
SBI証券は、口座数で国内最大級のネット証券です。取扱商品の幅とIPOの実績が強みで、「どこか1社を選ぶなら」という文脈で最初に挙がる会社になっています。
ただし、紹介記事の多くが古いままです。SBI証券の国内株の売買手数料は、2023年9月30日から0円になりました。「手数料が業界最安水準」という説明はもう正確ではありません。金額の話ではなく、条件を満たしているかの話になっています。
この記事では、2026年8月時点で何ができるのかと、SBI証券が向かない人はどういう人かまで書きます。
この記事でわかること
・IPOチャレンジポイントの仕組みと使いどころ
・貯めるポイントを選べる制度
・S株(1株投資)とPTS(夜間取引)
・クレカ積立と投信マイレージ
・NISAでできること
・デメリットと向かない人
・口座開設後にやるべき設定
※ 本記事の手数料・サービス内容は2026年8月時点で確認した一般的な情報です。条件や適用範囲は変更されることがあるため、口座開設前に必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。
目次
SBI証券とは
SBI証券(読み方:エスビーアイしょうけん)
SBIホールディングス傘下のネット証券です。1999年にインターネット取引を開始し、口座数は国内最大級となっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 国内株の売買手数料 | 0円(条件あり・金額の上限なし) |
| 単元未満株 | 「S株」1株から。買付・売却とも手数料無料 |
| 外国株 | 米国・中国・韓国・ロシア・ベトナム・インドネシア・シンガポール・タイ・マレーシアの9か国 |
| IPO | 取扱数・主幹事実績とも最多水準。IPOチャレンジポイントあり |
| ポイント | Vポイント・Pontaポイントなどから選べる |
| PTS(夜間取引) | 対応 |
| 口座管理料 | 無料 |
手数料0円になる条件
ここを見落とすと、0円になっているつもりで手数料を払い続けることになります。
2023年9月30日から始まった手数料0円は、所定の条件(各種報告書の電子交付の申込みなど)を満たしている場合に適用されます。
口座を開いただけでは適用されないことがあります。
管理画面の「口座管理」→「お客さま情報 設定・変更」から、電子交付の設定状況を確認してください。
535円
往復で1,000円超
0円
金額の上限なし
・外国株(米国株などの取引手数料・為替スプレッド)
・信用取引の金利・貸株料(手数料は0円でも金利は発生する)
・投資信託の信託報酬(保有している間ずっとかかる)
・IPOの申込にかかる費用はないが、当選後の売買には上記が適用される
「国内株の現物取引が0円」という話であることに注意してください。
IPOに強い理由
SBI証券を選ぶ理由として最も実質的なのがこれです。IPOの当選確率は、証券会社の選択でほぼ決まります。
年間のIPO案件のうち、SBI証券が取り扱う割合は他社より高くなっています。申し込めない案件が少ないということです。
主幹事は発行株数の大部分を引き受けます。同じ抽選でも、主幹事の会社は配分される株数そのものが多いため当選しやすくなります。
抽選に外れるたびにポイントが1つ貯まります。貯めたポイントを使って申し込むと、ポイントの多い順に配分される枠があります。
・外れ続けても無駄にならないのがこの仕組みの本質です
・使うときは全ポイントを一度に投入します(分割できません)
・使って外れた場合、ポイントは戻ります
・人気の低い案件で使えば少ないポイントでも当たりやすく、人気案件では多くのポイントが必要になります
・複数年かけて貯めてから、狙った案件で使うという戦い方になります
ポイントを貯めるには、外れてもいいので申し込み続ける必要があります。申込には資金が必要なので、資金を寝かせたくない場合は事前入金が不要な証券会社と併用する方法もあります(→ 証券会社の比較)。
貯めるポイントを選べる
かつては「Tポイントが貯まる証券会社」と紹介されていましたが、Tポイントは2024年4月にVポイントへ統合されました。現在は仕組みそのものが変わっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 選べるポイント | Vポイント・Pontaポイント・dポイント・JALのマイル・PayPayポイントなど |
| 貯まる場面 | 投資信託の保有残高に応じて毎月/クレカ積立/各種取引 |
| 使い道 | 投資信託の買付に使える(1ポイント=1円相当) |
| 設定 | メインポイントの登録が必要。未設定だと貯まりません |
どのポイントを貯めるかを自分で登録する必要があります。
未設定のまま取引していると、本来もらえるはずのポイントが付きません。
口座開設後の「ポイントサービス」の設定を必ず確認してください。
投資信託の保有残高に応じたポイント付与(投信マイレージ)は、保有しているだけで毎月貯まります。信託報酬の一部が実質的に返ってくる形になるため、長期で持つほど効いてきます。
S株(1株投資)とPTS(夜間取引)
この2つは、他社との差がはっきり出る機能です。
決算発表後にすぐ動ける
単元株(100株)が基本
S株の売却手数料が無料という点は見落とされがちですが、実務的な差になります。単元未満株は売却時に手数料がかかる会社が多いためです。
・S株は指値注文ができません。1日数回の決まったタイミングで成行約定します
・S株では株主優待の対象外になることがほとんどです(100株以上が条件のため)
・PTSは参加者が少ないため、希望の価格で約定しないことがあります
・PTSは全上場銘柄が対象ではありません
クレカ積立とNISA
投資信託を毎月積み立てる場合、クレジットカードで決済するとポイントが付きます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 使えるカード | 三井住友カードなど。カードの種類で還元率が変わります |
| NISAのつみたて投資枠 | 年120万円。クレカ積立と組み合わせられます |
| NISAの成長投資枠 | 年240万円。個別株・ETF・REIT・S株も対象 |
| 投資信託の本数 | 業界最多水準。つみたて投資枠の選択肢が広い |
※ クレカ積立の還元率・上限額は変更されることがあります。カードの年会費と還元額を比較して判断してください。
NISA口座で株を買っても、配当金の受取方法が「株式数比例配分方式」でないと20.315%が課税されます。
この設定はすべての証券会社で共通なので、1社で変更すれば他社にも反映されます。
口座開設後、最初に確認してください。
他のネット証券との違い
SBI証券を選ぶかどうかは、他社と何が違うかで判断できます。
| 項目 | SBI証券 | 他社との差 |
|---|---|---|
| 国内株の手数料 | 0円(条件あり) | 楽天証券も0円。差はつかない |
| IPO | 取扱数・主幹事実績とも最多水準 | 最も大きな差がつく項目 |
| 単元未満株の売却 | 手数料無料 | 売却が有料の会社が多い |
| ポイント | 複数から選べる | 他社は1種類に固定されていることが多い |
| 外国株 | 9か国に対応 | 米国株の銘柄数はマネックス証券が多い |
| 1株のリアルタイム取引 | できない(1日数回の約定) | 楽天証券「かぶミニ」は対応 |
| 画面のわかりやすさ | 情報量が多く複雑 | シンプルさでは他社に劣る |
手数料で差がつかなくなった今、SBI証券を選ぶ理由はIPOと取扱商品の幅に集約されます。逆にこの2つを重視しないなら、画面が使いやすい他社を選ぶ判断もあります。
※ 各社のサービス内容は変更されます。2026年8月時点で確認した一般的な傾向です。詳しくは証券会社5社の比較をご覧ください。
デメリットと向かない人
SBI証券が万能というわけではありません。実際に不満が出やすい点を挙げます。
扱える商品が多いぶん、管理画面のメニューも多くなっています。「どこから注文するのか分からない」という状態になりやすいのは事実です。
国内株・米国株・投資信託などでアプリが別になっています。1つのアプリで全部済ませたい人には向きません。
手数料0円の条件、メインポイントの登録、配当金の受取方法。どれも自分で設定する必要があります。
1日数回の約定タイミングになります。値動きを見ながら1株ずつ売買したい場合は、リアルタイム対応の他社を検討してください。
| 向いている人 | 向かない人 |
|---|---|
| IPOを本気で狙いたい | 画面がシンプルなほうがいい |
| 口座を1社に集約したい | 1つのアプリで全部完結させたい |
| 貯めるポイントを自分で選びたい | 楽天経済圏をメインに使っている |
| 投資信託の選択肢を広く持ちたい | 1株をリアルタイムで売買したい |
| S株を売るときも手数料をかけたくない | 米国株の銘柄数を最優先にしたい |
※ 本記事はサービス内容を整理したものであり、特定の金融商品や取引を勧めるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
口座開設後にやるべき設定
開設して終わりにすると損をします。最初に確認する項目をまとめます。
電子交付の申込みなど、所定の設定が済んでいるかを確認します。
NISAの非課税に必須です。全証券会社で共通の設定になります。
未設定だとポイントが貯まりません。普段使っているポイントに合わせます。
必要書類については口座開設の必要書類、マイナンバーの扱いは証券口座とマイナンバーで解説しています。
SBI証券に関するよくある質問
まとめ
SBI証券は、取扱商品の幅とIPOの実績で選ばれる証券会社です。ただし手数料0円もポイントも、自分で設定しないと恩恵を受けられません。開設後の設定まで含めて「使う」ことが前提の会社です。
この記事のまとめ
・IPOは取扱数・主幹事実績とも最多水準。チャレンジポイントで外れが無駄にならない
・貯めるポイントはVポイント・Pontaなどから選べる(メインポイントの登録が必要)
・S株は1株から。買付も売却も手数料無料
・PTSで取引所の時間外にも売買できる
・弱点は画面の複雑さとアプリが用途別に分かれていること
・開設後に「電子交付」「株式数比例配分方式」「メインポイント」を設定する
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