
7月に権利が確定する株主優待は41社あります。東証で株主優待を出している1,653社のうち2.5%にあたり、12か月のなかで9番目に多い月です。
ただし社数を利回り順に並べただけの一覧は、そのままでは使えません。機械的に集計すると、実際にはもらえない金額が上位に並ぶためです。
この記事では7月に権利が確定する優待を1社ずつ確認し、100株で買えて、買ったその年からもらえて、額面がはっきりしているものだけを10社選びました。外した2社も理由つきで載せています。
この記事でわかること
・7月権利確定の優待を実質利回り順に10社
・上位10社のうち3社が無配だった(7月全体では19.2%)
・ランキングから外した2社と、その理由
・投資額10万円以下で買えるのは9社
・7月だけに権利が確定するのは15社、1月にも権利確定日があるのが26社
・買った年にはもらえない優待が3社ある
・権利落ち日に日経平均が下がったのは26年のうち12年だけ
※ この記事は制度とデータの解説であり、特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。優待の内容は変更されることがあるため、購入前に各社のIR情報で確認してください。株価は2026年9月1日の終値です。
2027年7月の権利付最終売買日は7月28日(水)
7月末が権利確定日の優待をもらうには、7月28日(水)の取引終了までに買って、その日をまたいで持っている必要があります。
| 日付 | 市場 | 意味 |
|---|---|---|
| 7月22日(木) | 取引あり | — |
| 7月23日(金) | 取引あり | — |
| 7月26日(月) | 取引あり | — |
| 7月27日(火) | 取引あり | — |
| 7月28日(水) | 取引あり | 権利付最終売買日(この日の取引終了までに買う) |
| 7月29日(木) | 取引あり | 権利落ち日(この日に売っても優待はもらえる) |
| 7月30日(金) | 取引あり | 権利確定日(株主名簿に記載される日) |
7月28日(水)に買えば、翌7月29日(木)に売っても優待の権利は残ります。ただし権利落ち日には株価が下がりやすいので、売る場合は値下がり分と優待のどちらが大きいかを見ることになります。
権利付最終売買日は権利確定日の2営業日前です。2019年7月16日に決済期間がT+2に短縮されたことで、それまでの3営業日前から変わりました。仕組みは権利確定日とは?で解説しています。
7月権利確定の株主優待ランキング(26社から絞り込む)
7月に権利が確定する優待のうち、株価が取れた26社を並べ替えできるようにしました。優待利回り・投資額・配当を合わせた合計利回りで並び替えられます。カテゴリを押すと、その種類の優待だけが残ります。
初期状態では「金額がわかるものだけ」にチェックが入っています。これを外すと、額面が金額で書かれていない銘柄(鉄道の乗車証や割引券など)も表示されます。「買った年からもらえるものだけ」にチェックを入れると、継続保有が条件の銘柄が消えます。この2つの切り替えが、一覧サイトの順位との差になっている部分です。
今回のランキングの決め方
7月に権利が確定する41社を、次の条件で絞り込みました。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 対象 | 7月に権利が確定する41社を1社ずつ確認 |
| 株数 | 100株(最低単元)でもらえるものだけ |
| 保有期間 | 買ったその年からもらえるものだけ |
| 優待の性質 | 額面が円で書かれているものだけ(割引率・枚数のみは対象外) |
| 実質利回り | 年間の額面 ÷(株価×100株)×100 |
| 株価 | 2026年9月1日の終値 |
まず機械的に判定し、そのあと利回りの高い順に1社ずつ内容を読み直しています。判定の内訳は次のとおりです。
| 判定 | 社数 | 扱い |
|---|---|---|
| 額面が円で書かれている | 12社 | 上から順に目視で検算 |
| 内容が特定できない | 6社 | 個別に読み直して振り分け |
| 継続保有が条件 | 3社 | 買った年はもらえない |
| 「◯枚」としか書かれていない | 2社 | 利回りが出せないため対象外 |
| 割引率だけが書かれている | 1社 | 使う金額で変わるため対象外 |
| 抽選・申込・記念 | 1社 | 確実にもらえないため除外 |
合計が41社に届かないのは、100株では優待の対象にならない企業があるためです。1,000株以上や5,000株以上を最低単位にしている企業は、この時点で外れています。
7月権利確定の株主優待ランキング10
実質利回りの高い順です。すべて100株で買えて、買った年からもらえて、額面が円で書かれているものだけを載せています。
| 銘柄(コード) | 投資額 | 年間の額面 | 優待利回り | 配当利回り |
|---|---|---|---|---|
| ① プレミアアンチエイジング(4934) | 60,200円 | 4,700円 | 7.81% | 無配 |
| ② NATTY SWANKYホールディングス(7674) | 263,500円 | 20,000円 | 7.59% | 無配 |
| ③ バルニバービ(3418) | 104,800円 | 3,000円 | 2.86% | 0.72% |
| ④ ティーライフ(3172) | 112,100円 | 2,000円 | 1.78% | 2.68% |
| ⑤ ジェイック(7073) | 234,200円 | 4,000円 | 1.71% | 2.35% |
| ⑥ Casa(7196) | 74,800円 | 1,000円 | 1.34% | 2.01% |
| ⑦ 丸善CHIホールディングス(3159) | 40,000円 | 500円 | 1.25% | 1.50% |
| ⑧ 浜木綿(7682) | 391,500円 | 4,000円 | 1.02% | 0.43% |
| ⑨ エターナルホスピタリティグループ(3193) | 140,300円 | 1,000円 | 0.71% | 2.46% |
| ⑩ ニッソウ(1444) | 263,300円 | 1,000円 | 0.38% | 無配 |
1位のプレミアアンチエイジング(4934)は投資額60,200円に対して年4,700円分の優待がもらえます。ただし配当は出していません。上位に並ぶのは、その会社の店やサービスを使う人でなければ価値が出ないものが多くなります。額面どおりに受け取れるかどうかは、内容を見て判断することになります。
上位10社のうち3社が無配だった
7月に権利が確定する優待株のうち、配当を出していない企業は19.2%です。ところが上位10社に限ると3社、10社全体でも3社が無配でした。
| 対象 | 無配の企業 | 割合 |
|---|---|---|
| 7月の優待株(株価が取れた26社) | 5社 | 19.2% |
| 今回のランキング10社 | 3社 | 30.0% |
| そのうち上位10社 | 3社 | 30% |
優待利回りが高い銘柄ほど無配が多いという関係は、投資額でも同じように出ます。
| 投資額 | 社数 | 無配の企業 | 無配の割合 |
|---|---|---|---|
| 0万円〜3万円 | 1社 | 1社 | 100.0% |
| 3万円〜5万円 | 3社 | 0社 | 0.0% |
| 5万円〜10万円 | 5社 | 1社 | 20.0% |
| 10万円〜20万円 | 9社 | 0社 | 0.0% |
| 20万円〜50万円 | 7社 | 3社 | 42.9% |
| 50万円以上 | 1社 | 0社 | 0.0% |
投資額が小さいほど無配の割合が上がります。株価が安いのは、配当を出せる状態にないからという場合があります。
優待利回りは「年間の額面 ÷ 投資額」で計算するので、株価が下がるほど自動的に上がります。優待の金額は固定だからです。利回りが極端に高い銘柄を見つけたときは、まず「なぜ株価がここまで下がっているのか」を業績で確認してください。計算のしかたは優待利回りとは?で整理しています。
ランキングから外した2社と、その理由
機械的に集計すると、実際にはもらえない金額が上位に並びます。今回は次の2社を外しました。利回りだけを見ると、上位のいくつかは今回の1位を上回っています。
| 銘柄(コード) | 見かけの利回り | 外した理由 |
|---|---|---|
| ジェリービーンズグループ(3070) | 294.12% | 自社の株主専用ECサイトだけで使うポイント |
| ベストワンドットコム(6577) | 5.10% | 旅行代金が10万円以上で1枚(5,000円)使える割引券 |
外した2社のうち、1社は「割引」でした。買い物や契約をして初めて価値が出るもので、何もしなければ0円です。
一覧サイトの数字をそのまま信じないことです。「◯円相当」と書いてあっても、それが割引の上限額なのか、購入が前提のクーポンなのか、保険金額なのかで意味がまったく変わります。
投資額10万円以下で買える7月の優待は9社
7月に権利が確定する優待のうち、10万円以下で買えるのは9社、5万円以下は4社です。投資額の中央値は144,800円でした。
| 項目 | 金額・社数 |
|---|---|
| 最も安い | 6,800円 |
| 中央値 | 144,800円 |
| 最も高い | 1,382,000円 |
| 10万円以下で買える | 9社 |
| 5万円以下で買える | 4社 |
10万円以下の9社のうち、2社(22.2%)が無配です。7月の優待株全体の無配率19.2%と比べて1.2倍あります。
投資額を抑えたい場合は投資金額10万円以下の株主優待、100株に届かない資金で始めたい場合は単元未満株でもらえる株主優待もあります。
7月の優待は63%が他の月とセットになっている
7月に権利が確定する41社のうち、7月だけなのは15社です。残る26社は別の月にも権利確定日があります。
| 区分 | 社数 | 割合 |
|---|---|---|
| 7月だけ | 15社 | 36.6% |
| ほかの月にも権利確定日がある | 26社 | 63.4% |
重なっている月の内訳です。
| 重なっている月 | 社数 |
|---|---|
| 1月 | 26社 |
| 2月 | 2社 |
| 3月 | 2社 |
| 4月 | 2社 |
| 5月 | 2社 |
| 6月 | 2社 |
| 8月 | 2社 |
| 9月 | 2社 |
| 10月 | 2社 |
| 11月 | 2社 |
| 12月 | 2社 |
1月にも権利確定日がある企業が26社あります。この26社は、7月に買えば年2回もらえることになります。逆に言えば、7月にしかチャンスがないのは15社だけです。1月の権利確定を逃した場合、その多くは7月に拾い直せます。
買った年にはもらえない優待が3社ある
7月権利確定の優待のうち、継続保有を条件にしていて、買った年には何ももらえないものが3社ありました。
一覧サイトのランキングは、この条件を区別せずに並べていることがあります。利回り上位に見えても、実際に受け取れるのは1年後や3年後ということが起こります。
| 書かれ方 | 意味 |
|---|---|
| 【1年未満保有】1,000円 /【1年以上保有】3,000円 | 買った年から1,000円分もらえる |
| 【1年以上保有】3,000円相当 | 買った年はもらえない |
| 【初年度】3,000円 /【2年目以降】3,500円 | 買った年から3,000円分もらえる |
| 備考に「◯年以上継続保有した株主に限る」 | 内容欄ではなく備考にしか書かれていないことがある |
見分け方は「未満」または「初年度」という言葉があるかどうかです。「1年未満保有」や「初年度」という区分が用意されていれば、買った年から何かはもらえます。「1年以上保有」しか書かれていなければ、初年度は対象外です。
継続保有の判定は株主番号が連続しているかで決まります。仕組みは長期保有優遇とは?で解説しています。今回のランキング10社は、すべて買った年からもらえるものだけです。
利回りランキングに出てこない優待が2社ある
7月権利確定の優待のうち、「◯枚」としか書かれていないものが2社ありました。額面が金額で書かれていないため、利回りの計算ができません。
これは価値が低いという意味ではありません。鉄道の乗車証がその典型で、運賃に換算すればまとまった金額になりますが、「◯円相当」と書かれていないため利回りの計算に乗りません。
| 銘柄(コード) | 投資額 | もらえるもの |
|---|---|---|
| 日本スキー場開発(6040) | 47,000円 | 日本スキー場開発グループの特別割引チケット |
| 丸千代山岡家(3399) | 393,500円 | ラーメン無料券、もしくはお米 |
利回りのランキングだけを見ていると、この2社は視界から消えます。沿線に住んでいる人や、その店をよく使う人にとっては、金券より価値が高いこともあります。上のツールで「金額がわかるものだけ」のチェックを外すと表示されます。
7月にもらえる優待の中身
41社が出している優待を種類ごとに数えました。1社が複数の種類を出していることがあるため、合計は41社を超えます。
| 優待の種類 | 社数 | 分布 |
|---|---|---|
| 金券(クオカード・ギフト券など) | 14社 | ■■■■■■■■■■■■■■ |
| 割引券 | 11社 | ■■■■■■■■■■■ |
| ポイント | 8社 | ■■■■■■■■ |
| 自社製品 | 5社 | ■■■■■ |
| 施設の利用・乗車 | 4社 | ■■■■ |
| 食事券 | 4社 | ■■■■ |
| カタログギフト | 1社 | ■ |
7月は金券が14社と最も多く、次いで割引券が11社です。金券は誰が受け取っても額面どおりの価値になりますが、割引券は使う人によって価値が変わります。利回りのランキングで上位に来るのは割引券のほうですが、確実に受け取れるのは金券のほうです。
種類ごとに詳しく見たい場合はクオカード優待株10選、ギフト券の株主優待10選、割引券の株主優待10選もあわせてご覧ください。
市場区分で性格が変わる
7月に権利が確定する41社を市場区分で分けると、次のようになります。
| 市場区分 | 社数 | 割合 |
|---|---|---|
| スタンダード | 17社 | 41.5% |
| グロース | 15社 | 36.6% |
| プライム | 9社 | 22.0% |
7月はスタンダードが17社で最も多くなっています。プライムの企業は業績が安定していることが多く、無配の割合も低くなります。一方でグロースは投資額が小さいかわりに、無配の比率が高くなります。市場区分の違いは指定替えとは?で解説しています。
権利落ち日に日経平均が下がったのは26年のうち12年だけ
「権利落ち日は株価が下がる」と言われます。7月末の権利落ち日について、2000年から2025年までの日経平均を実際に数えました。
| 結果 | 年数 | 割合 |
|---|---|---|
| 権利落ち日に下がった年 | 12年 | 46.2% |
| 権利落ち日に上がった年 | 14年 | 53.8% |
| 平均の騰落率 | +0.00% | — |
7月末は、下がった年より上がった年のほうが多いという結果でした。3月末は同じ集計で27年中16年が下落、平均−0.62%です。3月末は配当が最も集中するため、落ちる金額が他の月より大きくなります。
| 年 | 権利付最終日 | 権利落ち日 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 2016年 | 2016-07-27 | 2016-07-28 | -1.13% |
| 2017年 | 2017-07-27 | 2017-07-28 | -0.60% |
| 2018年 | 2018-07-27 | 2018-07-30 | -0.74% |
| 2019年 | 2019-07-29 | 2019-07-30 | +0.43% |
| 2020年 | 2020-07-29 | 2020-07-30 | -0.26% |
| 2021年 | 2021-07-28 | 2021-07-29 | +0.73% |
| 2022年 | 2022-07-27 | 2022-07-28 | +0.36% |
| 2023年 | 2023-07-27 | 2023-07-28 | -0.40% |
| 2024年 | 2024-07-29 | 2024-07-30 | +0.15% |
| 2025年 | 2025-07-29 | 2025-07-30 | -0.05% |
日経平均は225銘柄の平均なので、個別銘柄の権利落ちとは動きが違います。優待株は権利付最終日に向けて買われ、権利落ち日にまとまって売られる傾向が強く出ます。日経平均が上がった日でも、優待株が下がることはあります。
配当の権利落ちについては配当落ち日とは?で詳しく扱っています。
自分の条件で総合利回りを計算する
株価は毎日動くので、この一覧の利回りも日々変わります。いま検討している銘柄の数字を入れて計算できるツールを置いておきます。配当も合わせた総合利回りが出ます。
初期値は今回の1位、プレミアアンチエイジング(4934)です。株価602円・年間4,700円分の優待・配当は無配で計算しています。数字を書き換えると、その場で計算し直します。
7月の優待株で失敗しないための4つの注意点
① 権利付最終売買日の直前に買うと高値をつかみやすい
優待株は権利付最終売買日に向けて買われます。7月28日(水)の数日前に買うと、すでに上がったあとの株価で買うことになります。
優待の額面が数千円でも、株価が5%下がれば投資額10万円で5,000円の含み損になります。権利落ち日には、上がった分がまとめて戻されることがあります。
② 優待は企業の判断でいつでも廃止できる
株主優待は法律で義務づけられた制度ではありません。企業が「やめます」と発表すればその時点で終わります。
実際に、2024年10月に優待の新設を発表したREVOLUTION(8894)は、2025年3月11日に廃止を発表しました。一度も実施されないまま終わっています。
優待を目当てに買うのであれば、優待が無くなっても持っていたい会社かどうかを先に考えることになります。
③ 優待の額面と、自分にとっての価値は別物
今回の上位に並ぶ銘柄の多くは、その会社の店やサービスを使わなければ価値が出ないものです。近くに店舗がなければ使えませんし、興味のない商品なら額面がいくらでも意味がありません。
使わない優待は、額面がいくらでも価値はゼロです。利回りの数字は「額面ベース」であって、自分が受け取る価値ではありません。
④ 優待は原則として課税の対象になる
株主優待は税務上、原則として雑所得として扱われます。「優待は非課税」という説明を見かけることがありますが、正確ではありません。
給与所得者の場合、給与以外の所得の合計が年20万円以下であれば確定申告が不要という基準があります。優待だけで年20万円を超えることはまれなので、結果として申告不要になっている人が多い、というのが実態に近いです。
ただし他に副収入がある場合は合算で判定されます。また住民税には20万円の基準がないため、自治体によって扱いが異なります。
7月の株主優待に関するよくある質問
まとめ
7月に権利が確定する株主優待41社を1社ずつ確認し、100株で買えて買った年からもらえるものを10社選びました。
7月の株主優待のポイント
・7月に権利が確定する優待は41社。うち7月だけなのは15社
・ランキング上位10社のうち3社が無配(7月全体では19.2%)
・見かけの利回りが高い2社は、割引や購入が前提で外した
・10万円以下で買えるのは9社、5万円以下は4社
・買った年にはもらえない優待が3社ある
・権利落ち日に日経平均が下がったのは26年のうち12年(平均+0.00%)
7月に権利が確定する41社のうち26社は1月にも権利確定日があります。1月に買い逃した優待の多くは、7月に拾い直せることになります。
条件を変えて探したい場合は100株で買える株主優待の検索ページで、優待の種類・投資額・権利確定月・業種から絞り込めます。
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