
1 株未満取引(フラクショナルシェア、fractional shares)とは、米国株を 1 株に満たない単位(0.1 株など)や金額指定(1,000 円分・10 ドル分)で売買できる仕組みです。米国株はもともと日本株のような単元株制度がなく 1 株から買えますが、1 株が 500 ドル(約 7 万 5,000 円)を超える銘柄も多く、1 株単位では毎月の積立に向きません。フラクショナルシェアなら、株価に関係なく決めた金額で買い続けられます。この記事では、仕組みと対応する日本の証券会社、配当・議決権・売却の扱い、手数料と NISA での注意点をまとめます。
- 米国株はもともと 1 株単位。フラクショナルシェアは1 株未満の端数や金額指定でさらに小さく買える仕組み
- 日本ではマネックス証券・ウィブル証券・moomoo 証券などが対応し、金額指定の積立に使える。SBI・楽天は 1 株単位(積立は対応)
- 配当は保有比率に応じて按分される。議決権は無いか制限され、売却は証券会社との相対取引になることが多い
米国株の売買単位と、フラクショナルシェアの仕組み
日本株は 100 株単位(単元株)が基本ですが、米国株は 1 株から買えます。それでも 1 株の値段は会社によって大きく違い、100 ドル前後の株もあれば、1 株 1,000 ドル近い株もあります。
| 1 株の価格帯(2026 年の目安) | 銘柄の例 | 1 株買うのに必要な円(1 ドル 150 円) |
|---|---|---|
| 50〜150 ドル | コカ・コーラ、ファイザー、インテル | 約 7,500〜22,500 円 |
| 150〜400 ドル | アップル、エヌビディア、マイクロソフト | 約 2.3〜6 万円 |
| 400〜1,000 ドル | メタ、ネットフリックス、コストコ、イーライリリー | 約 6〜15 万円 |
| 1,000 ドル超 | ブッキング、オートゾーン、メルカドリブレ | 約 15 万円以上 |
フラクショナルシェアは、証券会社が投資家の注文をまとめて市場で株を買い、その端数を投資家ごとに分けて保有させる仕組みです。証券会社の帳簿上で 0.123 株のように持ち分が記録され、株価が上がればその比率で評価額が増えます。米国では 2019 年ごろからロビンフッドなどのスマホ証券が普及させ、日本でも 2023 年以降に対応する証券会社が増えました。
対応する日本の証券会社と、買い方の違い
| 証券会社 | 1 株未満取引 | 備考 |
|---|---|---|
| マネックス証券 | 対応(金額指定) | 米国株の定期買付で 1,000 円単位の金額指定が可能 |
| ウィブル証券 | 対応 | 5 ドルから金額指定で買える |
| moomoo 証券 | 対応 | 金額指定。取扱銘柄が多い |
| SBI 証券 | 1 株単位 | 定期買付は株数指定・金額指定(1 株以上) |
| 楽天証券 | 1 株単位 | 積立は金額指定できるが約定は 1 株単位 |
| 松井証券 | 1 株単位 | 同上 |
対応状況は 2026 年 9 月時点の各社公式サイトにもとづきます。変更されることがあるので、口座開設前に最新の案内を確認してください。手数料・為替・NISA を含めた比較は 証券会社 9 社の採点ランキング にまとめています。
1 株単位しか扱わない証券会社でも、投資信託や ETF を使えば少額から米国株に投資できます。S&P500 の投資信託は 100 円から買え、米国 ETF の VOO・VTI は 1 口 400〜500 ドル前後です。「個別株を金額指定で積み立てたい」ときにフラクショナルシェアの出番があります。
配当・議決権・売却の扱い
1 株未満で持っていても、配当は保有比率に応じて受け取れます。0.5 株持っていれば 1 株あたり配当の半分です。米国での源泉徴収 10% と日本の 20.315% の課税は 1 株以上と同じです。
| 項目 | 1 株未満での扱い |
|---|---|
| 配当 | 保有比率で按分。少額の場合は切り捨てで受け取れないこともある |
| 議決権 | 原則なし、または証券会社が代理で扱う。株主総会の案内も来ないことが多い |
| 売却 | 証券会社との相対取引になることが多く、取引時間や価格の決まり方が通常の注文と違う |
| 他社への移管 | 端数部分は移管できず、売却して現金化してからになる |
| 株式分割・スピンオフ | 端数の扱いは証券会社のルールによる。現金精算されることもある |
1 株未満の持ち分は「証券会社の帳簿上の権利」で、証券会社が破綻したときの保護の範囲も会社によって説明が異なります。米国の証券会社では SIPC の保護対象に含まれるのが一般的ですが、日本の証券会社を通じて持つ場合の扱いは各社の説明を確認してください。
手数料と NISA での注意点、向いている使い方
フラクショナルシェアは少額で買える分、手数料の比率が高くなりやすい点に注意が必要です。売買手数料が「約定代金の 0.495%、最低 0 ドル」なら少額でも比率は変わりませんが、為替手数料は金額にかかわらず 1 ドルあたりの固定額(0〜25 銭)なので、円貨決済で毎回両替すると往復で 0.3% 前後のコストになります。1,000 円ずつ 10 回買うより、1 万円を 1 回で買うほうがコストは同じか安くなることを覚えておいてください。
NISA の成長投資枠でも、対応する証券会社ならフラクショナルシェアで買えます。日本の課税分が非課税になるので、少額の積立でも税金の面では有利です。ただし NISA の非課税枠は「買付金額」で消費されるため、少額で頻繁に買っても枠の使い方は変わりません。
向いている使い方は次のとおりです。
- 毎月決まった金額で個別株を積み立てたい(例:エヌビディアを毎月 1 万円)
- 1 株が高い株を少しずつ試したい(コストコ・メタなど)
- 複数の高額株に分散したい(10 万円で 10 銘柄)
一方、まとまった資金で一度に買う人や、売買を頻繁にする人には向きません。米国株を初めて買う人は、米国株の始め方で口座の種類とコストを確認し、コスト&配当手取りシミュレーターで証券会社ごとの手数料を試算してから始めると失敗が減ります。
1 株未満取引に関するよくある質問
米国株は 1 株から買えるのに、なぜ 1 株未満の仕組みが必要なのですか?
1 株未満で持っている株が 1 株を超えたらどうなりますか?
日本株のミニ株(単元未満株)と同じですか?
ETF も 1 株未満で買えますか?
関連する用語
- 単元未満株
単元未満株とは、1単元(通常100株)に満たない株式のことです。 - ミニ株
ミニ株とは、通常100株単位で売買する株式を、1株など少ない単位から買えるサービスの総称です。 - 円貨決済と外貨決済
円貨決済とは、米国株を円のまま注文し、証券会社が約定時に自動で両替する決済方法です。外貨決済は先 - ドルコスト平均法
ドルコスト平均法とは、価格が動く商品を、決まったタイミングで毎回同じ「金額」だけ買い続ける投資手 - NISA
NISAとは、投資で得た利益に税金がかからなくなる制度です。 - ティッカーシンボル
ティッカーシンボルとは、米国株の銘柄を表す 1〜5 文字のアルファベット(AAPL、NVDA な - T+1 決済(米国株の決済期間)
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執筆:佐々木優也(Pacific Stock 編集長・専業投資家歴20年)
各社の対応状況と手数料は 2026 年 9 月時点の各社公式サイト、米国での制度は FINRA・SEC の投資家向け解説にもとづきます。株価の例は 2026 年 9 月時点のおおよその水準です。 本記事は情報提供を目的とし、特定の銘柄・証券会社の売買や口座開設を推奨するものではありません。当サイトは証券会社の口座開設等によりアフィリエイト報酬を得る場合がありますが、比較の順位や数値には影響しません。最終更新 2026-09-17。
