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騰落レシオとは
騰落レシオ(読み方:とうらくれしお)
騰落レシオとは市場の過熱感を見るテクニカル指標です。
市場の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比率から、買われすぎや売られすぎといった状況判断をする事ができます。
騰落レシオの基準は100%が中央の状態で、100%を超えると値上がり銘柄のほうが多い状態を意味し、反対に100%未満は値下がり銘柄のほうが多い状態を表します。
目安として騰落レシオが120%を超えると過熱気味、70%以下は売られすぎで底値圏と言われています。
騰落レシオは1日ではなく、一定期間で見て使用します。
短期的な過熱感をみる場合は5日間の合計数で判断するのが一般的で、これを『5日騰落レシオ』といいます。
中期的な過熱感をみる場合は25日間の合計数で判断し、これを『25日騰落レシオ』といいます。
騰落レシオを英語ではup-down ratio
騰落レシオメモ
・買われすぎ、売られすぎといった状況の判断が可能
・騰落レシオは120%を超えると過熱気味、70%未満は売られすぎ
騰落レシオの計算方法
騰落レシオの計算は以下の式で求められます。
上記の計算式で騰落レシオが計算できます。
5日騰落レシオの場合は値上がり銘柄と値下がり銘柄を5日分、25日騰落レシオの場合は25日分の合計で計算します。
例えば仮に以下の5日間の騰落レシオを計算するとなった場合、以下のような計算になります。
例) 1日:値上がり銘柄 2000銘柄 値下がり銘柄 1711銘柄 2日:値上がり銘柄 1900銘柄 値下がり銘柄 1811銘柄 3日:値上がり銘柄 1800銘柄 値下がり銘柄 1911銘柄 4日:値上がり銘柄 2500銘柄 値下がり銘柄 1211銘柄 5日:値上がり銘柄 1700銘柄 値下がり銘柄 2011銘柄 合計:値上がり銘柄 9900銘柄 値下がり銘柄 8655銘柄 |
9900銘柄(5日分の値上がり銘柄数) ÷ 8655銘柄(5日分の値下がり銘柄数) × 100 = 114.38%
5日騰落レシオ114.38%で、やや高いですが過熱とは言えず、更に上昇相場が続くと危ないかもと判断ができます。
騰落レシオメモ
・5日騰落レシオの場合は値上がり銘柄と値下がり銘柄を5日分の合計で計算
・25日騰落レシオの場合は値上がり銘柄と値下がり銘柄を25日分の合計で計算
過去最低の騰落レシオ
騰落レシオは70%前後までいくと売られすぎ圏となり、底値水準となります。
これは実際に過去のデータを見てもわりと機能しており、急落時に騰落レシオを見て70%が近づいたら買いを入れる投資家も多いです。
ただし、リーマンショックやコロナショックなどの売りが売りを呼ぶ『セリングクライマックス』の局面では、更に株価が下がり騰落レシオも下に突き抜けるケースが稀にあります。
リーマンショック時の騰落レシオ
リーマンショックとは、2008年9月にアメリカの投資銀行であるリーマンブラザーズが破綻し、それを契機に起こった世界的な株価下落、金融危機、同時不況のことです。
このリーマンショック時に騰落レシオは70%を割り込み下に尽き抜けることになりました。
その結果リーマンショック時の25日騰落レシオは最低で52.75%まで下がり、当時の最低記録となっています。
リーマンブラザーズの破綻自体は2008年9月15日ですが、株価は先行して下げ始めて騰落レシオの最低記録は2008年1月22日に付けています。(52.75%)
リーマンブラザーズの破綻以降だと、2008年10月10日に騰落レシオ54.43%を付けています。
コロナショック時の騰落レシオ
コロナショックとは、2020年に起こった新型コロナウイルスの流行による世界的な株価下落のことです。
このコロナショック時に25日騰落レシオは過去最低の43.25%を記録します。
2020年2月後半から騰落レシオは70%を割れ、その数日後には50%台へ。
その後の3月16日に過去最低となる騰落レシオ40.12%を記録しています。
その数日後に株価は底打ちをして反発が開始となりました。
当時の値動きを証券会社の人などは『人間の感覚としてはここまで売り込むという手段はとりえない』と話しています。
これは昔と比べて株式市場の中でAIトレードが広がったことにより、AIの暴走によってこのような下げの暴走が起きやすくなったということでしょう。
騰落レシオメモ
・リーマンショック時の25日騰落レシオは最低で52.75%