単元株数とは、株式を売買するときの最低単位のことです。現在、日本の上場企業はすべて100株に統一されています。

この「統一」は当たり前のことではありません。2018年10月1日より前は、1株から2,000株まで8種類の単元株数が混在していました。

この記事では、その経緯と、最低投資金額の考え方までを整理します。

この記事でわかること

・なぜ100株に統一されたのか
・最低投資金額の計算方法
・100株買えないときの選択肢
・単元未満株で失う権利と失わない権利
・株式分割で単元株数はどうなるか

単元株数とは

単元とは「まとまり」という意味です。取引所では1株単位ではなく、この単元を最小単位として売買します。

項目 内容
現在の単元株数 全上場会社が100株
統一された日 2018年10月1日
決める方法 会社の定款で定める(法律上の上限は1,000株かつ発行済株式総数の200分の1)
1単元が持つもの 議決権1個

※ 出典:日本取引所グループ「売買単位の統一」(2026年8月時点)

「100株持って初めて1人前の株主になる」と考えると分かりやすくなります。議決権が与えられるのは1単元ごとだからです。

なぜ100株に統一されたのか

かつては会社ごとに単元株数がバラバラでした。投資家は銘柄を見るたびに「この会社は何株単位か」を確認する必要があったのです。

時期 状況
2007年以前 1株・10株・50株・100株・200株・500株・1,000株・2,000株の8種類が混在
2007年〜 全国の証券取引所が100株・1,000株への集約を目指す方針を公表
2014年4月 100株と1,000株の2種類に集約
2018年10月1日 すべて100株に統一
統一による3つの効果
分かりやすさ
確認の手間が消えた
誤発注の防止
桁を間違える事故が減る
システムの効率化
取引所・証券会社の負担減

最低投資金額の計算

最低投資金額 = 株価 × 100株
これに売買手数料が加わる
株価 最低投資金額
500円 50,000円
1,500円 150,000円
5,000円 500,000円
20,000円 2,000,000円

株価が高い銘柄は、1単元を買うだけで数百万円かかることがあります。これが個人投資家にとって最大の障壁になってきました。

東証は「5万円以上50万円未満」を求めている

ここは意外に知られていない点です。東京証券取引所は上場会社に対し、投資単位を5万円以上50万円未満に維持することが望ましいとしています。

投資単位 評価 会社が取りうる対応
50万円以上 高すぎる(個人が買いにくい) 株式分割で下げる
5万〜50万円 望ましい水準
5万円未満 低すぎる 株式併合で上げる

株価が上がった企業が株式分割を発表するのは、この要請に応えるためです。「株主を増やしたい」という意図の背景には、取引所からの継続的な働きかけがあります。

100株買えないときの選択肢

資金が足りない場合でも、投資をあきらめる必要はありません。

方法 買える単位 注意点
単元未満株(ミニ株) 1株から 議決権がない/取引時間に制限がある
ETF 1口から(数千円〜) 個別銘柄ではなく指数に連動する
投資信託 100円から 信託報酬がかかる
株価の低い銘柄を選ぶ 100株 株価の安さと企業の良し悪しは無関係

単元未満株で失う権利・失わない権利

単元未満株は手軽ですが、1単元の株主と完全に同じ扱いにはなりません。

得られるもの
配当金(株数に応じて)
・株式分割による増加
・売却して利益を得る権利
得られないもの
議決権
・多くの株主優待
・リアルタイムの価格指定

株主優待は「100株以上」を条件とする企業がほとんどです。優待目的なら、単元未満株を買い増して100株にそろえる必要があります。

約定タイミングにも制約がある

単元未満株は板取引ではないため、指値注文ができないのが一般的です。「1日1回」「1日数回」など証券会社が決めたタイミングで約定します。値動きが激しい日は、想定と違う価格で約定することがあります。

株式分割・株式併合との関係

単元株数は変わりませんが、必要な資金は変わります。

  株式分割(1→2) 株式併合(2→1)
株価 理論上は半分になる 理論上は2倍になる
保有株数 2倍になる 半分になる
単元株数 100株のまま 100株のまま
最低投資金額 下がる 上がる
資産価値 どちらも変わらない

株式併合では、100株しか持っていない人が50株になり、単元未満株主になってしまうことがあります。この場合、議決権や優待を失う可能性があるため、発表内容をよく確認してください。

単元株数はどこで確認するか

場所 内容
証券会社の銘柄情報 「売買単位」として表示される
企業のIRページ 株式情報のページに記載
日本取引所グループ 上場会社一覧で確認できる

現在はすべて100株なので、原則として確認は不要です。ただし新規上場の直後や、外国株・ETFでは単位が異なる場合があります。

単元株制度が持つもう一つの意味

単元株数は、投資家にとっての最低単位であると同時に、会社にとっては「株主の数を管理する仕組み」でもあります。

会社側の事情 内容
株主管理コスト 株主が増えるほど招集通知の発送などの費用が増える
上場維持基準 株主数が基準を下回ると上場廃止のおそれ
流動性の確保 買いやすい価格帯にすると売買が活発になる

プライム市場では株主数800人以上、スタンダードでは400人以上、グロースでは150人以上という上場維持基準があります。株式分割で買いやすくすることは、株主数を増やして基準を満たす手段でもあるのです。

単元株数に関する注意点

① 最低投資金額の安さで選ばない

株価が安い=割安ではありません。株価の水準と企業価値はまったく別の話です。買いやすさだけで銘柄を決めないでください。

② 単元未満株は手数料率が高いことがある

1回あたりの金額が小さいため、手数料の比率が相対的に大きくなりがちです。少額を頻繁に売買すると、コストが利益を圧迫します。

③ 分割の発表で株価が動く

株式分割は理論上、資産価値を変えません。それでも「買いやすくなる」という期待から発表直後に上昇することがあります。実態と期待を混同しないでください。

④ 外国株・ETFは単位が違う

米国株は1株から購入できます。ETFも銘柄ごとに売買単位が異なります。「日本株は100株」という前提をそのまま当てはめないでください。

※ 本記事は用語と制度の解説であり、特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

単元株数に関するよくある質問

単元株数は銘柄によって違いますか?
現在はすべての上場会社が100株で統一されています。2018年10月1日以前は1株から2,000株まで8種類が混在していましたが、投資家の利便性と誤発注の防止のために統一されました。
100株買えない場合はどうすればいいですか?
単元未満株(ミニ株)なら1株から購入できます。またETFや投資信託であれば少額から投資できます。ただし単元未満株には議決権がなく、多くの株主優待も受けられない点に注意してください。
単元未満株でも配当はもらえますか?
もらえます。配当は保有株数に応じて支払われるため、1株でもその分だけ受け取れます。一方で議決権は1単元ごとに与えられるため、100株に満たない場合は行使できません。
なぜ株式分割をする企業があるのですか?
最低投資金額を下げて買いやすくするためです。東証は上場会社に対し投資単位を5万円以上50万円未満に維持することが望ましいとしており、株価が上昇した企業は分割で調整します。株主数を増やして上場維持基準を満たす狙いもあります。
株式分割で単元株数は変わりますか?
変わりません。単元株数は100株のままで、保有株数のほうが分割比率に応じて増えます。結果として1単元あたりの金額が下がり、買いやすくなります。保有資産の価値そのものは変わりません。
株式併合で100株が50株になったらどうなりますか?
単元未満株主となり、議決権を行使できなくなります。株主優待の条件も満たさなくなる可能性があります。会社に買取請求をするか、買い増して1単元にそろえるかの判断が必要です。
単元株数はどこで確認できますか?
証券会社の銘柄情報に「売買単位」として表示されます。企業のIRページや日本取引所グループの上場会社一覧でも確認できます。国内の上場株式は現在すべて100株なので、通常は確認不要です。
米国株も100株単位ですか?
違います。米国株は1株から購入できます。日本の単元株制度は国内の取引所独自の仕組みであり、海外市場には当てはまりません。ETFについても銘柄ごとに売買単位が異なります。

まとめ

単元株数は「100株」と覚えておけば、日常の売買では困りません。大切なのはその先——買いやすさで銘柄を選ばないことと、単元未満株では議決権を持てないことです。

この記事のまとめ

・単元株数=売買の最低単位。現在は全上場会社が100株
・2018年10月1日に統一(それ以前は8種類が混在)
・最低投資金額=株価×100株
・東証は投資単位5万円以上50万円未満を望ましいとしている
・単元未満株なら1株から買えるが議決権はない
・株主優待は「100株以上」が条件の企業がほとんど
・株式分割・併合をしても単元株数は100株のまま

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