
Fear & Greed Index(恐怖と強欲指数)は、米CNNが公開している投資家心理の指数で、7つの市場指標を等しい重みで合成し、0(極度の恐怖)〜100(極度の強欲)で表します。「いま市場を動かしている感情は何か」を1つの数字で見られるので、日本の個人投資家にもよく見られています。中身は株価・オプション・債券の数字の組み合わせです。7つのうち3つ(S&P500と125日線、VIXと50日線、ジャンク債のスプレッド)はFREDとCboeの無料データで自分でも計算できます。2026年9月28日時点の値を実際に出してみました。
- 7指標を等しい重みで0〜100に合成している。中身は株価の勢い(S&P500と125日線)・新高値と新安値・騰落の幅・プット/コール比率・ジャンク債の需要・VIX・安全資産の需要
- VIXは7つのうちの1つ。VIXはS&P500のオプションから出す予想変動率そのもので、Fear & Greedはそれを含めた心理の総合点。Fear & Greedそのものを売買できる商品は無い
- 2026年9月28日に計算し直すと、S&P500は125日線より3.3%上(強欲寄り)、VIXは50日線とほぼ同じ(16.07)、ジャンク債のスプレッド差は過去3年の中央値付近
7つの指標の中身と、無料で見られるデータ
CNNの説明によると、各指標の「普段の平均からどれだけ離れているか」を「普段どれくらい離れるか」と比べて点数にしています。その7つを等しい重みで合わせたのが0〜100のスコアです。どの指標も、株が選ばれているか(強欲)避けられているか(恐怖)を別の角度から測っています。
| 指標(CNNの名称) | 中身 | 恐怖のサイン | 自分で確かめるデータ |
|---|---|---|---|
| 株価の勢い(Market Momentum) | S&P500と過去125営業日の移動平均 | 125日線を下回る | FREDのSP500(無料) |
| 株価の強さ(Stock Price Strength) | NYSEの52週高値と安値の銘柄数の差 | 新安値が多い | 取引所・通信社の市況欄 |
| 株価の幅(Stock Price Breadth) | マクレラン・サメーション指数(出来高ベース) | 値下がり銘柄の出来高が多い | 有料のチャートサービスが中心 |
| プットとコール(Put and Call Options) | 5日平均のプット/コール比率 | 比率が上がる(1超は弱気) | Cboeの市場統計 |
| ジャンク債の需要(Junk Bond Demand) | ジャンク債と投資適格債の利回り差 | 差が広がる | FREDのICE BofA系列(無料) |
| 市場の変動性(Market Volatility) | VIXと50日移動平均 | 50日線より上 | CboeのVIX履歴(無料) |
| 安全資産の需要(Safe Haven Demand) | 過去20営業日の株と米国債のリターン差 | 債券が株を上回る | 株価指数と米国債の価格 |
7つのうち株価そのものに近いのが勢い・強さ・幅の3つ。オプション市場が2つ(プット/コールとVIX)、債券市場が2つ(ジャンク債と安全資産)です。株価が下がると複数の指標が同時に恐怖側に振れるので、指数は短期間で大きく動きます。CNNは各指標と指数を新しいデータが入るたびに計算し直すと説明しています。
0〜100の読み方(恐怖と強欲の5区分)
CNNのゲージは0〜100を5つに区切っています。境目はゲージの目盛りで、だいたい次のとおりです。
| 区分 | 目安の範囲 | 市場の状態 |
|---|---|---|
| Extreme Fear(極度の恐怖) | 0〜25前後 | 急落・投げ売り。VIXが30を超えるような局面で出やすい |
| Fear(恐怖) | 25〜45前後 | 調整局面。悪材料に敏感 |
| Neutral(中立) | 45〜55前後 | 方向感が乏しい |
| Greed(強欲) | 55〜75前後 | 上昇が続き、押し目が浅い |
| Extreme Greed(極度の強欲) | 75〜100前後 | 過熱。新高値の銘柄が多く、ヘッジの需要が少ない |
よくある使い方は「極度の恐怖で少しずつ買い、極度の強欲で買い増しを控える」という逆張りの目安です。ただ、指数は過去数か月の平均と比べた数字です。下落が長引く相場では恐怖の区分が何週間も続き、恐怖=底とは限りません。反対に、強い上昇相場では強欲の区分に長くとどまります。1つの数字で売買のタイミングを決めるより、積立額を増やすか・現金を多めに持つかを考えるときの材料にするくらいがちょうどいいと思います。
VIXとの違い
| VIX | Fear & Greed Index | |
|---|---|---|
| 作っている所 | Cboe(シカゴ・オプション取引所) | CNN(報道機関) |
| 中身 | S&P500オプションから計算した今後30日の予想変動率(%) | VIXを含む7指標の合成点 |
| 数字の範囲 | 上限なし。平時12〜20、急落時30〜80 | 0〜100 |
| 向き | 高いほど恐怖 | 低いほど恐怖 |
| 取引できるか | 先物・オプション・連動商品がある | 指数そのものの商品はない |
| 過去データ | 1990年から日次で公開 | CNNのページでグラフを見られる |
VIXはオプション市場だけの数字なので反応が速く、1日で2倍になることもあります。Fear & Greedは株価・債券・オプションを合わせた数字です。VIXより動きは遅いものの、1つの市場の一時的な動きには振り回されにくくなっています。VIXの水準の読み方はVIX(恐怖指数)と米国株に、日本株での使い方はVIX指数の記事に書いています。
7指標のうち3つを自分で計算してみた(2026年9月28日時点)
CNNの指数はCNNのデータなので、ここでは値を載せません。代わりに、無料で公開されている元のデータから計算できる3つの指標を自分で計算しました(2026年9月28日時点)。
| 指標 | 計算 | 2026年9月28日時点 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 株価の勢い | S&P500終値÷125営業日平均 | 7,683.69(平均7,436.72)→3.3%上 | 強欲寄り |
| 市場の変動性 | VIX終値÷50営業日平均 | 16.07(平均15.92)→0.9%上 | ほぼ中立 |
| ジャンク債の需要 | ハイイールド債OAS−投資適格債OAS | 2.93−0.81=2.12ポイント(2026年9月25日) | 過去3年の中央値2.17付近 |
ジャンク債のスプレッド差は、過去3年(784営業日)で最も小さかったのが2025年1月22日の1.78ポイントです。最も大きかったのは2025年4月7日の3.41ポイントで、今は小さい方から44%の位置にあります。直近1年(250営業日)のうち、S&P500が125日線を上回っていた日は91%でした。
恐怖が極端になった局面の目安として、VIXが30以上・40以上で引けた日数を年ごとに数えました。
| 年 | VIX終値30以上 | 40以上 |
|---|---|---|
| 2008年 | 79日 | 64日 |
| 2009年 | 111日 | 61日 |
| 2020年 | 80日 | 35日 |
| 2022年 | 49日 | 0日 |
| 2024年 | 1日 | 0日 |
| 2025年 | 12日 | 4日 |
| 2026年(9/28まで) | 2日 | 0日 |
1990年以降の9,282営業日のうち、VIXが30以上で引けたのは7.9%。2026年は9月28日までに2日でした。「極度の恐怖」に当たる局面は年に数日〜数十日しかなく、1日も無い年のほうが多いのです。
S&P500はFREDにある直近10年分、VIXはCboeが公開している1990年1月から2026年9月28日までの9,282日分を使いました。スプレッドはFREDにあるICE BofAのOAS(2023年9月29日〜2026年9月25日)です。CNNは「利回り差」と説明しているので、OASの差とは完全には一致しません。残りの4指標は無料のデータでは再現できないので外しています。
日本からの見方と注意点
指数の元になる数字は米国市場の取引時間中に動きます。日本時間なら夜から翌朝(夏時間22:30〜翌5:00、冬時間23:30〜翌6:00)です。日本の朝に見る値は、前日の米国の終値をおおむね反映したものです。
気をつけたいことも書いておきます。まず、CNNは計算式の細部を変えることがあります(ページ上でも株価の幅の指標を改めたと告知しています)。過去の値とは完全には比べられません。次に、対象は米国株だけで、日本株や為替の心理は表しません。そして恐怖の区分にあることは、この先に株価が上がる根拠にはなりません。数字が極端なときほど、S&P500の決算動向や米10年債利回りなど、動いた理由をほかの材料で確かめるようにしてください。
Fear & Greed Indexに関するよくある質問
Fear & Greed Indexはどこで見られますか?
何点以下なら「恐怖」ですか?
VIXとFear & Greed Indexはどちらを見ればいいですか?
極度の恐怖のときに買えば儲かりますか?
関連する用語
- VIX(恐怖指数)と米国株
- VIX指数(恐怖指数)
恐怖指数とは、これから相場がどれくらい大きく動きそうかを数値化した指標のことです。 - ボラティリティ
ボラティリティとは、価格がどれくらい大きく上下するかを表す言葉です。 - S&P500(構成と仕組み)
- 米10年債利回り
- 米国債ETF(AGG・BND・TLT)
- ソフトランディング
- 騰落レシオ
騰落レシオとは、値上がりした銘柄数と値下がりした銘柄数の比率から、相場の過熱感を測るテクニカル指
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執筆:佐々木優也(Pacific Stock編集長・専業投資家歴20年)
7指標の定義はCNNの説明(2026年9月29日確認)によるもので、3指標の数値はFREDとCboeのデータから計算した値です(CNNの指数の値ではありません)。この記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄や証券会社の売買・口座開設を勧めるものではありません。当サイトは証券会社の口座開設などでアフィリエイト報酬を得る場合がありますが、比較の順位や数値には影響しません。最終更新2026-10-02。

