ローソク足とは、一定期間の「始値・高値・安値・終値」という4つの値段を、1本の図形にまとめたチャートです。

棒グラフや折れ線と違い、その期間に買い方と売り方のどちらが勝ったのかが、形を見るだけでわかります。

この記事では、1本の形が持つ意味を12種類に分けて、図と表で解説します。

この記事でわかること

・1本のローソク足に入っている4つの情報
・陽線と陰線の見分け方と色の落とし穴
・ヒゲが教えてくれること
・形ごとの意味(12種類)
・形だけで判断すると外れる理由

ローソク足とは

ローソク足(読み方:ろーそくあし)は、一定期間の値動きを1本の図形で表したものです。英語ではCandlestick(キャンドルスティック)と呼ばれます。

江戸時代の日本で生まれたとされる表現方法で、いまでは海外の投資家にも標準的に使われています。

ローソク足が優れている点
折れ線チャートは「終値」しか表せない。
ローソク足は4つの値段を同時に表せるので、
その期間に何が起きたかまで読み取れる。

ローソク足を時系列に並べたものを「ローソク足チャート」といいます。株価チャートとして最も広く使われている形式です。

チャートの種類 表せる情報 向いている場面
折れ線 終値のみ 長期の大きな流れを見る
バーチャート 四本値 米国で使われる。線が細く見づらい
ローソク足 四本値+勝敗 日々の売買。日本の標準
新値足 終値の更新のみ 細かい振れを消してトレンドだけ見る

バーチャートも四本値を表せますが、ローソク足は実体を塗り分けることで「買いと売りのどちらが勝ったか」まで一目で伝わります。これが世界中で使われるようになった理由です。

1本に入っている4つの値段

ローソク足が表しているのは、次の4つです。これをまとめて四本値(よんほんね)といいます。

名称 読み方 意味
始値 はじめね その期間で最初についた値段
高値 たかね その期間で最も高かった値段
安値 やすね その期間で最も安かった値段
終値 おわりね その期間で最後についた値段

始値と終値にはさまれた四角い部分を実体(じったい)、そこから上下に伸びる細い線をヒゲと呼びます。

実体 = 始値と終値の差=勝敗の大きさ
ヒゲ = 実体の外まで動いた跡=押し戻された跡

陽線と陰線の見分け方

・陽線(読み方:ようせん)… 始値より終値が高いローソク足
・陰線(読み方:いんせん)… 始値より終値が安いローソク足

陽線は、次のように「始値よりも終値のほうが高い場合」に形成されます。

陽線の構造図。下に始値、上に終値があり実体の上下にヒゲが伸びている

陰線は、その反対で「始値よりも終値のほうが低い場合」です。

陰線の構造図。上に始値、下に終値があり実体の上下にヒゲが伸びている

並べると違いがはっきりします。

陽線と陰線を並べた比較図。始値と終値の位置が上下で入れ替わっている

たとえば日足で「始値100円 → 終値120円」なら陽線、「始値100円 → 終値90円」なら陰線です。

陽線か陰線かを見るだけで、その日の取引が買い優勢だったのか売り優勢だったのかが一目でわかります。

色は証券会社ごとに違う

初心者がまず混乱するのがここです。ローソク足の色に世界共通のルールはありません。

配色 陽線 陰線 よく見る場面
白黒 白(中抜き) 黒(塗り) 新聞・書籍
赤青 日本の証券会社に多い
緑赤 海外ツール・米国株

同じ「赤」でも、日本では上昇、海外では下落を意味することがあります。海外のチャートを見るときは、必ず配色を先に確認してください。

色に頼らず「実体の下端が始値なら陽線」と構造で覚えておくと、どのツールでも間違えません。

ヒゲが教えてくれること

・上ヒゲ(読み方:うわひげ)/ 上影(うわかげ)
・下ヒゲ(読み方:したひげ)/ 下影(したかげ)

上ヒゲと下ヒゲの位置を示した図。実体の上に伸びる線が上ヒゲ、下に伸びる線が下ヒゲ

ヒゲは「そこまで値段が動いたが、押し戻された」という記録です。

ヒゲ その期間に起きたこと 読み方
上ヒゲが長い 高値まで買われたが売り戻された 売り方の抵抗が強い
下ヒゲが長い 安値まで売られたが買い戻された 買い方の抵抗が強い
両方長い 上下に大きく振られた 迷い・方向感なし
ヒゲが無い 一方向に動き続けた 勢いが一方的

ヒゲの長さは「反対勢力の強さ」だと考えると、どの形にも同じ理屈が使えます。

大陽線と大陰線

・大陽線(読み方:だいようせん)
・大陰線(読み方:だいいんせん)

実体が大きい大陽線と大陰線を並べた図

実体が大きいローソク足です。大陽線は買いの勢いが強く、大陰線は売りの勢いが強いことを示します。

「大」の明確な基準はありません。直近のローソク足と比べて、あきらかに実体が長いかどうかで判断します。

注意点
高値圏で出た大陽線は「最後のひと吹き」であることがあります。安値圏で出た大陰線も同様に「投げ売りの最終局面」であることがあり、出た位置によって意味が反転します。

小陽線と小陰線(コマ)

・小陽線(読み方:しょうようせん)
・小陰線(読み方:しょういんせん)

実体が小さい小陽線と小陰線を並べた図

実体が小さいローソク足です。上下にヒゲが出て実体が小さいものはコマとも呼ばれます。

買いと売りが拮抗し、方向感が無い状態を表します。トレンドの途中で出れば小休止、トレンドの端で出れば転換の前触れになることがあります。

陽線坊主と陰線坊主

・陽線坊主(読み方:ようせんぼうず)… 始値が安値、終値が高値
・陰線坊主(読み方:いんせんぼうず)… 始値が高値、終値が安値

ヒゲが無い陽線坊主と陰線坊主を並べた図

ヒゲが一切ない形で、丸坊主とも呼ばれます。反対勢力が最後まで抵抗できなかったことを意味し、勢いの強さを表します。

ただし陽線坊主が高値圏で出た場合は天井になる可能性もあります。形よりも、どこで出たかを先に見てください。

上影陽線と上影陰線

上ヒゲが実体よりも長い形です。上影(うわかげ)と呼びます。

上ヒゲが長い上影陽線と上影陰線を並べた図

いったん大きく買われたものの、売り戻されて終わった形です。高値圏で出たときは天井のサインとして注目されます。

とくに実体が小さく上ヒゲだけが極端に長いものは「トンカチ」「首吊り線」などと呼ばれ、転換点で意識されます。

下影陽線と下影陰線

下ヒゲが実体よりも長い形で、下影(したかげ)と呼びます。

下ヒゲが長い下影陽線と下影陰線を並べた図

大きく売られたものの買い戻された形です。安値圏で出たときは底打ちのサインとして注目されます。

いわゆる「カラカサ」「たくり線」もこの仲間です。売り枯れの局面で出やすい形でもあります。

寄引同時線(十字線・トンボ・トウバ)

寄引同時線(読み方:よりひきどうじせん)は、始値と終値がほぼ同じ値段になった形です。実体がほとんど存在しません。

十字線・トンボ・トウバ・四値同時線など寄引同時線の4種類を並べた図

名称 意味
十字線 上下にヒゲ 完全な拮抗・迷い
トンボ 下ヒゲのみ 安値圏なら底打ちの可能性
トウバ 上ヒゲのみ 高値圏なら天井の可能性
四値同時線 一本線 4つの値段がすべて同じ。売買がほぼ無い

四値同時線は、出来高が極端に少ない銘柄やストップ高・ストップ安で張り付いたときに現れます。

形ごとの意味を一覧で確認する

実体 ヒゲ 基本の読み
大陽線 長い 短い 強い買い
大陰線 長い 短い 強い売り
陽線坊主 長い 無し 買いが一方的
陰線坊主 長い 無し 売りが一方的
小陽線・小陰線 短い 短い 方向感なし
上影 短い 上が長い 高値圏なら天井警戒
下影 短い 下が長い 安値圏なら底打ち期待
寄引同時線 ほぼ無し 形により変化 転換の前触れ

形だけで判断すると外れる

ここが最も大切な部分です。同じ形でも、出た場所によって意味が正反対になります。

確認すべき3つの条件
① 位置 高値圏・安値圏・トレンドの途中のどこで出たか
② 出来高 出来高を伴わない形は信頼度が低い
③ 時間軸 5分足の坊主と月足の坊主では重みがまったく違う

たとえば下影陽線は「底打ちのサイン」と説明されますが、下落トレンドの途中で出たものは単なる小休止に終わることがほとんどです。

また、値幅制限いっぱいまで動いた日や、決算発表・株式分割のような特別な材料が出た日のローソク足は、形の解釈がそのまま当てはまりません。形の裏側にある理由がわからないときは、その1本を根拠にしないでください。

さらに精度を上げたい場合は、1本ではなく複数本の並びで見るローソク足の組み合わせや、5つの型に体系化された酒田五法へ進んでください。

時間軸の選び方

ローソク足の1本が表す期間は自由に変えられます。期間が変われば、同じ銘柄でもまったく違う形が現れます。

1本の期間 向いている使い方
分足 1分〜30分 デイトレードスキャルピング
時間足 1時間・4時間 数日以内の売買
日足 1日 最も標準的。スイングトレード
週足 1週間 数か月単位のトレンド確認
月足 1か月 長期保有・大局の把握

長い時間軸の足ほど、その形の意味は重くなります。週足の大陰線は、5分足の大陰線とは比較にならない意味を持ちます。

実務では「週足で方向を決め、日足で入る場所を決める」というように、2つ以上の時間軸を併用します。

ローソク足を使うときの手順

① 時間軸を決める まずは日足から
② 大きな流れを見る いま高値圏か安値圏か
③ 形を確認する 実体とヒゲの比率を見る
④ 出来高を重ねる 出来高を伴わない形は無視する
⑤ 他の根拠と重ねる 移動平均線などと一致したときだけ動く

②を飛ばして③から入ると、ほぼ確実に外します。形は「どこで出たか」とセットで初めて意味を持ちます。

※ 本記事はチャートの読み方の解説であり、特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

ローソク足に関するよくある質問

ローソク足はどこから見始めればいいですか?
日足から始めてください。1本が1日分なので値動きと感覚が一致しやすく、情報量も多すぎません。慣れてきたら週足で大きな流れを確認し、日足で細かく見るという2段階の使い方に進むとよいでしょう。
陽線が赤なのか緑なのかわからなくなります。
色ではなく構造で覚えてください。実体の下端が始値であれば陽線、上端が始値であれば陰線です。日本の証券会社は赤を陽線にすることが多く、海外のツールは緑を陽線にすることが多いため、色だけで判断すると米国株のチャートで逆に読んでしまいます。
ヒゲが長いローソク足は必ず反転しますか?
しません。長いヒゲは「押し戻された」という事実を示すだけで、その後の方向を保証しません。反転として意識されるのは、高値圏での長い上ヒゲ、安値圏での長い下ヒゲのように、出た位置に意味がある場合に限られます。
大陽線の「大きい」の基準はありますか?
明確な基準はありません。直近20本程度のローソク足と比べて、実体があきらかに長いかどうかで判断します。値動きの大きさは銘柄によって違うため、絶対値ではなくその銘柄の中での相対的な大きさで見てください。
寄引同時線が出たらどうすればいいですか?
すぐに動かず、次の1本を待つのが基本です。寄引同時線は買いと売りが拮抗した状態を示すだけで、方向を示しません。次のローソク足がどちらに抜けたかを確認してから判断すると、だましを大きく減らせます。
ローソク足だけで売買できますか?
難しいです。ローソク足は過去の値動きの記録であり、それ自体は未来を予測しません。出来高、移動平均線、支持線と抵抗線などと組み合わせ、複数の根拠が重なったときだけ判断材料にするのが現実的です。
ローソク足はいつ生まれたのですか?
江戸時代の日本で、大坂堂島の米相場において使われ始めたとされています。相場師の本間宗久が体系化したという説が広く知られていますが、成立の経緯には諸説あります。現在では海外でもCandlestickの名で標準的に使われています。
ローソク足の次に学ぶべきものは何ですか?
複数本の並びで見るローソク足の組み合わせです。1本では判断しにくい転換のサインが、2本から3本の並びで見ることでかなり明確になります。そのうえで移動平均線を重ね、トレンドの方向を確認できるようにすると実用的な水準になります。

まとめ

ローソク足は「その期間に買い方と売り方のどちらが勝ったか」を1本で記録したものです。形の暗記よりも、実体とヒゲが何を意味するかの理解が先です。

この記事のまとめ

・1本で始値・高値・安値・終値の4つを表す
・実体は勝敗の大きさ、ヒゲは押し戻された跡
・色は証券会社ごとに違うので構造で覚える
・実体が長い=勢いが強い、短い=方向感なし
・上ヒゲは売り方の抵抗、下ヒゲは買い方の抵抗
・同じ形でも高値圏と安値圏で意味が反転する
・出来高を伴わない形は信頼度が低い
・時間軸が長いほど、その形の意味は重くなる

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