子会社化とは何か?わかりやすく解説

子会社化とは

子会社化(読み方:こがいしゃか)

 

子会社化とは、株式会社Aが株式会社Bの株式の半数以上(50%超)を保有することをいいます。

最も簡単な例で子会社化とは何かを書きましたが、株式の半数以上(50%超)とは議決権の過半数に当たります。これを形式基準」といいます。

形式基準とは違い、財務や事業方針の決定を支配しているかどうかという実質的な状態をもって判定する基準のことを実質支配力基準」といい、「実質支配基準」または「支配力基準」ともいわれます。

ちなみに、議決権の過半数(株式の50%超)を保有していなくても実質支配力基準で子会社化とされるケースもあります。

また、そもそもの話ですが「子会社」ということは当然ですが親会社が存在しています。
親会社とは、ある会社に対して資金提供したり経営を支配している会社のことです。

つまり端的に、支配する側が親会社、支配される側が子会社ということです。

子会社化と買収

子会社化は「買収」と比較されがちで、同じ意味なのか?違いがあるのか?と疑問に感じる方は多いようです。

買収=買い取るということです。
例)株式会社Aが株式会社Bの発行している株式の50%以上を買い取る

上記の例だけ見ると子会社化と同じ意味合いのように思えるかもしれませんが、子会社化の定義に答えがあります。定義というと難しくなりそうなのでわかりやすくいうと、買い取る以外の方法でも株式の50%以上を取得すれば子会社化となるわけです。

買収は買い取る方法一択のみですが、子会社化=買い取る・株式分割増資などの方法があります。
これは実質支配基準によっては発行済株式数の買い取りが過半数未満でも子会社化となる場合があるということの裏付けにもなっています。

つまり買収は子会社化の一手段であり、大枠的には子会社化と同じ意味だといえます。

そのため、子会社化や買収について表記する際、子会社化(買収)と表記されたり買収(子会社化)と表記されたりもするのだと考えられます。

 

子会社化メモ

・子会社化とは、株式会社Aが株式会社Bの株式の半数以上(50%超)を保有すること
・子会社化における基準
┗形式基準…親会社によって議決権の50%以上を所有されていること
┗実質支配力基準…議決権が50%以下の所有だとしても子会社となること
・実質支配基準によっては発行済株式数の買い取りが過半数未満でも子会社化となる場合がある
・買収は子会社化の一手段(広義:子会社化、狭義:買収)

 

子会社の種類

ひと口に子会社とは言っても、実際には幾つかの種類があります。

・完全子会社
・孫会社
・連結子会社
・非連結子会社
・兄弟会社
・特例子会社

それぞれ簡潔に解説します。

完全子会社とは

完全子会社とは、発行済株式数の全て(株式100%)を他の株式会社に所有されている場合の子会社のことをいいます。

「他の株式会社に所有されている」というのは、あくまで株式会社であり、有限・相互会社または個人に所有されている場合は完全子会社化とは言わず、所有する側の株式会社は1社のみと定められています。

また、完全子会社化に伴う実質的なリストラが行使されることもあるようです。

孫会社とは

孫会社とは、簡単にいうと「子会社の子会社」です。

つまり、親会社から見た子会社が支配する株式会社のことをいいます。

法的には孫会社という項目は商法上にはありませんが、株式の過半数以上を間接的に保有する子会社として分類されているため、子会社として括られています。

ちなみに、「親会社の親会社」については祖父会社と呼ばれたりしています。

連結子会社とは

連結子会社とは、わかりやすくいうと連結決算の対象となる子会社のことをいいます。

連結決算とは
親会社の会計に子会社や孫会社などグループ全体の会計を加えた決算方法のこと。
上場企業は事業年度ごとに有価証券報告書の提出義務があり、同報告書の一部である連結財務諸表として公開される。

非連結子会社とは

非連結子会社とは、簡単にいうと連結の範囲に含めない子会社のことです。

連結の範囲に含めない子会社
・支配が一時的
・親会社との利害関係が複雑
・売上規模が小さい

兄弟会社とは

兄弟会社とは、親会社が同一の子会社同士のことを指す場合に用いられます。(同じ親会社をもつ子会社)

ちなみに、あまり使われておりませんが、姉妹会社という言葉もあります。
姉妹会社の意味は以下の通りです。

 

同じ資本系列に属し、共通点を多く持つ二つの会社。

出典:精選版 日本国語大辞典

特例子会社とは

特例子会社とは、簡単にいうと障害者の雇用目的で設立される子会社のことをいいます。

具体的には、特例としてその会社の事業主が障害者の方のために特別な配慮をした子会社を設立し、一定の要件(障害者の雇用の促進等に関する法律第44条)を満たす場合にはその子会社に雇用されている障害者の方を親会社で雇用しているものとして、障害者雇用率の算定で加算することができる子会社です。

 

子会社化メモ

・子会社の種類
┗完全子会社…発行済株式数の全てを他の株式会社に所有されている場合の子会社
┗孫会社…「子会社の子会社」
┗連結子会社…連結決算の対象となる子会社
┗非連結子会社…連結の範囲に含めない子会社
┗兄弟会社…同一の親会社をもつ子会社同士
┗特例子会社…障害者の雇用目的で設立される子会社

 

子会社化のメリット・デメリット

子会社化の意味や子会社の種類について解説しましたが、子会社化の主なメリット・デメリットについて簡潔にまとめました。

基本的にメリット・デメリットは相反するものです。

 メリット例① 親会社は事業の一部等を子会社に任せられる
 デメリット例① 子会社に事業を任せることで親会社の事務的負担が増える

親会社における特定の事業・部門等を子会社に任せることができる反面、事務手続き等が増えてしまうことにもなります。

 

 メリット例② 大手企業傘下の場合、社会的信頼度の向上
 デメリット例② 不祥事等における連帯責任

大手企業・有名企業の子会社となれば、信頼度は上がりますが、不祥事等何かあった場合に連帯責任となる懸念があります。

 

 メリット例③ 子会社のスキーム、ノウハウ等による親会社再編企図
 デメリット例③ 業績赤字等の利益責任

再編が上手くいく分には問題ないですが業績悪化・経営赤字の際、その事業を子会社が担っている場合は子会社が利益責任を負うことになるケースがあります。

 

 メリット例④ 節税対策
 デメリット例④ 節税対策にならないケース

親会社は分社化(独立した子会社を設立すること)することによって法人税や消費税を節税することができます。

法人税の節税については要約すると軽減税率の活用・恩恵によるものです。

また、親会社の役員や従業員が子会社へ転籍となった場合、親会社を退職という扱いになるため退職金を支給します。基本的に高額となる退職金の計上によって、法人税を節税できるというメリットもあります。

消費税の節税については、子会社設立後から最大2年間は消費税が免除されます。(売上1,000万円以下の場合等)

節税対策において、デメリットに挙げている「節税対策にならないケース」というのは完全子会社でない場合には損益通算が行えないという点です。

子会社化のメリット・デメリットは個人単位を含めるとまだ他にもあります。
例えば子会社化・買収において、雇用関係の見直し等で待遇が変化するケースも見られます。(給料が下がる社員等)

子会社化による株価への影響

子会社化による株価への影響について、例えば親会社が「株式会社Aを完全子会社化する」と発表をし、株価が暴落したケースもあれば、逆に完全子会社化⇒上場廃止によって株価が上昇するケースもあります。

基本的には子会社となった企業の株価は上がりやすい傾向がありますが、例えば子会社化発表直後に株価が上昇したとしても業績次第では直ぐに低迷するケースもあります。

また、タイミングや、どのような形で子会社化となったのか(買収・株式交換・株式移転等)といったところも関係してくるかと思います。

子会社化(買収)直後は株価が変動しやすく判断が難しいため、「売上は伸びているのか」等のファクターで判断されているように感じられます。

スポンサーリンク
おすすめの記事