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業績予想の修正とは

業績予想の修正(読み方:ぎょうせきよそうのしゅうせい)

 

業績予想の修正とは、言葉の通り、業績予想の内容を修正することをいいます。

業績予想とは、企業が売上高、営業利益、経常利益、純利益などの見通しを開示するものです。

一般的に企業が本決算を発表する時に「次期の業績予想」を発表します。
ただし、業績予想の開示は義務ではないので、一部企業は非開示としている場合もあります。

この業績予想はあくまでも「予想」であり、実際の売上高や利益などの「実績」と差が生じることがあります。

そういう時に発表されるのが「業績予想の修正」です。

業績予想は投資家が投資判断をするための重要な資料となります。
そのため、業績予想と実績(または新たに算出した予想)に一定の割合以上の差が生じた場合は、直ちにその内容を開示することが証券取引所によって義務付けられています。

業績予想の修正には「上方修正」と「下方修正」と呼ばれるものがあります。

上方修正とは

上方修正(読み方:じょうほうしゅうせい)
英語:Upward revision


 

上方修正とは、業績予想の数字を当初の予定よりも高い数字に修正することです。
実績(または新たに算出した予想)が業績予想の数字を上回る場合、上方修正が発表されることになります。

例えば、当初の予定では利益1億円程度でしたが、販売が堅調に推移し、最終的に2億円の利益が見込まれる場合などは上方修正が発表されます。

わかりやすく説明すると、上方修正は「経営成績が予想よりも良かった時」に発表されるものです。
そのため、上方修正は株価の上昇要因になることもあります。

下方修正とは

下方修正(読み方:かほうしゅうせい)
英語:Downward revision


 

下方修正とは、業績予想の数字を当初の予定よりも低い数字に修正するものです。
実績(または新たに算出した予想)が業績予想の数字を下回る場合、下方修正が発表されることになります。

例えば、当初の予定では利益2億円でしたが、環境要因などによって販売が伸び悩み、最終的に利益1億円まで落ち込んでしまうという場合などは下方修正が発表されます。

わかりやすく説明すると、下方修正は「経営成績が予想よりも悪かった時」に発表されるものです。
そのため、下方修正は株価の下落要因になることもあります。

つまり、下方修正の対義語は「上方修正」、反対に上方修正の対義語は「下方修正」となります。

 

業績予想の修正メモ

・業績予想の修正とは、業績予想の内容を修正すること
・業績予想とは、企業が売上高や利益などの見通しを開示するもの
・業績予想の修正には「上方修正」と「下方修正」がある
・上方修正は業績予想を高い数字に、下方修正は業績予想を低い数字に修正すること

 

業績予想の修正の開示基準とタイミング

業績予想の修正には開示基準というルールがあり、この基準に該当した場合、直ちにその内容を開示することになっています。

開示基準をわかりやすく説明すると「業績予想と実績に○○%以上の差異があったら開示してくださいね」という基準のことです。
「売上高」は当初の予定から10%以上の増減、「営業利益・経常利益・当期純利益」は当初の予定から30%以上の増減で業績予想の修正が必要となります。

この基準に該当しないような差異の場合、開示の義務はないですが、企業が自主的に修正を出すこともあります。

上方修正や下方修正のタイミングは、決算発表と同時に行われることもありますし、決算発表の少し前に行われることもあります。
明確に「決算日の何日前に発表する」という決まりがあるわけではありません。

上方修正と下方修正の開示基準について、もう少し具体的に説明すると次のようになります。

上方修正の開示基準

上方修正の開示基準は以下の通りです。

・売上高:実績(または新たに算出した予想)が当初の業績予想から10%以上増加する場合
・営業利益:実績(または新たに算出した予想)が当初の業績予想から30%以上増加する場合
・経常利益:実績(または新たに算出した予想)が当初の業績予想から30%以上増加する場合
・当期純利益:実績(または新たに算出した予想)が当初の業績予想から30%以上増加する場合

上記基準のいずれかに該当する場合は上方修正が発表されることになります。

下方修正の開示基準

下方修正の開示基準は以下の通りです。

・売上高:実績(または新たに算出した予想)が当初の業績予想から10%以上減少する場合
・営業利益:実績(または新たに算出した予想)が当初の業績予想から30%以上減少する場合
・経常利益:実績(または新たに算出した予想)が当初の業績予想から30%以上減少する場合
・当期純利益:実績(または新たに算出した予想)が当初の業績予想から30%以上減少する場合

上記基準のいずれかに該当する場合は下方修正が発表されることになります。

 

業績予想の修正メモ

・業績予想の修正は、開示基準のいずれかに該当した場合に開示する義務がある
・開示基準は「売上高」は当初の予定から10%以上の増減、「営業利益・経常利益・当期純利益」は当初の予定から30%以上の増減
・上記に該当した場合は直ちにその内容を開示する必要がある

 

業績予想の修正による株価への影響

業績予想の修正は、株価に大きな影響を与えることもあります。

それでは、具体的にどういう影響を与えるのかを確認していきましょう。

上方修正による株価への影響

上方修正は、簡単に言うと「予想より業績が良い時」に発表されるものです。
当初よりも売上高や利益が増加したことを表しているので、基本的には好材料となって株価の上昇につながります。

ただし、上方修正が発表されたからといって、必ず株価が上がるわけではありません。

例えば、当初の業績予想が保守的である場合や、誰がどう見ても売上が伸びているだろうと予想できる場合です。
こういう場合は先回りした期待買いが入りやすく、上方修正が発表される前に株価が上昇してしまいます。

そうなると上方修正発表後は、先回りして買っていた人が今度は利益確定売りへと回るので株価が下落することもあります。

他にも、上方修正の数字が市場の予想よりも低いケースも下落につながることがあります。

このように基本的には好材料であるものの、時には下落要因にもなることは覚えておくようにしましょう。

ただ、好業績株は短期的な売りが出尽くしてしまえば、押し目買いが入って再び上昇することもよくあるので、そういうポイントを狙って売買するのも良いでしょう。

下方修正による株価への影響

下方修正は、簡単に言うと「予想より業績が悪い時」に発表されるものです。
当初よりも売上高や利益が減少したことを表しているので、基本的に悪材料となって株価の下落につながります。

ただし、下方修正が発表されたからといって、必ず株価が下がるとは限りません。

上方修正と同じように、誰がどう見ても売上高や利益が業績予想を下回るだろうと予想できる場合は、早い段階で売られているので、そこまで株価が下落しないこともあります。

反対に悪材料出尽くしで買いが入って株価が上昇するケースや、そこまで下方修正の数字がひどくない場合は一転して買われることがあります。

基本的には悪材料ですが、前後の動きや下方修正の内容によって上昇要因になることもあります。

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