スイングトレードとは、数日から数週間の保有で売買を完結させる手法のことです。1日で終わらせるデイトレードと、年単位で持つ長期投資の中間にあたります。
日中に相場を見られない人でも取り組めるのが利点ですが、夜のあいだに何が起きてもポジションを持ったままという固有のリスクがあります。
この記事では、銘柄選びから持ち越しリスクへの備えまでを解説します。
この記事でわかること
・銘柄を選ぶときの具体的な条件
・損切りと利確をどこに置くか
・持ち越しで逆指値が機能しないケース
・1回の取引で失っていい金額の決め方
目次
スイングトレードとは
スイングトレード(Swing Trade)は、数日から数週間の値動きの「波(スイング)」を取りにいく手法です。
1回あたりの値幅は5〜20%程度を狙うことが多い
→ 「毎日売買しなくていい」ことが最大の利点
日中に画面を見続ける必要がないため、仕事を持つ人がもっとも現実的に取り組める短期売買とされています。
他の手法との比較
| 手法 | 保有期間 | 必要な時間 | 持ち越し |
|---|---|---|---|
| スキャルピング | 数秒〜数分 | 画面に張り付く | なし |
| デイトレード | その日のうち | 取引時間中ずっと | なし |
| スイングトレード | 数日〜数週間 | 1日数分でも可能 | あり |
| 長期投資 | 年単位 | ほぼ不要 | 当然あり |
右端の列が重要です。デイトレードには存在しない「持ち越しリスク」が、スイングトレードには必ずついてきます。
向いている人・向いていない人
・日中は仕事をしている
・毎日売買したくない
・チャートを見るのが苦にならない
・ルールを決めて守れる
・数日の含み損に耐えられる
・保有中ずっと株価が気になる
・損切りができない
・毎日結果が欲しい
・使う予定のある資金で運用する
・夜間のニュースに耐えられない
銘柄選びの条件
「上がりそうな銘柄」を探す前に、取引の対象になりうる銘柄かどうかを絞ります。
| 条件 | 目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 売買代金 | 1日平均10億円以上など | 売りたいときに売れることが最優先 |
| 値動きの大きさ | 1日の値幅が2〜4%程度 | 動かない銘柄では利益が出ない |
| 最低投資金額 | 資金の3分の1以内 | 1銘柄に集中させない |
| チャートの形 | 方向感がある | 上下を繰り返すだけの銘柄は避ける |
| 決算発表日 | 保有期間に重ならないか | 決算をまたぐと想定外の動きになる |
いちばん大事なのは1行目です。売買代金が細い銘柄では、損切りしたいときに買い手がいません。値動きの魅力より流動性を優先してください。
エントリーの2つの型
| 型 | 入るタイミング | 性質 |
|---|---|---|
| 順張り(ブレイク) | 直近高値やもみ合いの上限を上抜けたところ | 方向が確認できてから入る。ダマシは多い |
| 逆張り(押し目) | 上昇トレンド中の一時的な下落局面 | 安く買えるが、そのまま下げ続けるリスク |
どちらが優れているということはありません。重要なのは、自分がどちらの型で入ったのかを自覚しておくことです。
順張りで入ったのに下がったから買い増す、といった途中で型を変える行動が最も損失を大きくします。
売買ルールの作り方
スイングトレードで結果を分けるのは、銘柄選びよりルールの有無です。
順番が重要です。「いくら儲かるか」ではなく「いくらまで失っていいか」から設計してください。
資金管理の考え方
1回の取引で失っていい金額を、あらかじめ決めておきます。
1回の取引での損失を、投資資金全体の2%以内に抑える
資金100万円の場合、1回の損失上限は2万円
株価1,000円、損切りを950円(1株あたり50円の損失)に置くなら
→ 20,000 ÷ 50 = 買えるのは400株まで
この計算をすると、「買える株数」が自動的に決まります。資金があるだけ買う、という発想がなくなります。
| 連敗数 | 1回2%の場合の残り資金 | 1回10%の場合 |
|---|---|---|
| 3連敗 | 約94万円 | 約73万円 |
| 5連敗 | 約90万円 | 約59万円 |
| 10連敗 | 約82万円 | 約35万円 |
※ 資金100万円から始めた場合の単純計算です。手数料・税金は考慮していません。
右端の列を見てください。1回の損失を大きくすると、連敗したときに立て直せなくなります。10連敗は珍しいことではありません。
持ち越しリスク
ここがスイングトレード固有の、そして最大のリスクです。取引時間外に起きたことは、翌朝まとめて価格に反映されます。
前日終値1,000円、逆指値を950円に設定
↓ 夜間に業績の下方修正が発表
翌朝、820円で寄り付く
↓
逆指値は950円を「飛び越えて」820円付近で約定する
→ 想定の5%ではなく、18%の損失になる
これがギャップダウンです。損切り注文を置いていても、この損失は防げません。
| 夜間に起きること | 影響 |
|---|---|
| 決算・業績修正の発表 | もっとも大きく飛ぶ要因 |
| 米国市場の急落 | 日本株全体が売られる |
| 為替の急変 | 輸出関連・輸入関連で反応が分かれる |
| 地政学リスク・災害 | 予測できない。備えるしかない |
対策は「1銘柄に資金を集中させない」「決算発表日をまたがない」の2つに尽きます。
決算をまたぐかどうか
・上下どちらに何%飛ぶか読めない
・逆指値が機能しない
・好決算でも「材料出尽くし」で下げることがある
→ 実質的にギャンブルに近くなる
・買う前に決算発表日を確認する
・発表前に手じまう
・発表後に落ち着いてから入り直す
→ 決算発表日は企業サイトやツールで確認できる
スイングトレードでは、決算をまたがないのが基本ルールとされています。数日の値幅を狙う手法にとって、決算による変動は制御できない要素だからです。
使うテクニカル指標
指標を増やしすぎないことが重要です。多く見るほど判断が矛盾し、動けなくなります。
よくある失敗
数日のつもりが数年になる。これが塩漬けの始まりです。「長期投資に切り替える」は、多くの場合ただの言い訳です。
含み益が出るとすぐ売り、含み損は放置する。損小利大の逆になります。
管理しきれず、どれも中途半端になります。3〜5銘柄が現実的な上限です。
ナンピンは損切りの先送りになりがちです。
売買回数が多いほど効いてきます。利益の約20%は税金で引かれます。
①がもっとも多い失敗です。手法を途中で変えることは、ルールを捨てることと同じだと理解してください。
※ 本記事は投資手法の解説であり、特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
スイングトレードに関するよくある質問
まとめ
スイングトレードは「時間を使わずに済む代わりに、夜のリスクを引き受ける手法」です。この交換条件を理解しているかどうかで結果が変わります。
この記事のまとめ
・日中に相場を見られない人でも取り組める
・銘柄選びは値動きより売買代金(流動性)を優先する
・損切り価格から先に決め、株数を逆算する
・1回の損失は資金の2%以内が目安
・持ち越しで窓を開けると逆指値は機能しない
・決算発表日はまたがないのが基本
・保有銘柄は3〜5銘柄まで
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