
エーバランス(Abalance・証券コード3856)は、ベトナムの太陽光パネルメーカーを傘下に持つ持株会社で、2026年9月26日に上場廃止になります。株価は2020年から2023年5月にかけて約98倍になり、そこから約97%下落しました。
日本の株式市場で、これほど分かりやすく「大相場」と「その終わり」が並んだ銘柄はめったにありません。この記事では、東京証券取引所が公表した決定文と実際の株価データをもとに、何が株価を押し上げ、どこで壊れ、なぜ最後に上場廃止という判断になったのかを時系列で整理します。
この記事でわかること
・上場来高値を付けたその日に何が起きたのか
・上場廃止の理由が「粉飾そのもの」ではなく「体制」だったこと
・特別注意銘柄・監理銘柄・整理銘柄の違いと、整理銘柄になった株の行方
※ この記事は仕組みと経緯の解説を目的としたもので、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。株価は2022年9月1日の1対3の株式分割を反映した調整後の値で統一しています。
目次
- 1 エーバランス(3856)とは?ベトナムの太陽光パネルメーカーの親会社
- 2 株価の全体像──約98倍になり、約97%下がった
- 3 第1幕|2020年10月、脱炭素宣言でテーマ株として点火した
- 4 第2幕|2022年秋、今度は業績が本当に付いてきた
- 5 2023年2月10日──のちにインサイダー事件になった上昇
- 6 2023年3〜4月|信用買いが積み上がり、値動きが壊れ始める
- 7 天井|2023年5月16日、上場来高値13,620円と空売りレポート
- 8 2023年8月|決算の延期で、相場は本当に終わった
- 9 2024年3月|本当の分岐点は「有償支給取引の誤り」だった
- 10 2025年12月17日|第三者委員会が「粉飾」と認定した
- 11 2026年1月31日|特別注意銘柄と違約金4,320万円
- 12 2026年8月25日|上場廃止の決定。理由は粉飾ではなく「体制」
- 13 特別注意銘柄・監理銘柄・整理銘柄の違い
- 14 この相場から個人投資家が持ち帰れること
- 15 よくある質問
- 16 まとめ
エーバランス(3856)とは?ベトナムの太陽光パネルメーカーの親会社
エーバランスは、太陽光発電所の開発・販売を手がける会社として出発し、2010年代後半にベトナムの太陽光パネルメーカー「VSUN(Vietnam Sunergy)」を傘下に収めたことで、姿がまったく変わりました。
ポイントは、グループ売上の大半を海外子会社が稼ぎ、日本の本体は純粋持株会社だったという構造です。この構造が、後の上場廃止理由に直結します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Abalance株式会社(エーバランス) |
| 証券コード | 3856 |
| 上場市場 | 東証スタンダード市場 |
| 旧社名 | リアルコム(2017年3月に現社名へ) |
| 上場日 | 2007年9月19日(旧東証マザーズ) |
| 主力事業 | 太陽光パネルの製造・販売(ベトナムのVSUN)、太陽光発電所の開発 |
| 上場来高値 | 13,620円(2023年5月16日・ザラ場) |
| 上場廃止日 | 2026年9月26日(整理銘柄指定は8月25日から) |
| 直近株価 | 399円(2026年8月25日終値)/時価総額 約76億円 |
2007年に上場したときはナレッジマネジメントのソフト会社で、2010年代には債務超過などで上場廃止猶予銘柄や監理銘柄に指定された時期もあります。そこから太陽光で復活し、もう一度上場廃止に向かった、という長い経緯を持つ会社です。
株価の全体像──約98倍になり、約97%下がった
細かい経緯に入る前に、6年分の値動きを1枚の表で押さえます。数字はすべて株式分割調整後です。
| 年 | 年間高値 | 年間安値 | その年に起きたこと |
|---|---|---|---|
| 2020年 | 1,288円 | 139円 | 10月の脱炭素宣言で点火 |
| 2021年 | 2,433円 | 1,027円 | 前半に高値、後半は失速 |
| 2022年 | 3,260円 | 520円 | 9月に1対3の株式分割、業績が急拡大 |
| 2023年 | 13,620円 | 2,265円 | 5月に天井、8月に崩壊 |
| 2024年 | 3,295円 | 643円 | 過年度決算の訂正、元役員の逮捕 |
| 2025年 | 1,400円 | 328円 | 12月に第三者委員会が不正を認定 |
| 2026年 | 759円 | 306円 | 特別注意銘柄 → 監理銘柄 → 上場廃止決定 |
2020年3月の安値139円から2023年5月の高値13,620円まで約98倍。終値ベースでも、2023年5月16日の13,240円から2026年8月25日の399円まで約97%の下落です。ピーク時に2,000億円を超えていた時価総額は、2026年8月25日終値ベースで約76億円まで縮んでいます。
第1幕|2020年10月、脱炭素宣言でテーマ株として点火した
最初の上昇は、業績ではなくカタリストから始まりました。2020年10月、政府が2050年カーボンニュートラルを宣言し、再生可能エネルギー関連が一斉に買われた局面です。
当時のエーバランスは、株価300円前後・時価総額数十億円という小型株でした。発行済株式数が少ない銘柄にテーマ性の資金が入ると、株価は簡単に数倍になります。
| 時期 | 株価(月末終値) | 背景 |
|---|---|---|
| 2020年9月 | 296円 | まだ動いていない |
| 2020年10月 | 574円 | カーボンニュートラル宣言 |
| 2020年11月 | 1,075円 | 再エネ関連が総物色 |
| 2021年4月 | 2,050円 | この局面の高値圏 |
| 2022年2月 | 575円 | 高値から約76%下落 |
ここが重要です。2021年に飛び付いた人は、2022年2月までに4分の1になっています。テーマ買いだけの上昇は、テーマが飽きられた時点で終わります。これはイナゴ相場の典型的な形でした。
第2幕|2022年秋、今度は業績が本当に付いてきた
本当の大相場は2回目でした。しかも今度は、テーマではなく数字が動いていました。ベトナムのVSUNが作る太陽光パネルが、欧米向けに爆発的に売れ始めたためです。
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 当期利益 |
|---|---|---|---|
| 2020年6月期 | 62.9億円 | 3.09億円 | 1.15億円 |
| 2021年6月期 | 271億円 | 13.0億円 | 15.2億円 |
| 2022年6月期 | 919億円 | 22.3億円 | 5.75億円 |
| 2023年6月期 | 2,152億円 | 130億円 | 48.6億円 |
| 2024年6月期 | 1,984億円 | 273億円 | 110億円 |
| 2025年3月期 | 628億円 | 25.5億円 | −3.14億円 |
| 2026年3月期 | 1,202億円 | 139億円 | 77.2億円 |
※ 2025年3月期は決算期変更(6月期→3月期)にともなう2024年7月〜2025年3月の9か月決算です。また2023年6月期の数値は2024年3月14日に訂正されており、上表は訂正後の値です。
3年で売上が62.9億円から2,152億円へ、34倍になっています。株価が上がるのも当然に見えました。だからこそ、この相場は単なる仕手化とは違うと多くの人が信じたわけです。
2023年2月10日──のちにインサイダー事件になった上昇
加速のきっかけは、2023年2月10日(金)の引け後に出た「ベトナムでの工場新設」の発表と、週明け2月13日に出た業績予想の上方修正でした。通期経常利益の予想は38億円から73億円へ、実に92%の引き上げです。
| 日付 | 終値 | 前日比 | 出来事 |
|---|---|---|---|
| 2/10(金) | 3,145円 | +6.3% | 引け後に工場新設を公表 |
| 2/13(月) | 3,840円 | +22.1% | 経常利益予想を92%上方修正 |
| 2/15(水) | 4,305円 | +12.5% | 出来事なしでも上げが続く |
| 2/27(月) | 5,230円 | −3.5% | 出来高340万株、値動きが荒くなる |
この2月10日の材料が、のちにインサイダー取引事件になります。当時IRを担当していた執行役員が、公表前の2023年1月にこの重要事実を知りながら自社株19,400株を約5,316万円で買い付けていたとして、2024年5月に逮捕され、2025年3月17日に東京地裁で懲役2年6月・執行猶予4年・罰金250万円・追徴金約1億円の有罪判決を受けました。
株価を最も強く押し上げた材料が、社内の人間による違法な買いを伴っていた。これが後から分かる、というのがこの相場の一つ目の後味の悪さです。
2023年3〜4月|信用買いが積み上がり、値動きが壊れ始める
2月以降、この銘柄は日々公表銘柄となり、信用取引の残高が毎日公表される状態になりました。2023年4月28日時点の信用買残は176万株で、上場株式数の約10.2%にあたります。
実際、4月18日にザラ場で13,370円を付けたあと、わずか4営業日で6,930円まで下げています。高値から約48%。この時点ですでに、値動きは業績で説明できる範囲を超えていました。
天井|2023年5月16日、上場来高値13,620円と空売りレポート
2023年5月16日、株価はザラ場で13,620円の上場来高値を付けます。そしてこの日の正午、海外の空売り調査会社Viceroy Researchが、同社の会計とガバナンス、そして米国の輸入規制リスクを指摘するレポートを公表しました。
会社側は当日中に「事実無根」として反論のリリースを出しています。それでも16日の終値は13,240円と前日比+24.7%。レポートが出た当日、株価はむしろ上場来高値で引けたという異例の展開でした。
崩れたのは翌日からです。
| 日付 | 高値 | 安値 | 終値 | 出来高 |
|---|---|---|---|---|
| 5/16(火) | 13,620円 | 12,000円 | 13,240円 | 775万株 |
| 5/17(水) | 13,460円 | 10,240円 | 10,240円(−22.7%) | 587万株 |
| 5/18(木) | 9,270円 | 7,240円 | 8,230円(−19.6%) | 1,075万株 |
| 5/19(金) | 9,730円 | 8,630円 | 9,730円(+18.2%) | 635万株 |
| 5/22(月) | 11,230円 | 10,610円 | 11,230円(+15.4%) | 194万株 |
| 5/23(火) | 12,250円 | 9,100円 | 9,890円(−11.9%) | 942万株 |
高値13,620円から安値7,240円まで、わずか3営業日で約47%の下落です。そして5営業日後には11,230円まで戻している。1週間で往復1万円近く動く相場になっていました。
この局面で、会社のIR担当役員が深夜にYouTubeのライブ配信で反論するという、上場企業としては極めて異例の対応も行われました。会社と空売り勢がSNS上で直接ぶつかり合う展開は、当時の株クラで連日話題になっています。
2023年8月|決算の延期で、相場は本当に終わった
決定打は空売りレポートではなく、決算でした。2023年8月14日、会社は2023年6月期の決算発表の延期を公表します。
| 日付 | 終値 | 前日比 | 出来事 |
|---|---|---|---|
| 8/10(木) | 8,780円 | − | まだ8,000円台 |
| 8/14(月) | 7,280円 | −17.1% | 決算発表の延期を公表 |
| 8/15(火) | 6,390円 | −12.2% | 出来高381万株 |
| 8/18(金) | 6,920円 | +16.9% | 前倒しで決算発表(引け後) |
| 8/21(月) | 5,920円 | −14.5% | ストップ安 |
| 8/22(火) | 4,920円 | −16.9% | 2日連続のストップ安 |
| 8/31(木) | 4,095円 | −14.6% | 高値から70%下 |
売上2,152億円・営業利益130億円という、数字そのものは過去最高の決算でした。それでも株価は3週間で半値以下になっています。理由は単純で、市場が織り込んでいたのは「これからさらに伸びる」であって、「過去最高の着地」ではなかったからです。
いったん延期された決算は、投資家にとって「中身より、延期したこと自体」が情報になります。決算短信の日程変更は、それだけで需給を壊すだけの力を持ちます。
2024年3月|本当の分岐点は「有償支給取引の誤り」だった
ここからが、株価の話から会社の話に変わる部分です。
2023年末、国内子会社WWB株式会社の有償支給取引の会計処理に疑義が生じ、四半期報告書の提出期限が1か月延長されました。当時の監査等委員会による社内調査の結果、会計処理の「誤り」が判明したとして、2024年3月14日に過年度決算の訂正が開示されます。
※ 有償支給取引とは、材料などを外注先に有償で渡し、加工後に買い戻す取引のこと。会計上、これを売上に計上してよいかどうかは条件が厳しく、判断を誤ると売上が水増しされます。
このときの説明は「誤り」でした。この一語が「不正」に書き換わるまでに、さらに1年9か月かかります。
2025年12月17日|第三者委員会が「粉飾」と認定した
2025年8月12日、会社は外部機関からの指摘を踏まえ、有償支給取引の社内調査と決算訂正を精査するための第三者委員会を設置します。そして2025年12月17日、その調査報告書が公表されました。
第三者委員会が認定したこと
・関連当事者取引や子会社の管理体制に不備があった
・日本取引所自主規制法人の照会に対して、虚偽の回答を行っていた
株価の反応は明確でした。
| 日付 | 終値 | 前日比 | 状態 |
|---|---|---|---|
| 12/17(水) | 653円 | −1.2% | 引け後に報告書を公表 |
| 12/18(木) | 553円 | −15.3% | ストップ安(出来高3.3万株) |
| 12/19(金) | 453円 | −18.1% | 2日連続ストップ安 |
| 12/22(月) | 359円 | −20.8% | 安値328円・出来高441万株 |
3営業日で653円が328円になりました。約50%の下落です。12月18日と19日の出来高がそれぞれ3万株台・4万株台しかないのは、ストップ安の売り気配でほとんど売買が成立していなかったことを意味します。
これがストップ安の本質です。値幅制限は下落を止めるのではなく、逃げたい人が逃げられない時間を作るだけです。信用取引をしていれば、その間も追証は膨らみ続けます。
2026年1月31日|特別注意銘柄と違約金4,320万円
2026年1月13日、会社は「結論の表明をしない」と記載された期中レビュー報告書を添付した半期報告書を提出します。監査人が中身を保証しない決算書が、正式に世に出たということです。
これを受けて東証は2026年1月31日、同社株を特別注意銘柄に指定し、あわせて4,320万円の上場契約違約金を科しました。東証が挙げた理由は次の4点です。
| 東証が指摘した内容 | 意味するところ |
|---|---|
| グループ売上の大半を海外子会社が占めるのに、純粋持株会社として取引の事実関係を把握する体制がない | 親会社が子会社を見られていない |
| 2024年の社内調査が、関与者の不十分または虚偽の回答で全容解明に至らないまま終わった | 1回目の調査が機能しなかった |
| 不正の可能性を強く認識していた人物が、外部から指摘されるまで長期間放置した | 気付いていて動かなかった |
| 関連当事者取引の規程すら整備されておらず、取締役会での妥当性の検討も不十分だった | 身内取引の歯止めがなかった |
特別注意銘柄は、上場廃止の一歩手前で「1年以内に立て直せ」と猶予を与える制度です。ここで改善計画が認められれば、上場は維持されます。
2026年8月25日|上場廃止の決定。理由は粉飾ではなく「体制」
結論から言うと、改善計画が受け入れられませんでした。経緯は次のとおりです。
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2026/2/27 | 改善計画の策定方針を開示 |
| 2026/3/10 | 元代表取締役会長兼CEOの代表権返上と、暫定的な取締役留任を開示 |
| 2026/4/30 | 改善計画の策定を延期 |
| 2026/7/31 | 改善計画を開示。同日、監理銘柄(審査中)に指定 |
| 2026/8/19 | 2026年3月期の有価証券報告書を提出(監査報告書は意見不表明) |
| 2026/8/25 | 上場廃止決定・整理銘柄に指定 |
| 2026/9/26 | 上場廃止 |
7月31日に開示された改善計画には、東証が求めていた核心が入っていませんでした。「元代表取締役会長兼CEOに事実上権限が集中した体制からの脱却」と、そのための「国内部門と海外部門の切り離し」は実施困難である——会社はそう結論し、同氏が取締役として在任し続ける方針を明記したのです。
東証が上場廃止の理由として挙げたのは、次の3点でした。
東証が「改善の見込みがない」と判断した根拠
・特別注意銘柄の指定後も重要情報の収集を元会長CEOに任せ続け、適時開示の遅延が発生している
・体制の切り離しは行わないと明確に表明しており、方針転換が見込まれる事情も存在しない
ここが、この件でいちばん誤解されやすい点です。上場廃止の直接の理由は「粉飾をしたこと」ではありません。「粉飾を生んだ体制を、直せる見込みがなくなったこと」です。
根拠条項も、有価証券上場規程第601条第1項第9号b、すなわち内部管理体制等が適切に整備・運用される見込みがなくなった場合です。上場廃止の判断は、過去の行為への罰ではなく、将来の見込みに対する判断として下されています。
特別注意銘柄・監理銘柄・整理銘柄の違い
この記事に3種類の「指定」が出てきました。混同されやすいので整理します。
| 指定 | 意味 | 売買 | エーバランスの場合 |
|---|---|---|---|
| 特別注意銘柄 | 内部管理体制の改善が必要。改善されなければ上場廃止 | 通常どおり可能 | 2026年1月31日 |
| 監理銘柄 | 上場廃止基準に該当するおそれがあり、審査中 | 可能(注意喚起) | 2026年7月31日 |
| 整理銘柄 | 上場廃止が決定済み。最後の売買期間 | 原則1か月間だけ可能 | 2026年8月25日〜9月25日 |
整理銘柄の期間は、投資家に売却の機会を与えるために設けられています。この1か月を過ぎると、証券取引所では売れなくなります。
上場廃止後も株式そのものが無効になるわけではありませんが、市場価格が付かなくなるため、売却は事実上きわめて難しくなります。株式に価値が残るかどうかは会社の純資産と今後の経営次第で、破産による無価値化とは別の話です。
この相場から個人投資家が持ち帰れること
結果を知ったうえで振り返れば当たり前に見えますが、当時のリアルタイムで使えたサインだけを並べます。
| 当時見えていたサイン | 読み取れたこと |
|---|---|
| 信用買残が上場株式数の10%超 | 将来の売り圧力が積み上がっている |
| 1日で20%以上動く日が連続する | 業績ではなく需給で値段が決まっている |
| 会社が個人名義のSNSや動画で反論する | 適時開示という正規の手段の外で情報が流れている |
| 決算発表を延期した | 会計処理で監査人と折り合えていない可能性 |
| 四半期・半期報告書の提出期限を延長した | 同上。しかも1回目より2回目のほうが重い |
| 監査人が「意見不表明」「結論不表明」と書いた | 決算書の数字を誰も保証していない |
特に最後の2つは決定的です。監査人が意見を表明しない決算書は、数字が良くても読む意味がありません。売上1,202億円・純利益77.2億円という2026年3月期の数字も、監査報告書は意見不表明でした。
もう一つ。空売りレポートは2023年5月の時点では「事実無根」と否定され、株価も当日は上場来高値で引けました。その指摘がそのまま認定されたわけではありませんが、ガバナンスへの疑義という論点自体は、3年後に東証の判断として現実になっています。空売り側の主張を鵜呑みにする必要はありませんが、会社側の否定を鵜呑みにする理由もない、ということです。
よくある質問
まとめ
エーバランスの6年間は、株式市場のほぼすべての論点が1銘柄に詰まった事例でした。テーマ株の点火と失速、業績が本当に付いてきた第2幕、信用買残の膨張、空売り機関との攻防、決算延期、インサイダー取引、そして不正会計から上場廃止まで。
株価は業績で上がりましたが、最後に会社を退場させたのは業績ではなく体制でした。2026年3月期の売上は1,202億円、純利益は77.2億円です。数字だけを見れば立派な会社が、それでも上場廃止になる。株式市場が最後に評価しているのは利益ではなく、その利益が信用できるかどうかだ、ということです。
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※ 本記事の株価は2026年8月25日終値まで、開示情報は2026年8月26日時点のものです。株価は日々変動するため、最新の数値はご利用の証券会社の画面でご確認ください。本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。










