ギフト券の株主優待10選|100株の実質利回りランキング2026年版

2026年9月時点で、100株でギフト券がもらえるのは139社です。そのうち発行企業以外でも使える金券に絞ると22社になります。

ギフト券の優待は「商品券」という同じ呼び名でも、中身がまったく違います。Amazonギフトカードに交換できる券と、その会社の店でしか使えない券が、どちらも「商品券」として一覧に並んでいます。

この記事は株主優待を出している1,653社を1社ずつ確認して作りました。データはすべて2026年9月時点のもので、次に当てはまるものは外しています。

外したもの 理由
継続保有が条件のもの 買った年にはもらえない
抽選・先着・申込が条件のもの 株を持っているだけではもらえない
周年記念・上場記念の優待 今回限りで、翌年はもらえない
「◯枚」としか書かれていない券 1枚がいくらか分からず、利回りを計算できない
100株では対象外のもの 500株や1,000株から、という設定になっている

ギフト券の株主優待を出している企業は139社ありましたが、上記の条件で調べると、買った年から額面をそのまま使えるのは22社となった形です。

この記事でわかること

実質利回り上位10社を1社ずつ解説
実質利回り11〜22位の12社
デジタルギフトが急増している理由と注意点
・発行グループの店でしか使えない商品券10社
買った年はもらえない41社の存在
・権利確定月の偏り(3月と9月に集中
・優待と配当を合わせた総合利回りを計算できるツール

※ この記事は制度とデータの解説であり、特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。優待の内容は変更されることがあるため、購入前に各社のIR情報で確認してください。

今回のランキングの決め方

今回の順位に関しては以下の条件のもとで計算してランキング化した形です。

項目 条件
銘柄数 株主優待を出している1,653社を1社ずつ確認
株数 100株(最低単元)でもらえるものだけ
保有期間 買ったその年からもらえるものだけ
券の性質 発行企業以外でも使える金券だけ
実質利回り 年間の額面 ÷(株価×100株)×100
株価 2026年9月1日の終値

139社を機械的に判定したあと、利回りが高い順に1社ずつ内容を読み直しています。判定の内訳は次のとおりです。

判定 社数 扱い
額面が円で書かれている 68社 上から順に目視で検算
継続保有が条件 41社 買った年はもらえない
内容が特定できない 23社 個別に読み直して振り分け
抽選・申込・記念 4社 確実にもらえないため除外
「◯枚」としか書かれていない 3社 利回りが出せないため対象外

他の株主優待サイトの一覧と最も違うのは、自社の店でしか使えない商品券を分けている点です。「商品券3,000円分」と書いてあっても、その会社の通販サイトでしか使えないなら、現金に近い金券とは価値が違います。

ギフト券の優待株10選

実質利回りの上位10社です。すべて100株・買った年からもらえる・発行企業以外でも使えるという条件を満たしています。

銘柄(コード) 投資額 年間の額面 実質利回り 権利確定
① メディア工房(3815) 42,900円 4,000円 9.32% 2月・8月
② ANAPホールディングス(3189) 12,100円 1,000円 8.26% 2月・8月
③ I-ne(4933) 144,700円 10,000円 6.91% 6月・12月
④ ステムセル研究所(7096) 75,900円 3,000円 3.95% 3月
⑤ イルグルム(3690) 57,700円 2,000円 3.47% 3月・9月
⑥ ナイル(5618) 29,000円 1,000円 3.45% 12月
⑦ イー・ガーディアン(6050) 181,400円 5,000円 2.76% 9月
⑧ FPパートナー(7388) 232,900円 6,000円 2.58% 5月・11月
⑨ ソケッツ(3634) 60,100円 1,500円 2.50% 3月
⑩ アイナボホールディングス(7539) 81,800円 2,000円 2.44% 3月・9月

10社のうち8社がデジタルギフトです。紙のギフトカードを郵送する形から、交換先を株主が選ぶ電子方式へ移りつつあります。この変化は後半で詳しく扱います。

【1位】メディア工房(3815)9.32%

42,900円で年4,000円分
グロース/情報・通信業 権利確定:2月・8月 継続保有の条件なし

スマートフォン向けの占いコンテンツなどを手がける会社です。2月末と8月末にそれぞれ2,000円分のデジタルギフトが届きます。

A群22社の中で唯一9%を超えています。1年以上保有すると1回あたり2,500円に増えますが、買った年から2,000円分をもらえます。2026年1月9日に中間優待を新設したばかりで、それまでは年1回でした。

🔴 注意点は受取手続きに期限があることです。「株主優待のご案内」に沿ってWEB上で品目を選ぶ方式で、選択期間を過ぎると受け取れなくなると明記されています。届いた案内を放置すると、権利は取れているのに1円も受け取れません。

【2位】ANAPホールディングス(3189)8.26%

12,100円で年1,000円分
スタンダード/小売業 権利確定:2月・8月 継続保有の条件なし

アパレルのECを手がける会社です。2月末と8月末にそれぞれ500円分のデジタルギフトが届きます。

株価が121円のため、100株の投資額は12,100円です。金額は年1,000円と小さいものの、投資額に対する比率では8%台になります。

この会社はデジタルギフトのほかに、自社ECサイトのポイント3,000ポイントも配っています。ただしポイントは「商品購入価格の50%を上限」という条件付きで、額面をそのまま使えるわけではありません。今回の利回りにはデジタルギフトの1,000円だけを含めています。

【3位】I-ne(4933)6.91%

144,700円で年10,000円分
プライム/化学 権利確定:6月・12月 継続保有の条件なし

ヘアケアブランド「BOTANIST」などを展開する会社です。6月末と12月末にそれぞれ5,000円分のデジタルギフトが届きます。

A群の中で年間の金額が最も大きい銘柄です。交換先として楽天ポイントギフト、Amazonギフトカード、QUOカードPay、PayPayマネーライト、dポイント、au PAY ギフトカードなどが挙げられており、選択肢が広く取られています。

2025年8月と11月、2026年5月と、1年のうちに3回も優待制度の変更を開示しています。拡充と分割実施が続いているため、購入前に最新の内容を確認しておきたいところです。

【4位】ステムセル研究所(7096)3.95%

75,900円で年3,000円分
グロース/サービス業 権利確定:3月 継続保有の条件なし

さい帯血の民間バンクを運営する会社です。3月末の株主に3,000円分のデジタルギフトが届きます。

2025年11月12日に優待制度を新規導入したばかりの銘柄です。交換先にはAmazonギフトカード、PayPayマネーライト、dポイント、Apple Gift Card、Google Playギフトコードなどが並びます。

贈呈時期は権利確定日から3か月以内と明記されています。優待の到着が半年後になる銘柄も多い中では、受け取りまでが早い部類に入ります。

【5位】イルグルム(3690)3.47%

57,700円で年2,000円分
スタンダード/情報・通信業 権利確定:3月・9月 継続保有の条件なし

広告効果測定システムを提供する会社です。3月末と9月末にそれぞれ1,000円分のデジタルギフトが届きます。

交換先はAmazonギフトカード、PayPayマネーライト、QUOカードPay、dポイント、図書カードNEXT、Uber Eatsギフトカード、Google Playギフトコードなど10種類以上が用意されています。

年2回に分かれているぶん、1回あたりは1,000円と小さめです。デジタルギフトは有効期限が設定されていることが多いため、届いたらすぐ交換してしまうのが確実です。

クオカードの優待と比べたい場合はクオカード優待株10選もあわせてご覧ください。

【6位】ナイル(5618)3.45%

29,000円で年1,000円分
グロース/情報・通信業 権利確定:12月 継続保有の条件なし

自動車のサブスクリプション「おトクにマイカー 定額カルモくん」を運営する会社です。12月末の株主に1,000円分のデジタルギフトが届きます。

2025年5月に優待制度を導入し、2026年5月に一部変更を開示しています。交換先はAmazonギフトカード、Google Playギフトコード、PayPayマネーライト、QUOカードPay、dポイントなどです。

12月末が権利確定日という点は、3月と9月に集中しがちな優待の中では分散の選択肢になります。投資額も3万円弱と手が届きやすい水準です。

【7位】イー・ガーディアン(6050)2.76%

181,400円で年5,000円分
プライム/サービス業 権利確定:9月 継続保有の条件なし

ネット上の投稿監視やカスタマーサポートを請け負う会社です。9月末の株主に5,000円分のデジタルギフトが届きます。

この銘柄は保有期間で金額が変わります。1年未満は5,000円相当、1年以上になると8,000円相当です。今回は買った年にもらえる5,000円で計算しています。

1年保有すれば6割増えるため、続けて持つ前提なら実質利回りは4.4%まで上がります。ただし継続保有の判定は株主番号で行われるため、途中で売ってしまうと数え直しになります。

【8位】FPパートナー(7388)2.58%

232,900円で年6,000円分
プライム/保険業 権利確定:5月・11月 2027年5月分から6か月以上の保有が条件

保険の乗合代理店を全国に展開する会社です。5月末と11月末にそれぞれ3,000円分のデジタルギフトが届きます。

🔴 2026年7月15日に、継続保有要件の追加が開示されました。2027年5月分からは「6か月以上の継続保有」が条件になります。いま買っても、2027年5月の権利確定では条件を満たさない可能性があります。

権利確定が5月と11月という点は、他の銘柄と重なりにくい組み合わせです。ただし要件の変更が入ったばかりなので、購入前に必ず最新のIRで条件を確認してください。

【9位】ソケッツ(3634)2.50%

60,100円で年1,500円分
スタンダード/情報・通信業 権利確定:3月 継続保有の条件なし

音楽や映像の情報を解析する技術を持つ会社です。3月末の株主にタワーレコード・ギフトカード1,500円分が届きます。

デジタルギフトが並ぶ中で、他社のギフトカードを配る珍しい設計です。1年以上保有するとTOHOシネマズ・ギフトカード3,000円相当に変わり、3年以上でその両方がもらえます。

2026年2月6日に優待制度を導入したばかりの銘柄です。買った年はタワーレコードで使える1,500円分になります。

【10位】アイナボホールディングス(7539)2.44%

81,800円で年2,000円分
スタンダード/卸売業 権利確定:3月・9月 継続保有の条件なし

住宅設備やタイルの商社です。3月末と9月末にそれぞれ1,000円分のデジタルギフトが届きます。

2026年1月30日に中間優待を新設し、2026年8月25日には優待品目の変更を開示しています。年2回に増えたのは最近のことです。

贈呈は権利確定から3か月以内と明記されています。

【11位〜22位】1%台から2%台の12社

11位以下も条件は同じです。図書カードやJCBギフトカードなど、デジタルギフト以外の券もここに入ります。

銘柄(コード) 投資額 年間の額面 利回り もらえるもの
⑪ エクスモーション(4394) 65,300円 1,500円 2.30% デジタルギフト
⑫ ユーザーローカル(3984) 146,300円 3,000円 2.05% デジタルギフト
⑬ ALiNKインターネット(7077) 98,700円 2,000円 2.03% デジタルギフト
⑭ サイバー・バズ(7069) 53,200円 1,000円 1.88% デジタルギフト
⑮ KPPグループホールディングス(9274) 108,500円 2,000円 1.84% 図書カード
⑯ FCE(9564) 56,300円 1,000円 1.78% デジタルギフト
⑰ ブロードエンタープライズ(4415) 140,400円 2,000円 1.42% デジタルギフト
⑱ アサンテ(6073) 151,700円 2,000円 1.32% JCBギフトカード
⑲ ARアドバンストテクノロジ(5578) 88,700円 1,000円 1.13% Amazonギフトカード
⑳ カンダホールディングス(9059) 91,500円 1,000円 1.09% 図書カード
㉑ アイキューブドシステムズ(4495) 200,600円 2,000円 1.00% デジタルギフト
㉒ ナガワ(9663) 509,000円 5,000円 0.98% デジタルギフトボックス

この中で目を引くのは図書カードとJCBギフトカードです。KPPグループホールディングス(9274)とカンダホールディングス(9059)は図書カード、アサンテ(6073)はJCBギフトカードを配っています。JCBギフトカードは全国のJCB加盟店で使えるため、金券としての使い勝手はこの一覧で最も広い部類です。

デジタルギフトが急増している理由

今回の22社のうち、デジタルギフトが16社を占めます。紙の商品券やギフトカードを郵送する形は少数派になりました。

観点 内容
企業側の理由 印刷・郵送のコストが消える。株主数が増えても負担が増えない
株主側の利点 Amazon・PayPay・dポイントなどから選べる。使い道が広い
株主側の注意点 受取手続きに期限がある。放置すると失効する
必要なもの スマートフォンまたはパソコンとメールアドレス

最も大きな違いは「届いたら終わり」ではないことです。紙のギフトカードは郵便で届いた時点で受け取りが完了しますが、デジタルギフトは案内に従って自分で交換手続きをしないと1円も受け取れません。

メディア工房(3815)の案内には「選択期間を過ぎた場合は受取手続きが出来なくなる」と明記されています。権利は取れているのに受け取り損ねる、という失敗はデジタルギフト特有のものです。

また交換先は企業が指定した中からしか選べません。「Amazonギフトカードがもらえる」と書かれていても、実際には交換先の候補に含まれているという意味であり、候補は変更されることがあります。

発行グループの店でしか使えない商品券10社

「商品券」という名前でも、その会社やグループの店でしか使えない券があります。額面は同じでも、金券としての価値は変わります。

銘柄(コード) 投資額 年間の額面 利回り 使える場所
北の達人コーポレーション(2930) 12,900円 3,000円 23.26% 北の達人の通販サイト
CaSy(9215) 99,500円 8,000円 8.04% CaSyの家事代行・ハウスクリーニング
ソフィアホールディングス(6942) 146,200円 6,000円 4.10% キル フェ ボン全国11店舗とWEBストア
三共生興(8018) 85,100円 3,000円 3.53% DAKS公式オンラインショップ
リソルホールディングス(5261) 772,000円 20,000円 2.59% リソルグループの施設
アップガレージグループ(7134) 137,300円 3,000円 2.18% アップガレージの店舗
和心(9271) 96,700円 2,000円 2.07% 和心の店舗
丸善CHIホールディングス(3159) 40,000円 500円 1.25% 丸善・ジュンク堂など
エディオン(2730) 249,100円 3,000円 1.20% エディオンの店舗
セブン&アイ・ホールディングス(3382) 204,650円 2,000円 0.98% セブン‐イレブン・イトーヨーカドー等

この中で利回りが最も高いのは北の達人コーポレーション(2930)の23.26%です。ただしこれは自社の通販サイト限定の商品券で、1商品の購入につき1枚しか使えません。同社は商品そのもの(7,370円相当の美容液)との選択制にもなっています。

一方でセブン&アイ・ホールディングス(3382)の共通商品券は、セブン‐イレブンやイトーヨーカドーで使えます。利回りは0.98%と低いものの、使える場所の広さは金券に近い水準です。

グループ限定の商品券は、利回りではなく「その店を使うかどうか」で選ぶものです。使う予定がなければ、額面がいくらでも価値は生まれません。

買った年にはもらえない41社がある

ギフト券の優待では、継続保有を条件にしている企業が41社ありました。これは今回の139社のうち約3割にあたります。

書かれ方 意味
【1年未満保有】2,000円 /【1年以上保有】2,500円 買った年から2,000円もらえる
【1年以上保有】1,000円相当 買った年はもらえない
種別に「(長期保有向け)」と書かれている 内容欄に条件がなくても対象外のことがある
備考に「1年以上継続保有した株主に限る」 備考にしか書かれていない場合がある

注意したいのは、条件が備考にしか書かれていない場合があることです。三洋堂ホールディングス(3058)の図書カードは、内容欄には「1,000円相当」としか書かれていませんが、備考に「1年以上継続保有した株主に限る」とあります。

またFPパートナー(7388)のように、後から条件が追加されることもあります。同社は2026年7月15日に、2027年5月分からの継続保有要件の追加を開示しました。仕組みは長期保有優遇とは?で詳しく解説しています。

権利確定月は3月と9月に集中している

ギフト券の優待を出している139社の権利確定月を数えると、3月と9月に偏っています。

権利確定月 社数 分布
3月 61社 ■■■■■■■■■■■■
9月 36社 ■■■■■■■
2月 25社 ■■■■■
12月 17社 ■■■
8月 14社 ■■■
6月 7社
5月 5社
11月 4社
7月 4社
1月 1社
4月 1社
10月 1社

3月と9月だけで、のべ97社に達します。この2か月に買いが集中するため、権利付最終売買日に向けて株価が上がり、権利落ち日に下がる動きが出やすくなります。

今回の上位では、権利確定月をずらせる銘柄がいくつかあります。I-ne(4933)とブロードエンタープライズ(4415)は6月・12月、FPパートナー(7388)は5月・11月、ナイル(5618)は12月です。いつ買えばよいかは権利確定日とは?で整理しています。

21位以下のギフト券優待を探す

今回の記事で扱ったのは、金券として使える22社とグループ限定の10社です。それ以外の銘柄は投資額や権利確定月で絞り込めるようにしてあります。

条件で絞り込む

100株で買える株主優待の検索ページ
優待の種類・投資額・権利確定月・業種で絞り込めます。
「ギフト券」のカテゴリを押すと、該当する銘柄だけが表示されます。

投資額を10万円以下に限定したい場合は投資金額10万円以下の株主優待、100株に届かない資金で始めたい場合は単元未満株でもらえる株主優待もあります。

自分の条件で総合利回りを計算する

株価は毎日動くので、この一覧の利回りも日々変わります。いま検討している銘柄の数字を入れて計算できるツールを置いておきます。配当も合わせた総合利回りが出ます。

株主優待の総合利回り計算ツール

株価と優待額を入れると、優待利回り・配当利回り・その合計を同時に計算します。数値を変えるとその場で計算し直します。





投資額 42,900円
年間の優待額 4,000円
年間の配当額(税引前) 1,000円
優待利回り 9.32%
配当利回り 2.33%
総合利回り 11.66%

総合利回り5%以上は、かなり高い水準です。優待の廃止や減配が起きていないか、直近の開示を確認してから判断したいところです。

※ 優待利回り=年間の優待額÷投資額×100 / 配当利回り=1株あたり配当×株数÷投資額×100
※ 配当は税引前です。実際には約20.315%が源泉徴収されます。

初期値はメディア工房(3815)の株価と優待額を入れてあります。デジタルギフトは金額がはっきりしているぶん、優待の中では計算しやすい部類です。食事券や自社製品のように「金額換算をどう見積もるか」で利回りが変わる曖昧さがありません。

ギフト券の優待で失敗する4つの理由

ここまで実質利回りで並べてきましたが、この数字だけで銘柄を選ぶと外します。理由は4つあります。

理由① 優待は企業の判断でいつでも廃止できる

株主優待は法律で義務づけられた制度ではありません。企業が「やめます」と発表すればその時点で終わります。

今回調べた1,653社のうち、優待の廃止や見送りを開示していた企業が11社ありました。直近では2026年8月24日にコンヴァノ(6574)、2026年2月13日にザ・パック(3950)が廃止を開示しています。

とくにギフト券の優待は導入したばかりの銘柄が多い点に注意が必要です。今回の上位でも、ステムセル研究所(7096)は2025年11月、ソケッツ(3634)は2026年2月、エクスモーション(4394)は2026年7月に導入を開示しています。新しく始まった優待は、続くかどうかの実績がまだありません。

理由② 実質利回りは株価が下がると自動的に上がる

実質利回りは「年間の額面 ÷ 投資額」で計算します。優待の金額は固定なので、株価が下がるほど利回りは自動的に上がります。

株価 投資額(100株) 年1,000円分の利回り
500円 50,000円 2.00%
250円 25,000円 4.00%
120円 12,000円 8.33%

ANAPホールディングス(3189)の利回りが8%台になっているのは、優待が手厚いからではなく株価が121円まで下がっているためです。株価が半分になれば利回りは2倍になりますが、そのとき投資元本も半分になっています。

年1,000円の優待をもらうために、10,000円の含み損を抱えては意味がありません。利回りが極端に高い銘柄を見つけたときは、まず「なぜ株価がここまで下がっているのか」を業績で確認してください。

理由③ デジタルギフトは受け取り忘れると失効する

紙のギフトカードと違い、デジタルギフトは自分で交換手続きをしないと受け取れません。

受け取りまでの流れ

① 権利確定日に100株以上を保有する
② 数か月後に「株主優待のご案内」が届く
案内のURLから交換先を選んで手続きする
④ 選んだギフトのコードが発行される

③を期限までにやらないと、権利は取れていても1円も受け取れません。

手続きの期限は企業ごとに違い、案内にしか書かれていないことがあります。郵便物を開けずに置いておくと、そのまま失効します。

また交換先の候補は変更されることがあります。「Amazonギフトカードに交換できる」という理由で買っても、翌年には候補から外れている可能性があります。優待の変更は毎年のようにIRで開示されているため、購入前に最新の内容を見ておいてください。

理由④ 優待は原則として課税の対象になる

株主優待は税務上、原則として雑所得として扱われます。「優待は非課税」という説明を見かけることがありますが、正確ではありません。

給与所得者の場合、給与以外の所得の合計が年20万円以下であれば確定申告が不要という基準があります。優待だけで年20万円を超えることはまれなので、結果として申告不要になっている人が多い、というのが実態に近いです。

ただし他に副収入がある場合は合算で判定されます。また住民税には20万円の基準がないため、自治体によって扱いが異なります。優待の金額換算は優待利回りとは?でも触れています。

ギフト券の株主優待に関するよくある質問

デジタルギフトとQUOカードPayは何が違いますか
デジタルギフトは、届いた案内から交換先を選ぶ仕組みです。QUOカードPayはその交換先の1つとして用意されていることが多く、AmazonギフトカードやPayPayマネーライトなどと並んで選択肢になります。選べるという点で、デジタルギフトのほうが自由度は高くなります。
図書カードやJCBギフトカードは換金できますか
金券ショップで買い取られていますが、額面より安い価格になります。JCBギフトカードは全国のJCB加盟店でそのまま使えるため、換金せずに使うほうが目減りしません。図書カードは書店とオンライン書店で使えます。
100株より多く買うと利回りは上がりますか
多くの企業では、株数が増えても優待の増え方は比例しません。100株で1,000円、500株で3,000円というように、株数あたりの金額は下がる設計が一般的です。実質利回りだけを見るなら100株が最も効率的になります。
権利確定日の直前に買っても優待はもらえますか
権利付最終売買日までに買えばもらえます。これは権利確定日の2営業日前です。ただし継続保有が条件の銘柄は、直前に買っても初年度は対象外になります。ギフト券の優待では139社のうち41社が継続保有を条件にしているため、買う前の確認が特に重要です。
優待はいつ届きますか
権利確定日から2〜3か月後が一般的です。3月末が権利確定日なら6月頃、9月末なら12月頃になります。今回の上位では、ステムセル研究所(7096)とアイナボホールディングス(7539)が「権利確定から3か月以内」と明記しています。
デジタルギフトの受け取りにはスマートフォンが必要ですか
スマートフォンかパソコンと、メールアドレスが必要です。企業から届く案内に記載されたURLにアクセスして交換先を選ぶ形が一般的です。紙の券を希望する場合は、図書カードやJCBギフトカードを配っている銘柄を選ぶことになります。
優待の廃止はどうやって知ることができますか
企業のIRページに「株主優待制度の廃止に関するお知らせ」として開示されます。証券会社のアプリでも適時開示を確認できます。一覧サイトの情報は更新が遅れることがあるため、購入前に企業の開示を直接確認するのが確実です。
優待だけを狙って権利日前後で売買する方法はありますか
現物買いと信用売りを同時に行うクロス取引という手法があります。株価の変動を抑えて優待だけを受け取る形ですが、貸株料や逆日歩といった費用がかかり、想定外の負担になることもあります。仕組みと費用はクロス取引とは?で解説しています。

まとめ

ギフト券の株主優待を100株の実質利回りで整理しました。「商品券」という同じ呼び名の中に、性質の違う2種類が混ざっていることが要点です。

この記事のポイント

・ギフト券の優待を100株で出しているのは139社
・そのうち発行企業以外でも使える金券は22社
・上位10社のうち8社がデジタルギフト
デジタルギフトは受取手続きをしないと失効する
・グループ限定の商品券10社は使う店で選ぶ
41社は買った年にもらえない(備考にしか書かれていないこともある)
・権利確定は3月61社・9月36社に集中

ギフト券の優待は、額面よりも「どこで使えるか」と「受け取り忘れないか」で価値が決まります。交換先が広いデジタルギフトや、加盟店の多いJCBギフトカードは、その点で扱いやすい部類に入ります。

他の種類の優待と比べたい場合はクオカード優待株10選割引券の株主優待10選、条件で絞り込みたい場合は100株で買える株主優待の検索ページをご覧ください。

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