米国株の板情報の見方|無料で見られる証券会社と、楽天証券の板がナスダックだけの理由

米国株の板情報は、楽天証券とSBI証券なら口座があれば無料で見られます。楽天証券はナスダックの「Nasdaq TotalView」のデータで、PCウェブは上下10本、アプリやマーケットスピード IIは上下30本です。マネックス証券は2026年2月17日のリニューアルで板情報(マトリックス)の提供を終えました。楽天証券で見る米国株の板は、ナスダック取引所に並んだ注文で、市場全体の注文ではありません。その前提での読み方と、時間帯による見え方の違いをまとめました。

この用語の要点
  • 無料で見られるのは楽天証券とSBI証券。楽天はNasdaq TotalViewで上下10〜30本。マネックスは2026年2月17日に提供を終了
  • 楽天証券に映るのはナスダックの板。NYSE上場の銘柄も対象だが、ほかの取引所や取引所外の注文は映らない
  • 1株単位・1セント刻み。成行で大きな株数を出すと板の一番上より高く約定することがある。寄り付きと引けはオークションで決まる
米国株の板情報の要点:無料で見られるのは楽天証券とSBI証券。楽天はNasdaq TotalViewで上下10〜30本。マネックスは2026年2月17日に提供を終了 / 楽天証券に映るのはナスダックの板。NYSE上場の銘柄も対象だが、ほかの取引所や取引所外の注文は映らない / 1株単位・1セント刻み。成行で大きな株数を出すと板の一番上より高く約定することがある。寄り付きと引けはオークションで決まる

米国株の板情報は日本株の板と何が違うか

板情報は、どの値段にどれだけの売り注文と買い注文が並んでいるかを示す表です。日本株の板と見た目は似ていますが、米国株では前提がいくつか違います。

項目米国株の板読むときの注意
板に映る範囲楽天証券が出しているのは、ナスダック取引所の板(Nasdaq TotalView)ほかの取引所や取引所外の注文は映らない
注文の単位1株から(楽天証券の取引ルール)1株単位の注文が並ぶ
呼値(値段の刻み)原則1セント刻み(楽天証券の取引ルール)隣の値段との差がとても小さい
寄り付き・引け取引所がオークション(板寄せにあたる手続き)で値段を決めるNYSEは東部時間9:30に寄り付き、16:00に引けのオークション

いちばん大きな違いは、1つの板に市場全体の注文が集まっていないことです。米国の株は複数の取引所や、取引所の外でも売買されます。FINRA(米国の証券業の自主規制機関)は、取引所の外で成立した空売りの売買高を毎日公表しているほどです。だから米国株の板は「その取引所に並んでいる注文」と考えて読みます。2つの取引所の役割の違いはNYSEとナスダックの違いの記事にまとめています。

米国株の板を見られる証券会社(2026年10月)

主なネット証券の公式の案内を並べました(2026年10月12日に確認)。公式ページで中身を確かめられた会社だけを載せています。

証券会社米国株の板情報料金・条件表示の本数など
楽天証券「米国株オーダーブック(板情報)」。Nasdaq TotalViewのデータ2024年12月1日からすべての客に無料(それまでは有料情報で一般2,200円)PCウェブは上下10本、iSPEEDとマーケットスピード IIは上下30本
SBI証券米国株アプリと外国株式取引サイトの個別銘柄画面・取引画面でリアルタイムの株価と板情報外国株式口座を開設していれば無料(2023年4月8日から)本数の案内は見つからず
マネックス証券2026年2月17日のリニューアルで「マトリックス(板情報)」の提供を終了——
moomoo証券アプリの説明で、日本株・米国株などの価格情報の1つとして「株式板情報(最大上下60本)」口座開設などの条件を満たせば、通常有料級の情報も無料と案内最大上下60本は一部の銘柄に適用

「マネックス証券 米国株 板情報」は検索の候補にも出てくる語です。マネックス証券は2026年2月17日に米国株取引の画面を作り直し、その際にマトリックス(板情報)の提供を終えたと案内しています。マネックスで米国株を売買しながら板を見たいなら、板を無料で出している別の会社の口座を情報用に持つのが現実的です。証券会社の手数料や時間外取引の違いは米国株の証券会社10社比較で比べています。

板に映っているのはナスダックの注文

楽天証券は、板情報の元になっているNasdaq TotalViewについて「ナスダック取引所のデータを配信しています」と書いています。ナスダック自身の説明では、TotalViewはナスダックで売買される銘柄の、ナスダックに出ているすべての気配と注文を値段ごとに表示するデータです。対象にはNYSEに上場している銘柄も含まれます。

データ中身(ナスダックの説明)日本の板情報との関係
Nasdaq TotalViewナスダックの板の全部の深さ(full order book depth)楽天証券の米国株オーダーブックの元データ
Nasdaq Basicナスダックの市場の中での最良の買い気配・売り気配(BBO)と、直近の約定板の一番上の1本と株価にあたる
NBBOナスダックの用語集では、証券会社が顧客の売買で最良の買い気配・売り気配を保証するというSECの決まりに使われる言葉楽天証券の板(ナスダック1か所の気配)とは別の考え方

つまり、NYSE上場のコカ・コーラを楽天証券の板で見ても、映っているのはナスダックに並んでいる注文です。板の買い注文が薄く見えても、市場全体ではほかの取引所に注文が並んでいることがあります。逆に、板に大きな注文が見えても、それが市場の注文のすべてではありません。日本株の板を読む感覚で「売り板が厚いから上がりにくい」と決めつけると、外れやすくなります。

例で見る米国株の板の読み方

次のような板が出ていたとします(説明用の例で、実際の銘柄の数字ではありません)。

売り注文(株数)値段(ドル)買い注文(株数)
1,200100.05
300100.04
150100.03
100.02200
100.01900
100.002,500

この例では、すぐ買える一番安い値段(売り気配)が100.03ドル、すぐ売れる一番高い値段(買い気配)が100.02ドルで、差(スプレッド)は1セントです。この板の注文だけで成行500株を買うと、100.03ドルの150株と100.04ドルの300株を取ったうえで、残りの50株は100.05ドルで約定する計算です。平均の値段は板の一番上より高くなります。

読むときに私が見るのは3つです。1つ目はスプレッドの幅です。差が広い銘柄ほど、成行で出したときの不利が大きくなります。2つ目は一番上の数本の厚さで、自分の注文の株数と比べます。3つ目は100.00ドルのようなきりのいい値段の厚い注文で、ここは消えたり出たりするので過信しません。板は注文を出す前の目安で、約定の値段を約束するものではありません。値段を決めて出したいときの注文の種類はストップ注文・ストップリミット注文で説明しています。

時間帯で変わる板の見え方(日本時間)

板の見え方は時間帯で変わります。日本時間に直すと、夏時間(11月1日まで)は東部時間に13時間、冬時間は14時間を足します。

時間帯東部時間日本時間(夏時間)日本時間(冬時間)
NYSEの寄り付きのオークション9:3022:3023:30
通常取引9:30〜16:0022:30〜翌5:0023:30〜翌6:00
NYSEの引けのオークション16:00翌5:00翌6:00

寄り付きの前後は、オークションで値段がまとまるまで板が大きく動きます。楽天証券は2024年11月の告知で、米国株オーダーブックは日曜日から月曜日18時頃までは表示されないと案内しています。その後プレ・アフターマーケットの取引が始まっているので、今の表示時間は楽天証券の画面で確かめてください。

時間外の売買の仕組みと各社の対応はプレ・アフターマーケット(時間外取引)、取引時間の全体は米国株の取引時間と夏時間にまとめています。

板を見ながら注文を出す手順

板を見たら、注文を出す前に次の順で確かめると失敗が減ります。私が米国株で指値を置くときの手順です。

順番板で見ること注文の出し方
1売り気配と買い気配の差(スプレッド)差が広ければ成行は使わず、指値にする
2一番上の数本の株数と、自分の株数自分の株数が一番上の株数より多いなら、何回かに分けるか指値で待つ
3買うなら売り気配、売るなら買い気配の値段すぐ約定させたいなら、その値段ちょうどの指値にする
4約定しなかったときの板の動き値段を追いかけて何度も上げない。上限の値段を先に決めておく
5時刻(寄り付き・引けの前後か)値段がオークションで1つに決まる時刻なので、急がない注文はその前後を避けて出す

米国株は1株から買えるので、少額の注文なら板の一番上の株数の範囲で約定することが多くなります。反対に、まとまった金額を一度に買うときほど板の厚さが効いてきます。板が映すのは1つの取引所の注文だけなので、表示の株数より実際には多く約定できることもありますが、それを当てにして成行を出さないのが私の決まりです。

日本時間の深夜に板を見ながら判断するのがつらいなら、昼のうちに指値と有効期限を決めて置いておく方法もあります。1株より小さい単位で買える仕組みは1株未満取引の記事で説明しています。

米国株の板情報に関するよくある質問

米国株の板情報はどこで見られますか?
楽天証券はNasdaq TotalViewの板情報をすべての客に無料で出しています(PCウェブは上下10本、iSPEEDとマーケットスピード IIは上下30本)。SBI証券も外国株式口座があれば米国株アプリと取引サイトで無料で見られます。
マネックス証券で米国株の板情報は見られますか?
マネックス証券は2026年2月17日の米国株取引サービスのリニューアルで、マトリックス(板情報)の提供を終了したと案内しています。板を見たい場合は、板を出している別の証券会社の画面を使います。
米国株の板に映っている注文は市場全体の注文ですか?
違います。楽天証券の板の元データのNasdaq TotalViewは、ナスダック取引所の板です。NYSE上場の銘柄でも、映るのはナスダックに並んだ注文で、ほかの取引所や取引所外の注文は含まれません。
米国株にも板寄せはありますか?
あります。NYSEは東部時間9:30に寄り付きのオークション、16:00に引けのオークションを行います。日本時間では夏時間なら22:30と翌5:00、冬時間なら23:30と翌6:00です。
LV2(レベル2)の板情報とは何ですか?
株価や一番上の気配だけでなく、値段ごとの注文を何本も並べて見せる板を、LV2(レベル2)と呼ぶことがあります。moomoo証券は学習記事で「米国株LV2板情報」という言葉を使っています。楽天証券の米国株オーダーブックも、値段ごとの注文を上下10〜30本並べる形です。
板の数字は日本株と同じ感覚で読めますか?
注文は1株から出せ、値段は原則1セント刻みなので、1本あたりの株数や値段の差は日本株と感覚が違います。成行で大きな株数を出すと、板の一番上より高い値段まで買い上がることがあります。

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執筆:(Pacific Stock編集長・専業投資家歴20年)
各社の板情報の提供状況は公式の案内(2026年10月12日確認)、データの中身はナスダックとNYSEの公式ページによります。この記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄や証券会社の売買・口座開設を勧めるものではありません。当サイトは証券会社の口座開設などでアフィリエイト報酬を得る場合がありますが、比較の順位や数値には影響しません。最終更新2026-10-12。

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