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追証とは

追証(読み方:おいしょう)

 

追証とは、追加保証金の略称で、追加で差し入れなければならない保証金のことです。
「追証が発生している=追加で保証金が必要な状態である」となります。

株式取引においては「信用取引」で追証が発生する可能性があります。

信用取引は、証券会社に株式や現金を担保として預け、資金や株を借りて取引を行います。
このときにあらかじめ定められた「委託保証金率」を維持して取引を行う必要があります。
委託保証金率とは、信用取引している金額に対する保証金の割合を示すもので、最低でも維持しなければいけない割合を「最低保証金維持率」といいます。

しかし、信用取引で保有する銘柄に含み損が生じると、委託保証金からその分を差し引くことになるので委託保証金率が低下してしまい、最低保証金維持率を下回ってしまうことがあります。

そういうときに維持率を回復するために追加で保証金を差し入れる必要があります。

なお、含み損は保証金から差し引かれますが、含み益は保証金に加算されませんので注意しましょう。

 

追証メモ

・追証とは追加保証金の略称
・追加で差し入れなければならない保証金のこと
・株式取引においては信用取引で追証が発生する可能性がある
・含み損は保証金から差し引かれるが、含み益は保証金に加算されない

 

追証が発生するケース

追証が発生するケースは主に2パターンあります。

・信用取引の含み損
・代用有価証券の値下がり

1つずつ説明していきます。

信用取引の含み損

1つ目の追証が発生するケースは、信用取引で買った株や空売りした株で含み損が生じたときです。

前述したとおり、信用取引で生じた含み損は委託保証金から差し引かれることになります。
そのため、委託保証金率が低下して、結果として追証が発生することになります。

・信用取引で株を買った場合は、株価の下落により追証の可能性があり
・信用取引で空売りをしている場合は、株価の上昇により追証の可能性があり

ということになります。

たとえば、委託保証金90万円、評価額300万円の銘柄Aがあったとしましょう。
このときの委託保証金率は30%(90万円÷300万円×100)となります。

次に銘柄Aが値下がりして30万円の含み損が生じたとしましょう。

この場合、委託保証金90万円から含み損30万円を差し引くことになります。
つまり委託保証金評価額は60万円まで低下することになります。

そうなると保証金維持率は20%(60万円÷300万円×100)となります。
このように含み損が生じることで保証金維持率が低下し、追証が発生することになります。

代用有価証券の値下がり

2つ目の追証が発生するケースとして、代用有価証券の値下がりがあります。

信用取引では委託保証金を差し入れて取引を行いますが、このときに現金の代わりに一定の条件をもとに株式等の有価証券を代用することもできます。これを「代用有価証券」といいます。

現金の場合はその額面が委託保証金となりますが、代用有価証券の場合は価格変動リスクもあるため、株式であれば評価額の80%で計算された金額が委託保証金となっています。

たとえば、評価額300万円の銘柄を代用有価証券とした場合、委託保証金は240万円となります。

ですが、上述したように代用有価証券は価格変動リスクがあります。
仮に評価額300万円の代用有価証券が20%値下がりしたら、評価額は240万円になるので委託保証金192万円まで低下します。

つまり、保証金が減って維持率が低下し、結果として追証が発生する可能性があるのです。

また、代用有価証券の値下がりの怖いところは信用取引で含み益があっても追証が発生するところです。
信用取引の含み益は保証金になりませんから、いくら含み益があっても代用有価証券が値下がりすれば追証が発生する可能性があります。

 

追証メモ

・追証が発生するパターンは主に2つ
・信用取引の買い建て(または売り建て)で含み損が生じたとき
・代用有価証券の値下がりによって保証金が低下したとき

 

追証を解消する方法

追証の基準やルールは証券会社によって異なるところもあります。
そのため追証を解消する方法も多少異なります。

共通した解消方法としては、次の2つがあります。

・現金入金
・建玉決済

1つ目は、現金を入金して解消する方法です。
追証金額を入金するだけなので簡単に追証を解消することができます。

2つ目は建玉を決済する方法です。
建玉は信用取引で保有する株のことを指しており、決済建玉の30%が追証金額から差し引かれ、追証の一部または全部を解消することができます。
決済建玉のパーセンテージは証券会社によって異なります。

追証が回復した場合

追証の発生から入金期日まで少し猶予があります。
その間に相場の変動により保証金維持率が回復することもありますが、一度発生した追証は自然に解消されることはありません。

つまり、保証金維持率が回復した場合でも追証を差し入れる必要があります。
この点は勘違いしないように注意しましょう。

 

追証メモ

・追証を解消するには現金を入金するか、信用建玉を決済する方法がある
・一度発生した追証は自然に解消されることはない
・そのため、相場の変動により維持率が回復しても追証は必要となる

 

追証が間に合わない、払えない場合はどうなる?

追証が発生したら必ず解消しなければなりません。

期日までに解消されない場合は、証券会社により全ての信用建玉を強制決済されます。

このときに決済損が生じた場合は代用有価証券も売却されてしまうこともあるので、払えない事態にならないように常に注意する必要があります。

また、追証が間に合わなかったりすると、信用取引口座が使えなくなる可能性もあります。
ですから追証が発生した場合は必ず期日までに解消するようにしましょう。

強制決済されても不足金がある場合

信用取引は保証金以上の損失を出すこともあります。
そのため、信用建玉や代用有価証券を強制決済されても不足金が生じるケースもあります。

この場合は不足金分の現金を入金する必要があります。
不足金が解消されるまでは証券口座は利用できないですし、入金があるまで請求は続くことになります。

ですから日ごろから追証が発生しないように気をつけるようにしましょう。

追証を回避するポイント

追証を確実に回避するのは難しいですが、日ごろから注意していればある程度は回避できます。

回避するポイントとしては次のようなものがあります。

・委託保証金維持率は高めにキープしておく
・保証金の割合は現金を多めにする

・二階建て投資をしない

委託保証金維持率は高めにキープしておく

追証は一定の委託保証金維持率を下回った場合に発生します。

ですから維持率ぎりぎりで取引している場合は、少し株価が下がっただけで追証が発生してしまう可能性があります。

しかし日ごろから余裕を持って維持率を高めにキープしておけば、少しくらいの下落では追証が発生することはなくなります。

保証金の割合は現金を多めにする

保証金は有価証券を代用することができますが、価格変動リスクもあり、代用有価証券の値下がりで追証が発生するケースもあります。

しかし現金の場合は価格変動リスクがありません。
そのため、代用有価証券のように保証金評価額の低下で追証が発生することはないです。

ですから保証金の割合を現金のみにしたり、現金を多めにすることで追証が発生する可能性を下げることができます。

二階建て投資をしない

二階建て投資とは、同一銘柄を現物取引と信用取引で買うことです。

現物取引の株を代用有価証券として担保に預けて、さらに信用取引で同一銘柄を購入する手法です。
より多くの株数を買うことができるのでレバレッジ効果は高く、値上がりすれば大きな利益を狙うことができます。

ですが、逆に値下がりするようなことがあれば、代用有価証券としての保証金評価額は下がりますし、信用取引の含み損もあるので追証が発生するのも早くなります。

そのため、追証を回避したいのであれば、なるべく二階建て投資はしないようにしましょう。

他にはデイトレに専念するという手段もあります。
デイトレの場合も追証の可能性はゼロじゃないですが、翌日に持ち越したり休日をはさむことはないので、朝から安く始まって大打撃を受けるようなリスクは回避することができます。

 

追証メモ

・株価の下落も想定して委託保証金維持率は高めにキープするのが良い
・保証金の割合は代用有価証券より現金を多めにする
・追証を回避したいのなら二階建て投資はしない
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