施設利用の株主優待17選|100株の実質利回りランキング2026年版

2026年9月時点で、100株で施設が使える株主優待は39社あります。そのうち額面が円で書かれているのは、わずか4社でした。

残りのほとんどは「無料入場券2枚」「招待券4枚」という枚数だけの表記です。金額が書かれていないので実質利回りが計算できず、優待利回りのランキング記事にはほとんど登場しません。ただし中身で見れば、こちらのほうが数も内容も充実しています。

この記事は株主優待を出している1,653社を1社ずつ確認して作りました。前半で額面が明記された4社を利回り順に、後半で無料入場券がもらえる13社を投資額の小さい順に並べています。データはすべて2026年9月時点のもので、次に当てはまるものは外しています。

外したもの 理由
継続保有が条件のもの 買った年にはもらえない
「◯%割引」だけの優待 宿泊20%引きなど。使う金額で得する額が変わる
買い物の割引が主な優待カード 百貨店の10%割引カードなど。施設の利用が主目的ではない
抽選・申込・記念の優待 確実にもらえない、または今回限り
ポイントで示されている優待 1ポイントの価値が示されていないため金額に直せない

施設利用の株主優待を出している企業は39社ありましたが、上記の条件で調べると、買った年から額面が円で書かれた優待を受け取れるのは4社となった形です。

この記事でわかること

額面が明記された全4社を1社ずつ解説
無料入場券・招待券がもらえる13社を投資額の小さい順に一覧
額面が円で書かれているのが39社中4社しかない理由
「無料入場券2枚」を自分で利回りに直す手順
・機械判定で該当した8社を、目視で4社まで絞った過程
買った年はもらえない1社の存在
・優待と配当を合わせた総合利回りを計算できるツール

※ この記事は制度とデータの解説であり、特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。優待の内容は変更されることがあるため、購入前に各社のIR情報で確認してください。

今回のランキングの決め方

今回の順位に関しては以下の条件のもとで計算してランキング化した形です。

項目 条件
銘柄数 株主優待を出している1,653社を1社ずつ確認
株数 100株(最低単元)でもらえるものだけ
保有期間 買ったその年からもらえるものだけ
優待の性質 施設の入場や利用に使えて、額面が円で明記されているもの
実質利回り 年間の額面 ÷(株価×100株)×100
株価 2026年9月1日の終値

39社を機械的に判定したあと、利回りが高い順に1社ずつ内容を読み直しています。判定の内訳は次のとおりです。

判定 社数 扱い
額面が円で書かれている 8社 上から順に目視で検算
継続保有が条件 1社 買った年はもらえない
内容が特定できない 10社 個別に読み直して振り分け
「◯枚」としか書かれていない 12社 利回りが出せないため対象外
抽選・申込・記念 5社 確実にもらえないため除外

他の株主優待サイトの一覧と最も違うのは、額面が書かれた4社だけで終わらせず、「無料入場券◯枚」としか書かれていない13社を投資額の小さい順に並べている点です。このテーマは、利回りが出せない銘柄のほうが数も中身も多くなっています。

額面が明記された施設利用の優待株4選

該当した全4社を実質利回りの高い順に並べています。すべて100株・買った年からもらえる・額面が円で明記されているという条件を満たしています。

銘柄(コード) 投資額 年間の額面 実質利回り 権利確定
① サン・ライフホールディング(7040) 97,400円 3,000円 3.08% 3月
② うかい(7621) 347,000円 9,000円 2.59% 9月
③ イオンファンタジー(4343) 277,300円 4,000円 1.44% 2月・8月
④ 藤田観光(9722) 290,100円 2,000円 0.69% 6月・12月

機械的な判定では「額面が円で書かれている」の区分に8社が入りましたが、1社ずつ内容を読み直した結果、額面として扱えるのは4社でした。外した4社は次のとおりです。

外した銘柄 理由
近鉄百貨店(8244) レストラン街の10%割引券。額面ではなく割引率
東京テアトル(9633) 1名1,100円で観覧できる割引。無料ではないため、映画招待券のほうを後半で扱う
ディー・エヌ・エー(2432) 観戦チケット1枚など。枚数表記で額面がない
西日本鉄道(9031)/松竹(9601) 宿泊20%割引のカード/80ポイント。1ポイントの価値が示されていない

この4社を外した結果が、上の一覧です。額面として扱えるものだけを残しているので、表の金額はそのまま受け取れる金額になります。

【1位】サン・ライフホールディング(7040)3.08%

97,400円で年3,000円分
スタンダード/サービス業 権利確定:3月 継続保有の条件なし

神奈川県を地盤に冠婚葬祭、ホテル、レストラン、介護を手がける会社です。3月末の株主にグループ施設利用券(1枚1,000円相当)が3枚届きます。

ただしこの優待は選択制です。施設利用券3枚か、オリジナルスパークリングワインの引換券1枚か、どちらかを選ぶ形になっています。今回の3,000円は施設利用券を選んだ場合の金額です。

投資額9万7,400円は今回の17社で最も小さく、10万円を切っている唯一の銘柄です。このほかにホテル宿泊50%引き・飲食10%引きの優待券なども同時に届きますが、割引率だけで額面がないため利回りには含めていません。

【2位】うかい(7621)2.59%

347,000円で年9,000円分
スタンダード/小売業 権利確定:9月 継続保有の条件なし

高級料亭「うかい亭」と「箱根ガラスの森美術館」を運営する会社です。9月末の株主に「箱根ガラスの森」の入場招待券が5枚届きます。

1枚あたり1,800円相当と明記されているため、年間9,000円相当として計算できます。施設の優待で1枚あたりの円が示されているのは珍しく、今回の39社の中でもこの銘柄だけです。

有効期間は1月1日から翌年2月末日までと案内されています。5枚あるので、同伴者と一緒に使える点も枚数の多さが効いてきます。投資額は34万7,000円です。

【3位】イオンファンタジー(4343)1.44%

277,300円で年4,000円分
プライム/サービス業 権利確定:2月・8月 継続保有の条件なし

イオンモールなどに入る室内遊園地「モーリーファンタジー」を運営する会社です。2月末と8月末の株主に、それぞれ2,000円相当の施設利用優待券が届きます。年間では4,000円相当です。

「施設利用優待券」という名前のまま金額が円で書かれている、分かりやすい形です。入場料ではなく施設内での利用に充てる形になります。

年2回の権利確定なので、片方だけ保有していても半分は受け取れます。2月末と8月末という組み合わせは、3月・9月に集中しがちな優待の中では分散の選択肢になります。

【4位】藤田観光(9722)0.69%

290,100円で年2,000円分
プライム/サービス業 権利確定:6月・12月 継続保有の条件なし

「ワシントンホテル」「箱根小涌園ユネッサン」「太閤園」などを運営する会社です。6月末と12月末にそれぞれ1,000円相当の共通優待券が届きます。

🔴 この優待は「値引き」型です。宿泊基本使用料、飲食料金、入場料金から額面が差し引かれる形で、1枚あたり10名まで適用されると案内されています。入場料が額面より安い施設では、差額は戻ってきません。

2025年11月に株式分割と株主優待制度の変更が開示されています。権利確定が6月末と12月末なので、3月・9月とは別の時期に権利を取れます。

額面が円で書かれているのは39社中4社だけ

このテーマを調べていて最初に突き当たるのがここです。施設利用の優待は、金額ではなく枚数で書かれるのが普通でした。

書かれ方 社数 扱い
額面が円で書かれている 4社 実質利回りを計算できる
「◯枚」としか書かれていない 12社 この記事の後半で扱う
「◯%割引」だけ 3社 使う金額で得する額が変わる
抽選・申込・記念 5社 確実にもらえない
継続保有が条件 1社 買った年はもらえない

理由は優待の性質にあります。クオカードやギフト券は「額面の書かれた金券」を配るので、券面に円が印刷されています。一方で施設の優待は「入場そのもの」を配るため、企業側に金額を書く必要がありません。

入場料は施設側がいつでも改定できますし、大人と子ども、平日と休日でも変わります。券面に金額を印刷してしまうと、料金改定のたびに券を刷り直すことになります。「無料入場券」と書いておけば、料金がいくらに変わっても使えます。

🔵 企業にとって合理的な書き方が、株主にとっては利回りを計算できない形になっている、というのがこのテーマの構造です。

無料入場券・招待券がもらえる13社

ここからがこの記事の中心です。金額は書かれていませんが、施設に無料で入れる券が届く13社を、投資額の小さい順に並べます。

銘柄(コード) 投資額 もらえるもの 権利確定
① グリーンランドリゾート(9656) 60,000円 遊園地などの無料入場券 2枚(年4枚) 6月・12月
② ルネサンス(2378) 104,600円 スポーツクラブの施設利用優待券 2枚(年4枚) 3月・9月
③ ビジョン(9416) 104,800円 グローバルWiFi・グランピング施設の利用券 各2枚(年4枚) 6月・12月
④ セキ(7857) 129,100円 「セキ美術館」招待券 2枚(年4枚) 3月・9月
⑤ サンリオ(8136) 130,500円 ピューロランド・ハーモニーランド共通優待券 1枚(年2枚・電子化) 3月・9月
⑥ 東宝(9602) 156,100円 映画招待券 1枚 8月
⑦ 東京テアトル(9633) 190,100円 映画招待券 4枚(年8枚) 3月・9月
⑧ 山陽電気鉄道(9052) 202,500円 「須磨浦山上遊園」招待券 2枚(年4枚)ほか 3月・9月
⑨ 秩父鉄道(9012) 211,200円 「宝登山小動物公園」特別入場券 5枚/「長瀞ライン下り」50%割引券 5枚 3月
⑩ 飯田グループホールディングス(3291) 234,500円 「江の島アイランドスパ」温泉・プールエリア利用券 4枚 3月
⑪ ひろぎんホールディングス(7337) 238,950円 「ひろしま美術館」招待券 2枚 3月
⑫ 武蔵野興業(9635) 255,600円 新宿武蔵野館の映画無料優待券 4枚/映画割引優待券 8枚 3月・9月
⑬ 東武鉄道(9001) 297,650円 東武動物公園入園料無料券 3枚/東武博物館入館料無料券 5枚ほか 3月

投資額が最も小さいのはグリーンランドリゾート(9656)の60,000円です。6月末と12月末にそれぞれ無料入場券が2枚、年間で4枚届きます。遊園地のほかにスキー場の4時間リフト券、パークゴルフ場、温泉の入浴券としても使えると案内されています。

🔵 この13社のうち3社が映画館の優待です。東宝(9602)は招待券1枚、東京テアトル(9633)は4枚(年8枚)、武蔵野興業(9635)は新宿武蔵野館の無料優待券4枚に加えて割引優待券8枚が届きます。枚数で見ると、投資額が大きいほど枚数も増えるという関係にはなっていません。

🔴 サンリオ(8136)の共通優待券は電子化されています。紙の券が郵送で届く形ではないため、受け取り方が他社と違います。2026年2月に株式分割と優待制度の変更が開示されているので、購入前に最新の内容を確認してください。

東武鉄道(9001)は100株の場合、グループ優待券が3月末の1回だけ、1冊届きます。中身は東武動物公園の入園料無料券3枚、東武博物館の入館料無料券5枚、東京スカイツリーの当日券30%割引券5枚などです。100株でも無料券が8枚入っている点で、この一覧の中では枚数が多いほうにあたります。

「無料入場券2枚」を自分で利回りに直す手順

この記事では、入場券の金額をこちらで書くことはしていません。入場料は施設側が改定しますし、大人と子ども、平日と休日でも変わるためです。記事に書いた金額は、書いた瞬間から古くなっていきます。

代わりに、自分で確認して利回りに直す手順を置いておきます。数分で終わります。

入場券を利回りに直す4ステップ

施設の公式サイトで「大人1名の入場料」を調べる(優待を出している企業の公式サイトから施設ページへ行くのが確実)
年間の枚数を掛ける(「2枚(年間4枚)」なら4枚。年1回の銘柄は年1回分のまま)
③ 投資額(株価×100株)で割って100を掛ける
そこへ「自分が1年に何回行くか」を掛ける

④がいちばん大事です。年4枚もらえても、その施設に年1回しか行かないなら、価値になるのは1枚ぶんです。

この点で有利なのは、同伴者と一緒に使える券です。山陽電気鉄道(9052)の須磨浦山上遊園の招待券、秩父鉄道(9012)の宝登山小動物公園の特別入場券のように、複数枚まとめて届くものは1回の来場で複数枚を消化できます。

逆に東宝(9602)の映画招待券のように年1枚のものは、その1回だけで完結します。枚数が少ないぶん、確実に使い切れるという見方もできます。

額面がなくても選ばれている優待がある

今回の17社に入れていないものの中にも、施設が絡む優待があります。性質が違うので分けて扱いました。

銘柄(コード) 内容 17社に入れていない理由
NEW ART HOLDINGS(7638) 軽井沢ニューアートミュージアムの無料観覧券 1株以上が条件。100株を持たなくても対象になる
高島屋(8233) 有料文化催に3名まで無料で入場 優待カードの提示で使う形。回数の記載がない
毎日コムネット(8908) 福利厚生サービスの1年間会員利用権 会員価格で使える権利。無料ではない
ドリームベッド(7791) 全国20万軒以上の提携施設を優待価格で利用 割引の会員サービス
近鉄グループホールディングス(9041) ハルカス300の入場優待券など 最低保有期間の要件が設定された

🔵 NEW ART HOLDINGS(7638)は条件が「1株以上」と書かれています。100株に届かない資金でも対象になる、この分野では珍しい設計です。単元未満株で買える優待は単元未満株でもらえる株主優待にまとめています。

毎日コムネット(8908)とドリームベッド(7791)は、どちらも「提携施設を会員価格で使える」という型です。無料で入れるわけではないので、割引券に近い性質になります。同じ構造の優待は割引券の株主優待10選で扱っています。

買った年にはもらえない1社がある

施設利用の優待では、継続保有を条件にしている企業が1社ありました。これは今回の39社のうち約3%にあたります。

書かれ方 意味
【1年未満保有】1,000円 /【1年以上保有】3,000円 買った年から1,000円分もらえる
【1年以上保有】3,000円相当 買った年はもらえない
【初年度】3,000円 /【2年目以降】3,500円 買った年から3,000円分もらえる
備考に「◯年以上継続保有した株主に限る」 内容欄ではなく備考にしか書かれていないことがある

見分け方は「未満」または「初年度」という言葉があるかどうかです。「1年未満保有」や「初年度」という区分が用意されていれば、買った年から何かはもらえます。「1年以上保有」しか書かれていなければ、初年度は対象外です。

🔴 近鉄グループホールディングス(9041)は、2026年9月末を基準日とする制度から最低保有期間の要件が入りました。同じ株主番号で3月末と9月末の両方に記録されていることが条件になります。買ってすぐの権利確定日には届きません。仕組みは長期保有優遇とは?で詳しく解説しています。

権利確定月は3月と9月に集中している

施設利用の優待を出している39社の権利確定月を数えると、3月と9月に偏っています。

権利確定月 社数 分布
3月 20社 ■■■■■■■■■■■■■■
9月 16社 ■■■■■■■■■■■
12月 6社 ■■■■
8月 6社 ■■■■
2月 5社 ■■■■
6月 3社 ■■
5月 2社
10月 1社

3月と9月だけで、のべ36社に達します。この2か月に買いが集中するため、権利付最終売買日に向けて株価が上がり、権利落ち日に下がる動きが出やすくなります。

今回の17社では、藤田観光(9722)とグリーンランドリゾート(9656)、ビジョン(9416)の6月・12月が3月・9月を避けた選択肢になります。イオンファンタジー(4343)の2月・8月、東宝(9602)の8月も、権利確定を分散させたいときの候補です。いつ買えばよいかは権利確定日とは?で整理しています。

ほかの施設利用優待を探す

今回の記事で扱ったのは該当した4社です。残りの銘柄は投資額や権利確定月で絞り込めるようにしてあります。

条件で絞り込む

100株で買える株主優待の検索ページ
優待の種類・投資額・権利確定月・業種で絞り込めます。
「施設利用」のカテゴリを押すと、該当する銘柄だけが表示されます。

投資額を10万円以下に限定したい場合は投資金額10万円以下の株主優待、100株に届かない資金で始めたい場合は単元未満株でもらえる株主優待もあります。

自分の条件で総合利回りを計算する

株価は毎日動くので、この一覧の利回りも日々変わります。いま検討している銘柄の数字を入れて計算できるツールを置いておきます。配当も合わせた総合利回りが出ます。

株主優待の総合利回り計算ツール

株価と優待額を入れると、優待利回り・配当利回り・その合計を同時に計算します。数値を変えるとその場で計算し直します。





投資額 97,400円
年間の優待額 3,000円
年間の配当額(税引前) 3,000円
優待利回り 3.08%
配当利回り 3.08%
総合利回り 6.16%

優待と配当を合わせた総合利回りが3%を超えると、高めの水準にあたります。

※ 優待利回り=年間の優待額÷投資額×100 / 配当利回り=1株あたり配当×株数÷投資額×100
※ 配当は税引前です。実際には約20.315%が源泉徴収されます。優待の金額換算は自分にとっての価値で見積もってください。

初期値はサン・ライフホールディング(7040)の株価と優待額を入れてあります。「無料入場券2枚」のような優待を計算したいときは、公式サイトで大人1名の入場料を調べて、枚数を掛けた金額を優待額の欄に入れてください。

施設利用の優待で失敗する4つの理由

ここまで実質利回りで並べてきましたが、この数字だけで銘柄を選ぶと外します。理由は4つあります。

理由① 優待は企業の判断でいつでも廃止できる

株主優待は法律で義務づけられた制度ではありません。企業が「やめます」と発表すればその時点で終わります。

今回調べた1,653社のうち、優待の廃止や見送りを開示していた企業が11社ありました。直近では2026年8月24日にコンヴァノ(6574)、2026年2月13日にザ・パック(3950)が廃止を開示しています。

このテーマに固有の注意点は、優待そのものが続いていても、施設が閉館・休業すれば価値が消えるという点です。東京テアトルは備考に「閉店・休業等により優待対象事業所が変更となる可能性がある」と明記しています。優待の廃止だけでなく、施設側の事情も見ておく必要があります。

理由② 実質利回りは株価が下がると自動的に上がる

実質利回りは「年間の額面 ÷ 投資額」で計算します。優待の金額は固定なので、株価が下がるほど利回りは自動的に上がります。

株価 投資額(100株) 9,000円相当の利回り
9,000円 900,000円 1.00%
3,470円 347,000円 2.59%
1,800円 180,000円 5.00%

サン・ライフホールディング(7040)が3.08%になっているのは、額面が3,000円と大きいからではなく、投資額が9万7,400円と小さいからです。株価が半分になれば利回りは2倍に見えます。

優待をもらうために、株価の下落でそれ以上を失っては意味がありません。利回りが極端に高い銘柄を見つけたときは、まず「なぜ株価がここまで下がっているのか」を業績で確認してください。

理由③ 行ける場所になければ価値は0円になる

施設の優待に固有の問題がこれです。クオカードは全国どこでも使えますが、入場券は場所が固定されています。

「箱根ガラスの森」は箱根、「新宿武蔵野館」は新宿、「ひろしま美術館」は広島、「江の島アイランドスパ」は江の島にあります。施設名にそのまま地名が入っているものが多く、行ける距離にあるかどうかで価値が完全に変わります。

額面9,000円の招待券が5枚あっても、片道の交通費が1回3,000円かかるなら、実際に手元に残る価値はその分だけ小さくなります。

買う前に確認すること

施設が自分の行ける範囲にあるか(交通費を引いても得か)
有効期間はいつからいつまでか(うかいは1月1日〜翌年2月末と案内されている)
同伴者も使えるか(1枚で何名までかは企業ごとに違う)
④ 券は紙で届くか電子か(サンリオは電子化されている
⑤ 届くのは権利確定から2〜4か月後

🔵 この点で扱いやすいのは、施設が全国にあるものと、映画館の優待です。イオンファンタジー(4343)の「モーリーファンタジー」はイオンモールに入っているため、行ける範囲にある人が多くなります。

逆にセキ美術館の招待券や江の島アイランドスパの利用券は、その場所に行く前提がないと使えません。優待の内容より先に、地図で場所を確認しておくほうが確実です。

理由④ 優待は原則として課税の対象になる

株主優待は税務上、原則として雑所得として扱われます。「優待は非課税」という説明を見かけることがありますが、正確ではありません。

給与所得者の場合、給与以外の所得の合計が年20万円以下であれば確定申告が不要という基準があります。優待だけで年20万円を超えることはまれなので、結果として申告不要になっている人が多い、というのが実態に近いです。

ただし他に副収入がある場合は合算で判定されます。また住民税には20万円の基準がないため、自治体によって扱いが異なります。優待の金額換算は優待利回りとは?でも触れています。

施設利用の株主優待に関するよくある質問

なぜ施設利用の優待は利回りランキングにあまり出てこないのですか
額面が円で書かれていないためです。39社を調べたところ、金額が明記されていたのは4社だけで、12社は「無料入場券2枚」のような枚数表記でした。利回りが計算できないので、金額順のランキングには載せようがありません。
「無料入場券2枚」は何円と考えればよいですか
施設の公式サイトで大人1名の入場料を調べて、年間の枚数を掛けてください。入場料は施設側が改定しますし、大人と子ども、平日と休日でも変わるため、この記事では金額を書いていません。そのうえで「自分が1年に何回行くか」を掛けると、実際に受け取る価値に近づきます。
東武鉄道や近鉄グループの優待は100株でもらえますか
東武鉄道(9001)はもらえます。100株の場合はグループ優待券が3月末の1回だけ1冊届き、東武動物公園の入園料無料券3枚などが入っています。近鉄グループホールディングス(9041)は2026年9月末を基準日とする制度から最低保有期間の要件が入ったため、買った年には届きません。
サンリオの優待券は紙で届きますか
電子化されています。ピューロランドとハーモニーランドの共通優待券が1枚(年2枚)という内容で、紙の券が郵送される形ではありません。2026年2月に株式分割と優待制度の変更が開示されているので、購入前に最新の内容を確認してください。
招待券は同伴者も使えますか
企業ごとに違います。1枚で1名のものもあれば、秩父鉄道(9012)の長瀞ライン下り割引券のように複数名に適用されるものもあります。枚数が複数枚まとめて届く銘柄は、1回の来場で複数枚を消化できるため使い切りやすくなります。
有効期間はどれくらいですか
半年から1年強が一般的です。うかい(7621)は1月1日から翌年2月末日まで、東京テアトル(9633)は前半3か月ぶんと後半3か月ぶんに分かれた綴りで届くと案内されています。切り離すと無効になるものもあるため、届いたら期限を先に確認してください。
権利確定日の直前に買っても優待はもらえますか
権利付最終売買日までに買えばもらえます。これは権利確定日の2営業日前です。ただし39社のうち1社は継続保有が条件で、権利日だけ持っていても届きません。
優待だけを狙って権利日前後で売買する方法はありますか
現物買いと信用売りを同時に行うクロス取引という手法があります。ただし施設の優待は「行けるかどうか」で価値が決まるため、取得コストをかけて取っても使えなければ意味がありません。仕組みと費用はクロス取引とは?で解説しています。

まとめ

施設利用の株主優待を、額面が明記された4社と、無料入場券がもらえる13社に分けて整理しました。このテーマは、利回りが計算できない銘柄のほうが数も中身も多いという点が要点です。

この記事のポイント

・施設利用の優待を100株で出しているのは39社
・そのうち額面が円で書かれているのは4社だけ
12社は「無料入場券◯枚」という枚数表記で利回りが出せない
・企業が金額を書かないのは入場料が改定されるためという合理的な理由がある
・投資額が最も小さいのはグリーンランドリゾート(9656)の60,000円
1社が継続保有を条件にしている
行ける場所になければ価値は生まれないという、この分野に固有の注意点

施設利用の優待は、利回りの数字より「その施設に行くかどうか」で価値が決まります。枚数と施設名を確認して、公式サイトで入場料と場所を見てから買うと、失敗が減ります。

他の種類の優待と比べたい場合は旅行・ホテルの株主優待10選割引券の株主優待10選クオカード優待株10選、条件で絞り込みたい場合は100株で買える株主優待の検索ページをご覧ください。

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