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自己資本比率とは

自己資本比率(読み方:じこしほんひりつ)

 

自己資本比率とは、総資本に対する自己資本の比率(割合)を示すもので、資本構成から会社の安全性を測る指標の1つとなります。

総資本とは、自己資本と他人資本を合計した総額のことをいいます。
自己資本は、わかりやすく言うと「返済の必要がない資金」のことで、株主から調達した資金や事業活動で得た利益の蓄積などのことです。
他人資本は、「返済の必要がある負債」のことを指しており、金融機関からの借入金や社債のことをいいます。

総資本に対する自己資本の割合が高くなると、自己資本比率も高くなります。
自己資本比率が高くなるほど、返済の必要がない資金の割合が大きいことを表しており、会社に資金力があり安全性は高いと判断できます。

一般的に自己資本比率が高いほど「倒産しにくい会社」と言われています。

反対に、総資本に対する自己資本の割合が低くなると、自己資本比率も低くなります。「自己資本の割合が低くなる」というのは、言い替えると「返済の必要がある負債の割合が大きくなる」ということです。
つまり、自己資本比率が低くなるほど、返済の必要がある負債の割合が大きいことを表しており、会社の安全性は低いと判断できます。

自己資本比率の計算式

自己資本比率の計算式は次の通りです。

自己資本 ÷ 総資本 × 100 = 自己資本比率

例えば、自己資本が21億円、他人資本が9億円だった場合、総資本は30億円となります。

これを自己資本比率の計算式に当てはめると、次のようになります。

21億円 ÷ 30億円 × 100 = 70

総資本に対する自己資本が占める割合は「70%」であることがわかります。

 

自己資本比率メモ

・自己資本比率とは、総資本に対する自己資本の割合のこと
・資本構成から会社の安全性を測る指標
・総資本とは、自己資本と他人資本を合計した総額のこと
・自己資本とは、簡単に言うと返済の必要がない資金のこと
・他人資本とは、簡単に言うと返済の必要がある負債のこと
・自己資本比率の計算式は「自己資本 ÷ 総資本 × 100 = 自己資本比率」

 

自己資本比率の目安

自己資本比率の基本的な見方は次の通りです。

・自己資本比率が高いほど会社の安全性が高い
・自己資本比率が低いほど会社の安全性が低い

それでは、具体的に目安となる基準値はあるのでしょうか。

1つの基準として、次のようなものがあります。

・50%超
・20~50%
・20%未満
・10%未満

自己資本比率は50%を超えると理想的で、高ければ高いほど優良企業であるとされています。
20~50%で普通、20%未満でやや低いと判断されます。
10%を下回る場合は、自己資本が少なく、利益体質の改善が必要とされています。

ただ、上記はあくまでも目安となります。
自己資本比率は業種や会社の規模によって異なることもあるので、比較する場合は同規模の同業他社と比較するのが良いでしょう。

銀行の自己資本比率

銀行の自己資本比率は一般企業に比べると低く、平均値は10%未満となっています。
一般企業であれば改善が必要な水準となりますが、銀行の場合は目安の基準値が異なります。

・海外営業拠点を有する銀行の場合は「国際統一基準:8%以上」
・海外営業拠点を持たない銀行の場合は「国内基準:4%以上」

自己資本比率が高いほど安全性が高いという点は同じですが、目安となる基準値は大きく異なるので、この点は覚えておくと良いでしょう。

自己資本比率がマイナスの場合

自己資本比率がマイナスの場合は「債務超過」の状態です。

自己資本には利益だけでなく、累積損失も含まれます。
そのため、赤字が続いて累積損失が膨らんでしまうと、自己資本がマイナスになってしまうこともあります。

そうなると自己資本比率もマイナスになります。

自己資本がマイナスになると、資産よりも他人資本(負債)が多いことを意味します。

つまり、会社の資産を全て現金に換えたとしても、返し切れないほどの負債がある状態です。
この状態を「債務超過」といいます。

自己資本比率がマイナスになったからといって必ず倒産するわけではありませんが、通常よりも倒産リスクは高くなっているので注意が必要となります。

 

自己資本比率メモ

・自己資本比率が高いほど会社の安全性は高い
・自己資本比率が低いほど会社の安全性は低い
・目安は「20~50%」で普通、「50%超」で優良企業と言える
・但し、自己資本比率は業種や会社規模によって異なるので、比較するなら同規模同業他社のほうが良い

 

自己資本比率を簡単に確認する方法

自己資本比率を簡単に確認したい場合は、以下の方法で確認することができます。

・証券会社(取引ツール)で確認する
・自己資本比率をスクリーニングする

証券会社(取引ツール)で確認する

利用する証券会社(取引ツール)によって、自己資本比率を簡単に確認することができます。

例として、楽天証券の「iSPEED」で確認してみましょう。

 

 

個別銘柄画面で「指標」→「財務(連)」を選択し、少し下に移動すると上記画面のように確認できます。

自己資本比率をスクリーニングする

自己資本比率で銘柄検索するときは、スクリーニング機能を使うと便利です。
スクリーニング機能とは、自分が指定した条件で銘柄を検索できる機能のことです。

例として、楽天証券の「iSPEED」で確認してみましょう。

1.検索からスーパースクリーナーを開く
2.検索条件追加を選択する
3.検索条件「財務」から「自己資本比率」を選択して条件追加をする
4.自己資本比率の数値を調整して銘柄検索

これで自己資本比率のスクリーニングが可能です。

 

 

検索直後は自己資本比率が表示されていないので、画面右上の「銘柄コード」をタップします。

 

 

後は自己資本比率を選択して決定をタップすると自己資本比率が表示されます。

 

 

検索条件追加で他の指標や投資金額などをを追加するとさらに絞り込むこともできるので、自己資本比率で銘柄検索をするときはスクリーニング機能を活用するとよいでしょう。

自己資本比率ランキング

2020/12/9時点の楽天証券のスクリーニング機能(スーパースクリーナー)の検索結果を基に作成しています。

自己資本比率の高い企業10社

コード 会社 自己資本比率
7937 ツツミ 97.89%
4883 モダリス 97.57%
4571 ナノキャリア 96.99%
3787 テクノマセマティカル 96.90%
4382 HEROZ 96.46%
6861 キーエンス 95.76%
6232 自律制御システム研究所 95.54%
4563 アンジェス 95.51%
4599 ステムリム 95.45%
3770 ザッパラス 95.42%

自己資本比率の低い企業10社

コード 会社 自己資本比率
5216 倉元製作所 -93.20%
2901 石垣食品 -38.10%
6628 オンキヨーホーム -35.01%
8209 フレンドリー -35.00%
3133 海帆 -25.08%
3624 アクセルマーク -21.57%
2721 ジェイホールディングス -14.67%
9941 太洋物産 -2.08%
4222 児玉化学工業 -1.62%
9695 鴨川グランドホテル 0.27%
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