
楽天証券は、国内株の売買手数料が0円になる「ゼロコース」を持つネット証券です。2023年10月1日から始まり、いまはこれが主力コースになっています。
ただし0円には条件があります。SOR(スマートオーダールーティング)の利用に同意することです。ここを知らずに「無料だから」で選ぶ人が多いので、最初に説明します。
この記事では、ゼロコースの中身と、楽天経済圏を使っていない人にとっての価値まで整理します。
この記事でわかること
・ゼロコースのSOR同意という条件
・楽天カード積立と楽天キャッシュ積立(合計月15万円)
・かぶミニで1株から買えること
・マネーブリッジの優遇金利
・日経テレコンが無料で読めること
・IPOの取扱が少ないという弱点
・楽天経済圏を使っていない人にとっての価値
※ 本記事の手数料・サービス内容は2026年8月時点で公表されている情報にもとづきます。条件は変更されることがあるため、申込前に必ず公式サイトでご確認ください。
目次
結論:楽天証券が向いている人
・国内株の手数料を0円にしたい人
・投資信託を毎月積み立てたい人
・楽天銀行を持っている人
・アプリの使いやすさを重視する人
・SORの仕組みに納得できない人
・楽天のサービスを一切使わない人
・米国株の銘柄数を最優先する人
楽天証券の価値の半分は「楽天経済圏の中にいるかどうか」で決まります。
楽天カードで積み立て、楽天市場で買い物をし、楽天銀行と連携する。この3つが揃うと還元が積み上がる設計です。
逆に楽天のサービスを使っていないなら、手数料0円という一点でSBI証券と比べることになります。
楽天証券とは
楽天証券は国内の主要ネット証券のひとつです。楽天グループに属し、楽天銀行・楽天カード・楽天市場と連携できる点が他社にない特徴になっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 国内株の手数料 | ゼロコースなら0円(SOR同意が条件) |
| 貯まるポイント | 楽天ポイント |
| クレカ積立 | 楽天カード(月10万円)+楽天キャッシュ(月5万円) |
| 単元未満株 | かぶミニ(買付・売却とも0円) |
| PTS(夜間取引) | 対応 |
| 銀行連携 | マネーブリッジ(楽天銀行の普通預金金利が優遇) |
| 口座管理料 | 無料 |
| 口座開設 | 最短翌営業日(スマホで本人確認) |
手数料コースは3つある
楽天証券の国内株には3つのコースがあり、自分で選んで設定します。初期設定のまま放置していると、意図しないコースになっていることがあります。
| コース | 手数料 | 向く人 |
|---|---|---|
| ゼロコース | 現物・信用とも0円 SOR(Rクロス含む)の同意が必須 |
ほとんどの人 |
| 超割コース | 5万円まで55円 10万円まで99円 20万円まで115円 50万円まで275円 100万円まで535円 |
手数料の一部をポイントで受け取りたい人 |
| いちにち定額コース | 1日100万円まで0円 200万円まで2,200円 300万円まで3,300円 以降100万円ごと1,100円 |
1日に何度も売買する人 |
※ 2026年8月時点・すべて税込。いちにち定額コースは現物と信用の合計額で計算されます。
🔴 ゼロコースには「SOR同意」という条件がある
ここが多くの記事で省略されている部分です。ゼロコースを使うには、SORの利用に同意する必要があります。
注文を出したとき、東証だけでなくPTSも含めて、より有利な価格の市場へ自動的に注文を回す仕組みのことです。
楽天証券のSORには、楽天証券グループ内で注文を突き合わせる「Rクロス」という仕組みも含まれます。
ほとんどの個人投資家にとって、SORは不利になるものではありません。ただし「板を読んで東証で約定させたい」という取引をする人は、この条件を理解したうえで選んでください。
楽天カード積立と楽天キャッシュ積立
楽天証券の投資信託はクレジットカードで積み立てられます。さらに楽天キャッシュ(電子マネー)でも積み立てられるため、2つを併用できます。
| 決済手段 | 月の上限 | ポイント還元 |
|---|---|---|
| 楽天カード | 10万円 | 銘柄の代行手数料率で変動 低コスト投信でも0.5%を維持 |
| 楽天ゴールドカード | 10万円 | 低コスト投信で0.75% |
| 楽天キャッシュ | 5万円 | チャージ元のカードに応じて還元 |
| 併用したとき | 15万円 | — |
※ 2026年8月時点。還元率は銘柄・カード種別・キャンペーンで変わります。最新条件は公式サイトでご確認ください。
新NISAのつみたて投資枠は年120万円(月10万円)、成長投資枠は年240万円です。
月15万円まで還元を受けながら積み立てられると、つみたて投資枠を使い切ったうえで成長投資枠にも回せます。
かぶミニ:1株から買える
日本株は原則100株単位ですが、楽天証券のかぶミニなら1株から買えます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 売買手数料 | 買付・売却とも0円 |
| 寄付取引のスプレッド | 無料 |
| リアルタイム取引のスプレッド | 0.22% |
かぶミニは手数料が0円ですが、リアルタイム取引では価格に0.22%が上乗せされます。これが実質的なコストです。
コストを避けたいなら、寄付(始値)での取引を選ぶと無料になります。
なお、単元未満株では株主優待の権利が得られないのが原則です。優待目的なら100株そろえる必要があります。
マネーブリッジ:楽天銀行との連携
マネーブリッジは楽天銀行と楽天証券の口座をつなぐサービスです。設定すると2つのことが起きます。
一般的な大手銀行の普通預金金利と比べて高い水準が適用されます。2026年1月1日から、最も高い優遇金利が適用される残高が300万円から1,000万円へ引き上げられました。
株を買うときに、証券口座の残高が足りなくても楽天銀行から自動で資金が移動します。入金の手間がなくなります。
※ 優遇金利の水準は改定されます。最新の金利は楽天銀行の公表情報でご確認ください。
「相場が下がったら買いたいので現金で持っておきたい」という資金は、どこかで眠らせておくことになります。
その置き場所に金利が付くかどうかは、地味ですが確実な差になります。
楽天ポイントの使い道とSPU
楽天証券で貯めた楽天ポイントは、そのまま投資信託や国内株の買付に使えます。現金を出さずに投資を始められるため、最初の一歩としては心理的なハードルが下がります。
楽天証券で一定額以上の投資をすると、楽天市場での買い物のポイント倍率が上がります。
投資信託で+0.5倍、米国株で+0.5倍(いずれも月3万円以上などの条件あり)という構成です。
投資のリターンとは別に、生活費側の還元が増えるという設計になっています。
「ポイント倍率を上げるために月3万円積み立てる」という順序は逆です。
投資額は自分の家計から決めるもので、還元はその結果として付いてくるものです。条件達成を目的にすると、家計に合わない金額を積み立てることになります。
※ SPUの条件・倍率は改定されます。最新の内容は楽天市場の公表情報でご確認ください。
日経テレコンが無料で読める
楽天証券の口座があると、日経テレコン(楽天証券版)を無料で利用できます。日本経済新聞・日経産業新聞・日経MJの記事を検索して読めるサービスです。
企業の適時開示や決算だけでは分からない「その業界で何が起きているか」を追うときに効きます。過去記事をさかのぼれる点も、銘柄を調べるうえで実用的です。
※ 提供範囲は通常の日経電子版と同一ではありません。閲覧できる媒体・記事の範囲は公式サイトでご確認ください。
楽天証券のデメリット
IPOは取り扱っている証券会社からしか申し込めません。楽天証券の取扱数はSBI証券などと比べて少なく、IPO狙いなら別の口座が要ります。マネックス証券の完全平等抽選や松井証券の事前入金不要と組み合わせるのが現実的です。
楽天証券のクレカ積立の還元率は、これまでに引き下げと引き上げの両方を経験しています。還元率だけを理由に証券会社を選ぶと、条件が変わったときに動けなくなります。
前述のとおりです。多くの人にとって不利にはなりませんが、「無条件で0円」ではないことは知っておいてください。
SBI証券とどちらを選ぶか
| 比較項目 | 楽天証券 | SBI証券 |
|---|---|---|
| 国内株の手数料 | 0円(SOR同意) | 0円(電子交付の設定など) |
| 貯まるポイント | 楽天ポイント | Vポイントなど(選べる) |
| IPO | 取扱数が少ない | 取扱数が多い |
| 単元未満株 | かぶミニ | S株 |
| 情報ツール | 日経テレコンが無料 | 四季報など |
| 銀行連携 | 楽天銀行(マネーブリッジ) | 住信SBIネット銀行 |
どちらも維持費は無料なので、両方作って構いません。
決めなければならないのはNISA口座だけです(1人1口座)。普段どちらの経済圏で買い物をしているかで選ぶのが、いちばん失敗しません。
楽天証券に関するよくある質問
まとめ
楽天証券は「楽天経済圏の中心にある証券口座」です。手数料0円は入口にすぎず、価値の大半は連携から生まれます。
この記事のまとめ
・ただしSOR(Rクロス含む)の利用同意が必須
・手数料コースは3つ。設定は自分で選ぶ
・楽天カード10万円+楽天キャッシュ5万円で月15万円まで積立可能
・かぶミニは1株から。リアルタイム取引は0.22%のスプレッドあり
・マネーブリッジで楽天銀行の普通預金金利が優遇される
・最大優遇金利の適用残高が2026年1月1日から1,000万円へ
・日経テレコンが無料で読める
・IPOの取扱数が少ないのが最大の弱点
・ポイント還元の条件は改定されるので、それだけで選ばない
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