
米国 ETF とは、ニューヨーク証券取引所やナスダックに上場している上場投資信託で、米国株と同じように日本の証券会社で 1 口から売買できます。日本の個人投資家に最もよく買われているのは、S&P500 に連動する VOO、米国株式市場全体に連動する VTI、ナスダック 100 に連動する QQQ の 3 本です。いずれも経費率が年 0.03〜0.2% と安く、1 本で数百〜数千社に分散できます。この記事では 3 本の違いと選び方、日本の証券会社での買い方と手数料、分配金の税金、同じ指数に連動する国内の投資信託(eMAXIS Slim 米国株式など)とどちらを選ぶべきかをまとめます。
- VOO=S&P500(大型 500 社)、VTI=米国株ほぼ全部(約 3,600 社)、QQQ=ナスダック 100(テック中心 100 社)。VOO と VTI の値動きはほぼ同じ
- 経費率は VOO 0.03%・VTI 0.03%・QQQ 0.20%。分配金は年 4 回、米国で 10% 源泉徴収のうえ日本で 20.315% 課税
- 同じ指数の国内投資信託は分配金を出さず自動で再投資されるため、積立と NISA との相性は投信のほうがよい。ドルで持ちたい・売買したいなら ETF
VOO・VTI・QQQ の違い:対象指数・銘柄数・経費率
| VOO | VTI | QQQ | |
|---|---|---|---|
| 運用会社 | バンガード | バンガード | インベスコ |
| 連動する指数 | S&P500 | CRSP 米国トータル・マーケット | ナスダック 100 |
| 銘柄数 | 約 500 | 約 3,600 | 100 |
| 経費率(年) | 0.03% | 0.03% | 0.20% |
| 分配金利回り(目安) | 1.2% 前後 | 1.2% 前後 | 0.5% 前後 |
| 上位の比率 | 上位 10 社で約 35% | 上位 10 社で約 30% | 上位 10 社で約 50% |
| 性格 | 米国大型株の標準 | 大型+中小型。米国株全体 | テック・成長株に集中 |
VOO と VTI は上位の大型株が共通しているため、値動きは 9 割以上重なります。VTI は中小型株を 15% ほど含む分、小型株が強い局面でわずかに上回り、大型株が強い局面でわずかに下回ります。どちらか 1 本で十分で、両方を持つ意味はほとんどありません。
QQQ はナスダック上場の非金融大型 100 社で、情報技術と通信が 6 割を超えます。上昇局面では S&P500 を大きく上回る一方、2022 年のような金利上昇局面では 30% 以上下落しました。値動きの大きさを受け入れられる人が、VOO や VTI に「上乗せ」する形で持つのが一般的です。同じ指数で経費率 0.15% の QQQM(小口版)もあります。
日本の証券会社での買い方と手数料
3 本とも SBI 証券・楽天証券・マネックス証券・松井証券などの主要ネット証券で、米国株と同じ外国株式取引口座から 1 口単位で買えます。1 口の価格は 2026 年時点で VOO・VTI が 300〜600 ドル前後、QQQ が 500〜600 ドル前後です。
| コスト | 内容 |
|---|---|
| 売買手数料 | 約定代金の 0.495%(上限 22 ドル)が主流。VOO・VTI・QQQ を含む一部の米国 ETF は買付手数料無料の会社が多い |
| 為替手数料 | 1 ドルあたり 0〜25 銭。円貨決済なら自動で両替 |
| 経費率 | ETF の価格に含まれて日々差し引かれる。別途の支払いはない |
| NISA | 成長投資枠で購入可。売買手数料無料の会社が多い |
買付手数料を無料にしている ETF の一覧は証券会社ごとに違うので、口座を開く前に確認してください。為替手数料は会社で差が大きく、100 万円分を買うと 0 円〜1,600 円ほど違います。9 社の手数料・為替・NISA を同じ基準で採点した比較は 証券会社 9 社の比較、実額の試算はコスト&配当手取りシミュレーターをご覧ください。
分配金と税金:米国 10% + 日本 20.315%
米国 ETF は保有する株の配当を、年 4 回(3・6・9・12 月)の分配金として支払います。税金は米国株の配当と同じです。
| 口座 | 米国の源泉徴収 | 日本の課税 | 手取り(100 ドルあたり) |
|---|---|---|---|
| 特定口座 | 10% | 20.315% | 約 71.7 ドル(確定申告の外国税額控除で一部戻る) |
| NISA | 10% | 非課税 | 90 ドル(外国税額控除は使えない) |
分配金はドルで受け取り、再投資するには自分で買い直す必要があります。1 口 500 ドル前後なので、分配金だけで 1 口買うにはまとまった額が必要で、少額の投資家は現金が口座に残りがちです。1 株未満取引に対応する証券会社なら分配金を端数で再投資できます。
VT(全世界株)や新興国 ETF は、組み入れ国でも税金が引かれたうえで米国の 10% がかかるため、実質の税負担がさらに重くなります。米国株だけの VOO・VTI・QQQ にはこの問題はありません。
国内の投資信託とどちらがいいか
VOO と同じ S&P500 に連動する国内の投資信託(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、SBI・V・S&P500 など)は、信託報酬が年 0.1% 弱まで下がり、ETF との差はほとんどなくなりました。
| 米国 ETF(VOO など) | 国内の投資信託(S&P500 連動) | |
|---|---|---|
| コスト(年) | 0.03% + 為替・売買手数料 | 0.1% 弱。売買手数料なし |
| 分配金 | 年 4 回ドルで受け取る。再投資は自分で | 出さずに自動で再投資(複利が効く) |
| 米国の 10% 源泉徴収 | かかる(外国税額控除の対象) | ファンド内で引かれる(投資家は控除できない) |
| 最低金額 | 1 口(数万円〜)。1 株未満対応なら少額可 | 100 円から |
| NISA | 成長投資枠のみ | つみたて投資枠・成長投資枠の両方 |
| 売買 | 米国の取引時間にリアルタイム | 1 日 1 回の基準価額 |
毎月の積立と NISA のつみたて投資枠を使うなら国内の投資信託、ドルで資産を持ちたい・分配金を受け取りたい・自分のタイミングで売買したいなら ETF、というのが基本の使い分けです。長期の運用成績は同じ指数なら大差なく、「続けやすいほう」を選ぶのが正解です。
QQQ に相当する国内の投資信託(ナスダック 100 連動)も複数あり、信託報酬は 0.2〜0.5% 程度です。QQQ の経費率 0.20% と比べて割高なものもあるので、こちらは ETF に分があります。指数そのものの解説は S&P500 とは・ナスダック 100 とは をご覧ください。
米国 ETFに関するよくある質問
VOO と VTI はどちらを買えばいいですか?
SPY と VOO の違いは何ですか?
米国 ETF は NISA のつみたて投資枠で買えますか?
分配金を受け取らない設定はできますか?
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執筆:佐々木優也(Pacific Stock 編集長・専業投資家歴20年)
経費率・銘柄数・上位比率は各運用会社(バンガード・インベスコ)の公表資料、国内投資信託の信託報酬は各運用会社の交付目論見書、証券会社の手数料は各社公式サイト(いずれも 2026 年 9 月時点)にもとづきます。分配金利回りは変動します。 本記事は情報提供を目的とし、特定の銘柄・証券会社の売買や口座開設を推奨するものではありません。当サイトは証券会社の口座開設等によりアフィリエイト報酬を得る場合がありますが、比較の順位や数値には影響しません。最終更新 2026-09-17。

