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非農業部門雇用者数とは

非農業部門雇用者数(読み方:ひのうぎょうぶもんこようしゃすう)

 

非農業部門雇用者数とは、米国労働省が毎月第1金曜日に発表する米国雇用統計の一項目で、製造業や建設業といった非農業部門の雇用者数のことです。
非農業部門の民間企業や政府機関などの給与支払い帳簿を基に集計されており、農業従事者や自営業者などは含まれません。

非農業部門雇用者数は、米国における雇用情勢を示す指標のひとつで、前月比でどれだけ増減したかに注目されます。
増加していれば雇用が伸びていると判断されてポジティブに、減少していれば雇用が減っていると判断されてネガティブに捉えられます。

非農業部門就業者数とも呼ばれ、英語では「Non-farm Payrolls」といい、頭文字をとって「NFP」とも呼ばれています。

非農業部門雇用者数は、米国の雇用情勢を把握できるうえに、結果次第で相場が大きく変動する要因にもなるため、市場での注目度は高く、最も重要な経済指標のひとつと言えます。

また、米国の中央銀行にあたるFRBも経済政策の判断材料の一つとして重要視しています。

米国雇用統計とは

米国雇用統計とは、米国労働省が毎月第1金曜日に発表する、米国の雇用情勢を示す統計のことです。
米国の景気状況を知る上で最も重要な経済指標となります。

米国雇用統計が重要視される理由については、米国経済を支えているのが個人消費だからです。

米国は世界経済の中心とされていますが、その米国経済の約70%は個人消費が占めています。

つまり個人消費の増減によって米国の経済状況も大きく変化することになります。

雇用情勢が改善され雇用が増えてくると個人消費の拡大につながり、米国の景気は良くなっていきます。
反対に雇用情勢が悪化し雇用が減ってしまうと個人消費の縮小につながり、米国の景気は悪化していきます。

このように雇用情勢と景気動向は深く関係するものなので、米国の雇用情勢を把握できる米国雇用統計は重要な指標となっています。

米国雇用統計で発表されるのは、非農業部門雇用者数のほか、失業率や平均時給、建設業就業者数や製造業就業者数、金融機関就業者数といった業種別の雇用者数などがあります。

その中でも特に注目されるのが非農業部門雇用者数となります。

他には、米国の労働力人口のうち、失業者の占める割合を示す「失業率」や、非農業部門の1時間あたりの平均賃金を示す「平均時給」も注目されています。

非農業部門雇用者数の見方と影響

非農業部門雇用者数は前月比でどれだけ増減したかで景気動向を占うことができますが、特に注目されるのは事前予想の数値と結果の数値の差です。

基本的に非農業部門雇用者数が発表されるタイミングは通常よりも相場が動きやすいですが、特に結果と予想の乖離が大きいほど、相場は大きく動く傾向があります。

これは非農業部門雇用者数に限らず、失業率や平均時給にも同じことが言えます。

また、非農業部門雇用者数を見る時は、失業率や平均時給とあわせて確認して総合的に判断することが大事です。

非農業部門雇用者数は最も重要な指標といわれていますが、非農業部門雇用者数の結果が良くても、失業率や平均時給が大幅に悪化するとマイナス要因の方が大きくなりますので、相場には悪影響となることがあります。

米国雇用統計の影響

具体的に米国雇用統計がどのような影響を与えるかというと、米国雇用統計の結果が良ければ、米国の景気は改善されていると判断され、株式相場では株価が上昇しやすくなり、為替相場ではドルが買われやすくなります。

雇用統計の結果が良いということは雇用情勢が改善しているということになります。
つまり雇用が増えているので個人所得などの増加もあって個人消費の増加が見込まれます。

個人消費が増えてくると、当然モノやサービスを提供する企業は儲かるので、企業業績向上への期待感から株が買われて株高へとつながります。

ドルが買われやすくなる理由については、一般的に景気が良くなると、景気が過熱しすぎないように政策金利が引き上げられることになります。
お金は金利が高いところに集まる特徴があるため、米国の景気が良くなればドルが買われやすくなります。

他にも、景気が良くなると輸出が増えたり、投資のチャンスが生まれるため、外からの資金が集まりやすくなるからという理由もあります。
例えば、日本からアメリカへ資金が向かうと、日本円は売られ、米ドルが買われることになります。

ただ、好景気の時に雇用統計の良い結果が続いてしまうと、急速にインフレが進んでしまうことにもなります。
過度なインフレは好ましくないので、そうなると今度は急激な利上げなど、過度の金融引き締め政策が実施される可能性も出てくるため、警戒感から株価が下落したりすることもあります。

反対に米国雇用統計の結果が悪ければ、米国の景気は悪いと判断され、株価は下落しやすくなり、ドルが売られやすくなります。

雇用統計の結果が悪いということは、雇用情勢が悪化しているということになります。

雇用情勢が悪化すると個人消費が冷え込み、モノやサービスが売れなくなるので、企業業績悪化への懸念などから株が売られて株安につながります。

ドルが売られやすくなる理由は、景気が悪くなると景気を刺激するために政策金利が引き下げられり、今まで集まっていた資金が引き上げられたりするからです。
そうなると今まで買われていたドルは売られ、今度は他の通貨が買われるという流れになります。

また、景気悪化が長引くようだと金融緩和政策が実施される可能性が出てきて、期待感から株価が上昇するようなこともあります。

このように米国雇用統計の結果は相場に大きな影響を与えます。

ただし、全ての個別株が同じように動くわけではありません。
景気回復期に買われやすい銘柄もあれば、景気後退期だからこそ買われる銘柄などもあります。
そのため、実際に投資する際は、銘柄毎の特性なども考慮した上で投資判断をするようにしましょう。

 

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