RCIとは、日付の順位と価格の順位がどれだけ一致しているかを、−100〜+100で示す指標です。順位相関指数ともいいます。

他のオシレーターと決定的に違うのは、値段の大きさをまったく見ないことです。見ているのは「順番」だけです。

そのため「上がり続けているか」を測ることに特化しています。この性質を理解すると使いどころが見えてきます。

この記事でわかること

・RCIが「順位」で何を測っているのか
・±100が意味すること
・±80の使い方
・RSIとの決定的な違い
・複数の期間を重ねる方法

RCIとは

RCI(読み方:アールシーアイ)とはRank Correlation Indexの略です。統計で使われる順位相関の考え方を、相場に応用した指標です。

RCIが見ているもの
日付が新しい順 と 価格が高い順
この2つの順番がどれだけ一致しているか
・完全に一致(新しい日ほど高い) → +100
・完全に逆(新しい日ほど安い) → −100

つまり「きれいに上がり続けているか」「きれいに下がり続けているか」を数値化したものです。

「順位で見る」とはどういうことか

9日間のデータで考えてみます。RCIは価格そのものではなく、価格に順位をつけて扱います。

日付の順位
(新しい順)
終値 価格の順位
(高い順)
1(今日) 1,500円 1
2 1,400円 2
3 1,300円 3

このように日付の順位と価格の順位が完全に一致していれば+100です。

ここが重要
終値が「1,500・1,400・1,300」でも「1,510・1,500・1,490」でも、順位が同じならRCIは同じ+100です。
上がった幅はまったく考慮されません。

値幅を見るRSIとは、根本から発想が違う指標だとわかります。

±100が意味するもの

RCI 状態 意味
+100 完全な上昇 期間中ずっと切り上がっている
+80以上 買われすぎ 上昇が続きすぎている
0付近 方向感なし 上下がばらばら=レンジ
−80以下 売られすぎ 下落が続きすぎている
−100 完全な下落 期間中ずっと切り下がっている

0を中心に上下対称なのがRCIの特徴です。RSIやストキャスティクスが0〜100なのに対し、RCIは−100〜+100という点に注意してください。

基本の見方

RCIが+100付近で株価の天井、-100付近で株価の底と対応したチャート
RCIが上限に張り付いた局面と、下限に沈んだ局面
見るポイント 読み方
+80以上に到達 上昇の終盤に入った可能性
+80から下向きに転じた 売りの検討材料
−80以下に到達 下落の終盤に入った可能性
−80から上向きに転じた 買いの検討材料

重要なのは「到達したこと」ではなく「そこから向きが変わったこと」です。±80に張り付いたまま動き続けることはよくあります。

RSIとの決定的な違い

  RCI RSI
見ているもの 順位(時間との相関) 値幅の割合
値幅の影響 まったく受けない 大きく受ける
範囲 −100 〜 +100 0 〜 100
得意なこと 上昇・下落の継続性を見る 勢いの強さを見る
1日の急騰 ほとんど影響しない 大きく跳ね上がる

この違いは実務で効いてきます。1日だけストップ高になった銘柄はRSIが急騰しますが、RCIはさほど動きません。順位が1つ入れ替わっただけだからです。

つまりRCIは「一時的な急変に振り回されにくい」指標です。じわじわ続く動きを捉えるのに向いています。

設定値

期間 役割
9日 短期。売買タイミングを計る
26日 中期。トレンドの方向を確認する
52日 長期。大きな流れを見る

9・26・52という数字は一目均衡表と共通しています。日本で広く使われている期間設定です。

複数の期間を重ねて使う

RCIの実力が出るのはこの使い方です。短期と長期を同時に表示します。

短期RCIと長期RCIが交差した場面を示したチャート
短期と長期のRCIが交差する場面
組み合わせ 読み方
長期がプラス圏/短期が−80から上昇 上昇トレンド中の押し目
長期がマイナス圏/短期が+80から下落 下降トレンド中の戻り
両方とも0付近でもみ合い 方向感なし。手を出さない
両方が同時に±80圏 トレンドが強い。逆張りは危険

長期線で方向を決め、短期線でタイミングを計るという役割分担が基本です。長期線に逆らう短期のサインは信頼度が落ちます。

RCIが向いている場面

値幅を無視するという性質から、得意な場面がはっきりしています。

場面 相性 理由
じわじわ上げ続けている 得意 値幅が小さくても継続性を拾える
上下が激しいが方向がない 得意 0付近にとどまり「方向なし」と明示される
1日だけ急騰した 影響が小さい 順位が1つ動くだけ。振り回されない
大暴落した 苦手 下落幅の大きさが数値に反映されない

「急変に強い」と「急変を捉えられない」は同じことの裏表です。暴落局面ではRCIだけを見ないでください。

弱点と注意点

弱点 内容
① 値幅を無視する 1円ずつの上昇も100円ずつの上昇も同じ+100になる
② ±80に張り付く 強いトレンドでは長期間張り付いたまま動かない
③ 急変に鈍い 暴落しても順位が変わらなければ数値は動かない
④ 知名度が低い 意識している市場参加者がRSIより少ない

①は長所と表裏一体です。「毎日1円ずつ9日間上がった」だけでRCIは+100になります。実際の上昇率はごくわずかでも、指標上は「買われすぎ」と表示されます。

そのため値幅の情報は別の指標で補う必要があります。移動平均乖離率ボラティリティと併せて見てください。

よくある3つの失敗

失敗 何が起きているか
① +80到達で売る 強いトレンドでは張り付いたまま上昇が続く
② 短期線だけを見る 長期の方向に逆らうと成功率が大きく落ちる
③ 上昇の大きさを誤解する +100でも実際の上昇率は数%のことがある

③はRCI特有の誤解です。+100は「大きく上がった」ではなく「順番に上がった」という意味にすぎません。

使うときの手順

① 長期RCIで方向を確認 プラス圏かマイナス圏か
② 短期RCIでタイミングを計る ±80からの反転を待つ
③ 長期に逆らわない 長期がマイナスなら買いは慎重に
④ 値幅を別途確認 RCIだけでは上昇の大きさがわからない
⑤ 張り付きに備える ±80到達では動かず、反転を確認する

⑤を守るだけで無駄な逆張りが減ります。RCIは「行き過ぎ」を教えてくれますが、「いつ戻るか」は教えてくれません。

※ 本記事は指標の解説であり、特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

RCIに関するよくある質問

RCIとRSIはどちらを使うべきですか?
見ているものが違うため、目的で選びます。じわじわ続く上昇や下落を捉えたいならRCI、勢いの強さを見たいならRSIです。RCIは値幅を無視するため、1日の急騰急落に振り回されにくいという特徴があります。
+100になったら必ず下がりますか?
下がるとは限りません。+100は「期間中ずっと上がり続けている」という事実を示すだけで、強いトレンドではその状態が長く続きます。到達ではなく、そこから向きが変わったかどうかで判断してください。
期間はいくつに設定すればいいですか?
9日と26日の2本を表示するのが一般的です。長期線で相場の方向を確認し、短期線で売買のタイミングを計ります。より大きな流れを見たい場合は52日を加えます。
なぜ値幅を無視するのですか?
順位相関という統計手法を使っているためです。価格そのものではなく「何番目に高いか」だけを扱うため、上昇幅の大きさは計算に入りません。これは一時的な急変に強いという長所にもなります。
RCIが動かないのはなぜですか?
順位が入れ替わっていない可能性があります。株価が動いていても、期間中の順位関係が変わらなければRCIの数値はほとんど変化しません。値幅の情報は別の指標で確認してください。
レンジ相場では使えますか?
使えます。むしろ0付近を行き来している状態は「方向感がない」ことを明確に示すため、レンジであることの判定にも役立ちます。±80での反転を狙う使い方はレンジ相場のほうが機能します。
短期と長期が逆を向いているときはどうしますか?
長期を優先するのが基本です。長期がマイナス圏にあるときの短期の買いサインは、下降トレンド中の一時的な戻りである可能性があります。長期に逆らう売買は成功率が下がります。
RCIだけで売買できますか?
おすすめしません。値幅の情報を持たないため、どれだけ大きく動いているかがわかりません。移動平均乖離率やボラティリティなど、値幅を見る指標と組み合わせてください。

まとめ

RCIは「上がり続けているかどうかを、順位だけで測る指標」です。値幅を捨てた代わりに、継続性を素直に示します。

この記事のまとめ

・日付の順位と価格の順位の相関を示す指標
・範囲は−100〜+100で、0が中立
・+100は期間中ずっと切り上がっている状態
・±80が買われすぎ・売られすぎの目安
・到達ではなく、そこからの反転を見る
・値幅をまったく考慮しないためRSIとは別物
・短期と長期の2本を重ねて使うのが基本
・値幅の情報は別の指標で補う

あわせて読みたい:RSIとはストキャスティクスとは移動平均乖離率とはMACDとは一目均衡表とはテクニカル分析とは

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