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旧NISA(一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISA)で買った資産は、新NISAへ移すことができません。ロールオーバーの制度そのものが終了しているためです。
そして2022年に一般NISAで買った分は、2026年末に非課税期間が終わります。残り期間はわずかです。
非課税期間が終わると、資産は自動的に課税口座へ移されます。このとき移管時の時価が「新しい取得価額」として上書きされます。
ここに落とし穴があります。値下がりしたまま移管されると、その後で買値まで戻して売っただけなのに、税金がかかることになります。実際には1円も儲かっていないのにです。
この記事は、すでに旧NISAで資産を持っている人が、何をいつまでに判断すべきかに絞って解説します。新NISAの制度そのものの説明はNISAとは?新NISAの枠と使い方にあります。
この記事でわかること
・買った年ごとの非課税期間の終了時期(一覧表)
・非課税期間が終わると、実際に何が起きるのか
・取得価額が上書きされる仕組みと、課税されてしまう例
・売るべきか、期限まで持つべきかの判断基準
・ジュニアNISAを持っている場合の扱い
・新NISAへ移し替えるときの手順と注意点
・よくある質問
旧NISAと新NISAはつながっていない
まず前提を整理します。2024年に始まった新しいNISA制度と、2023年までの旧NISAはまったく別の制度です。
| 項目 | 旧NISA | 新NISA |
|---|---|---|
| 新規買付 | 2023年末で終了 | 2024年から |
| 非課税期間 | 一般5年/つみたて20年 | 無期限 |
| 年間の枠 | 一般120万円/つみたて40万円 | 合計360万円 |
| 生涯の枠 | 上限なし(期間で制限) | 1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで) |
| 旧→新への移管 | できない。ロールオーバー制度は終了している | |
| 旧NISAの枠の扱い | 新NISAの1,800万円とは別枠。減らされない | |
ひとつだけ良い知らせがあります。旧NISAで持っている資産は、新NISAの生涯投資枠1,800万円を消費しません。両方を並行して持てるということです。
したがって、非課税期間が残っているうちは、慌てて売る理由はありません。問題は期限が来たときにどうするかです。
いつ非課税期間が終わるのか(買った年ごとの一覧)
非課税期間は「買った年」から数えます。制度が終わった年からではありません。ここを間違えている人が多くいます。
| 買付年 | 一般NISA(5年) | つみたてNISA(20年) |
|---|---|---|
| 2019年 | 2023年末(終了済み) | 2038年末 |
| 2020年 | 2024年末(終了済み) | 2039年末 |
| 2021年 | 2025年末(終了済み) | 2040年末 |
| 2022年 | 2026年末 ← 今年の年末 | 2041年末 |
| 2023年 | 2027年末 | 2042年末 |
つみたてNISAで買った人は、まだ十数年の猶予があります。急ぐ必要はまったくありません。
対応が必要なのは一般NISAで2022年・2023年に買った人です。とくに2022年分は、この記事を読んでいる2026年8月時点で残り4か月あまりしかありません。
非課税期間が終わると何が起きるのか
放置していた場合、何もしなくても手続きは自動で進みます。ただし内容を知らないと損をします。
③がこの記事でいちばん重要な部分です。
本来の購入価格ではなく、移管された日の時価が「その株をいくらで買ったことにするか」の基準になります。そしてこれ以降の値上がり益には、通常どおり約20%(20.315%)の税金がかかります。
取得価額の上書きで損をする例、得をする例
言葉だけでは分かりにくいので、100万円で買った場合の2パターンを並べます。
| 段階 | 値下がりしていた場合 | 値上がりしていた場合 |
|---|---|---|
| 実際の購入価格 | 100万円 | 100万円 |
| 移管時の時価 | 70万円 | 150万円 |
| 新しい取得価額 | 70万円になる | 150万円になる |
| その後100万円で売却 | 30万円の利益とみなされ課税 | 50万円の損失として扱われる |
| 実際の損益 | ゼロなのに約6万円の税金 | 値上がり50万円分は非課税で確定 |
左の列が、旧NISAで最も注意すべき状態です。買値の100万円に戻しただけなのに、税務上は70万円→100万円の値上がりとみなされ、約6万円の税金が発生します。
右の列は逆に有利です。値上がりした50万円分は非課税のまま確定し、その後の値動きだけが課税対象になります。NISAの恩恵をきちんと受けられている状態です。
ここだけ覚えれば十分
値下がりしている → 移管させると不利になりうる。年内に判断する
売るか、期限まで持つか 判断の基準
一般NISAで2022年・2023年に買った分について、選べる道は3つです。
| 選択肢 | 向いている状況 | 注意点 |
|---|---|---|
| ① 期限内に売る | 値上がりしていて、利益を確定したい | 利益はすべて非課税。売った枠は復活しない |
| ② 何もせず移管させる | 値上がりしていて、そのまま持ち続けたい | 移管時の時価が新しい買値になる |
| ③ 売って新NISAで買い直す | 今後も長く持ちたい銘柄 | 新NISAの枠を使う。売買のタイミングリスクがある |
判断の順番はこうなります。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 値上がり+今後も持ちたい | 新NISAの枠に余裕があるなら③が有力。以後の値上がりも無期限で非課税になる |
| 値上がり+そろそろ売りたい | ①。非課税期間のうちに売れば利益に税金がかからない |
| 値下がり+今後も持ちたい | 悩ましい。移管させると取得価額が下がる。③にすれば以後の回復分が非課税になる |
| 値下がり+もう持ちたくない | 売却して整理する。NISAの損失は損益通算できない点は割り切る |
最後の行は、旧NISAの弱点として押さえておきたい点です。NISA口座で出した損失は、他の口座の利益と相殺(損益通算)できず、翌年以降に繰り越すこともできません。非課税制度の裏返しとして、損は完全に自己負担になります。
新NISAへ移し替えるときの手順と注意点
③を選ぶ場合の流れです。制度上の「移管」は存在しないため、売却と買付を別々に行うことになります。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① | 新NISAの年間枠と生涯枠の残りを確認する |
| ② | 旧NISA口座で売却する(利益は非課税) |
| ③ | 受渡が終わってから、新NISAの枠で買い直す |
| 注意 | 売却から買付までの数日間、相場変動のリスクを負う |
注意点をもう少し具体的に整理します。
買い直すときの4つの注意
12月は同じ判断をする人が集中する。余裕をもって動く
・② 受渡日を確認する
売却代金がすぐ使えるとは限らない。年内の締切は証券会社ごとに違う
・③ 新NISAの枠を圧迫する
旧NISAは別枠だが、買い直せば新NISAの枠を使う
・④ 成長投資枠で買えない商品がある
整理・監理銘柄、信託期間20年未満の投信、高レバレッジ型などは対象外
③は見落とされやすい点です。旧NISAのまま持っていれば新NISAの1,800万円は温存できますが、買い直せばその分の枠を消費します。枠に余裕がない人にとっては、必ずしも買い直しが有利とは限りません。
ジュニアNISAを持っている場合
ジュニアNISAも2023年末で新規投資が終了しています。ただし取り扱いは一般NISA・つみたてNISAと少し違います。
| 項目 | 2024年以降の扱い |
|---|---|
| 払出制限 | 撤廃済み。年齢や理由に関係なく非課税で払い出せる |
| 一部だけの払出し | できない。全額を払い出すことになり、口座は廃止される |
| 非課税期間(5年)が残っている分 | その期間はジュニアNISAのまま非課税で保有できる |
| 5年が終わったとき18歳未満なら | 継続管理勘定へ移り、18歳になるまで非課税で保有できる |
| 18歳になったとき | 保有が終了。売却するか、課税口座へ払い出される |
注意すべきは「一部だけ払い出すことができない」という点です。教育費などで一部を使いたい場合でも、口座全体を払い出して廃止することになります。まだ非課税で持てる資産まで、まとめて外に出ることになるため、タイミングは慎重に選ぶ必要があります。
旧NISAに関するよくある質問
まとめ
旧NISAは「新NISAへ引っ越せない代わりに、新NISAの枠も減らさない制度」です。
非課税期間が残っているうちは、慌てて動く理由はありません。判断が必要になるのは期限が来るときだけで、そのときの基準は「値上がりしているか、値下がりしているか」ただひとつです。
この記事のまとめ
・旧NISAの資産は新NISAの1,800万円の枠を消費しない
・非課税期間は買った年から数える。制度終了の年からではない
・一般NISAで2022年に買った分は2026年末に終了
・2023年に買った分は2027年末。つみたてNISAは2042年末まで猶予がある
・期限が来ると翌年1月1日に課税口座へ自動移管される
・移管時の時価が新しい取得価額として上書きされる
・値下がりしたまま移管されると、買値に戻しただけで課税されうる
・値上がりしていれば、その分の利益は非課税で確定する
・NISAの損失は損益通算も繰越控除もできない
・ジュニアNISAは払出制限が撤廃済み。ただし一部だけの払出しはできない
※ 本記事は2026年8月時点の公表情報にもとづく解説であり、特定の銘柄や投資判断を推奨するものではありません。税制および制度の詳細は変更される可能性があります。具体的な税務の取扱いについては、金融機関または税務の専門家にご確認ください。
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