
外国株式取引口座とは、日本の証券会社で米国株や米国 ETF などの外国株を売買するために、証券総合口座に追加して開く口座のことです。証券会社によって「外国株式口座」「米国株式口座」「外国証券取引口座」などと呼びます。日本株の口座を持っていても、この口座を開いていないと米国株の注文画面に進めません。開設は無料で、ほとんどのネット証券ではオンラインで数分、同時に W-8BEN(米国の源泉徴収を 10% にする書類)の提出も済みます。この記事では、口座の位置づけ、開設手順、特定口座・NISA との関係、日本株の口座との違い、開設後によくあるつまずきをまとめます。
- 証券総合口座 + 外国株式取引口座の 2 段構え。開設は無料・オンライン数分で、W-8BEN の提出を兼ねる
- 課税の区分は特定口座(源泉徴収あり)が日本株と共通で使える。NISA で米国株を買うには NISA 口座の開設が別に必要
- 日本株口座との違いは為替(円とドル)・決済(T+1)・税金(米国 10% + 日本 20.315%)の 3 点
口座の位置づけ:証券総合口座の「追加口座」
日本の証券会社の口座は、まず「証券総合口座」があり、その中に取引の種類ごとの口座が追加される構造です。
| 口座 | できること | 開設 |
|---|---|---|
| 証券総合口座 | 日本株・投資信託・債券。入出金の土台 | 本人確認とマイナンバーで開設 |
| 外国株式取引口座 | 米国株・米国 ETF・中国株などの外国株 | 総合口座の開設後にオンラインで追加。無料 |
| 信用取引口座 | 日本株の信用取引 | 審査あり。米国株では不要 |
| NISA 口座 | 非課税での投資 | 1 人 1 社。税務署の確認に数日 |
多くのネット証券では、総合口座の開設申込のときに「外国株式取引口座も同時に開設する」にチェックを入れるだけで済みます。あとから追加する場合も、ログイン後の口座開設メニューから申し込めば即日〜翌営業日に使えるようになります。SBI 証券・楽天証券・マネックス証券・松井証券などはすべてこの方式です。
口座を開くときに、米国の源泉徴収を 30% から 10% に下げる W-8BEN の申告が組み込まれています。詳しくは W-8BEN の解説 をご覧ください。
特定口座・一般口座・NISA との関係
外国株式取引口座を開くときに、課税の区分を選びます。日本株と同じ考え方です。
| 区分 | 米国株での扱い | 向いている人 |
|---|---|---|
| 特定口座(源泉徴収あり) | 売却益と配当の日本の税金(20.315%)を証券会社が計算して天引き。確定申告は原則不要 | ほとんどの人 |
| 特定口座(源泉徴収なし) | 証券会社が年間の損益をまとめる。申告は自分で | 他の所得と合わせて申告したい人 |
| 一般口座 | 損益の計算も申告も自分で。為替の換算も自分で行う | おすすめしない |
| NISA(成長投資枠) | 日本の税金が非課税。米国の 10% は引かれる。外国税額控除は使えない | 長期で持つ人 |
米国株は円換算の損益計算が複雑(買った日と売った日の為替レートで計算)なので、一般口座は避けて特定口座(源泉徴収あり)を選ぶのが基本です。米国で引かれた 10% を取り戻す外国税額控除は、特定口座でも自動では適用されないため、使うなら確定申告が必要です(外国税額控除の解説)。
NISA で米国株を買うには、外国株式取引口座に加えて NISA 口座が必要です。NISA 口座は 1 人 1 社しか開けないので、米国株を NISA で買いたい人は、NISA 口座をどの証券会社に置くかを先に決めてください。つみたて投資枠では米国の個別株は買えず、成長投資枠だけが対象です。
日本株の口座との 3 つの違い:為替・決済・税金
| 日本株 | 米国株 | |
|---|---|---|
| 通貨 | 円 | ドル。円のまま注文する円貨決済か、先にドルに替える外貨決済を選ぶ |
| 売買単位 | 100 株(単元) | 1 株(証券会社によっては 1 株未満も可) |
| 取引時間 | 9:00〜15:30 | 日本時間 22:30〜翌 5:00(冬は 23:30〜6:00) |
| 決済 | T+2 | T+1 |
| 売買手数料 | 0 円の会社が多い | 約定代金の 0.495%(上限 22 ドル)が主流。NISA は無料の会社が多い |
| 為替手数料 | なし | 1 ドルあたり 0〜25 銭。会社で差が大きい |
| 配当の税金 | 20.315% | 米国 10% + 日本 20.315%(合計約 28.3%) |
| 値幅制限 | あり(ストップ高・安) | なし。1 日で 20% 以上動くことがある |
証券会社を選ぶときに差がつくのは、為替手数料・NISA での売買手数料・時間外取引への対応です。売買手数料はほぼ横並びなので、為替と NISA で比べると分かりやすくなります。9 社を同じ基準で採点した比較は 米国株の証券会社 9 社を比較、100 万円分の売買で実際にいくらかかるかはコスト&配当手取りシミュレーターで試算できます。
開設後によくあるつまずきと対処
- 「買付余力がない」と出る:円の残高があっても、外貨決済を選んでいるとドルの残高が必要です。円貨決済に切り替えるか、先に為替振替(円 → ドル)をしてください
- 注文が翌日まで約定しない:米国市場は日本時間の夜に開きます。昼間に出した注文は予約扱いで、22:30(冬は 23:30)以降に執行されます
- 配当が思ったより少ない:米国 10% + 日本 20.315% で手取りは約 72% です。W-8BEN の期限が切れていると米国分が 30% になります
- NISA で買えない:NISA 口座を別の証券会社に置いている場合、その会社でしか NISA で買えません。また、つみたて投資枠では個別株は買えません
- 売却代金をすぐ出金できない:受渡日(T+1)と円への両替の手続きが必要です。銀行に着金するまで数営業日かかります
- ティッカーで検索しても出てこない:証券会社によって取扱銘柄が違います。新興の小型株や一部の ADR は取扱が無いことがあります
口座開設から最初の 1 株を買うまでの手順、口座の種類の選び方、日本時間の取引時間、税金の全体像は、米国株の始め方に 5 ステップでまとめています。口座を開く前に一度読んでおくと、上のつまずきの大半は避けられます。
外国株式取引口座に関するよくある質問
外国株式取引口座の開設に費用や維持費はかかりますか?
複数の証券会社で外国株式取引口座を持てますか?
未成年でも開設できますか?
米国株で損をしたら日本株の利益と相殺できますか?
関連する用語
- 特定口座
特定口座とは、証券会社が1年間の売買損益を計算し、年間取引報告書を作成してくれる口座のことです。 - 一般口座
一般口座とは、1年間の売買損益を自分で計算し、確定申告する必要がある証券口座のことです。 - NISA
NISAとは、投資で得た利益に税金がかからなくなる制度です。 - 円貨決済と外貨決済
円貨決済とは、米国株を円のまま注文し、証券会社が約定時に自動で両替する決済方法です。外貨決済は先 - 外国税額控除
外国税額控除とは、米国株の配当に米国で課された 10% の税金を、日本の所得税・住民税から差し引 - 単元株数
単元株数とは、株式を売買するときの最低単位のことです。 - W-8BEN(米国の源泉徴収を 10% にする書類)
- T+1 決済(米国株の決済期間)
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執筆:佐々木優也(Pacific Stock 編集長・専業投資家歴20年)
口座の仕組みと手数料は SBI 証券・楽天証券・マネックス証券・松井証券の公式サイト(2026 年 9 月時点)、課税区分は所得税法・租税特別措置法と国税庁の案内、NISA の制度は金融庁の公表資料にもとづきます。 本記事は情報提供を目的とし、特定の銘柄・証券会社の売買や口座開設を推奨するものではありません。当サイトは証券会社の口座開設等によりアフィリエイト報酬を得る場合がありますが、比較の順位や数値には影響しません。最終更新 2026-09-17。

