米国雇用統計はいつ?2026年の発表日と日本時間(21:30/冬22:30)、雇用者数・失業率の見方と速報の改定幅

米国雇用統計(Employment Situation)は、米労働省の労働統計局(BLS)が毎月出す雇用の統計です。非農業部門雇用者数・失業率・平均時給の3つが、FRBの金融政策と株価を大きく動かします。発表は原則として毎月第1金曜の米東部時間8:30。日本時間では夏時間21:30・冬時間22:30で、米国株の取引開始の1時間前です。ただし速報値は後から大きく直ります。2024年1月〜2026年6月の29か月を足し合わせると、速報値で446万人だった増加が、今の値では218万人と約半分になっていました。発表の夜の数字をどこまで信じるか。それを決めるための材料をこのページに集めています。

この用語の要点
  • 発表は原則第1金曜の8:30(米東部時間)=日本時間21:30(夏)/22:30(冬)。2026年は12回中8回が第1金曜で、10月2日(金)の9月分は21:30、次の11月6日(金)からは冬時間で22:30
  • 見るのは3つ。非農業部門雇用者数(前月からの増減)・失業率・平均時給(前年比)。雇用が強すぎると利下げが遠のき、弱すぎると景気後退が意識される
  • 速報値は2か月後まで直る。2024年1月〜2026年6月の29か月で、3回目の推計が速報より下がったのは20か月。年1回の年次改定も入れると25か月が速報より下

雇用統計の中身(3つの数字と2つの調査)

雇用統計は2つの調査からできています。事業所に給与の支払い人数を聞く事業所調査(CES)と、世帯に就業状態を聞く家計調査(CPS)です。市場が注目する3つの数字は次のとおりです。

指標英語出どころ見方
非農業部門雇用者数Nonfarm Payrolls(NFP)事業所調査前月から何人増えたか。景気の勢いの中心指標
失業率Unemployment Rate家計調査働く意思がある人のうち職が無い人の割合
平均時給Average Hourly Earnings事業所調査前月比・前年比。インフレ(サービス価格)の先行きに効く

非農業部門雇用者数は農業以外の事業所で給与を受け取った人数で、市場はその前月からの増減を見ます。定義は非農業部門雇用者数の記事にも書いています。失業率は別の調査(約6万世帯)から出るので、雇用者数と失業率が逆の方向を示す月もあります。どちらか1つで判断せず、3つを並べて読みます。

直近の8月分(9月4日発表)は雇用者数+16.2万人・失業率4.1%・平均時給37.75ドル(前年比3.1%)でした(BLSの公表値、2026-09-29時点)。雇用統計の2日前に出る民間版のADP雇用統計や、毎週木曜の新規失業保険申請件数は、本番の予想を修正する材料として使われます。

2026年の発表予定と日本時間

BLSが公表している2026年の発表日です。時刻はすべて米東部時間8:30。日本時間は夏時間なら+13時間の21:30、冬時間(2026年は11月1日から)なら+14時間の22:30になります。

対象月発表日(米国)日本時間備考
2025年12月分1/9(金)22:30(冬時間)第1金曜ではない
2026年1月分2/11(水)22:30(冬時間)水曜に発表
2026年2月分3/6(金)22:30(冬時間)第1金曜
2026年3月分4/3(金)21:30(夏時間)第1金曜
2026年4月分5/8(金)21:30(夏時間)第1金曜ではない
2026年5月分6/5(金)21:30(夏時間)第1金曜
2026年6月分7/2(木)21:30(夏時間)木曜に発表
2026年7月分8/7(金)21:30(夏時間)第1金曜
2026年8月分9/4(金)21:30(夏時間)第1金曜
2026年9月分10/2(金)21:30(夏時間)第1金曜(予定)
2026年10月分11/6(金)22:30(冬時間)第1金曜(予定)
2026年11月分12/4(金)22:30(冬時間)第1金曜(予定)

「第1金曜」は原則で、例外があります。2026年は12回中8回が第1金曜でした。残りは1月(9日)・5月(8日)が第2金曜、2月が水曜(11日)、7月は独立記念日の振替休日(3日)前日の木曜(2日)です。2025年は秋の政府機関の閉鎖で、9月分が11月20日(木)、10・11月分が12月16日(火)にずれ込みました。2027年の発表予定は、2026年9月29日時点でBLSの公式カレンダーにまだ載っていません。年末ごろ、BLSの「Schedule of Releases for the Employment Situation」で確かめられます。

米国株の取引開始は夏時間22:30・冬時間23:30(日本時間)なので、雇用統計は夏も冬も取引開始のちょうど1時間前に出ます。最初に反応するのは株価指数先物・為替・米国債で、個別株はプレマーケット(夏17:00〜22:30、冬18:00〜23:30)で動きます。時間帯の細かい話は米国株の取引時間と夏時間の記事にまとめました。

速報値はどれだけ改定されるか(29か月の実数)

雇用者数は発表の翌月と翌々月に2回見直されます(第2次・第3次推計)。さらに年1回、失業保険の納付記録にもとづく年次改定(ベンチマーク改定)があり、過去1年以上がまとめて直ります。BLSの改定表で2024年1月〜2026年6月の29か月を数えました。

3回目の推計−速報月数
下方に10万人超4
下方に5〜10万人7
±5万人以内17
上方に5〜10万人1
上方に10万人超0

3回目の推計が速報より下がったのは29か月中20か月。平均は−3.4万人で、上下を問わない改定幅の平均は5.2万人でした。2025年は集計できた11か月すべてが下方改定です。さらに速報ではプラスだったのに3回目でマイナスに変わった月が3回ありました(2025年6月+14.7万人→−1.3万人、2025年8月+2.2万人→−2.6万人、2025年12月+5万人→−1.7万人)。

対象月速報値3回目の推計現在の値(年次改定後)
2025年06月+14.7万人−1.3万人−2万人
2025年07月+7.3万人+7.2万人+6.4万人
2025年08月+2.2万人−2.6万人−7万人
2025年09月+11.9万人+10.8万人+7.6万人
2025年11月+6.4万人+4.1万人+4.1万人
2025年12月+5万人−1.7万人−1.7万人
2026年01月+13万人+16万人+16万人
2026年02月−9.2万人−15.6万人−15.6万人
2026年03月+17.8万人+21.4万人+21.4万人
2026年04月+11.5万人+14.8万人+14.8万人
2026年05月+17.2万人+6.3万人+6.3万人
2026年06月+5.7万人+3.1万人+3.1万人

年次改定まで入れた今の値と比べると、29か月中25か月が速報より少なくなっています。合計は速報の446万人に対して218万人でした。発表当日の数字だけで景気の強弱を決めつけず、前2か月の改定幅もあわせて読むのが実務的です。

2025年10月分は政府機関の閉鎖で速報が出ていないので、29か月から外しています。速報と3回目の推計はBLSの改定表(季節調整値)、今の値は2026年9月29日にBLSのデータベースから取った数字の前月差です。改定が下に偏った理由(新規開業・廃業の推計など)までは、ここでは断定しません。

「強すぎても弱すぎても」米国株が売られる理由

雇用統計が株価を動かすのは、FOMCの金利判断の材料だからです。FRBは「雇用の最大化」と「物価の安定」の2つを目標にしているので、雇用が強すぎればFFレートの引き下げが遠のき、弱すぎれば景気後退が意識されます。

結果金利・ドル株価の典型的な反応
予想を大きく上回る金利上昇・ドル高利下げ期待が後退し、高PERのハイテク株に売り
予想どおり小動き平均時給の伸びや改定幅で方向が決まる
予想を大きく下回る金利低下・ドル安利下げ期待で上がる日もあれば、景気不安で下がる日もある

どちらに反応するかは、その時点で市場が「インフレ」と「景気後退」のどちらを心配しているかで変わります。同じ「予想より弱い」でも、インフレが落ち着いた局面では株高、景気後退が意識される局面では株安になりやすいです。決まった答えはありません。ソフトランディング期待が強い時期は、ほどほどの減速がいちばん好まれます。

日本から投資していると、発表直後の為替の急変が円建ての評価額を大きく動かす点も見逃せません。雇用統計の夜に成行で売買すると、約定価格も為替も荒れた水準になりがちです。急ぎでなければ翌日に回すのも手です。長期金利の反応は米10年債利回りの記事で説明しています。

発表の夜にどこを見るか

元の資料はBLSの「The Employment Situation」(ニュースリリース)で、発表時刻にbls.govに載ります。1ページ目の要約には雇用者数・失業率と前2か月の改定幅が載っています。表A-1が家計調査、表B-1が業種別の雇用者数、表B-3が平均時給です。どの業種が雇用を増やしたか(医療・政府・建設など)まで見ると、数字の強さが一時的なものかどうか見当がつきます。

市場予想(コンセンサス)は通信社や証券会社の経済指標カレンダーに載っています。米国株の決算と重なる週は値動きが大きくなりやすいので、決算カレンダー(日本時間)で主要銘柄の発表日も見ておくと安心です。

米国雇用統計に関するよくある質問

米国雇用統計は日本時間の何時に発表されますか?
米東部時間の午前8時30分で、日本時間では夏時間(3月第2日曜〜11月第1日曜)が21時30分、冬時間が22時30分です。2026年は11月1日から冬時間になるので、11月6日分から22時30分になります。
雇用統計は必ず第1金曜に発表されますか?
原則ですが例外があります。2026年は12回中8回が第1金曜で、第2金曜が2回、水曜と木曜が1回ずつでした。政府機関の閉鎖があると大きくずれます。正確な日付はBLSの発表予定ページで確認します。
ADP雇用統計とは何が違いますか?
ADP雇用統計は給与計算会社ADPが自社の顧客データから出す民間の統計で、公式の雇用統計の2日前(水曜)に出ます。対象は民間部門だけで政府の雇用を含まず、公式統計と数字が大きく食い違う月も珍しくありません。
雇用統計の速報値はどのくらい改定されますか?
2024年1月〜2026年6月の29か月で見ると、3回目の推計は速報より平均3.4万人少なく、29か月中20か月が下方改定でした。年次改定を含む現在の値では、速報の合計の約半分になっています。

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執筆:(Pacific Stock編集長・専業投資家歴20年)
発表日・雇用者数・改定幅はBLSの公表値(2026年9月29日時点)で、株価の反応は典型例です。この記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄や証券会社の売買・口座開設を勧めるものではありません。当サイトは証券会社の口座開設などでアフィリエイト報酬を得る場合がありますが、比較の順位や数値には影響しません。最終更新2026-10-01。

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