
ナスダック100は、米ナスダック市場に上場する時価総額上位の非金融企業100社でつくる株価指数です。上位にはアップル・マイクロソフト・エヌビディア・アマゾン・アルファベット・メタ・テスラなどのハイテク大手が並びます。米国ハイテク株の代表的な指数として、世界中で使われています。日本ではeMAXIS NASDAQ100などの投資信託や、値動きを2倍にした「レバナス」で名前が広まりました。値動きはS&P500より大きく、2022年には1年で3割以上下がり、2023年には5割以上上がりました。ニュースでよく聞く「ナスダック総合指数」とは別の指数なので、まずはその違いから。
- ナスダック上場の非金融・時価総額上位100社です。3,000銘柄を超える「ナスダック総合指数」とは別物で、投信やETFが連動するのはほぼこちらです
- 時価総額加重に上限ルールがあります(1銘柄24%、大型銘柄の合計48%など)。それでも上位10社で約5割、情報技術セクターで約6割を占めます
- 日本からは投資信託・東証ETF(1545・2568・2631など)・米国ETF(QQQ)で買えます。レバナス(2倍)は長期保有に向かない仕組みなので、よく理解してから
ナスダック100と「ナスダック総合指数」の違い
ナスダック市場には3,000社以上が上場しています。その全銘柄で計算するのが「ナスダック総合指数(NASDAQ Composite)」です。日本の朝のニュースで「ナスダックは○○ポイント高」と流れるのは、たいていこちらです。
これに対してナスダック100は、総合指数から金融株を除き、時価総額の上位100社に絞った指数です。算出が始まったのは1985年。投資信託やETF(QQQなど)が連動しているのは、ほぼすべてナスダック100のほうです。2つの値動きは似ていますが、同じではありません。
| 項目 | ナスダック100 | ナスダック総合指数 |
|---|---|---|
| 銘柄数 | 100社(複数クラスを含め101銘柄前後) | ナスダック上場の全銘柄(3,000超) |
| 金融株 | 長く除外されてきた(ルールは見直されることがあり、最新の採用基準はナスダック公式で確認) | 含む |
| 加重 | 修正時価総額加重(上限ルールあり) | 時価総額加重 |
| 主な連動商品 | QQQ、東証ETF、国内投信、レバナス | 連動商品は少ない |
| ニュースでの扱い | 「ナスダック100先物」 | 「ナスダック総合」「ナスダック指数」 |
時価総額加重に「上限」を設けている理由
ナスダック100は時価総額加重ですが、一部の銘柄に偏りすぎないよう上限ルールを設けています。1銘柄の比率は24%まで。比率4.5%超の銘柄を合わせて48%まで。こうした条件を四半期ごとに点検し、超えていれば比率を調整します。
それでも集中はなかなか解けません。2023年7月には上位銘柄の合計が上限を超え、「特別リバランス」が行われました。マグニフィセント・セブンなど大型株の比率をルールに沿って一気に引き下げた、異例の対応でした。
構成比の上位はマグニフィセント・セブン(アップル・マイクロソフト・エヌビディア・アマゾン・アルファベット・メタ・テスラ)です。その後にブロードコム・コストコ・ネットフリックスが続き、上位10社で指数のおよそ半分になります。セクター別では情報技術が約6割。通信サービスと一般消費財を足すと8割を超えます。
S&P500より大きく上がり、大きく下がる
ハイテク・成長株に偏っているぶん、ナスダック100はS&P500より値動きが大きい(ベータが高い)指数です。金利が上がる局面では成長株の割引率が上がって下げやすく、金利低下やAIブームの局面では大きく上がります。
| 年 | ナスダック100 | S&P500 | 背景 |
|---|---|---|---|
| 2020年 | 約+48% | 約+16% | コロナ禍の金融緩和とデジタル需要 |
| 2022年 | 約-33% | 約-19% | FRBの急速な利上げ |
| 2023年 | 約+54% | 約+24% | 生成AIブーム、利上げ停止 |
数字は配当を含まない価格指数の、ドル建ての騰落率です。S&P500の投信とナスダック100の投信を両方持つと、上位のハイテク株を二重に持つことになります。ナスダック100の大型株は、ほとんどがS&P500にも入っているからです。
日本からナスダック100に投資する方法と、レバナスの注意点
レバナス(レバレッジNASDAQ100、日々の値動きの2倍を狙う投信・ETF)には注意が要ります。「毎日2倍」を積み重ねるので、上下を繰り返す相場では、指数が元に戻っても基準価額は戻りません。これが減価です。2022年の下落では、基準価額が7割以上下がった商品もありました。長期の積立には向かず、短期の値動きを取りに行く道具と割り切るべきものです。詳しくはレバナスの記事にまとめています。
日本時間で見るべきもの(先物・決算・金利)
ナスダック100の現物が動くのは日本時間の夜です(夏時間22:30〜翌5:00、冬時間23:30〜翌6:00)。日中はCMEの「ナスダック100先物」で方向をつかめます。指数を大きく動かすのは、上位10社の決算・FRBの金融政策(FOMC)・長期金利の3つです。
上位10社の決算は1月・4月・7月・10月の下旬に集まります。エヌビディアだけは1か月ほど遅く、2月・5月・8月・11月の下旬です。1社の決算で指数が2%動く日もあります。各社の次回決算日は米国株の決算カレンダー(日本時間)に載せています。投信の基準価額に反映されるのは、翌営業日の夕方以降です。
ナスダック100に関するよくある質問
ナスダック100とナスダック総合指数はどちらを見ればいいですか?
S&P500とナスダック100の投信を両方持つ意味はありますか?
レバナスはNISAで買えますか?
ナスダック100の構成銘柄はどこで確認できますか?
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執筆:佐々木優也(Pacific Stock編集長・専業投資家歴20年)
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