ユニークな株主優待10選|100株の実質利回りランキング2026年版

株主優待といえばクオカードやギフト券が思い浮かびますが、それだけではありません。乗換案内アプリの有料版、フィットネスジムの体験チケット、迷惑電話対策アプリ、電子書籍サイトのギフトコード。その企業のサービスがそのまま届く優待があります。

優待を出している1,653社を1社ずつ確認し、クオカード・ギフト券・食事券・カタログギフト・自社製品といった定番のどれにも当てはまらない433社を抜き出しました。そのうえで、内容がとくに珍しいものを選んでいます。

この記事では、100株で買えて、買った年から受け取れて、額面が「◯◯円」と明記されているものを実質利回りで並べました。あわせて、金額はつかないが内容が際立つ優待も後半でまとめています。

外したもの 理由
ナイル(5618) 「定額カルモくん」に申込みをした株主が対象で、しかも基準日ごとに利用できるのは1名のみ。全株主がもらえるものではない
ニチリョク(7578) 額面30,000円は「堂内陵墓購入の販売価格優待」。お墓を買わないと使えない
タメニー(6181) 「入会時登録料無料優待券30,000円分」など。婚活サービスに入会することが前提
ベネフィットジャパン(3934) ロボット本体を226,800円→190,800円で買える割引。22万円の本体を買う前提で、優待の価値は差額の36,000円
ユカリア(286A) 「スマート脳ドック」の割引5,000円相当。受診しなければ価値が出ない
デコルテ・ホールディングス(7372) フォトウエディングの割引20,000円だが、1回の利用額が税込10万円以上で1枚という条件つき

額面の数字が大きく出ていても、追加の支払いが必要なものは外しています。「入会したら登録料が無料」「本体を買えば割引」は、優待だけでは価値になりません。

この記事でわかること

・その企業のサービスがそのまま届くユニークな優待10社(100株・2026年9月1日の株価で計算)
・投資額3万円台で買えるものから、39万円のものまでの実質利回り
・金額はつかないが珍しい8社(楽天モバイル6か月無料・QB HOUSE無料ヘアカットなど)
額面が大きく出ていても採用できない6社と、その理由
・自社サービス型の優待が人を選ぶという構造
・買った年にはもらえない46社があること
・優待と配当を合わせた総合利回りの計算ツール

※ この記事は制度とデータの解説であり、特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。優待の内容は変更されることがあるため、購入前に各社のIR情報で確認してください。

今回のランキングの決め方

今回の順位に関しては以下の条件のもとで計算してランキング化した形です。

項目 条件
銘柄数 株主優待を出している1,653社を1社ずつ確認
株数 100株(最低単元)でもらえるものだけ
抽出条件 クオカード・ギフト券・食事券・カタログギフト・自社製品・ポイント・お米・飲料・美容・旅行・施設利用・車・寄付・暗号資産のどれにも当てはまらないもの
保有期間 買ったその年からもらえるものだけ
優待の性質 「◯◯円」と金額が明記されていて、追加の購入や契約が前提でないもの
実質利回り 年間の額面 ÷(株価×100株)×100
株価 2026年9月1日の終値

433社を機械的に判定したあと、利回りが高い順に1社ずつ内容を読み直しています。判定の内訳は次のとおりです。

判定 社数 扱い
「◯◯円」と金額が明記されている 161社 上から順に目視で検算
継続保有が条件 46社 買った年はもらえない
内容が特定できない・選択制 97社 個別に読み直して振り分け
「◯枚」としか書かれていない 69社 金額が出せないため第2部で紹介
「◯%割引」としか書かれていない 37社 使う金額で変わるため対象外
抽選・申込・記念 23社 確実にもらえないため除外

他の株主優待サイトの一覧と最も違うのは、「珍しい優待」を印象で選ばずに、定番テーマを機械的に引き算した433社のなかから選んでいる点です。

ユニークな株主優待10選

実質利回りの上位10社です。すべて100株・買った年から受け取れる・「◯◯円」と金額が明記されているという条件を満たしています。

銘柄(コード) 投資額 年間の額面 実質利回り もらえるもの 権利確定
① フィスコ(3807) 8,700円 13,200円 151.72% クラブフィスコのIPOナビ(リミテッド)無料クーポン 6月、12月
② カナミックネットワーク(3939) 50,500円 5,400円 10.69% フィットネスジム優待券 9月
③ パピレス(3641) 99,400円 10,000円 10.06% 電子書籍レンタルサイト「Renta!」でのチケット交換ギフトコード 3月
④ ジョルダン(3710) 64,600円 3,960円 6.13% 「乗換案内PREMIUM(株主優待版)」半年間利用権 3月、9月
⑤ フューチャーリンクネットワーク(9241) 125,200円 5,000円 3.99% まいぷれのご当地ギフト 8月
⑥ バリューHR(6078) 158,100円 6,000円 3.80% 健康管理サービス「バリューカフェテリア」 年会費 無料利用券 12月
⑦ ライトアップ(6580) 88,700円 3,000円 3.38% JSaaS 利用料6か月間無料 3月
⑧ Schoo(264A) 30,100円 980円 3.26% オンライン学習サービス・クーポン 9月
⑨ ヒロセ通商(7185) 390,500円 10,000円 2.56% 自社キャンペーン商品 9月
⑩ トビラシステムズ(4441) 149,100円 2,400円 1.61% 迷惑電話・SMS対策アプリ 10月

1位の利回りが151%を超えているのは、株価が87円まで下がっているためです。優待が手厚いという意味ではありません。この点は記事の後半で詳しく扱います。

ここは先に強調しておきたいところです。利回りが高い銘柄が、良い銘柄とは限りません。利回りの高さは「優待が手厚い」ではなく「株価が安い」ことの裏返しである場合が多く、なかには優待そのものを取りやめる企業もあります。その見分け方は記事の後半で整理しています。

もうひとつ、この10社に共通する重要な性質があります。ほとんどが「自社サービスを無料で使える権利」で、そのサービスを使わなければ価値がゼロになります。金券のように誰にとっても同じ価値になるものではありません。

【1位】フィスコ(3807)151.72%

8,700円で年13,200円分
グロース/情報・通信業 権利確定:6月、12月 クラブフィスコのIPOナビ(リミテッド)無料クーポン

フィスコの優待は、同社が運営する「クラブフィスコ」のIPOナビ(リミテッド)を1か月間無料で使える権利です。通常6,600円相当のサービスで、権利確定が6月末と12月末の年2回あるため、年間では13,200円相当になります。

投資額が8,700円しかないため、実質利回りは151%を超えます。ただしこれは「株価が87円まで下がっていること」と「サービスの定価が6,600円であること」の掛け算で出た数字です。金券のように自由に使えるものではありません。

IPOの情報を実際に使う人にとっては額面どおりの価値がありますが、使わない人にとってはゼロに近くなります。この記事のランキングは額面で並べているので、その点は差し引いて読んでください。

【2位】カナミックネットワーク(3939)10.69%

50,500円で年5,400円分
プライム/情報・通信業 権利確定:9月 フィットネスジム優待券

カナミックネットワークは介護・医療向けのクラウドサービス会社ですが、優待はフィットネスジム「アーバンフィット24」の体験チケットです。5,400円相当で、レンタルタオル・ウェア・シューズが付いています。

同伴者1名を含む2名まで利用できるため、1枚で2人ぶんの体験になります。手ぶらで行ける設計になっているのが、この優待の実用的なところです。

本業のソフトウェア事業とは直接つながらない優待ですが、同社はヘルスケア領域でジムも運営しています。本業と関係が薄く見える優待でも、グループのどこかの事業とつながっていることが多いという例です。

【3位】パピレス(3641)10.06%

99,400円で年10,000円分
スタンダード/情報・通信業 権利確定:3月 電子書籍レンタルサイト「Renta!」でのチケット交換ギフトコード

パピレスの優待は、電子書籍レンタルサイト「Renta!」で使えるチケット交換のギフトコード10,000円相当です。投資額99,400円に対して10.06%になります。

10,000円という額面は、今回の10社のなかで最も大きい部類です。電子書籍なので有効期限内に読み切れば額面をそのまま使えます。

本を読む習慣がある人にとっては、金券とほぼ同じ価値になる優待です。一方で読まない人にとっては使い道がありません。自社サービス型の優待は、この「使うかどうか」で価値が大きく振れます。

【4位】ジョルダン(3710)6.13%

64,600円で年3,960円分
スタンダード/情報・通信業 権利確定:3月、9月 「乗換案内PREMIUM(株主優待版)」半年間利用権

ジョルダンは乗換案内アプリの会社で、優待は「乗換案内PREMIUM(株主優待版)」の半年間利用権です。1,980円相当が年2回で、年間3,960円相当になります。

月額330円のサービスを1年間まるごと無料で使える計算です。1株主あたり1アカウント限りで、スマートフォン版の「乗換案内NEXT」アプリも利用できます。

毎日使うアプリの有料版が優待になっているのが、この銘柄の特徴です。1回しか使わない招待券と違い、期間中ずっと効き続けるため、額面より体感の価値が大きくなりやすいタイプです。

【5位】フューチャーリンクネットワーク(9241)3.99%

125,200円で年5,000円分
グロース/サービス業 権利確定:8月 まいぷれのご当地ギフト

フューチャーリンクネットワークの優待は「まいぷれ」のご当地ギフト5,000円相当です。地域限定の産品を掲載したカタログから選ぶ形式になっています。

対象の地域が毎年変わるのがこの優待の特徴です。2025年は千葉県が対象でした。同じ銘柄を持ち続けていても、届くカタログの中身が毎年入れ替わります。

同社は地域情報サイトを運営する会社で、優待の内容がそのまま本業の説明になっているという珍しい形です。贈呈は毎年10月ごろとされています。

【6位】バリューHR(6078)3.80%

158,100円で年6,000円分
プライム/サービス業 権利確定:12月 健康管理サービス「バリューカフェテリア」 年会費 無料利用券

バリューHRの優待は、健康管理サービス「バリューカフェテリア」の年会費無料利用券6,000円相当です。健康診断の予約や健康データの管理ができるサービスの年会費が免除されます。

「モノが届く」のではなく「サービスの年会費が消える」タイプの優待です。会費という固定費が減る形なので、実際に使う人にとっては現金に近い価値になります。

健康診断の手配を自分で行っている人ほど、額面以上の使い方ができる優待です。逆に会社の健診制度がある人には重複するため、価値が下がります。

【7位】ライトアップ(6580)3.38%

88,700円で年3,000円分
グロース/サービス業 権利確定:3月 JSaaS 利用料6か月間無料

ライトアップの優待は「JSaaS」の利用料が6か月間無料になる権利です。助成金・補助金といった公的支援制度の活用をコンサルティングするサービスで、通常は月額3,000円のプランが対象です。

個人よりも、事業をしている株主に向いた優待です。助成金の情報を継続的に追う必要がある人にとっては実用的ですが、そうでなければ使い道がありません。

「法人向けのサービスがそのまま優待になっている」という点が、この銘柄の珍しいところです。優待は個人向けのものが大半なので、この設計はほとんど例がありません。

【8位】Schoo(264A)3.26%

30,100円で年980円分
グロース/サービス業 権利確定:9月 オンライン学習サービス・クーポン

Schooの優待は、オンライン学習サービス「Schoo for Personal」プレミアムプランの1か月無料クーポンです。月額980円相当にあたります。

投資額が30,100円と小さく、今回の10社では2番目に少ない資金で買えます。額面は980円と小さいのですが、投資額に対する比率では3.26%になります。

学びなおしを目的にしたサービスが優待になっている例です。贈呈は毎年12月に発送される定時株主総会の招集通知に案内が同封される形になっています。

【9位】ヒロセ通商(7185)2.56%

390,500円で年10,000円分
スタンダード/証券、商品先物取引業 権利確定:9月 自社キャンペーン商品

ヒロセ通商はFX取引を提供する会社ですが、優待は食品の詰合せ(自社キャンペーン商品)10,000円相当です。金融サービスの会社が食べ物を配るという、業種と中身のギャップが大きい優待として知られています。

中身は毎回同じではなく、商品によって複数を詰め合わせる形になっています。贈呈は11月中旬ごろです。

本業と優待の内容がまったくつながらない例です。今回調べたなかでも、ここまで業種と中身が離れている銘柄は多くありません。投資額は390,500円と、10社で最も大きくなります。

【10位】トビラシステムズ(4441)1.61%

149,100円で年2,400円分
スタンダード/情報・通信業 権利確定:10月 迷惑電話・SMS対策アプリ

トビラシステムズの優待は、迷惑電話・迷惑SMS対策アプリ「トビラフォンモバイル」の1年間無料利用権です。通常は年額2,400円のサービスです。

1か月ではなく1年ぶんという点が、この優待の特徴です。今回の10社のなかで、無料期間が最も長くなっています。

同社の主力事業そのものが優待になっている形です。贈呈は毎年1月に送付される定時株主総会の招集通知に同封されます。特殊詐欺の手口が変わり続けているなかで、実用性のある優待といえます。

金額はつかないが珍しい優待8社

ここまでの10社は、企業が「◯◯円相当」と金額を書いているものです。一方で、金額の記載がないために利回りが計算できない優待にも、実用性の高いものがあります。

銘柄(コード) もらえるもの 条件・補足
① 楽天グループ(4755) 楽天モバイル 音声+データ30GB/月を6か月間無料 半年以上の保有でさらに6か月間。事前の申込みが必要
② ヤクルト本社(2267) 東京ヤクルトスワローズファンクラブの無料入会権 年会費の負担なし。チケットの割引購入や先行購入ができる
③ キュービーネットホールディングス(6571) QB HOUSEの無料ヘアカット券 6か月以上の保有で1枚、3年以上で2枚。国内全店舗で使える
④ スタジオアリス(2305) 株主写真撮影券 1枚 11月に事業報告書とあわせて発送される
⑤ ウェザーニューズ(4825) 「ウェザーニュースPro」の無料利用権 各権利確定日から半年間。参考価格は月額680円
⑥ JFEホールディングス(5411) JFEグループの工場見学会 製鉄所を見られる。ものづくりの現場そのものが優待になっている
⑦ MARUWA(5344) クリスマスコンサートへの招待 軽井沢の宿泊優待や公演チケット優待もある
⑧ ニチリョク(7578) 墓石・仏壇・葬儀の会員価格適用 ラステルの安置料金1泊分無料(税別12,000円相当)も含まれる

このなかで最も知られているのは楽天グループの楽天モバイル6か月無料でしょう。音声+データ30GB/月のプランが対象で、半年以上の保有でさらに6か月間に延びます。ただし専用サイトからの事前の申込みが必要です。

QB HOUSEの無料ヘアカット券も、金額は書かれていませんが用途がはっきりしています。6か月以上の保有で1枚、3年以上で2枚という設計で、国内の全店舗で使えます。

JFEホールディングスの工場見学会のように、モノですらない優待もあります。製鉄所を見られる機会は他では得にくいものです。金額に換算できないからといって、価値がないわけではありません。

自社サービス型の優待は人を選ぶ

今回の10社を並べてみると、ほとんどが「自社のサービスを無料で使える権利」でした。これは金券型の優待とはまったく性質が違います。

受け取る側から見ると 額面との関係
金券型 クオカード・ギフト券 誰にとっても額面どおり 額面=価値
自社製品型 食品・日用品の詰合せ その製品を使う人なら額面に近い 額面 ≧ 価値
自社サービス型 無料利用権・ギフトコード 使わなければゼロ 額面と価値が一致しない

実質利回りのランキングは、この「額面と価値の差」を表現できません。フィスコの13,200円もパピレスの10,000円も、そのサービスを使わない人にとってはゼロです。

だからこそ、この記事のランキングは上から順に買う対象ではありません。10社のうち「自分が実際に使うもの」を先に選び、そのあとで投資額と利回りを見る、という順番になります。

企業側にとっての利点も見ておく

なぜ自社サービスを優待にする企業が増えているのか。企業側から見ると、この形にははっきりした利点があります。

利点 内容 金券型との違い
原価が低い デジタルサービスは1人増えても追加の費用がほとんどかからない クオカードは額面そのものが費用になる
送料がかからない メールやコードで渡せる 食品や日用品は箱代と送料が乗る
本業の宣伝になる 株主が実際にサービスを使い、そのまま有料の利用者になることがある 金券では自社に何も残らない
株主が顧客になる サービスを気に入れば継続利用につながる

つまり自社サービス型の優待は、企業にとっては「安く出せて、本業の宣伝にもなる」設計です。株主から見ると、その企業のサービスを試す機会が無料で手に入る、という関係になります。

双方にとって合理的な形なので、この型は今後も増える可能性があります。優待を選ぶときは「もらえるものの額面」だけでなく「自分がそれを使うか」を先に判断する習慣をつけておくと外しにくくなります。

買った年にはもらえない46社がある

今回の433社のうち、継続保有を条件にしている企業が46社ありました。これは全体の約11%にあたります。

書かれ方 意味
【1年未満保有】1,000円 /【1年以上保有】3,000円 買った年から1,000円分もらえる
【1年以上保有】3,000円相当 買った年はもらえない
【初年度】3,000円 /【2年目以降】3,500円 買った年から3,000円分もらえる
備考に「◯年以上継続保有した株主に限る」 内容欄ではなく備考にしか書かれていないことがある

見分け方は「未満」または「初年度」という言葉があるかどうかです。今回の第2部で紹介したキュービーネットホールディングス(6571)も、6か月以上の保有が条件になっています。

継続保有の条件がある銘柄については長期保有優遇の株主優待10選で522社ぶんを整理しました。仕組みは長期保有優遇とは?で解説しています。

権利確定月は3月に集中している

433社の権利確定月を数えると、3月に大きく偏っています。

権利確定月 社数 分布
3月 222社 ■■■■■■■■■■■■■■
9月 135社 ■■■■■■■■■
2月 52社 ■■■
12月 47社 ■■■
8月 47社 ■■■
6月 37社 ■■
10月 13社
1月 12社
5月 12社
4月 11社
7月 11社
11月 9社

3月と9月だけで、のべ357社に達します。この2か月に買いが集中するため、権利付最終売買日に向けて株価が上がり、権利落ち日に下がる動きが出やすくなります。

買うタイミングを決めるときは、権利付最終売買日を確認してください。権利確定日の2営業日前までに買っておかないと、その回の株主名簿に載りません。詳細は権利確定日とは?にまとめています。

ほかの株主優待を探す

今回の記事で扱ったのは、定番テーマのどれにも当てはまらない433社から選んだ10社と、金額のつかない8社です。種類から探したい場合は検索ページで絞り込めます。

条件で絞り込む

100株で買える株主優待の検索ページ
優待の種類・投資額・権利確定月・業種で絞り込めます。
投資額の上限を決めてから種類を選ぶと、買える範囲だけが残ります。

定番の優待から探したい場合はクオカード優待株10選割引券の株主優待10選、投資額を10万円以下に限定したい場合は投資金額10万円以下の株主優待、100株に届かない資金で始めたい場合は単元未満株でもらえる株主優待もあります。

自分の条件で総合利回りを計算する

株価は毎日動くので、この一覧の利回りも日々変わります。いま検討している銘柄の数字を入れて計算できるツールを置いておきます。配当も合わせた総合利回りが出ます。

株主優待の総合利回り計算ツール

株価と優待額を入れると、優待利回り・配当利回り・その合計を同時に計算します。数値を変えるとその場で計算し直します。





投資額 99,400円
年間の優待額 10,000円
年間の配当額(税引前) 0円
優待利回り 10.06%
配当利回り 0.00%
総合利回り 10.06%

優待と配当を合わせた総合利回りが3%を超えると、高めの水準にあたります。

※ 優待利回り=年間の優待額÷投資額×100 / 配当利回り=1株あたり配当×株数÷投資額×100
※ 配当は税引前です。実際には約20.315%が源泉徴収されます。優待の金額換算は自分にとっての価値で見積もってください。

初期値にはパピレス(3641)の株価と額面を入れてあります。配当を0円にしてあるのは、自社サービス型の優待を出す企業には無配や低配当の会社が多いためです。優待だけで判断せず、配当と合わせた総合利回りで比べてください。

ユニークな優待で失敗する4つの理由

ここまで実質利回りで並べてきましたが、この数字だけで銘柄を選ぶと外します。理由は4つあります。

理由① 使わないサービスの優待は価値がゼロになる

この記事で何度か触れたとおり、自社サービス型の優待は「使うかどうか」で価値が決まります。額面はあくまで企業が示した定価です。

たとえばライトアップ(6580)の助成金コンサルティングは、事業をしていない人にはまず使い道がありません。額面3,000円は、使わなければ0円です。金券型の優待と同じ感覚で利回りを比べると、実態から離れます。

理由② 実質利回りは株価が下がると自動的に上がる

実質利回りは「年間の額面 ÷ 投資額」で計算します。優待の金額は固定なので、株価が下がるほど利回りは自動的に上がります。

株価 投資額(100株) 年13,200円の優待の利回り
500円 50,000円 26.40%
300円 30,000円 44.00%
150円 15,000円 88.00%
87円 8,700円 151.72%

1位の151.72%は、まさにこの表の一番下の状態です。優待が手厚くなったのではなく、株価が87円まで下がった結果としてこの数字になっています。

優待をもらうために、株価の下落でそれ以上を失っては意味がありません。利回りが極端に高い銘柄を見つけたときは、まず「なぜ株価がここまで下がっているのか」を業績で確認してください。

理由③ サービスが終われば優待も終わる

金券型の優待は、企業が金券を買って配るだけなので、事業の中身とは切り離されています。一方で自社サービス型は、そのサービスが終了した時点で優待も成立しなくなります。

実際、今回集めた開示情報のなかだけでも株主優待の廃止や見送りを開示した企業が9社ありました。この記事で7位に挙げたライトアップ(6580)も、2026年5月15日に「株主優待制度の変更(一部廃止)」を開示しています。

さらに極端な例もあります。REVOLUTION(8894)は2024年10月に「2,000株以上の保有でQUOカードPay 6万円分(年間12万円分)」という優待の新設を発表しましたが、2025年3月11日に廃止を開示しました。一度も実施されないまま終わっています。

「優待が新設されたから買う」「利回りが高いから買う」という判断は、それだけでは危険です。利回りの高さは、その企業の業績が良いことを意味しません。

優待の対象サービスが本業の中心にあるのか、周辺の小さな事業なのかは確認しておきたいところです。周辺事業であれば、事業整理の対象になったときに優待ごと消えます。

理由④ 優待は原則として課税の対象になる

株主優待は税務上、原則として雑所得として扱われます。「優待は非課税」という説明を見かけることがありますが、正確ではありません。

給与所得者の場合、給与以外の所得の合計が年20万円以下であれば確定申告が不要という基準があります。優待だけで年20万円を超えることはまれなので、結果として申告不要になっている人が多い、というのが実態に近いです。

ただし他に副収入がある場合は合算で判定されます。また住民税には20万円の基準がないため、自治体によって扱いが異なります。優待の金額換算については優待利回りとは?でも触れています。

ユニークな株主優待に関するよくある質問

ユニークな株主優待とは、どういうものを指しますか。
この記事では「金券でも一般的な自社製品でもなく、その企業ならではの内容が届く優待」を指しています。具体的には、自社のサービスを無料で使える権利や、業種から想像できない中身のものです。優待を出している1,653社を調べ、クオカード・ギフト券・食事券・カタログギフトといった定番のどれにも当てはまらない433社から選びました。
自社サービスの優待は、金券より得ですか。
そのサービスを使うかどうかで価値が変わります。使う人にとっては額面どおりですが、使わない人にとってはゼロに近くなります。金券は誰にとっても額面どおりの価値がある一方、自社サービス型は人を選びます。実質利回りの数字だけで比べないでください。
1位の利回りが151%を超えているのはなぜですか。
株価が87円まで下がっていることと、対象サービスの定価が月6,600円であることの掛け算です。実質利回りは「年間の額面 ÷ 投資額」で計算するため、株価が下がるほど自動的に上がります。優待が手厚くなったわけではありません。
「無料利用権」は現金と同じように考えてよいですか。
いいえ。無料利用権は、そのサービスを使わなければ1円の価値にもなりません。この記事では「通常いくらのサービスか」を企業が明記しているものだけを額面として採用していますが、それはあくまで定価であって、あなたにとっての価値とは別です。
契約や購入が前提の優待は入っていますか。
入れていません。「入会したら登録料無料」「本体を買えば割引」といったものは、追加の支払いが必要なので額面として扱っていません。実際に、額面が大きく出ていた6社をこの理由で外しています。
金額が書かれていない優待は価値が低いのですか。
そうとは限りません。楽天グループの携帯回線6か月無料や、QB HOUSEの無料ヘアカット券のように、金額の記載がなくても実用性の高い優待はあります。この記事では第2部にまとめてあります。利回りが計算できないだけで、価値がないという意味ではありません。
ユニークな優待は廃止されやすいですか。
自社サービス型の優待は、そのサービス自体が終了すると成立しなくなります。金券型と違い、事業の見直しがそのまま優待の終了につながる点は意識しておきたいところです。購入前に、対象サービスが本業のどの位置にあるかを確認してください。
優待は課税の対象になりますか。
株主優待は税務上、原則として雑所得として扱われます。給与所得者の場合、給与以外の所得の合計が年20万円以下なら確定申告が不要という基準があるため、結果として申告不要になっている人が多いのが実態です。詳しくは優待利回りとは?で触れています。

まとめ

クオカードやギフト券とは別の場所に、その企業でしか受け取れない優待があります。定番テーマを引き算した433社のなかから、額面が明記され、追加の支払いなしに受け取れる10社を選びました。

この記事のポイント

・定番テーマのどれにも当てはまらない優待は433社あった
・そのうち金額が明記され、追加の支払いなしに受け取れるのが10社
・1位はフィスコの151.72%。ただし株価が87円まで下がった結果
・投資額は8,700円から390,500円まで幅がある
自社サービス型は、使わなければ価値がゼロになる
・額面が大きく出ていても、契約や購入が前提の6社は外した
・金額はつかないが実用的な優待が8社ある(楽天モバイル6か月無料ほか)
・継続保有が条件で買った年にもらえないものが46社

ユニークな優待を選ぶときは、利回りの順に見るのではなく「自分が実際に使うもの」から先に選んでください。そのうえで投資額と利回りを確認する、という順番になります。額面と価値が一致しないのが、このテーマの最大の特徴です。

他の種類の優待と比べたい場合はクオカード優待株10選長期保有優遇の株主優待10選、条件で絞り込みたい場合は100株で買える株主優待の検索ページをご覧ください。

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