食事券の株主優待10選|100株の実質利回りランキング2026年版

2026年9月時点で、100株で食事券がもらえるのは92社です。そのうち額面をそのまま支払いに使えるものに絞ると20社になります。

食事券の優待は「8,000円分の優待券」と書かれていても、8,000円ぶんの食事が無料になるとは限りません。「会計1,000円ごとに500円券を1枚」という条件が付いていると、8,000円分を使い切るのに16,000円の飲食が必要になります。

この記事は株主優待を出している1,653社を1社ずつ確認して作りました。データはすべて2026年9月時点のもので、次に当てはまるものは外しています。

外したもの 理由
「◯円ごとに◯円割引」の券 額面と同額以上の自腹が必要(割引券の記事で扱う)
「◯%割引」だけの券 使う金額で得する額が変わる
「◯枚」としか書かれていない券 1枚がいくらか分からず、利回りを計算できない
継続保有が条件のもの 買った年にはもらえない
抽選・申込・記念の優待 確実にもらえない、または今回限り

食事券の株主優待を出している企業は92社ありましたが、上記の条件で調べると、買った年から額面をそのまま支払いに使えるのは20社となった形です。

この記事でわかること

実質利回り上位10社を1社ずつ解説
実質利回り11〜20位の10社
「額面がそのまま使える券」と「割引券」の見分け方
・食事券の電子化がどこまで進んでいるか
テイクアウトに使えるかどうかで価値が変わる話
買った年はもらえない11社の存在
・優待と配当を合わせた総合利回りを計算できるツール

※ この記事は制度とデータの解説であり、特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。優待の内容は変更されることがあるため、購入前に各社のIR情報で確認してください。

今回のランキングの決め方

今回の順位に関しては以下の条件のもとで計算してランキング化した形です。

項目 条件
銘柄数 株主優待を出している1,653社を1社ずつ確認
株数 100株(最低単元)でもらえるものだけ
保有期間 買ったその年からもらえるものだけ
優待の性質 額面がそのまま支払いに使えるもの(◯円ごとに◯円割引は除く)
実質利回り 年間の額面 ÷(株価×100株)×100
株価 2026年9月1日の終値

92社を機械的に判定したあと、利回りが高い順に1社ずつ内容を読み直しています。判定の内訳は次のとおりです。

判定 社数 扱い
額面が円で書かれている 39社 上から順に目視で検算
継続保有が条件 11社 買った年はもらえない
内容が特定できない 15社 個別に読み直して振り分け
「◯枚」としか書かれていない 14社 利回りが出せないため対象外
抽選・申込・記念 3社 確実にもらえないため除外

他の株主優待サイトの一覧と最も違うのは、「◯円ごとに◯円割引」という券を分けている点です。同じ「食事優待券」でも、額面をそのまま使える券と、同額以上の自腹が必要な券が混ざっています。

食事券の優待株10選

実質利回りの上位10社です。すべて100株・買った年からもらえる・額面がそのまま支払いに使えるという条件を満たしています。

銘柄(コード) 投資額 年間の額面 実質利回り 権利確定
① NATTY SWANKYホールディングス(7674) 263,500円 20,000円 7.59% 1月・7月
② テンアライド(8207) 30,100円 2,000円 6.64% 3月・9月
③ G-FACTORY(3474) 60,400円 3,000円 4.97% 12月
④ クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387) 77,100円 3,000円 3.89% 2月・8月
⑤ 光フードサービス(138A) 310,500円 10,000円 3.22% 5月・11月
⑥ SAKIGAKEホールディングス(5891) 168,000円 4,000円 2.38% 6月・12月
⑦ ハブ(3030) 85,800円 2,000円 2.33% 2月
⑧ カルラ(2789) 47,900円 1,000円 2.09% 2月
⑨ エスエルディー(3223) 96,300円 2,000円 2.08% 2月
⑩ ヨシックスホールディングス(3221) 323,000円 6,000円 1.86% 3月・9月

上位10社のうち6社が年2回の権利確定です。食事券は年2回に分けて配る企業が多く、1回あたりの金額は小さめになります。

【1位】NATTY SWANKYホールディングス(7674)7.59%

263,500円で年20,000円分
グロース/小売業 権利確定:1月・7月 継続保有の条件なし

「肉汁餃子のダンダダン」を展開する会社です。1月末と7月末にそれぞれ10枚・10,000円分の食事券が届きます。年間では20枚・20,000円分です。

今回の20社の中で、年間の金額が最も大きい銘柄です。1枚1,000円相当で、全国のダンダダンで使えます。

テイクアウトにも使えると明記されている点が特徴です。飲食の優待券は店内飲食に限られることが多い中で、使い道が広く取られています。ただし利用にはスマートフォンが必要です。

【2位】テンアライド(8207)6.64%

30,100円で年2,000円分
スタンダード/小売業 権利確定:3月・9月 継続保有の条件なし

「旬鮮酒場天狗」「テング酒場」などを運営する会社です。3月末と9月末にそれぞれ1,000円分の食事券が届きます。

投資額が3万円台で年2,000円分という組み合わせは、食事券の優待としては入りやすい水準です。

🔵 2026年11月頃に優待の電子化が案内される予定と明記されています。スマートフォンでの利用に切り替わる見込みなので、購入前に最新の案内を確認してください。なお備考に書かれている継続保有の条件は1,500株以上の区分に関するもので、100株の株主は買った年から受け取れます。

【3位】G-FACTORY(3474)4.97%

60,400円で年3,000円分
グロース/不動産業 権利確定:12月 継続保有の条件なし

飲食店のプロデュースや不動産事業を手がける会社です。12月末の株主に3,000円分の食事券が届きます。

使える先は自社グループの直営店に加えて、国内のライセンス店取引先の店舗も含まれます。

贈呈時期は3月中旬です。権利確定が12月末という点は、3月と9月に集中しがちな優待の中では分散の選択肢になります。

【4位】クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)3.89%

77,100円で年3,000円分
プライム/小売業 権利確定:2月・8月 継続保有の条件なし

「磯丸水産」「かまどか」など多数の業態を持つ会社です。2月末と8月末にそれぞれ1,500円分の優待券が届きます。

この銘柄の強みは業態の多さです。グループ全体で多くのブランドを運営しているため、使える店を見つけやすい部類に入ります。

優待券は紙のまま使えるほか、専用アプリを使って電子チケットとしても利用できます。紙と電子のどちらでも使える設計は、この一覧では珍しい形です。

【5位】光フードサービス(138A)3.22%

310,500円で年10,000円分
グロース/小売業 権利確定:5月・11月 継続保有の条件なし

名古屋を中心に居酒屋を展開する会社です。5月末と11月末にそれぞれ5,000円分の食事券が届きます。

年間10,000円分は今回の20社の中で2番目に大きい金額です。

🔴 電子チケットは1枚5,000円相当という単位です。1回の会計で5,000円分を使い切る形になるため、少額の利用には向きません。権利確定が5月と11月という点は他の銘柄と重なりにくい組み合わせです。

【6位】SAKIGAKEホールディングス(5891)2.38%

168,000円で年4,000円分
スタンダード/小売業 権利確定:6月・12月 継続保有の条件なし

「ラーメン魁力屋」を運営する会社です。6月末と12月末にそれぞれ4枚・2,000円分の食事券が届きます。

1枚500円相当で、魁力屋のほかに三田製麺所でも使えます。

ラーメン1杯が500円券1枚でおおむね賄える価格帯なので、券の単位と商品の価格が合っている優待です。

【7位】ハブ(3030)2.33%

85,800円で年2,000円分
スタンダード/小売業 権利確定:2月 継続保有の条件なし

英国風パブ「HUB」を運営する会社です。2月末の株主に2,000円分の優待券が届きます。

備考には継続保有の条件が書かれていますが、これは1,000株以上の株主に関するものです。100株の株主は買った年から受け取れます。

店舗は首都圏を中心に展開しているため、地方在住だと使いにくい優待です。贈呈は5月の定時株主総会の決議通知に同封されます。

【8位】カルラ(2789)2.09%

47,900円で年1,000円分
スタンダード/小売業 権利確定:2月 継続保有の条件なし

和食レストラン「まるまつ」などを東北で展開する会社です。2月末の株主に2枚・1,000円分の食事券が届きます。

1枚500円相当です。投資額が4万円台と、食事券の優待の中では手が届きやすい水準です。

店舗が東北地方に集中しているため、この優待は地域性が強く出ます。近くに店舗があるかを先に確認してください。

【9位】エスエルディー(3223)2.08%

96,300円で年2,000円分
スタンダード/小売業 権利確定:2月 継続保有の条件なし

「kawara CAFE&DINING」などを運営する会社です。2月末の株主に2枚・2,000円分の食事券が届きます。

1枚1,000円相当です。券の単位が大きいため、1回の会計で使い切りやすい設計になっています。

贈呈は5月下旬の定時株主総会終了後です。

【10位】ヨシックスホールディングス(3221)1.86%

323,000円で年6,000円分
プライム/小売業 権利確定:3月・9月 継続保有の条件なし

「や台ずし」「ニパチ」を全国に展開する会社です。3月末と9月末にそれぞれ3,000円分の優待券が届きます。

年間6,000円分は今回の中で3番目に大きい金額です。

店舗数が多く、全国に展開している点が使いやすさにつながります。贈呈は3月末ぶんが6月下旬、9月末ぶんが11月下旬です。

【11位〜20位】1%前後の10社

11位以下も条件は同じです。ここには全国展開している大手のチェーンが並びます。

銘柄(コード) 投資額 年間の額面 利回り もらえるもの
⑪ 壱番屋(7630) 109,900円 2,000円 1.82% CoCo壱番屋(持ち帰り・宅配も可)
⑫ 幸楽苑(7554) 119,400円 2,000円 1.68% 幸楽苑(紙の食事券)
⑬ カネ美食品(2669) 391,500円 6,000円 1.53% 自社の惣菜・弁当
⑭ ハチバン(9950) 344,500円 5,000円 1.45% 8番らーめん(商品引換も可)
⑮ ブロンコビリー(3091) 284,100円 4,000円 1.41% ブロンコビリー
⑯ SRSホールディングス(8163) 154,600円 2,000円 1.29% 和食さと・にぎり長次郎など
⑰ 木曽路(8160) 247,500円 3,200円 1.29% 木曽路・大将軍など
⑱ 銚子丸(3075) 164,200円 2,000円 1.22% 銚子丸(1枚1,000円)
⑲ 銀座ルノアール(9853) 90,900円 1,000円 1.10% 銀座ルノアール・カフェミヤマ
⑳ WDI(3068) 304,000円 3,000円 0.99% カプリチョーザなど

11位以下は利回りが1%前後に集まります。ただし店舗数では上位10社を大きく上回る銘柄が多く、実際に使いやすいのはこちらです。CoCo壱番屋(7630)、木曽路(8160)、和食さと(8163)のように、生活圏に店がある可能性が高い銘柄が並びます。

同じ「食事優待券」でも2種類ある

食事券の優待でいちばん間違えやすいのがここです。「優待券8,000円分」と書いてあっても、そのまま8,000円ぶん使える券とは限りません。

種類 使い方
額面をそのまま使える券 2,000円の会計に1,000円券を使うと、支払いは1,000円 今回の20社
◯円ごとに◯円割引の券 1,000円ごとに500円券1枚。8,000円分を使うには16,000円の飲食が必要 ワタミ・安楽亭など

後者は「損な優待」ではありません。その店に年16,000円ぶん通う予定がある人にとっては、50%の割引を受けられる優待です。問題は、額面だけを見て利回りを計算してしまうことにあります。

今回のランキングは前者だけに絞っています。後者にあたる銘柄(ワタミ、安楽亭、ヴィア・ホールディングス、ユナイテッド&コレクティブ、関門海、さいか屋など)は、必要な会計額つきで割引券の株主優待10選にまとめています。

🔴 見分け方は備考欄です。「1,000円ごとに1枚」「◯円以上の会計で1枚」と書かれていれば後者です。何も書かれていなければ、額面をそのまま使えます。

食事券の電子化がどこまで進んだか

今回の20社を見ると、紙の券から電子チケットへの移行が進んでいます。

形式 注意点
電子のみ 光フードサービス(138A)、NATTY SWANKY(7674) スマートフォンが必要
紙と電子の併用 クリエイト・レストランツ(3387) どちらでも使える
紙のみ 幸楽苑(7554)は「食事券は紙となります」と明記 端末が不要
移行を予告 テンアライド(8207)が2026年11月頃に案内予定 購入前に最新の案内を確認

企業にとっては印刷と郵送のコストが消えることが大きな利点です。一方で株主側には、スマートフォンが必要になるという条件が加わります。

紙の券にこだわりたい場合は、幸楽苑(7554)のように「紙となります」と明記している銘柄を選ぶことになります。ただし電子化の流れは続いているため、今後変わる可能性はあります。

テイクアウトに使えるかで価値が変わる

意外に見落とされるのがここです。食事券が店内飲食に限られるか、持ち帰りにも使えるかで、使い勝手は大きく変わります。

買う前に確認すること

生活圏に店舗があるか(これが最も大きい。無ければ価値は0円)
テイクアウト・宅配に使えるか
③ 1回の会計で使える枚数の上限
有効期限は何か月か(半年〜1年が一般的)
⑤ 一部の店舗やフランチャイズ店が除外されていないか

今回の上位では、NATTY SWANKY(7674)が「テイクアウトも利用可能」、壱番屋(7630)が「持ち帰り弁当、宅配弁当、店内商品に利用できる」と明記しています。

とくに壱番屋は希望に応じてレトルトカレーやギフトセットの配送にも対応すると書かれており、店に行かなくても使い切れる設計になっています。ハチバン(9950)も自社指定商品との引き換えが可能です。

🔴 逆に、店舗が特定の地域に集中している銘柄は注意が必要です。カルラ(2789)は東北、ハブ(3030)は首都圏が中心です。利回りが高くても、通えなければ受け取れません。

買った年にはもらえない11社がある

食事券の優待では、継続保有を条件にしている企業が11社ありました。これは今回の92社のうち約12割にあたる水準です。

書かれ方 意味
【1年未満保有】1,000円 /【1年以上保有】3,000円 買った年から1,000円分もらえる
【1年以上保有】3,000円相当 買った年はもらえない
【初年度】3,000円 /【2年目以降】3,500円 買った年から3,000円分もらえる
備考に「◯年以上継続保有した株主に限る」 内容欄ではなく備考にしか書かれていないことがある

見分け方は「未満」または「初年度」という言葉があるかどうかです。「1年未満保有」や「初年度」という区分が用意されていれば、買った年から何かはもらえます。「1年以上保有」しか書かれていなければ、初年度は対象外です。

食事券の優待では、継続保有を条件にしている企業は他のテーマより少なめでした。ただし幸楽苑(7554)のように「毎期末の3月末日の株主名簿において同一の株主番号で連続2回以上」という条件で金額が変わる銘柄はあります。仕組みは長期保有優遇とは?で詳しく解説しています。

権利確定月は3月と9月に集中している

食事券の優待を出している92社の権利確定月を数えると、3月と9月に偏っています。

権利確定月 社数 分布
3月 43社 ■■■■■■■■■■■■■■
9月 24社 ■■■■■■■■
2月 18社 ■■■■■■
12月 17社 ■■■■■■
8月 14社 ■■■■■
6月 11社 ■■■■
5月 4社
4月 4社
7月 2社
1月 2社
11月 2社
10月 1社

3月と9月だけで、のべ67社に達します。この2か月に買いが集中するため、権利付最終売買日に向けて株価が上がり、権利落ち日に下がる動きが出やすくなります。

食事券では2月と8月が多いのが特徴です。小売や外食の決算期に合わせているためで、3月・9月銘柄と組み合わせると受け取る時期を分散できます。今回の上位では、光フードサービス(138A)が5月・11月、G-FACTORY(3474)が12月です。いつ買えばよいかは権利確定日とは?で整理しています。

21位以下の食事券優待を探す

今回の記事で扱ったのは上位20社です。残りの銘柄は投資額や権利確定月で絞り込めるようにしてあります。

条件で絞り込む

100株で買える株主優待の検索ページ
優待の種類・投資額・権利確定月・業種で絞り込めます。
「食事券」のカテゴリを押すと、該当する銘柄だけが表示されます。

投資額を10万円以下に限定したい場合は投資金額10万円以下の株主優待、100株に届かない資金で始めたい場合は単元未満株でもらえる株主優待もあります。

自分の条件で総合利回りを計算する

株価は毎日動くので、この一覧の利回りも日々変わります。いま検討している銘柄の数字を入れて計算できるツールを置いておきます。配当も合わせた総合利回りが出ます。

株主優待の総合利回り計算ツール

株価と優待額を入れると、優待利回り・配当利回り・その合計を同時に計算します。数値を変えるとその場で計算し直します。





投資額 30,100円
年間の優待額 2,000円
年間の配当額(税引前) 800円
優待利回り 6.64%
配当利回り 2.66%
総合利回り 9.30%

優待と配当を合わせた総合利回りが3%を超えると、高めの水準にあたります。

※ 優待利回り=年間の優待額÷投資額×100 / 配当利回り=1株あたり配当×株数÷投資額×100
※ 配当は税引前です。実際には約20.315%が源泉徴収されます。優待の金額換算は自分にとっての価値で見積もってください。

初期値はテンアライド(8207)の株価と優待額を入れてあります。食事券は「その店に行くかどうか」で価値が決まるため、利回りの数字は目安として見てください。

食事券の優待で失敗する4つの理由

ここまで実質利回りで並べてきましたが、この数字だけで銘柄を選ぶと外します。理由は4つあります。

理由① 優待は企業の判断でいつでも廃止できる

株主優待は法律で義務づけられた制度ではありません。企業が「やめます」と発表すればその時点で終わります。

今回調べた1,653社のうち、優待の廃止や見送りを開示していた企業が11社ありました。直近では2026年8月24日にコンヴァノ(6574)、2026年2月13日にザ・パック(3950)が廃止を開示しています。

ただし食事券の優待では、廃止よりも「使える店舗の縮小」が起きやすい点に注意が必要です。チェーンの閉店が進むと、券は有効なのに使える店が近くから消えることがあります。優待の内容が変わらなくても、実質的に価値が下がることがある分野です。

理由② 実質利回りは株価が下がると自動的に上がる

実質利回りは「年間の額面 ÷ 投資額」で計算します。優待の金額は固定なので、株価が下がるほど利回りは自動的に上がります。

株価 投資額(100株) 年2,000円分の利回り
1,000円 100,000円 2.00%
500円 50,000円 4.00%
301円 30,100円 6.64%

テンアライド(8207)の利回りが6.64%になっているのは、株価が301円まで下がっているためでもあります。株価が半分になれば利回りは2倍になりますが、そのとき投資元本も半分になっています。

優待をもらうために、株価の下落でそれ以上を失っては意味がありません。利回りが極端に高い銘柄を見つけたときは、まず「なぜ株価がここまで下がっているのか」を業績で確認してください。

理由③ 店が近くになければ価値は0円になる

食事券の優待に固有の、そして最も大きい問題がこれです。券は発行した会社の店でしか使えません。

利回りが7%でも、その店が生活圏になければ受け取る価値は0円です。逆に利回り1%台でも、毎週通っている店なら額面がそのまま浮きます。

今回の20社でも、店舗の広がりには大きな差があります。

広がり
全国に展開 CoCo壱番屋(7630)、ヨシックス(3221)、クリエイト・レストランツ(3387)
地域が限られる カルラ(2789)は東北、ハブ(3030)は首都圏、ハチバン(9950)は北陸が中心
業態が限られる 光フードサービス(138A)は居酒屋事業のみ

食事券を選ぶときは、利回りの数字より先に店舗一覧を開いてください。企業のサイトに必ず掲載されています。

理由④ 優待は原則として課税の対象になる

株主優待は税務上、原則として雑所得として扱われます。「優待は非課税」という説明を見かけることがありますが、正確ではありません。

給与所得者の場合、給与以外の所得の合計が年20万円以下であれば確定申告が不要という基準があります。優待だけで年20万円を超えることはまれなので、結果として申告不要になっている人が多い、というのが実態に近いです。

ただし他に副収入がある場合は合算で判定されます。また住民税には20万円の基準がないため、自治体によって扱いが異なります。優待の金額換算は優待利回りとは?でも触れています。

食事券の株主優待に関するよくある質問

「1,000円ごとに500円割引」の券は利回りにするといくらですか
額面をそのまま利回りにはできません。8,000円分の券でも、使い切るには16,000円の飲食が必要だからです。この形の券は「実質50%割引」と考えるほうが正確です。該当する銘柄は割引券の株主優待10選で必要な会計額つきにまとめています。
食事券は家族が使ってもよいですか
多くの企業は利用者を株主本人に限定していません。ただし1回の会計で使える枚数に上限を設けている場合があります。券面や案内に記載されているので、まとめて使う予定があるなら先に確認してください。
テイクアウトや宅配にも使えますか
銘柄によります。NATTY SWANKY(7674)はテイクアウトも利用可能と明記し、壱番屋(7630)は持ち帰り弁当・宅配弁当・店内商品に使えると明記しています。一方で、店内飲食に限る企業もあります。
電子チケットの優待にはスマートフォンが必要ですか
必要な銘柄があります。NATTY SWANKY(7674)は「スマートフォンが必要」と明記しています。紙の券がよい場合は、幸楽苑(7554)のように「食事券は紙となります」と明記している銘柄を選ぶことになります。
食事券はいつ届きますか
権利確定日から2〜3か月後が一般的です。ヨシックスホールディングス(3221)は3月末ぶんが6月下旬、9月末ぶんが11月下旬、SAKIGAKEホールディングス(5891)は6月末ぶんが9月、12月末ぶんが翌年3月と案内しています。
100株より多く買うと食事券は増えますか
増えますが、多くの企業では比例しません。100株で2,000円分、500株で5,000円分というように、株数あたりの金額は下がる設計が一般的です。実質利回りだけを見るなら100株が最も効率的になります。
権利確定日の直前に買っても優待はもらえますか
権利付最終売買日までに買えばもらえます。これは権利確定日の2営業日前です。ただし継続保有が条件の銘柄は、直前に買っても初年度は対象外になります。食事券の優待では92社のうち11社が継続保有を条件にしています。
優待だけを狙って権利日前後で売買する方法はありますか
現物買いと信用売りを同時に行うクロス取引という手法があります。株価の変動を抑えて優待だけを受け取る形ですが、貸株料や逆日歩といった費用がかかり、想定外の負担になることもあります。仕組みと費用はクロス取引とは?で解説しています。

まとめ

食事券の株主優待を100株の実質利回りで整理しました。同じ「優待券」でも、額面をそのまま使える券とそうでない券がある点が要点です。

この記事のポイント

・食事券の優待を100株で出しているのは92社
・そのうち額面をそのまま使えるのは20社
・「◯円ごとに◯円割引」の券は同額以上の自腹が必要
電子チケットへの移行が進んでいる(紙と明記しているのは幸楽苑など)
テイクアウトや宅配に使えるかは銘柄で違う
11社は買った年にもらえない
・権利確定は3月43社・9月24社のほか2月18社も多い

食事券の優待は、利回りの高さより「その店に通うかどうか」で価値が決まります。買う前に企業サイトの店舗一覧を開いて、生活圏に店があるかを確かめてください。

他の種類の優待と比べたい場合は割引券の株主優待10選クオカード優待株10選自社製品の株主優待10選、条件で絞り込みたい場合は100株で買える株主優待の検索ページをご覧ください。

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