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バリュー投資とは

バリュー投資(読み方:ばりゅーとうし)

 

バリュー投資とは、簡単に言うと割安な銘柄に投資する手法です。
割安株投資やバリュー株投資とも呼ばれており、アメリカの著名な投資家ウォーレン・バフェット氏が成功を収めた投資手法としても有名です。

バリュー投資は株式投資で使われる手法の1つですが、「投資信託」の運用手法としても使われています。
このような手法で運用されている投資信託を「バリューファンド」といいます。

バリュー投資についてもう少し具体的に説明すると、現在の株価が企業の生み出す利益や資産などに対して割安と考えられる銘柄を買い付けていく投資手法です。

株価は様々な要因で上下しますし、需要によって高くなる株もあれば安いまま放置された株もあります。
例えば、利益水準等から判断すると株価1,000円でもおかしくないのに、現在の株価は800円という銘柄です。

バリュー投資では、そうした安いまま放置された株を800円で購入し、本来の価値である1,000円になったときに売却してリターンを得る投資手法となります。

割安性の判断については、一般的に「PER」や「PBR」などの指標が使われます。

 

バリュー投資メモ

・バリュー投資とは、簡単に言うと割安な銘柄に投資する手法のこと
・投資信託の運用手法としても使われており、これを「バリューファンド」と言う
・割安性の判断は「PER」や「PBR」などの指標が使われる

 

バリュー投資のやり方

バリュー投資は、企業の価値(バリュー:value)を分析し、割安と考えられる銘柄を買い付けていく手法となります。

それでは、具体的にどういった銘柄がバリュー投資の対象になるのでしょうか。
また、バリュー投資の対象になる銘柄は、どのようにして探せばよいのでしょうか。

この2点について説明していきます。

バリュー投資の対象になる銘柄とは

バリュー投資の対象になる銘柄は、前述したように現在の株価が企業の利益や資産などを基準にして割安と考えられる銘柄です。
このような銘柄を「バリュー株」や「割安株」「割安銘柄」といいます。

株価の割安性は、一般的に「PER(株価収益率)」や「PBR(株価純資産倍率)」などの指標を使って判断します。
具体的には、PERやPBRなどが市場平均よりも低い水準にある銘柄がバリュー投資の対象になります。

他には、配当利回りも判断基準の1つとなります。
配当利回りは、PERやPBRとは違い、平均よりも高い水準にあるほうが良いとされています。

バリュー投資銘柄の探し方

株式市場には沢山の銘柄があるので、1つ1つ確認して銘柄を探すのは大変です。

そこで指標等を使って「スクリーニング」を行っていきます。
スクリーニングとは、指標やその数値を設定して銘柄を検索できる機能のことです。

バリュー投資でよく使われる指標として、次のようなものがあります。

・PER
・PBR
・ROE
・配当利回り
・自己資本比率

各指標について紹介していきます。

PER

PER」とは、現在の株価が1株あたりの純利益(EPS)に対して何倍の価格なのか、を表した指標です。
株価収益率とも呼ばれています。
わかりやすく言うと、企業の利益水準から株価の割安性を測る指標となります。

一般的な目安は市況などにもよりますが、平均して14~17倍程度とされており、基本的に低いほど割安であるという見方がされます。

但し、業種によって平均値が異なるため、一概に14~17倍以下なら割安とは言えません。
平均値が10倍未満の業種もありますので、この点は覚えておくようにしましょう。

PBR

PBR」とは、現在の株価が1株あたりの純資産(BPS)に対して何倍の価格なのか、を表した指標です。
株価純資産倍率とも呼ばれています。
わかりやすく言うと、企業が保有している純資産から株価の割安性を測る指標となります。

一般的な目安は「1倍以下で割安」と判断されます。
ただ、PERと同じように業種による違いや、大型株・中型株・小型株による違いもあります。
例えば、新興企業は純資産が少ないのでPBRがおのずと高くなります。

ですから、PBRを使う場合はこのあたりも踏まえて判断する必要があります。

ROE

ROE」とは、企業が自己資本をどれだけ効率的に運用して利益を生み出しているか、を表した指標です。
自己資本利益率とも呼ばれています。

一般的に10%を超えると良いとされていますが、日本企業の平均値は5%前後となっています。
そのため、5~10%を目安とすることが多いです。

ただ、他の指標と同じで、業種などによって多少平均値が異なります。
例えば、製造業は平均値が低く、IT業などは平均値が高くなる傾向にあります。

配当利回り

配当利回り」とは、株価に対してどれくらいの配当金を受け取れるのかを示す数値です。
配当利回りが高いほど、株価に対して受け取れる配当金が多いということになります。

成長性を重視する「グロース投資」では、配当金がないことも多いのであまり気にしませんが、バリュー投資の場合は業績が安定している企業も多く、配当金がある銘柄も沢山あります。

ですから株価だけでなく、配当利回りも注目ポイントとなります。
一般的な目安としては「3~4%以上」あれば、配当利回りが高いとされています。

自己資本比率

自己資本比率」とは、総資本に対する自己資本の比率を表すもので、資本構成から会社の安全性を測る指標となります。
自己資本比率が高いほど、自己資本の割合が大きいことを示しています。

自己資本は簡単に言うと返済の必要がない資金のことです。
つまり、自己資本比率が高いということは、返済に必要のない資金が沢山あるということなので企業の安全性が高いと判断できます。

目安としては「50%を超えると優良企業」、「20~50%程度で普通」という見方がされます。
「20%未満になるとやや低い」「10%を下回ると改善が必要」とされています。

一般的に自己資本比率が高いほど「倒産しにくい会社」と言われています。
どのような投資手法でも会社が倒産したら意味がないので、自己資本比率などで会社の安全性を測ることも重要なポイントです。

各目安についてまとめると、

・PER:14~17倍以下
・PBR:1倍以下
・ROE:5~10%以上
・配当利回り:3~4%以上
・自己資本比率:50%以上

となります。
ただ、目安は業種等による違いもあるため、そのあたりも踏まえた上で最終的な投資判断をすることが大切です。

他には「時価総額」や「PCFR」「ROA」などを組み合わせて使ったり、指標のみだけでなく事業内容や財務状況等を分析して割安な銘柄を探すこともあります。

バリュー投資のメリット

バリュー投資は、次のようなメリットがあります。

・売買タイミングにあまり悩まなくていい
・株価の上昇による大きなリターンを得られる可能性
・株を保有していれば配当金を得られる。

バリュー投資は割安と考えられる銘柄を買い付けて、適正価格になったら売却して利益を狙う投資手法となっており、基本的には中長期の投資手法となります。
そのため、他の手法に比べると売買のタイミングに悩む必要もないですし、割安な銘柄の中から投資していくので高値掴みの心配もありません。

また、割安な銘柄なので上昇余地も大きく、注目が集まると大きなリターンを狙えるのもバリュー投資のメリットになります。

他には、配当金を得られるという点もメリットになります。
成長性を重視するグロース投資では、配当金が出ない銘柄も多いです。
一方でバリュー投資は配当が出る銘柄も沢山あるので、将来の「キャピタルゲイン」を狙いつつ、一定の「インカムゲイン」も狙えるというメリットがあります。

バリュー投資のデメリット

バリュー投資には、先ほど説明したようなメリットがある一方で、次のようなデメリットもあります。

・株価が上昇するまで時間がかかる
・割安な銘柄を見つけるのは難しい

バリュー投資の対象になる銘柄は、現在の株価が割安な状態なので株価の上昇余地に期待できます。
ただ、割安な状態で放置された銘柄は、注目が集まりにくいような銘柄も多く、株価が上昇するまで時間がかかることもよくあります。

また、割安だからといって必ず上昇するとも限りません。
割安な状態が長期間続く可能性もありますし、何かしらの要因でさらに株価を下げる可能性もあります。

バリュー投資は基本的に長期目線で考えることが大事ですが、上記のように株価が上昇しない可能性もあるという点は覚えておくようにしましょう。

他には、割安な銘柄を見つけるのは難しいという点があります。
株価が割安かどうかを判断するために、参考目安としてPERなどの指標が使われます。
ですが、指標が割安を示すからといって、必ずしも割安であるとは限りません。
「PERでは割安と判断できたけど実はそこまで割安ではなかった」ということもよくあります。

ですから、そういった指標だけでなく、事業内容はどうなっているのか、財務状況は悪くないか、今後の業績が悪化していくことはないか、なども見て判断する必要があります。

このように割安の判断が難しいところもバリュー投資のデメリットになるでしょう。

バリュー投資とグロース投資

バリュー投資とよく比較されるもので「グロース投資」があります。

グロース投資とは、簡単に言うと企業の成長性に着目した投資手法のことです。
高い成長性が期待される銘柄を中心に投資していくので、バリュー投資とは違って配当利回りが低かったり、株価水準が割高となっていることも多いです。

バリュー投資では、株価が割安かどうかに着目して投資していくので、そういう銘柄を買うことはないですが、グロース投資の場合は高い成長性が見込めるのあれば割高水準でも積極的に投資します。

この点はバリュー投資とグロース投資の大きな違いになります。

グロース投資については、「グロース投資とは何か?わかりやすく解説」で紹介しています。

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