,300円相当になります。

株主優待券と優待商品の数種類から選べるため、使い道をある程度自分で決められます。専用Webサイトにアクセスして申し込む形式です。

有効期間は7月1日から翌年3月31日までです。申込みが必要な形式なので、案内を放置すると受け取れません。割引券美容・化粧品の両方に登場します。

【11位〜30位】投資額と額面の一覧

11位以下も条件は同じです。すべて100株で買えて、買ったその年から受け取れます。

銘柄(コード) 投資額 年間の額面 利回り テーマ 権利確定
⑪ 山喜(3598) 16,700円 2,000円 11.98% 割引券 3月・9月
⑫ AFC-HDアムスライフサイエンス(2927) 86,900円 10,000円 11.51% 旅行・ホテル 2月・8月
⑬ カナミックネットワーク(3939) 50,500円 5,400円 10.69% ユニーク 9月
⑭ パピレス(3641) 99,400円 10,000円 10.06% ユニーク 3月
⑮ ストリーム(3071) 10,500円 1,000円 9.52% 割引券 1月
⑯ メディア工房(3815) 42,900円 4,000円 9.32% ギフト券/長期保有優遇 2月・8月
⑰ ランシステム(3326) 66,000円 6,000円 9.09% 割引券 3月
⑱ 総医研ホールディングス(2385) 22,100円 2,000円 9.05% 長期保有優遇 6月
⑲ ANAPホールディングス(3189) 12,100円 1,000円 8.26% ギフト券 2月・8月
⑳ ストライダーズ(9816) 25,400円 2,000円 7.87% 割引券 3月・9月
㉑ プレミアアンチエイジング(4934) 60,200円 4,700円 7.81% ポイント 7月
㉒ NATTY SWANKYホールディングス(7674) 263,500円 20,000円 7.59% 食事券 1月・7月
㉓ エディア(3935) 70,800円 5,000円 7.06% 割引券/長期保有優遇 2月
㉔ 一家ホールディングス(7127) 70,800円 5,000円 7.06% 割引券 3月・9月
㉕ I-ne(4933) 144,700円 10,000円 6.91% ギフト券 6月・12月
㉖ アジュバンホールディングス(4929) 74,000円 5,000円 6.76% 自社製品 3月
㉗ ラオックスホールディングス(8202) 14,800円 1,000円 6.76% ポイント 12月
㉘ テンアライド(8207) 30,100円 2,000円 6.64% 食事券 3月・9月
㉙ ヤーマン(6630) 79,600円 5,000円 6.28% 長期保有優遇 12月
㉚ ペットゴー(7140) 79,900円 5,000円 6.26% ポイント 3月

11位以下になると、投資額が数万円から20万円台まで広がります。利回りが1桁になるかわりに、使い道の広い優待が増えてきます。

換金性が高い優待ほど利回りが低い

優待の種類別に平均利回りを並べると、はっきりした関係が出ます。

テーマ 掲載 最高 平均
ポイントの株主優待10選 10社 178.57% 22.44%
ユニークな株主優待10選 10社 151.72% 19.72%
割引券の株主優待10選 10社 48.78% 16.32%
長期保有優遇の株主優待10選 10社 48.78% 11.47%
自社製品の株主優待10選 10社 57.13% 7.84%
美容・化粧品の株主優待7選 7社 25.95% 6.58%
車・バイクの株主優待12選 4社 18.62% 5.46%
ギフト券の株主優待10選 10社 9.32% 4.56%
食事券の株主優待10選 10社 7.59% 3.70%
旅行・ホテルの株主優待8選 8社 11.51% 3.08%
施設利用の株主優待17選 4社 3.08% 1.95%
暗号資産の株主優待7選 7社 3.89% 1.36%
お米の株主優待7選 1社 1.35% 1.35%
カタログギフトの株主優待10選 10社 4.45% 1.32%
クオカード優待株10選 8社 4.47% 1.27%
飲料・お酒の株主優待9選 9社 1.84% 0.88%
寄付ができる株主優待6選 6社 1.56% 0.87%

上位に並ぶのは、使い道が限定されるテーマばかりです。ポイント、ユニーク(自社サービス)、割引券。逆に下のほうにあるのは、クオカード、カタログギフト、暗号資産といった誰でも額面どおりに使えるものです。

この差は偶然ではありません。企業から見ると、換金性の高い優待は額面がそのまま費用になります。クオカードを3,000円分配れば、企業は3,000円を支払います。

優待の種類 企業側の費用 額面の出しやすさ 受け取る側の価値
クオカード・ギフト券 額面がそのまま企業の費用になる 厚くできない 誰でも額面どおり
自社商品・自社店舗の券 原価だけで済む(定価より安い) 厚く出せる その店を使う人だけ
自社サービス・ポイント 1人増えても追加費用がほぼゼロ いちばん厚く出せる 使わなければゼロ

つまり実質利回りの高さは、「その優待がどれだけ使いにくいか」の裏返しでもあります。

だからこのランキングは、上から順に買う対象ではありません。まず「自分が使うテーマ」を決めて、そのテーマの記事で銘柄を選ぶ。そのうえで投資額と利回りを確認する、という順番になります。

テーマ別に株主優待を探す

優待の種類ごとに、掲載しきれなかった銘柄まで詳しくまとめた記事があります。使いたい優待の種類が決まっている場合は、そちらから選ぶほうが早く見つかります。

記事 ベスト30に入った数 このテーマの最高利回り
ポイントの株主優待10選 4社 178.57%
ユニークな株主優待10選 3社 151.72%
割引券の株主優待10選 10社 48.78%
長期保有優遇の株主優待10選 6社 48.78%
自社製品の株主優待10選 2社 57.13%
ギフト券の株主優待10選 3社 9.32%
食事券の株主優待10選 2社 7.59%
カタログギフトの株主優待10選 4.45%
飲料・お酒の株主優待9選 1.84%
旅行・ホテルの株主優待8選 1社 11.51%
クオカード優待株10選 4.47%
美容・化粧品の株主優待7選 2社 25.95%
暗号資産の株主優待7選 3.89%
寄付ができる株主優待6選 1.56%
車・バイクの株主優待12選 1社 18.62%
施設利用の株主優待17選 3.08%
お米の株主優待7選 1.35%

優待の種類ではなく条件で絞り込みたい場合は、検索ページを使ってください。

条件で絞り込む

100株で買える株主優待の検索ページ
優待の種類・投資額・権利確定月・業種で絞り込めます。
投資額の上限を決めてから種類を選ぶと、買える範囲だけが残ります。

ベスト30のうち28社は10万円以下で買える

利回りの高い銘柄は、投資額も小さい傾向があります。ベスト30のうち28社が10万円以下、17社が5万円以下、15社が3万円以下で買えます。

投資額 社数 分布
3万円以下 15社 ■■■■■■■■■■■■■■■
3万円超〜5万円以下 2社 ■■
5万円超〜10万円以下 11社 ■■■■■■■■■■■
10万円超 2社 ■■

ただし投資額が小さいのは、多くの場合「株価が下がっているから」です。1位から4位までは株価が100円を下回っています。少額で買えることと、投資先として健全であることは別の話です。

投資額を抑えて優待を集めたい場合は投資金額10万円以下の株主優待、100株に届かない資金で始めたい場合は単元未満株でもらえる株主優待もあわせてご覧ください。

権利確定月は3月に集中している

ベスト30の権利確定月を数えると、3月に偏っています。年2回の銘柄は両方を数えています。

権利確定月 社数 分布
3月 10社 ■■■■■■■■■■■■
12月 6社 ■■■■■■■
2月 6社 ■■■■■■■
9月 6社 ■■■■■■■
8月 5社 ■■■■■■
6月 4社 ■■■■■
1月 2社 ■■
7月 2社 ■■

この月に買いが集中するため、権利付最終売買日に向けて株価が上がり、権利落ち日に下がる動きが出やすくなります。優待の額面だけを見て権利日の直前に買うと、株価の下落でそれ以上を失うことがあります。

買うタイミングを決めるときは、権利確定日の2営業日前までに買う必要があるという点を確認してください。詳細は権利確定日とは?にまとめています。

自分の条件で総合利回りを計算する

株価は毎日動くので、この一覧の利回りも日々変わります。いま検討している銘柄の数字を入れて計算できるツールを置いておきます。配当も合わせた総合利回りが出ます。

株主優待の総合利回り計算ツール

株価と優待額を入れると、優待利回り・配当利回り・その合計を同時に計算します。数値を変えるとその場で計算し直します。





投資額 12,900円
年間の優待額 7,370円
年間の配当額(税引前) 0円
優待利回り 57.13%
配当利回り 0.00%
総合利回り 57.13%

優待と配当を合わせた総合利回りが3%を超えると、高めの水準にあたります。

※ 優待利回り=年間の優待額÷投資額×100 / 配当利回り=1株あたり配当×株数÷投資額×100
※ 配当は税引前です。実際には約20.315%が源泉徴収されます。優待の金額換算は自分にとっての価値で見積もってください。

初期値には3位の北の達人コーポレーション(2930)の株価と額面を入れてあります。優待だけで判断せず、配当と合わせた総合利回りで比べてください。優待利回りが高くても無配の企業は少なくありません。

利回りランキングで銘柄を選ぶと失敗する4つの理由

ここまで実質利回りで30社を並べてきましたが、この数字だけで銘柄を選ぶと外します。理由は4つあります。

理由① 実質利回りは株価が下がると自動的に上がる

実質利回りは「年間の額面 ÷ 投資額」で計算します。優待の金額は固定なので、株価が下がるほど利回りは自動的に上がります。

株価 投資額(100株) 年2,000円の優待の利回り
500円 50,000円 4.00%
200円 20,000円 10.00%
100円 10,000円 20.00%
56円 5,600円 35.71%

今回のベスト30の上位4社は、すべて株価が100円を下回っています。利回りが2桁になっているのは、優待が手厚いからではありません。

優待をもらうために、株価の下落でそれ以上を失っては意味がありません。利回りが極端に高い銘柄を見つけたときは、まず「なぜ株価がここまで下がっているのか」を業績で確認してください。

理由② 額面と、自分にとっての価値は違う

この記事で繰り返し触れたとおり、利回りが高い優待ほど使い道が限定されます。ポイントも自社サービスも自社店舗の買物券も、使わなければ価値はゼロです。

額面はあくまで企業が示した金額であって、あなたにとっての価値ではありません。近くに店舗がない、そのサービスを使わない、という場合は、利回りの数字をそのまま受け取らないでください。

理由③ 優待は企業の判断でいつでも廃止できる

株主優待は法律で義務づけられた制度ではありません。企業が「やめます」と発表すればその時点で終わります。今回集めた開示情報のなかだけでも、株主優待の廃止や見送りを開示した企業が9社ありました。

開示日 銘柄(コード) 内容
2026年8月24日 コンヴァノ(6574) 株主優待制度の廃止
2026年6月19日 CRAVIA(6573) 2026年6月30日基準日の優待の見送り
2026年5月8日 AIAIグループ(6557) 株主優待制度の廃止
2026年3月23日 unbanked(8746) 株主優待の実施見送り
2026年2月13日 ザ・パック(3950) 株主還元方針の変更および優待制度の廃止
2024年12月11日 くら寿司(2695) 株主優待制度の廃止

さらに極端な例もあります。REVOLUTION(8894)は2024年10月に「2,000株以上の保有でQUOカードPay 6万円分(年間12万円分)」という優待の新設を発表しましたが、2025年3月11日に廃止を開示しました。一度も実施されないまま終わっています。

「優待が新設されたから買う」「利回りが高いから買う」という判断は、それだけでは危険です。優待の内容は企業がいつでも変えられます。利回りの高さは、その企業の業績が良いことを意味しません。

また、廃止まで至らなくても継続保有の条件があとから追加されることがあります。条件が付くと、それまで毎年もらえていた株主が対象外になります。

理由④ 優待は原則として課税の対象になる

株主優待は税務上、原則として雑所得として扱われます。「優待は非課税」という説明を見かけることがありますが、正確ではありません。

給与所得者の場合、給与以外の所得の合計が年20万円以下であれば確定申告が不要という基準があります。優待だけで年20万円を超えることはまれなので、結果として申告不要になっている人が多い、というのが実態に近いです。

ただし他に副収入がある場合は合算で判定されます。また住民税には20万円の基準がないため、自治体によって扱いが異なります。優待の金額換算については優待利回りとは?でも触れています。

株主優待の利回りに関するよくある質問

実質利回りとは何ですか。
年間の優待の額面を、100株を買うのに必要な金額で割った数字です。この記事では「年間の額面 ÷(株価×100株)×100」で計算し、株価は2026年9月1日の終値を使っています。配当は含みません。配当も合わせた数字を知りたい場合は、記事内の計算ツールを使ってください。
利回りが高い銘柄から順に買えばよいですか。
おすすめしません。この記事で示したとおり、利回りが高い上位ほど使い道が限定されます。1位のポイントも2位の情報サービスも、使わなければ価値はゼロです。まず「自分が使うもの」を選び、そのあとで利回りを見る順番になります。
1位の利回りが178%というのは本当ですか。
企業が開示している内容から計算すると、そのとおりの数字になります。ただし株価が56円まで下がっていることが最大の理由です。実質利回りは株価が下がるほど自動的に上がるため、高い数字を見つけたときは、まず「なぜ株価がここまで下がっているのか」を業績で確認してください。
クオカードの利回りが低いのはなぜですか。
誰でも額面どおりに使えるからです。企業にとっては額面がそのまま費用になるため、厚くできません。逆に自社サービスや自社店舗限定の優待は原価が低いので、額面を大きく設定できます。この記事のテーマ別の表で、その関係が数字として見えます。
継続保有が条件の銘柄は入っていますか。
入れていません。この記事のベスト30は、すべて「買ったその年から受け取れるもの」だけです。継続保有が条件の銘柄については長期保有優遇の株主優待10選で522社ぶんを整理しています。
10万円以下で買える銘柄はありますか。
ベスト30のうち28社が10万円以下で買えます。投資額が最も小さいのはKOZOホールディングスの2,000円です。ただし投資額が小さい銘柄は株価が下がった結果であることが多いため、業績を確認してください。
優待はいつ買えばもらえますか。
権利確定日の2営業日前(権利付最終売買日)までに買う必要があります。この日を1日でも過ぎると、その回の株主名簿に載りません。詳しくは権利確定日とは?で解説しています。
優待は課税の対象になりますか。
株主優待は税務上、原則として雑所得として扱われます。給与所得者の場合、給与以外の所得の合計が年20万円以下であれば確定申告が不要という基準があるため、結果として申告不要になっている人が多いのが実態です。詳しくは優待利回りとは?で触れています。

まとめ

16テーマ126社を横断して実質利回りで並べると、上位に来るのはクオカードでもギフト券でもありませんでした。ポイント、自社サービス、自社店舗限定の買物券です。

この記事のポイント

・1位はabc(8783)の178.57%。ただし株価が56円まで下がった結果
・ベスト30の上位4社はすべて株価が100円未満
換金性が高い優待ほど利回りが低い(クオカード平均1.27% / ポイント平均22.44%)
・理由は企業側の費用。金券は額面がそのまま費用だが、自社サービスは追加費用がほぼゼロ
・つまり高い利回りは「使いにくさ」の裏返しでもある
・ベスト30のうち28社が10万円以下、最小は2,000円
・すべて買ったその年から受け取れる(継続保有が条件のものは入れていない)
・権利確定は3月に集中している

優待を選ぶときは、利回りの順に見るのではなく「自分が使うテーマ」から先に決めてください。そのうえで、そのテーマの記事で投資額と利回りを比べるのが、いちばん外しにくい順番です。

テーマ別の記事はクオカード優待株10選割引券の株主優待10選から、条件で絞り込みたい場合は100株で買える株主優待の検索ページをご覧ください。

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