
サンタクロースラリー(Santa Claus Rally)は、年末の最後の5営業日と翌年の最初の2営業日、合わせて7営業日に米国株が上がりやすいというアノマリー(経験則)です。名付けたのは「ストック・トレーダーズ・アルマナック」を創刊したイェール・ハーシュで、1972年のことです。1950年以降のS&P500では、この7日間の上昇率は平均で約1.3%、上がった年は約8割とされています。「サンタが来なかった年(この期間に下がった年)は翌年の相場が弱い」という言い伝えもあり、年末年始になると決まって話題になります。本当に上がるのか、上がらなかった年の翌年はどうだったのか。日本株への影響とあわせて確かめます。
- 期間は年末最後の5営業日と年始最初の2営業日の、計7営業日です。12月全体や「年末ラリー」とは別のものです
- 1950年以降のS&P500で平均+1.3%前後、上がった年は約8割です。ただ幅は小さく、この期間の売買だけで稼げるほどではありません
- 上がらなかった年は、翌年が弱めになる傾向があります(翌年の2000年・2008年は下落。2016年・2023年は例外で上昇)。来なかったときに警戒を強める、という使い方が向いています
7営業日で平均1.3%(定義と実績)
サンタクロースラリーは、日付ではなく営業日で数えます。2026年末なら、12月24日(半日立会い)・28日・29日・30日・31日の5営業日と、2027年1月4日・5日の2営業日です。休場日があれば前後にずれます。
| 項目 | 実績(S&P500、1950年以降の目安) |
|---|---|
| 上昇した年の割合 | 約78〜80% |
| 7営業日の平均騰落率 | 約+1.3% |
| 同じ長さのランダムな7営業日の平均 | 約+0.2〜0.3% |
| 最大の上昇 | 2008年末〜09年初(金融危機の反発)で7%超 |
| 最大の下落 | 1999年末〜2000年初で−4%(ITバブル崩壊の直前) |
ふつうの7営業日と比べると、はっきり上がりやすいのは確かです。とはいえ幅は1%台です。売買手数料と為替コストを考えると、この期間だけ買って稼げるほどではありません。相場の季節ごとのクセとして知っておき、来なかった年の警戒信号に使うくらいが実際的です。
上がる理由(節税売りの一巡・資金の流入・薄商い)
- 節税売り(タックスロス・セリング)の一巡。米国では12月に、損が出ている株を売って利益と相殺する動きが集まります。12月下旬にはその売りが終わり、売りが消えたあとは自然と戻りやすくなります
- ボーナスや年金の資金。年末のボーナスや、年初の401(k)(確定拠出年金)・IRAへの拠出が株式市場に流れ込みます
- 機関投資家の休暇と薄商い。クリスマスから年始は機関投資家が休みで、出来高が減ります。売り手が少ないところに個人の買いが入ると、上がりやすくなります
- ウィンドウドレッシング。運用会社が年末の運用報告に向けて、値上がりした人気株を買い足し、見栄えを整えます
- 新年への期待。年初に資金の配分を見直すとき、強気の見通しで買いが入りやすくなります
ただし薄商いは両刃の剣です。悪い材料が出ると買い手も少ないので、急に下げやすくなります。2018年12月は、FRBの利上げが続く心配からクリスマスイブにS&P500が2.7%下がりました。それでも直後の12月26日に5%上がり、7営業日で見ればラリーは成立しています。日ごとの値動きが荒いのも、この時期らしいところです。
上がらなかった年の翌年と、似た用語との違い
「サンタが来なければ、弱気相場がウォール街に来る」という格言があります。この7営業日で下がった年の翌年を並べてみます。
| ラリーが来なかった年末 | 翌年のS&P500 |
|---|---|
| 1999年末 | 2000年:−10%(ITバブル崩壊の始まり) |
| 2007年末 | 2008年:−38%(金融危機) |
| 2015年末 | 2016年:+10%(例外。年初は急落したが回復) |
| 2022年末 | 2023年:+24%(例外。AI相場で大幅上昇) |
当たる確率はそれほど高くありません。来なかった年は警戒を強める理由の1つ、くらいに受け止めるのがちょうどよいでしょう。似た言葉との違いも並べておきます。
| 用語 | 期間 | 内容 |
|---|---|---|
| サンタクロースラリー | 年末5営業日+年始2営業日 | 7営業日の上昇 |
| 年末ラリー(イヤーエンドラリー) | 11月下旬〜12月 | 感謝祭以降の広い意味での年末高 |
| 1月効果 | 1月(とくに前半) | 小型株が大型株を上回りやすい。近年は弱まっている |
| 1月バロメーター | 1月全体 | 1月が上がった年は年間も上がりやすい(的中率7〜8割) |
日本株への影響と、日本から米国株を持つときの注意
日本株は大納会(12月30日)から大発会(1月4日)まで休みで、米国のサンタクロースラリーの大半はこの間に進みます。大発会の日本株は、年末年始の米国株の動きをまとめて映します。米国が上がっていれば高く始まり、下がっていれば安く始まります。日本株だけ持っている人にも、米国のこの7営業日は関係があるわけです。
米国株を持っているなら、年末は次の点に気をつけてください。
- 取引時間がいつもと違います。12月24日は半日立会い(日本時間の翌3時まで)で、25日は休場です。31日は通常どおりで、1月1日は休場です(米国市場の休場日)
- 薄商いの値飛びがあります。1日で2〜3%動く日もあるので、成行ではなく指値で注文します
- 日本にも節税売りはあります。特定口座の損益は、12月の受渡日で締まります。米国株の損で日本株の利益を相殺したいなら、受渡日(T+1)を考えて12月下旬の早めに売っておきます
- アノマリーは当てにいかないほうが無難です。この期間に買うより、来なかったときに翌年の見通しを見直すきっかけにします
米国株の季節のクセは、5月に売る「セルインメイ」を過去の数字で確かめたセルインメイの記事でも取り上げています。季節性全般は、下の「関連する用語」のアノマリーの記事にまとめました。
サンタクロースラリーに関するよくある質問
サンタクロースラリーは12月全体のことですか?
サンタクロースラリーを狙って買うのは有効ですか?
日本株にもサンタクロースラリーはありますか?
2025年末のサンタクロースラリーはどうでしたか?
関連する用語
- アノマリー
アノマリーとは、理論では説明できないのに、経験的に繰り返し観測されてきた相場の傾向のことです。 - セルインメイ
セルインメイとは、「5月に売ってマーケットから離れろ」という英語圏の相場格言です。 - 大納会
大納会とは、証券取引所のその年最後の取引日のことです。翌年最初の取引日は大発会といいます。 - ドレッシング買い
お化粧買いとは、決算期末に機関投資家などが保有銘柄を買い増し、株価を高くして運用成績を良く見せよ - S&P500
S&P500とは、米国を代表する大型株500社の株価を時価総額で加重平均した株価指数 です。 - ボラティリティ
ボラティリティとは、価格がどれくらい大きく上下するかを表す言葉です。 - 米国市場の休場日(NYSE・ナスダックの祝日)
- 米国株の取引時間と夏時間(サマータイム)
あわせて使うツール・記事
執筆:佐々木優也(Pacific Stock編集長・専業投資家歴20年)
長期の実績は1950年以降のS&P500の値動きをもとにした概算で、数える期間によって多少前後します。この記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄や証券会社の売買・口座開設を勧めるものではありません。当サイトは証券会社の口座開設などでアフィリエイト報酬を得る場合がありますが、比較の順位や数値には影響しません。最終更新2026-10-02。

