割引券の株主優待10選|100株の実質利回りランキング2026年版

2026年9月時点で、100株で割引券の株主優待がもらえるのは370社です。そのうち「額面がそのまま使える券」に絞ると28社まで減ります。

割引券の優待は額面が大きく見えるのに、実際には同じ金額を自分で払わないと使えないものが混ざっています。「2万円分の割引券」と書いてあっても、2万円の買い物をして初めて意味を持つ券なら、もらった瞬間の価値はゼロです。

この記事は株主優待を出している1,653社を1社ずつ確認して作りました。データはすべて2026年9月時点のもので、次に当てはまるものは外しています。

外したもの 理由
「◯枚」としか書かれていない券 1枚がいくらか分からず、利回りを計算できない
「◯%割引」だけの券 いくら使うかで得する額が変わる
本体の購入・契約が前提の割引 墓石・車・結婚式など、買わなければ0円
継続保有が条件のもの 買った年にはもらえない
抽選・先着・申込が条件のもの 株を持っているだけではもらえない
周年記念・上場記念の優待 今回限りで、翌年はもらえない

割引券の株主優待を出している企業は370社ありましたが、上記の条件で調べると、額面をそのまま使えるのは28社となった形です。

この記事でわかること

実質利回り上位10社を1社ずつ解説
実質利回り11〜20位の10社
「◯枚」としか書かれていない67社の読み方
・額面2万円でも2万円使わないと得しない9社
利回りが300%に見える優待の正体
・買った年はもらえない34社の存在
・権利確定月の偏り(3月と9月に集中
・自腹を差し引いた実質利回りを計算できるツール

※ この記事は制度とデータの解説であり、特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。優待の内容は変更されることがあるため、購入前に各社のIR情報で確認してください。

今回のランキングの決め方

今回の順位に関しては以下の条件のもとで計算してランキング化した形です。

項目 条件
銘柄数 株主優待を出している1,653社を1社ずつ確認
株数 100株(最低単元)でもらえるものだけ
保有期間 買ったその年からもらえるものだけ
券の性質 額面がそのまま支払いに使えるものだけ
実質利回り 年間の額面 ÷(株価×100株)×100
株価 2026年9月1日の終値

370社を機械的に判定したあと、利回りが高い順に1社ずつ内容を読み直しています。これは順位が高い銘柄ほど判定を間違えている確率が高いためです。

判定 社数 扱い
額面が円で書かれている 139社 上から順に目視で検算
「◯枚」としか書かれていない 67社 利回りが出せないため対象外
「◯%割引」だけ 51社 使う金額で変わるため対象外
継続保有が条件 34社 買った年はもらえない
内容が特定できない 72社 個別に読み直して振り分け
抽選・申込・記念 7社 確実にもらえないため除外

他の株主優待サイトの一覧と最も違うのは、額面をそのまま利回りにしていない点です。割引券は「使うのに条件がある券」が多いため、条件を1社ずつ読んだうえで順位を付けています。

割引券の優待株10選

実質利回りの上位10社です。すべて100株・買った年からもらえる・額面がそのまま使えるという条件を満たしています。

銘柄(コード) 投資額 年間の額面 実質利回り 権利確定
① ジーイエット(7603) 4,100円 2,000円 48.78% 2月・8月
② KOZOホールディングス(9973) 2,000円 500円 25.00% 12月
③ ファンデリー(3137) 20,600円 5,000円 24.27% 3月
④ 田谷(4679) 26,300円 3,300円 12.55% 3月
⑤ 山喜(3598) 16,700円 2,000円 11.98% 3月・9月
⑥ ストリーム(3071) 10,500円 1,000円 9.52% 1月
⑦ ランシステム(3326) 66,000円 6,000円 9.09% 3月
⑧ ストライダーズ(9816) 25,400円 2,000円 7.87% 3月・9月
⑨ エディア(3935) 70,800円 5,000円 7.06% 2月
⑩ 一家ホールディングス(7127) 70,800円 5,000円 7.06% 3月・9月

1位と2位は投資額が1万円を切っています。利回りが飛び抜けて高いのは優待が手厚いからではなく、株価が数十円まで下がっているためです。この点は後半で詳しく説明します。

【1位】ジーイエット(7603)48.78%

4,100円で年2,000円分
スタンダード/小売業 権利確定:2月末・8月末(年2回) 継続保有の条件なし

カジュアル衣料のマックハウスを運営する会社です。2月末と8月末にそれぞれ1,000円分の買物優待券が届きます。合わせて年2,000円分です。

株価が41円のため、100株の投資額が4,100円と、優待がもらえる銘柄の中でも最も安い部類に入ります。そこに年2,000円分の券が付くので、計算上の利回りが48.78%まで跳ね上がります。

店舗で使う券には最低金額の条件がありません。これとは別に「通販専用買物優待券」が1,000円券×5枚もらえますが、こちらは3,000円以上の購入で1枚という条件が付きます。今回の利回りには通販券を含めていません。2026年7月10日に優待制度の変更を開示しているので、最新の内容はIRで確認してください。

【2位】KOZOホールディングス(9973)25.00%

2,000円で年500円分
スタンダード/小売業 権利確定:12月末(年1回) 継続保有の条件なし

持ち帰り寿司の小僧寿しを運営する会社です。100株で500円分の優待クーポンがもらえます。

株価が20円なので、100株の投資額は2,000円です。割引券の優待を出している370社の中で、最も投資額が小さい銘柄です。金額そのものは500円と小さいものの、投資額に対する比率では25%になります。

優待は「小僧寿しアプリ」を通じて提供されます。紙の券が郵送されてくるわけではないので、スマートフォンでアプリを使えることが前提になります。グループ各店舗とECサイトで使えますが、店舗限定の扱いがあるため、近くに使える店があるかは事前に調べておきたいところです。

【3位】ファンデリー(3137)24.27%

20,600円で年5,000円分
スタンダード/小売業 権利確定:3月末(年1回) 継続保有の条件なし

管理栄養士が監修する冷凍宅配食を手がける会社です。3月末の株主に5,000円分の食事クーポンが届きます。

今回の上位10社の中では、投資額2万円台で額面5,000円という組み合わせが最もバランスが取れています。最低金額の条件がなく、クーポンだけで注文を完結させることができます。

使える先は国産の冷凍食品ブランド「旬をすぐに」に限られます。2026年4月30日に優待制度の拡充を開示しており、金額は500株で8,000円、1,000株で12,000円と増える設計になっています。冷凍宅配食を日常的に使う人であれば、額面をそのまま消化しやすい優待です。

【4位】田谷(4679)12.55%

26,300円で年3,300円分
スタンダード/サービス業 権利確定:3月末(年1回) 継続保有の条件なし

美容室TAYAを全国に展開する会社です。3月末の株主に3,300円相当の優待が届き、ヘアケア商品か優待券かを選べます。

申込は専用のWebサイトから行う電子方式で、有効期間は7月1日から翌年3月31日までです。商品を選べば自己負担なしで受け取れるため、美容室を使わない人でも額面を消化できます。

なお2025年11月13日に創業60周年の記念優待を開示していますが、記念優待は今回限りのもので毎年もらえるわけではありません。今回の3,300円は記念分を含まない、毎年の優待だけの金額です。

【5位】山喜(3598)11.98%

16,700円で年2,000円分
スタンダード/繊維製品 権利確定:3月末・9月末(年2回) 継続保有の条件なし

ドレスシャツを手がける会社です。3月末と9月末にそれぞれ1,000円分の買物優待券が届きます。

使える先は自社の直営店です。最低金額の条件がないため、額面ぶんだけで買い物を完結させることができます。

年2回に分かれているぶん、1回あたりの額面は1,000円と小さめです。ワイシャツを定期的に買い替える人であれば使い切りやすい一方、そうでなければ有効期限内に使えずに終わる可能性があります。券の有効期限は毎回確認しておきたいところです。

【6位】ストリーム(3071)9.52%

10,500円で年1,000円分
グロース/小売業 権利確定:1月末(年1回) 継続保有の条件なし

家電のネット通販サイト「ECカレント」を運営する会社です。1月末の株主に1,000円券が1枚届きます。

1月末が権利確定日という点が特徴で、3月や9月に集中しがちな優待の中では、権利確定月をずらす選択肢になります。

使える先は自社が運営する「ECカレント」と、子会社が運営する「エックスワン」です。家電は単価が高いため、1,000円券は実質的に値引きとして働きます。額面そのものは小さいので、投資額1万円台という手軽さを評価する優待と考えたほうが実態に近いです。

【7位】ランシステム(3326)9.09%

66,000円で年6,000円分
スタンダード/サービス業 権利確定:3月末(年1回) 継続保有の条件なし

複合カフェ「自遊空間」を運営する会社です。3月末の株主は3つのコースから1つを選びます。

コース 内容(1年未満保有・100株)
Aコース 自遊空間の6時間無料券 3枚(6,000円相当)
Bコース クオカード 2,000円分
Cコース デジタルギフト 2,000円分

同じ株数でも、選ぶコースによって受け取る金額が3倍変わります。Aコースの6,000円で計算すると9.09%、Bコースの2,000円なら3.03%です。

自遊空間の店舗が生活圏にあるかどうかで、この優待の価値は大きく変わります。近くに店舗がなければ、金額の小さいBコースやCコースを選ぶことになるため、実際の利回りは3%前後と考えておくのが現実的です。クオカードの優待についてはクオカード優待株10選でまとめています。

【8位】ストライダーズ(9816)7.87%

25,400円で年2,000円分
スタンダード/サービス業 権利確定:3月末・9月末(年2回) 継続保有の条件なし

ホテル運営と食品ECを手がける会社です。3月末と9月末にそれぞれ1,000円分の割引クーポンが届きます。

使える先はECサイト「北陸マルシェ」と、自社が運営する成田ゲートウェイホテル・ホテルアローレです。ECサイトであれば全国どこからでも使えます。

ただしホテルで使う場合は事前に電話予約が必要と明記されています。ネット予約サイト経由では使えない可能性があるため、宿泊で使うつもりなら手順を確認しておく必要があります。

【9位】エディア(3935)7.06%

70,800円で年5,000円分
グロース/情報・通信業 権利確定:2月末(年1回) 継続保有の条件なし

オンラインくじサービス「まるくじ」「くじコレ」を運営する会社です。2月末の株主に5,000円分のクーポンが届きます。

この銘柄は保有期間で金額が変わる設計になっています。1年未満は5,000円相当、1年以上になると5,000円券が2枚で10,000円相当です。今回は買った年にもらえる5,000円で計算しています。

注意点は1回の会計で使えるクーポンが1枚までという条件です。1年以上保有して2枚もらえるようになっても、1回の買い物で2枚を同時に使うことはできません。有効期限も設定されているため、使うタイミングを分ける必要があります。

【10位】一家ホールディングス(7127)7.06%

70,800円で年5,000円分
グロース/小売業 権利確定:3月末・9月末(年2回) 継続保有の条件なし

居酒屋「屋台屋 博多劇場」などを展開する会社です。3月末と9月末にそれぞれ2,500円分の食事優待券が届きます。

券は電子チケットで、QRコードをスマートフォンで読み取って店頭で提示します。スマートフォンがない場合は「優待のご案内」を店舗に持参すれば使えると明記されているため、紙でも対応できます。

最低会計金額の条件がなく、5,000円分の電子チケットを「明太もつ鍋セット」と引き換えることもできます。店舗に行けない場合の受け皿が用意されている点は、飲食系の優待としては使い勝手がよい部類です。食事券の優待全般については食事券・グルメ優待の選び方もあわせてご覧ください。

【11位〜20位】1%台後半から6%台の10社

11位以下も条件は同じで、100株・買った年からもらえる・額面がそのまま使える券だけを並べています。

銘柄(コード) 投資額 年間の額面 利回り 使える先
⑪ Hamee(3134) 30,500円 2,000円 6.56% iFace公式サイトほか
⑫ クラダシ(5884) 61,300円 4,000円 6.53% Kuradashi(1枚2,000円)
⑬ ヤーマン(6630) 79,600円 5,000円 6.28% ヤーマン公式サイト・直営店
⑭ ユーグレナ(2931) 34,700円 2,000円 5.76% ユーグレナ・オンライン
⑮ バロックジャパン(3548) 70,200円 4,000円 5.70% 店舗・通販(下限なし)
⑯ TOKYO BASE(3415) 35,200円 2,000円 5.68% 実店舗・オンラインストア
⑰ チムニー(3178) 122,200円 6,000円 4.91% はなの舞ほか(1円単位)
⑱ 中央経済社HD(9476) 98,000円 4,000円 4.08% ビジネス専門書online
⑲ ユニフォームネクスト(3566) 76,300円 3,000円 3.93% 自社ECサイト
⑳ コシダカHD(2157) 104,400円 4,000円 3.83% カラオケまねきねこほか

この10社で注目したいのはバロックジャパンとチムニーです。バロックジャパンの電子クーポンは合計2,000円以下の会計でも使えると明記されており、チムニーの食事券は1円単位で使えてテイクアウトにも対応します。割引券の中では最も金券に近い性質を持っています。

「◯枚」としか書かれていない67社は利回りが出せない

割引券の優待で最も多いのが、「株主優待券 2枚」のように枚数しか書かれていないパターンです。今回の370社のうち67社がこれに当たります。

1枚がいくらなのかが書かれていないため、利回りを計算する方法がありません。にもかかわらず、この形の優待を「1枚500円」などと仮定して金額に換算し、そのまま一覧に載せている情報も見かけます。

書かれ方 確認すること
「優待券 2枚」 1枚の額面。書かれていなければIRのPDFを見る
「10%割引券 15枚」 額面ではなく割引率。金額は使う額しだい
「1セット(年間2セット)」 セットの中身が何枚で、何に使えるか
「無料利用券 1枚」 そのサービスを使う予定がなければ0円

例えばさいか屋(8254)の買物優待券は年30枚もらえますが、これは10%割引券です(食料品は5%)。枚数だけを見ると手厚く見えますが、1万円の買い物で1,000円が引かれる券なので、額面としての金額は存在しません。

枚数しか書かれていない優待を検討するときは、必ず企業のIRページで優待の詳細PDFを開いてください。1枚の額面と、1回の会計で何枚まで使えるかは、そこにしか書かれていないことが多いです。

額面2万円でも、2万円使わないと1円も得しない9社

ここが割引券の優待で最も間違えやすいところです。額面は大きいのに、その額面を受け取るために同じくらいの自腹が必要な券があります。

銘柄(コード) 年間の額面 必要な会計額 条件
さいか屋(8254) 20,000円 50,000円 割引券は5,000円以上で1枚、食事券は1,000円ごと
ヴィア・HD(7918) 8,000円 16,000円 会計1,000円ごとに500円割引(16枚)
ワタミ(7522) 8,000円 32,000円 税込2,000円ごとに500円券1枚
安楽亭(7562) 13,000円 26,000円 1,000円ごとに500円券1枚
ユナイテッド&コレクティブ(3557) 10,000円 20,000円 会計1,000円ごとに1枚(500円割引)
AFC-HDアムス(2927) 10,000円 20,000円 注文金額5,000円以上で2,500円券1枚
フェスタリアHD(2736) 10,000円 20,000円 本体価格20,000円以上の商品に利用
関門海(3372) 4,000円 8,000円 4,000円以上のコース料理1つにつき1枚
AB&Company(9251) 7,000円 10,000円 10,000円以上の購入で7,000円値引き

ワタミ(7522)を例にすると分かりやすいです。年8,000円分の優待券がもらえますが、500円券を1枚使うのに税込2,000円の会計が必要です。16枚すべてを使い切るには年間で32,000円ぶんの飲食が必要になります。

これは「損な優待」という意味ではありません。その店に年32,000円ぶん通う予定がある人にとっては、25%の割引を受けられる優待です。問題は、額面の8,000円だけを見て「利回り8.4%」と判断してしまうことにあります。

この9社を見るときの基準

もともとその店を使う予定があるかで判断する
・使う予定がないなら、額面がいくらでも価値は0円
・見るべきは利回りではなく割引率(ワタミなら25%、AB&Companyなら70%)
・「必要な会計額」は各社のIRに必ず書かれている

利回りが300%に見える優待の正体

機械的に額面を集計すると、利回りが100%を超える銘柄が出てきます。今回の370社でも上位に並んだのは次のような優待でした。

銘柄(コード) 見かけの利回り 実際の内容
ニチリョク(7578) 307.7% 墓石・仏壇の購入割引、葬儀の会員価格適用
タメニー(6181) 227.3% 結婚相談所の入会・挙式披露宴の割引
レダックス(7602) 177.5% 中古車の購入・売却時に使える割引券
ベネフィットジャパン(3934) 83.3% ロボット本体を36,000円引きで購入できる権利
バイク王&カンパニー(3377) 77.9% 126cc以上のバイク購入時に30,000円割引
ベストワンドットコム(6577) 5.1% 旅行代金10万円以上で5,000円割引

これらに共通するのは「本体を買わなければ1円も得しない」という点です。ニチリョクの30,000円は墓石を買ったときの割引額であり、タメニーの金額は結婚式を挙げたときの割引額です。

一生に一度あるかどうかの買い物に対する割引なので、毎年の利回りという物差しでは測れません。今回のランキングから外しているのはこのためです。

ただし逆の見方もできます。本当に中古車を買う予定があるなら、レダックスの株を17,000円ほどで買って30,000円の割引券を受け取るという判断は成り立ちます。利回りで比較する対象ではなく、予定が決まっている支出に合わせて使う優待です。

買った年にはもらえない34社がある

割引券の優待では、「1年以上の継続保有」を条件にしている企業が34社ありました。この場合、株を買ってすぐの権利確定日を迎えても優待は届きません。

書かれ方 意味
【3年未満保有】2枚 /【3年以上保有】4枚 買った年から2枚もらえる
【1年以上保有】5,000円相当 買った年はもらえない
「同一株主番号で連続7回以上記録」 年2回の基準日を7回=約3年の保有が必要

見分け方は「未満」という言葉があるかどうかです。「3年未満保有」という区分が用意されていれば、買った年から何かはもらえます。「1年以上保有」しか書かれていなければ、初年度は対象外です。

また継続保有の判定は株主番号で行われます。途中で全部売ってしまうと株主番号がリセットされ、保有期間の数え直しになる場合があります。仕組みは長期保有優遇とは?で詳しく解説しています。

権利確定月は3月と9月に集中している

割引券の優待を出している370社の権利確定月を数えると、3月と9月に大きく偏っています。

権利確定月 社数 分布
3月 172社 ■■■■■■■■■■■■■■
9月 115社 ■■■■■■■■■
2月 60社 ■■■■■
8月 49社 ■■■■
12月 40社 ■■■
6月 25社 ■■
7月 13社
1月 12社
11月 11社
4月・5月 各10社
10月 8社

3月と9月だけで、のべ287社に達します。この2か月に買いが集中するため、権利付最終売買日に向けて株価が上がり、権利落ち日に下がる動きが出やすくなります。

逆に言えば、1月・10月・11月といった月の銘柄は競争が緩やかです。今回の上位ではストリーム(1月)とHamee(4月・10月)がこれに当たります。いつ買えばよいかは権利確定日とは?で整理しています。

21位以下の割引券優待を探す

今回の記事で扱ったのは上位20社です。残りの銘柄は投資額や権利確定月で絞り込めるようにしてあります。

条件で絞り込む

100株で買える株主優待の検索ページ
優待の種類・投資額・権利確定月・業種で絞り込めます。
「割引券」のカテゴリを押すと、該当する銘柄だけが表示されます。

投資額を10万円以下に限定したい場合は投資金額10万円以下の株主優待、100株に届かない資金で始めたい場合は単元未満株でもらえる株主優待もあります。

自分の条件で実質利回りを計算する

株価は毎日動くので、この一覧の利回りも日々変わります。割引券の場合はさらに「自分が実際にいくら使うか」で受け取れる金額が変わります。その条件を入れて計算できるツールを置いておきます。

割引券の実質利回り計算ツール

券を使うのに必要な会計額と、自分が年間に使う予定額を入れると、実際に浮く金額と実質利回りを計算します。数値を変えるとその場で計算し直します。







投資額 94,900円
年間の額面の合計 8,000円
実際に使える枚数 10枚
実際に浮く金額 5,000円
額面どおりの利回り 8.43%
実質利回り 5.27%

使う予定額が足りず、券を使い切れていません。額面どおりの利回りとの差が、受け取り損ねている分です。

※ 実質利回り=実際に浮く金額÷投資額×100 / 1枚に必要な会計額を0にすると、額面をそのまま使える券として計算します
※ 1回の会計で使える枚数に上限がある場合は、その条件を反映していません。各社のIRで確認してください。

初期値はワタミ(7522)の条件を入れてあります。年20,000円ぶんしか使わない場合、8,000円分の券のうち5,000円分しか使えず、実質利回りは8.43%から5.27%に下がります。この差が、割引券の優待で最も見落とされやすい部分です。

割引券の優待で失敗する4つの理由

ここまで実質利回りで並べてきましたが、この数字だけで銘柄を選ぶと外します。理由は4つあります。

理由① 優待は企業の判断でいつでも廃止できる

株主優待は法律で義務づけられた制度ではありません。企業が「やめます」と発表すればその時点で終わります。

今回調べた1,653社のうち、優待の廃止や見送りを開示していた企業が11社ありました。直近では2026年8月24日にコンヴァノ(6574)、2026年2月13日にザ・パック(3950)が廃止を開示しています。

廃止の情報は企業のIRで「株主優待制度の廃止に関するお知らせ」として開示されます。一覧サイトの更新を待つより、購入前に企業のIRページを開くほうが確実です。優待の廃止が発表されると株価が下がることも多く、優待と株価の両方で影響を受けます。

理由② 実質利回りは株価が下がると自動的に上がる

実質利回りは「年間の額面 ÷ 投資額」で計算します。優待の金額は固定なので、株価が下がるほど利回りは自動的に上がります。

株価 投資額(100株) 年2,000円分の利回り
200円 20,000円 10.00%
100円 10,000円 20.00%
40円 4,000円 50.00%

今回の1位と2位が48%や25%になっているのは、優待が手厚いからではなく株価が数十円まで下がっているためです。株価が半分になれば利回りは2倍になりますが、そのとき投資元本も半分になっています。

年2,000円の優待をもらうために、20,000円の含み損を抱えては意味がありません。利回りが極端に高い銘柄を見つけたときは、まず「なぜ株価がここまで下がっているのか」を業績で確認してください。

理由③ 使える店とサイトが決まっている

クオカードやギフト券と決定的に違うのが、割引券は発行した企業の店とサイトでしか使えないという点です。

買う前に確認すること

生活圏に使える店があるか(店舗限定の優待は特に重要)
・ECサイトの場合、送料が優待の対象外になっていないか
有効期限は何か月か(半年〜1年が一般的)
・1回の会計で使える枚数の上限
・テイクアウトや一部の店舗が除外されていないか

今回の上位でも、ジーイエットは店舗のほかに通販専用券があり、ストライダーズはホテル利用に電話予約が必要でした。KOZOホールディングスはアプリが前提で、店舗も限定されています。

額面が同じでも、使える場所が広いほど価値は高くなります。そのため額面だけを比べた順位と、自分にとっての価値の順位は一致しません。上位から選ぶのではなく、使う予定のある店から選ぶほうが失敗しにくい優待です。

理由④ 優待は原則として課税の対象になる

株主優待は税務上、原則として雑所得として扱われます。「優待は非課税」という説明を見かけることがありますが、正確ではありません。

給与所得者の場合、給与以外の所得の合計が年20万円以下であれば確定申告が不要という基準があります。優待だけで年20万円を超えることはまれなので、結果として申告不要になっている人が多い、というのが実態に近いです。

ただし他に副収入がある場合は合算で判定されます。また住民税には20万円の基準がないため、自治体によって扱いが異なります。優待の金額換算は優待利回りとは?でも触れています。

割引券の株主優待に関するよくある質問

割引券の優待は換金できますか
発行企業が譲渡を禁止していることが多く、原則として換金は想定されていません。金券ショップで買い取られている券もありますが、額面より安い価格になります。換金を前提にするなら、クオカードやギフト券のほうが向いています。
「10%割引券 15枚」は利回りにするといくらですか
計算できません。10%割引券は、いくら使うかで得する金額が変わるためです。1万円の買い物なら1,000円、5万円なら5,000円になります。額面が決まっていない券は、自分が使う予定額を決めてから金額に直してください。
100株より多く買うと利回りは上がりますか
多くの企業では、株数が増えても優待の増え方は比例しません。100株で2,000円、500株で3,000円というように、株数あたりの金額は下がる設計が一般的です。実質利回りだけを見るなら100株が最も効率的になります。
権利確定日の直前に買っても優待はもらえますか
権利付最終売買日までに買えばもらえます。これは権利確定日の2営業日前です。ただし継続保有が条件の銘柄は、直前に買っても初年度は対象外になります。買う前に「1年以上保有」という記載がないかを確認してください。
優待券はいつ届きますか
権利確定日から2〜3か月後が一般的です。3月末が権利確定日なら6月頃、9月末なら12月頃に届く企業が多くなっています。株主総会の招集通知に同封される形が最も多い送り方です。
電子クーポンの優待が増えているのはなぜですか
郵送コストの削減と、使用状況を把握できることが理由です。今回の上位でも一家ホールディングス、バロックジャパン、チムニーが電子化しています。受け取りにスマートフォンが必要になるため、紙の券を希望する場合は事前に対応を確認してください。
優待の廃止はどうやって知ることができますか
企業のIRページに「株主優待制度の廃止に関するお知らせ」として開示されます。証券会社のアプリでも適時開示を確認できます。一覧サイトの情報は更新が遅れることがあるため、購入前に企業の開示を直接確認するのが確実です。
優待だけを狙って権利日前後で売買する方法はありますか
現物買いと信用売りを同時に行うクロス取引という手法があります。株価の変動を抑えて優待だけを受け取る形ですが、貸株料や逆日歩といった費用がかかり、想定外の負担になることもあります。仕組みと費用はクロス取引とは?で解説しています。

まとめ

割引券の株主優待を100株の実質利回りで整理しました。額面をそのまま利回りにしないことが、この分野では最も重要です。

この記事のポイント

・割引券の優待を100株で出しているのは370社
・そのうち額面をそのまま使えるのは28社
・「◯枚」だけの67社と「◯%割引」だけの51社は利回りを出せない
・額面が大きい9社は額面と同額以上の自腹が必要
・利回り100%超の優待は本体を買わなければ0円
34社は買った年にもらえない(「未満」の記載を確認する)
・権利確定は3月172社・9月115社に集中

割引券の優待は、利回りの高い順に選ぶよりも、もともと使う予定がある店から選ぶほうが確実に得をします。使わない券は額面がいくらでも0円だからです。

他の種類の優待と比べたい場合はクオカード優待株10選株主優待の選び方と100株優待ランキング、条件で絞り込みたい場合は100株で買える株主優待の検索ページをご覧ください。

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