米国株の空売り残高の調べ方と公表日|ショートインタレスト・空売り比率・Days to Coverの見方

米国株の空売り残高(ショートインタレスト)は、FINRAのサイトの「Equity Short Interest」で銘柄コードを入れれば無料で調べられます。証券会社が月2回報告した数字で、基準日(毎月15日と月末)から7営業日目が公表日です。公表日に見る数字は基準日から9〜12日たっているので、決算や急騰のあとは古くなっている前提で読みます。次の公表は10月15日基準の分が10月26日(日本時間27日の朝)です。決算カレンダーの100銘柄のうち比率を出せた82銘柄で数えると、発行済株式に対する比率の真ん中の値(中央値)は1.96%でした。

この用語の要点
  • 調べる場所はFINRA・Nasdaq.com・証券会社のアプリ。元になるのは証券会社からFINRAへの報告で、比率やDays to Coverの計算のしかたはサイトごとに違う
  • 公表は月2回、基準日から7営業日目。2026年の24回では基準日から公表日まで9〜12日。日々の空売りの売買高(ショートボリューム)とは別の数字
  • 主要100銘柄のうち比率を出せた82銘柄(2026年9月30日基準)の空売り比率は中央値1.96%、10%以上は5銘柄。残高が多いだけでは株価は上がらず、ショートスクイーズには引き金が要る
ショートインタレストの要点:調べる場所はFINRA・Nasdaq.com・証券会社のアプリ。元になるのは証券会社からFINRAへの報告で、比率やDays to Coverの計算のしかたはサイトごとに違う / 公表は月2回、基準日から7営業日目。2026年の24回では基準日から公表日まで9〜12日。日々の空売りの売買高(ショートボリューム)とは別の数字 / 主要100銘柄のうち比率を出せた82銘柄(2026年9月30日基準)の空売り比率は中央値1.96%、10%以上は5銘柄。残高が多いだけでは株価は上がらず、ショートスクイーズには引き金が要る

米国株の空売り残高の調べ方(FINRA・Nasdaq・アプリ)

米国株の空売り残高は、無料で見られる場所が3つあります。元になるのは、証券会社が月2回FINRA(金融取引業規制機構)に出す報告です。各サイトはFINRAや取引所を通じて公表された数字を載せています。私はまずFINRAの画面で元の数字を確かめ、比率や日数は自分で計算し直すようにしています。

調べる場所見られるもの注意すること
FINRAの「Equity Short Interest」取引所上場株と店頭株の全銘柄。空売り残高(今回と前回)・平均出来高・Days to Cover英語の画面
Nasdaq.comの銘柄ページ「Short Interest」のページで残高とDays to CoverDays to Coverが0〜1日のときは1と表示される
証券会社のアプリmoomoo証券は銘柄ページのチャートの下に空売り残高(半月ごと)と空売りの出来高(日ごと)計算のしかたは各社で違う

FINRAの画面で調べる手順は次のとおりです。

  1. FINRAのサイトで「Equity Short Interest」のデータを開き、銘柄コード(アップルならAAPL)で探す
  2. 「Current Short」(今回の残高)と「Previous Short」(前回の残高)の差が、前回からの増減になる。「Avg Daily Volume」(1日の平均出来高)と「Days to Cover」も並ぶ
  3. 空売り比率は、残高を発行済株式数で割って出す(このページの集計では、会社がSECに出したデータの発行済株式数を使った)

FINRAは、無料の投資情報サイトの数字は独自の計算であることが多く、元データそのものではないと注意しています。日々の空売りの売買高を「ショートインタレスト」と呼んで載せるサイトもあり、FINRAはこれを誤りだとしています。サイトによって数字が違うときは、FINRAの元の数字に戻るのが確実です。銘柄コードの読み方はティッカーシンボルの記事にまとめています。

ショートインタレストは空売りの「残高」

空売りは、持っていない株を借りて売り、あとで買い戻して返す取引です。ショートインタレストは、その「売ったまま、まだ買い戻していない株数」を銘柄ごとに合計したものです。FINRAは、ある基準日に証券会社の帳簿に残っている空売りの建玉を写した「スナップショット」と説明しています。市場がどれだけ値下がりに賭けているかの目安になります。日本株でいえば信用取引の売り残に近い情報です。

用語意味更新
ショートインタレストまだ買い戻されていない空売りの株数(残高)月2回
空売りの売買高(ショートボリューム)その日の売買のうち空売りだった株数毎日
空売り比率残高 ÷ 浮動株(または発行済株式)残高の公表に合わせて
Days to Cover残高 ÷ 1日の平均出来高残高の公表に合わせて

よく混同されるのが空売りの売買高です。FINRAは取引所の外で報告された空売りの売買高も毎日出しています。同じ日に空売りして同じ日に買い戻した分は、売買高には出ても残高には出ません。逆に何週間も持ち続ける空売りは、売った日の売買高に1度出るだけで、残高には毎回出ます。

100銘柄についてFINRAの日次データ(2026年10月5〜9日の5営業日の合計)を数えると、取引所外の売買に占める空売りの割合は真ん中の値(中央値)が47.5%でした。下から1割の境目は33.3%、上から1割の境目は59.0%です。この割合は取引所外の売買で見たものです。「半分近くが空売りだから弱気」という読み方はできません。値下がりへの賭けの大きさを見るなら、残高のほうを使います。

空売り残高はいつ公表される?2026年の日程と日本時間

FINRAの規則では、証券会社は基準日の2営業日後の午後6時(米国東部時間)までに空売りの残高を報告します。基準日は毎月15日(休日なら前の営業日)と月末の営業日です。FINRAはそれを銘柄ごとにまとめ、基準日から7営業日目に公表します。下はFINRAの2026年の日程のうち、これから公表される分です。

基準日報告期限公表日日本時間の目安
9月30日(水)10月2日(金)10月9日(金)公表済み
10月15日(木)10月19日(月)10月26日(月)10月27日(火)5時以降
10月30日(金)11月3日(火)11月10日(火)11月11日(水)6時以降
11月13日(金)11月17日(火)11月24日(火)11月25日(水)6時以降
11月30日(月)12月2日(水)12月9日(水)12月10日(木)6時以降
12月15日(火)12月17日(木)12月24日(木)12月25日(金)6時以降
12月31日(木)2027年1月5日(火)2027年1月12日(火)1月13日(水)6時以降

日本時間の目安は、ナスダックが「公表日の東部時間午後4時以降」に出すとしている時刻を換算したものです。11月1日に米国の夏時間が終わるので、それ以降は日本時間で1時間遅くなります(夏は+13時間、冬は+14時間)。FINRAの日程表には公表の時刻が書かれていません。

2026年の24回を数えると、基準日から公表日までは暦の上で9〜12日(中央値11日)でした。しかも基準日は受け渡しの日です。米国株はT+1決済なので、売買の日で見ると1営業日前の建玉です。その数字が次の公表まで半月ほど使われ続けるので、見る日によってはさらに古い状態を表します。決算や急騰・急落のあとは、公表の時点ですでに大きく変わっていると考えます。

空売り比率とDays to Coverの計算

指標計算目安
空売り比率(対浮動株)空売り残高 ÷ 浮動株チャールズ・シュワブは10%未満を低め、20%以上を高めとしている
空売り比率(対発行済株式)空売り残高 ÷ 発行済株式分母が大きいので対浮動株より低く出る
Days to Cover空売り残高 ÷ 1日の平均出来高主要100銘柄では99銘柄中65銘柄が1〜3日

例として、空売り残高3,000万株・浮動株2億株・1日の平均出来高500万株なら、空売り比率は15%でDays to Coverは6日です。浮動株は、創業者や親会社などが持ち続けて市場に出てこない株を除いた株数です(浮動株)。浮動株の数え方はデータの提供元ごとに違います。同じ銘柄でもサイトによって空売り比率が数ポイント違うのはこのためです。

FINRAのDays to Coverは、前回の基準日の翌日から今回の基準日までの出来高の平均で割っています。小数点以下2けたまでで、1以下は「1.00」の表示です。決算発表で出来高が膨らんだ期間は日数が小さく、閑散な期間は大きく出ます。過去30日間の平均出来高で割る証券会社のアプリ(moomoo証券など)の数字とは一致しません。

主要100銘柄の空売り残高(2026年9月30日基準)

決算カレンダーの100銘柄について、FINRAが10月9日に公表した2026年9月30日基準の空売り残高を、SECに出された最新の発行済株式数で割りました。

発行済株式に対する空売り比率銘柄数(82銘柄中)
1%未満11
1〜3%52
3〜5%12
5〜10%2
10%以上5

真ん中の値は1.96%で、アップル0.83%・マイクロソフト0.82%・アマゾン0.8%のような超大型株は1%を切ります。Days to Coverの中央値は2.59日(99銘柄)でした。5日を超えたのはルーシッド(8.61日)・リビアン(6.94日)・ASTスペースモバイル(6.11日)・スターバックス(5.38日)の4銘柄です。このうちスターバックスは空売り比率が3.68%と高くないのに、日数は長く出ています。1日の平均出来高が残高に比べて小さいためです。Days to Coverだけで踏み上げの候補と決めると読み違えます。

空売り残高とDays to Coverは、FINRAのデータから取った2026年9月30日基準の値です。100銘柄のうち99銘柄で取れました(BRK-Bは取れず)。発行済株式はSECに出された最新の値を使いました。SECのデータで1つの数が取れなかった11銘柄(アルファベット・メタなど)と、1年以上前の値しか無い6銘柄(ナイキ・ビザなど)は比率の集計から外したので、82銘柄です。分母が浮動株ではないため、民間サイトの「対浮動株」より低く出ます。各銘柄の次の決算日は米国株の決算カレンダーで確かめられます。

ショートスクイーズが起きる条件と限界

ショートスクイーズ(踏み上げ)は、株価の上昇で損失が膨らんだ空売り勢が買い戻しを急ぎ、その買いがさらに株価を押し上げる連鎖です。有名なのは2021年1月のゲームストップ(GME)です。SECが2021年10月14日に出したスタッフ報告書によると、GMEの空売り残高は2021年1月に浮動株の122.97%に達していました。1月27日の終値347.51ドルは、1月11日の終値から1,600%を超える上昇でした。

条件見る数字
空売りが多い空売り比率(対浮動株)が20%以上
買い戻しに時間がかかるDays to Coverが長い(出来高の少なさが理由でないか確かめる)
株を借りにくい一般には、貸株料(借りるコスト)が高い
引き金好決算・ガイダンスの上方修正・提携などの材料

シュワブは、浮動株に対する空売りが50%以上で浮動株が少ない銘柄は特に踏み上げが起きやすいとしています。ただし空売りが多い銘柄には、業績の悪化など空売りされる理由があることが多い点も忘れないようにします。GMEも1月28日の高値から2月第1週の終値までに86%を超えて下げました。空売り残高の多さは上がる理由ではなく、上がり始めたときに加速しやすい条件と考えます。株を借りるコストの考え方は貸株金利と逆日歩の記事が参考になります。

ショートインタレストに関するよくある質問

米国株の空売り残高はどこで調べられますか?
FINRAのサイトの「Equity Short Interest」で、銘柄コードを入れれば無料で見られます。Nasdaq.comの銘柄ページの「Short Interest」や、証券会社のアプリでも見られます。元になるのは証券会社からFINRAへの報告です。
空売り残高の情報はいつ掲載されますか?
基準日(毎月15日と月末の営業日)から7営業日目に公表されます。2026年10月15日基準の分は10月26日の公表で、ナスダックは東部時間の午後4時以降に出すとしているので日本時間では10月27日の5時以降です。
空売り比率は何%から高いと見ますか?
チャールズ・シュワブは、浮動株に対して10%未満を低め、20%以上を高めとしています。主要100銘柄のうち比率を出せた82銘柄(2026年9月30日基準)では、発行済株式に対する比率の中央値は1.96%でした。
Days to Coverが大きい銘柄は上がりやすいですか?
それだけでは言えません。Days to Coverは出来高で割った数字なので、出来高の少ない銘柄は空売りが少なくても大きく出ます。空売り比率と合わせて見て、両方が高いときに買い戻しの影響が大きくなりやすいと考えます。
日々の空売り比率と空売り残高はどう違いますか?
日々の空売り比率は、その日の売買のうち空売りだった割合です。空売り残高は、まだ買い戻されていない空売りの株数です。FINRAは2つは別のデータで、日々の売買高を空売り残高と呼ぶのは誤りだとしています。

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執筆:(Pacific Stock編集長・専業投資家歴20年)
公表日程と空売り残高はFINRAの公表値(2026年9月30日基準)、発行済株式数はSECの公表値によります。この記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄や証券会社の売買・口座開設を勧めるものではありません。当サイトは証券会社の口座開設などでアフィリエイト報酬を得る場合がありますが、比較の順位や数値には影響しません。最終更新2026-10-12。

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