米中間選挙2026直前!民主党優勢か?トランプ政権への審判と市場への影響を徹底解説

2026年11月3日のアメリカ中間選挙は、主な予測を並べると下院は民主党優勢、上院は接戦のなかで民主党がやや上回る形です。11月2日時点の4通りの結果のうち確率が最も高いのは民主党が上下両院を取る形で、Decision Desk HQのモデルで62%、Polymarketの価格で70.5%でした。

どちらも予測であり、結果ではありません。上院は1〜2州の差で多数派が変わるため、下院だけ民主党が取る形にも2割強の確率が付いています。日本時間では投票の締切が11月4日の朝8時から午後3時にかけて続き、東京市場の取引時間と重なる点が日本の投資家には大事です。

先に結論

①投票は米国時間の11月3日。下院は435議席すべて、上院は35議席が改選される
②民主党に必要な議席の純増は下院が3、上院が4
③下院は民主党優勢で各予測がそろう。上院はInside Electionsが民主党の4〜6議席増(10月29日)、Fox Newsは接戦(11月1日時点の最終評価)と幅がある
④トランプ大統領の支持率は平均で37〜39%前後。9月の消費者物価は前年比3.7%
⑤日本時間の投票締切は11月4日8時〜15時。東京市場は11月3日が休みで、米国の現物株の取引開始は4日23時30分
⑥Morgan Stanleyは、議会の構成が変わっても関税などの路線は続くと見ている

米中間選挙2026はいつ?何が決まるのか

中間選挙は大統領の4年の任期の真ん中に行われる連邦議会の選挙です。今回は2期目のトランプ政権が2年間進めてきた政策に、有権者が議会を通じて答えを出す場になります。Fox Newsは、インフレとイラン戦争、低い支持率を共和党の逆風として挙げています。一方でトランプ大統領は、共和党が上下両院を維持すると語っています。

項目 内容
投票日 2026年11月3日(火)
下院 435議席すべてを改選。任期は2年
上院 100議席のうち35議席を改選。定例の33議席と、補欠の2議席(フロリダ、オハイオ)
改選の内訳 上院の35議席のうち、いま共和党が持つのが22、民主党が13
新しい議会 2027年1月3日に始まる

過半数の条件|民主党に必要なのは下院3・上院4

下院 上院
定数 435 100
いまの構成 共和218・民主214・無所属1・欠員2 共和53・民主47(無所属2を含む)
多数派の条件 218議席 民主党は51議席。共和党は50議席で足りる
2024年の結果 共和220・民主215 共和53・民主47
民主党の純増
(2024年の結果から)
3議席 4議席
共和党の余裕
(2024年の結果から)
2議席減まで 3議席減まで

上院の条件が両党で違うのは、50対50の同数になるとバンス副大統領が決裁の1票を投じるためです。共和党は3議席減らしても多数派を保てます。

下院の純増3議席は2024年の結果(共和220・民主215)からの増減で、いまの議席数は欠員と無所属がいるため計算が合いません。下院は単純な引き算だけでは読めません。Ballotpediaによると、7月26日時点でテキサスやカリフォルニアなど10州が2024年と違う区割りで投票します。争う選挙区の形そのものが変わっています。

最新の予測|下院は民主党優勢、上院は幅がある

予測(時点) 下院 上院
Inside Elections
(10月29日)
民主党が20〜30議席増 民主党が4〜6議席増
Sabato's Crystal Ball
(10月30日)
民主225・共和193・接戦17 —
Fox News
(11月1日の最終評価)
民主党の奪還を示す 全体で接戦
Decision Desk HQ
(11月2日)
民主党84%・241議席 民主党64%・52議席
Polymarket
(11月2日12時半)
民主党94.5% 民主党71.5%
Morgan Stanley
(10月27日)
民主党の奪還を予想 接戦で民主党がわずかに優位

下院はどの予測も民主党の勝ちを見込んでいます。上院は同じ「民主党寄り」でも、民主党が4議席以上増やすと読むInside Electionsと、全体を接戦と置くFox Newsでは温度差があります。

米中間選挙後の議会の4通りの結果について、Decision Desk HQのモデルとPolymarketの価格を比べた棒グラフ

同じ日のモデルと市場を並べると、差が大きいのは共和党が上下両院を守る形です。モデルは15%、市場は5.5%で、3倍近い開きがあります。Polymarketの数字は参加者が売買した価格で、世論調査や統計モデルとは性格が違います。どの数字も投票前の見込みです。

上院の勝負どころ|注目の10州

上院の多数派は全国の空気よりも、数州の結果で決まります。民主党が取りに行く州と守る州の評価は次のとおりです。表の「寄り」は「優勢」より差が小さく、「わずか」はさらに小さい評価です。ネブラスカで共和党のリケッツ氏に挑むのは民主党候補ではなく無所属のオズボーン氏で、勝っても民主党の議席には数えません。

州(いまの議席) Inside Elections
10/29
DDHQ
11/2
ノースカロライナ
(共和)
民主寄り 民主優勢
アラスカ
(共和)
接戦 民主寄り
メイン
(共和)
接戦 民主寄り
アイオワ
(共和)
接戦 接戦
カンザス
(共和)
接戦 接戦
オハイオ
(共和)
民主わずか 接戦
テキサス
(共和)
民主わずか 民主寄り
ミシガン
(民主)
民主わずか 民主優勢
サウスカロライナ
(共和)
共和わずか 共和寄り
ネブラスカ
(共和)
共和わずか 共和寄り

民主党の計算はこうなります。ノースカロライナを取れば純増は1で、残りは3です。ミシガンを守ったうえで、アラスカからテキサスまでの6州で3つ勝てば51議席に届きます。共和党はノースカロライナを失っても、この6州のうち4つを守れば50議席に届きます。ミシガンを取れれば余裕がもう1つ増えます。どちらも、この10州のうちサウスカロライナ・ネブラスカと、表にない州で番狂わせがない場合の計算です。

接戦の評価はInside Electionsが4州(10月29日)、DDHQはカンザスなど3州(11月2日)で、Polymarketの価格は上院全体で民主党71.5%です。アラスカやアイオワ、オハイオ、テキサスの4州は2024年の大統領選でトランプ氏が10ポイント超の差で勝ちました。全国の世論調査が民主党優位でも上院の予測に幅が出る理由の1つです。

トランプ支持率と全国の世論調査

指標 数字 時点
支持率
Silver Bulletin平均
支持37.3%
不支持 約60%
10月30日更新
支持率
RealClearPolitics平均
支持38.8%
不支持59.4%
10月9〜30日
下院の投票先
RealClearPolitics平均
民主51.8%
共和43.3%
民主+8.5
10月9〜30日
下院の投票先
Silver Bulletin平均
民主+8.9 10月30日更新

Silver Bulletinの支持率は、トランプ大統領の平均として過去最低の36.3%から約1ポイント戻した水準です。

投票先の差は個別の調査で民主党+7(NBC News、10月28〜30日)から+11(NYタイムズ/シエナ大、10月12〜19日)まで開きがあります。議席は区割りと各州の候補者でも左右されるため、全国の差がそのまま議席の差になるとは限りません。

争点|物価、イラン戦争、関税

争点 いまの状況
物価 9月の消費者物価は前年比3.7%で、8月の3.4%から上昇。食品とエネルギーを除くと2.6%。前月比は0.6%で、その半分超はガソリン9.1%高による
エネルギー エネルギー全体は前年比20.4%。Fox Newsは続く物価高の一因にイラン戦争を挙げる。Morgan Stanleyは投票日までの終戦は見込みにくいとする
関税 最高裁が2月20日に緊急権限法(IEEPA)に基づく関税を無効と判断。代わりの10%関税は期限切れとなり、7月24日から通商法301条の関税が始まった
日本への関税 301条の関税では、例外を除き、日本の品目は通常の関税が12.5%未満なら合計12.5%になる

食品とエネルギーを除けば前年比2.6%で、9月の前月比も0.3%にとどまります。一方でガソリンは毎週目にする価格なので、有権者の受け止めは厳しくなりやすいはずです。次の10月分は投票後の11月10日に公表されます。

開票はいつ分かる?日本時間のスケジュール

米国東部は11月1日に標準時へ戻ったため、日本との時差は14時間です。Fox Newsがまとめた締切の時刻を日本時間に直すと次の表になります。太字は上の表で取り上げた上院の州です。

11/4の日本時間 米東部 投票が締め切られる州
08:00 18:00 ケンタッキーとインディアナの一部
09:00 19:00 ジョージア、サウスカロライナ、バージニアなど。フロリダとニューハンプシャーの大半
09:30 19:30 ノースカロライナ、オハイオ、ウェストバージニア
10:00 20:00 メイン、ペンシルベニアなど。テキサス、ミシガン、カンザスの大半
10:30 20:30 アーカンソー
11:00 21:00 アイオワ、ネブラスカ、ニューヨークなど。テキサス、ミシガン、カンザスの残り
12:00 22:00 モンタナ、ユタ。アイダホとオレゴンの大半
13:00 23:00 カリフォルニア、ワシントン
14:00 24:00 ハワイ、アラスカの大半
15:00 翌1:00 アラスカの残り

上院の接戦州の多くは日本時間9時半から11時に締め切られ、東京市場の午前の取引と重なります。東京市場は11月3日が文化の日で休みです。4日の朝は3日の米国株を見て始まり、開票の途中経過を受けながら動く形になりそうです。

米国市場は選挙日も通常どおり開いています。米国株の休場日に選挙日は入っていません。開票を受けた米国の現物株の取引開始は、日本時間4日23時30分です。接戦の州ほど、締切から判定までの時間は長くなります。

結果が遅れそうな州

州 遅れやすい理由
カリフォルニア 選挙日の消印があれば1週間後の到着まで有効。郡は大半の票を13日目までに報告する。接戦の下院選挙区が残りやすい
アラスカ 海外からの郵送票を選挙後15日まで受け付ける。順位付け投票も採用。現職が敗れた場合の認定を止めるよう求めた司法省の訴えは連邦地裁が11月1日に退け、司法省は控訴する方針
メイン 順位付け投票の州。実施するかは翌日か翌々日に分かり、結果が出るのは例年だと翌週
僅差の州全般 票差が小さければ再集計に進み、数日から数週間かかることがある

上院の接戦州のうち2つが開票に時間のかかる州です。上院の多数派が日本時間の4日中に決まらない展開も考えられます。Morgan Stanleyは、過去の結果が争われた議会選の市場への影響は限られたと振り返る一方で、選挙の手続きそのものへの大きな混乱なら話は別だとしています。

3つのシナリオ|議席の条件と確率

結果 議席の条件 DDHQ Poly
market
民主党が
上下両院
民主党が下院218以上、上院51以上 62% 70.5%
民主党が
下院のみ
民主党が下院218以上、共和党が上院50以上 21% 23.5%
共和党が
上下両院
共和党が下院218以上、上院50以上 15% 5.5%

上院だけ民主党が取る形はモデルで2%、市場で0.55%しかありません。確率はいずれも11月2日時点です。そのうえで、各社の見方を結果ごとに分けると次のようになります。

結果 政策の見方と開票の目安
民主が両院 議会の調査への影響力が強まる。ただし大統領の拒否権が残り、大きな法案は通りにくい(Morgan Stanleyなど)
目安:アラスカからテキサスまでの6州で民主党が3勝以上(ノースカロライナ獲得とミシガン維持が前提)
民主が下院のみ いわゆる「ねじれ」。税と歳出の大型法案は難しい。政府予算と債務上限の交渉が荒れやすい(野村アセット。Yahoo Finance掲載の記事によるとSchwabも同様)
目安:同じ6州で民主党が2勝以下(ノースカロライナ獲得とミシガン維持が前提)
共和が両院 いまの体制が続く。追加減税などの期待が出やすい(外為どっとコム)。市場の見込みとずれるので動きが大きくなる可能性もある
下院の手がかり:早く締め切るケンタッキー6区(Fox News)

どの結果でも変わりにくいとされるのが関税です。Morgan Stanleyは、規制緩和や関税と移民の政策の多くは行政の権限で進んでいるので、議会の構成が変わっても続くと見ています。野村アセットマネジメントは議会に頼りにくくなる分だけ通商で大統領権限に頼る度合いが強まるとして、追加関税への注意を促しています。

米国株への影響|過去の数字と注意点

S&P500の2026年8月から10月30日までの日足チャートと出来高

S&P500の10月30日の終値は7,580.07で、前日より1.8%下げました。過去16回の中間選挙の検証記事と同じく8月17日を起点にすると、10月30日までの騰落率は−2.1%、終値で見た最大の下げは9月16日の−2.5%です。同記事の集計(1962〜2022年)の平均−10.1%と比べると、ここまでの下げは小幅です。

出どころ 見方
Morgan Stanley
(10月27日)
共和党の大統領のもとでは、中間選挙の翌年のS&P500は議会がねじれた場合に平均約23%、民主党が両院の場合に平均約16%上昇。ただし過去は将来を保証しない
同上 2026年の株価はすでに例年より強く、選挙後の上昇余地は小さい可能性がある。テクノロジーとエネルギーは政策の見出しで動きやすい
同上 市場全体を動かすのは引き続きインフレ、成長、企業業績
Charles Schwab
(Yahoo Finance掲載の記事による)
民主党の下院では、政府予算と債務上限をめぐる対立が値動きの火種になりうる
State Street ねじれ議会は大規模な政策変更が起きにくい状況につながることが多い

「ねじれは株に良い」という言い方はよく聞かれますが、平均の数字は回数が少なく、その年の金利や景気の影響も混ざっています。選挙そのものより、関税やイラン情勢と物価の組み合わせのほうが相場に長く響くという見方もできます。過去の平均は参考の1つにとどめたいところです。

日本株とドル円への影響

日経平均の2026年8月から10月30日までの日足チャートと出来高

日経平均は8月17日の69,220.25円から10月26日の62,189.65円まで終値で10.2%下げ、10月30日の終値は63,290.11円でした。同じ起点でS&P500より下げが大きく、過去の中間選挙の平均−11.4%(同じ検証記事の1966〜2022年の集計)に近い水準まで下げた時期があります。

結果 ドル円の見方(外為どっとコム、10月1日)
与党が両院維持 財政拡大の期待から米金利に上昇圧力。ドル高・円安
ねじれ 国債の増発が鈍る見方から米金利が低下〜横ばい。初動でドル安・円高
野党が両院 米金利に低下圧力。中長期でドル安・円高

同社は、ねじれでも関税が物価を押し上げれば米金利が高止まりするので、単純なドル安にはならないとも指摘しています。10月30日のドル円は157.80円でした。日銀は同じ日に政策金利を1.25%程度で据え置いています(10月の日銀会合の結果)。ドル円は選挙に加えて、日米の金利の行方にも左右されます。

日本企業には関税の経路もあります。野村アセットマネジメントが挙げるのは、日本のように米国と投資の協定を結んだ国の履行を政権が監視し、追加投資や追加関税を求めるリスクです。輸出企業の株は為替に加えて、この点でも見出しに反応する可能性があるでしょう。関税と株価の関係は相互関税の値動きの実測も参考になります。

選挙後に見る日程

日程 できごと
11月4日8〜15時 投票の締切が順に到来。東京市場は開票途中で取引
11月4日23時30分 開票後の米国の現物株の取引開始
11月10日22時30分 米国の10月の消費者物価を公表
11月16日 カリフォルニアの郡の報告期限(米国時間・選挙後13日目)
2027年1月3日 新しい議会が始まる
ポイント 内容
予測 下院は民主党優勢。上院は幅があり、11月2日時点で民主党はモデル64%、市場71.5%
市場 関税は議会の構成にかかわらず続くという見方。株価は物価と業績が主因とされる
日本 接戦州の多くは締切が東京の午前の取引中。ドル円は結果の組み合わせで見方が分かれる

結果が出るまで、数字はすべて見込みです。投票が締め切られてからも、上院の多数派の判明には時間がかかる可能性があります。下院と上院を分けて見ること、接戦州の判定が出そろうまで途中経過を結論にしないことが、当日の見方の基本になります。

次に読むなら

選挙の前後でS&P500と日経平均がどう動いてきたかを、過去の全回数で確かめたいなら
→ 米中間選挙の年は16回中16回すべて8月中旬から選挙日までにS&P500が暴落する

ドル円を左右する日本側の金利の話を押さえたいなら
→ 10月の日銀会合の結果は据え置き1.25%|12月利上げはあるのか、ETF売却増額と株価への影響

当サイト(Pacific Stock)で提供する情報は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

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