
FFレート(Federal Funds Rate、フェデラルファンド金利)とは、米国の銀行がFRBに預ける準備預金を銀行同士で翌日物で貸し借りするときの金利です。FRBが年8回のFOMCで「誘導目標レンジ」を決めるので、米国の政策金利と呼ばれます。「4.25〜4.50%」のように0.25%幅のレンジで示され、0.25%の変更を「1回分」と数えます。この金利は世界のドル資金の基準です。米国株の割引率・ドル円相場・住宅ローン金利から新興国の資金の出入りにまで影響します。
- FFレートは銀行間の翌日物金利。FRBはFOMCで0.25%幅の誘導目標レンジを決め、準備預金への付利(IORB)で実際の金利をレンジ内に誘導する
- 利上げ→ドル高・株の割引率上昇・ハイテク株安、利下げ→その逆。ただし市場は「決定」より「先の見通し(ドットチャート・声明文)」で動く
- 市場の織り込みはCME FedWatch(FF金利先物から計算した確率)で見る。「利下げが8割織り込まれている」なら決定当日はほぼ動かない
FFレートの仕組み(誘導目標レンジとIORB)
米国の銀行はFRBに準備預金を置いており、余った銀行が足りない銀行に翌日物で貸します。その金利がFFレートです。FRBはFFレートを命令で決めるわけではありません。「誘導目標レンジ」を示したうえで、次の2つの金利でレンジ内に収めています。
| 道具 | 内容 | 役割 |
|---|---|---|
| 誘導目標レンジ | 例:4.25〜4.50% | FOMCが決める目標。声明文で発表 |
| IORB(準備預金への付利) | レンジの上限付近 | 銀行はこれより低い金利では貸さないので、上限の役割 |
| 翌日物リバースレポ金利 | レンジの下限付近 | MMFなどがFRBに資金を預ける金利。下限の役割 |
| 実効FFレート(EFFR) | 実際に取引された加重平均 | 毎日公表。通常はレンジのやや上限寄り |
ニュースで「FRBが0.25%利下げして4.00〜4.25%に」とあれば、この誘導目標レンジの話です。レンジの上限を指して「4.25%」と言うことも、中央値の「4.125%」と言うこともあります。報道によって書き方が違うので注意してください。
FOMCは年8回(約6週間ごと)に開かれます。決定が出るのは日本時間の木曜午前3時(夏時間)か4時(冬時間)です。日程と議事要旨の読み方はFOMCの解説をご覧ください。
利上げ・利下げが米国株と円相場に影響する経路
| 経路 | 利上げのとき | 利下げのとき |
|---|---|---|
| 株の割引率 | 上昇 → 理論株価が下がる。ハイテク・成長株に逆風 | 低下 → 理論株価が上がる |
| 企業の借入コスト | 上昇 → 小型株・不動産・赤字企業に逆風 | 低下 → 小型株が買われやすい |
| 銀行の利ざや | 拡大しやすい(銀行株にプラス) | 縮小しやすい |
| ドル円 | 日米金利差の拡大 → 円安 | 金利差の縮小 → 円高 |
| 住宅ローン・消費 | 抑制 → 景気減速 | 刺激 → 景気拡大 |
| 新興国 | ドル資金の流出 | ドル資金の流入 |
利下げは株にプラス、と単純には言えません。景気が悪化して仕方なく利下げする局面(2001年・2007年)では、利下げ開始後に株が大きく下がりました。景気が堅調なまま予防的に利下げした局面(1995年・2019年・2024年)では、株は上がっています。「なぜ利下げするのか」が大事です。過去の値動きは利下げの解説にまとめています。
日本から投資していると、ドル円の動きがそのまま資産の円換算額に響きます。利下げ局面は円高になりやすく、米国株が上がっても円で見ると伸びが鈍ることがあります。
2022年以降の推移と、10年債利回りとの違い
| 時期 | 誘導目標レンジ | 出来事 |
|---|---|---|
| 2020年3月〜2022年3月 | 0.00〜0.25% | コロナ禍のゼロ金利 |
| 2022年3月〜2023年7月 | 0.25% → 5.25〜5.50% | 11回で5.25%の急速な利上げ。0.75%幅を4回連続 |
| 2023年7月〜2024年9月 | 5.25〜5.50%で据え置き | 約14か月の高止まり |
| 2024年9月〜12月 | 5.50% → 4.25〜4.50% | 0.50%で利下げ開始、計1.00% |
| 2025年〜2026年 | 段階的な利下げ | インフレの鈍化と労働市場の軟化を見ながら調整 |
FFレートは翌日物の短期金利で、FRBが直接動かせます。一方、株価により直接影響する10年債利回りは市場が決める長期金利で、FRBが利下げしても上がることがあります。「政策金利はFRB、長期金利は市場」と分けて考えれば、「利下げしたのにハイテク株が下がった」ような場面も説明がつきます。
FRBは政策金利とは別に、持っている国債を減らす量的引き締め(QT)も進めています。QTは長期金利に影響します。QTとQEの仕組みはQTの解説をご覧ください。
市場の織り込みはFedWatchで見る
FOMCの決定そのもので株が大きく動くことは、実はあまりありません。市場はFF金利先物の価格から「次回の会合で利下げされる確率」を出しています。決定が織り込みどおりなら反応は小さく、違えば大きく動きます。
| 見るもの | 内容 | どこで見るか |
|---|---|---|
| CME FedWatch | 次回以降の各会合での利上げ・据え置き・利下げの確率 | CMEグループのサイト(無料) |
| ドットチャート | FOMC参加者が予想する年末の政策金利の分布。3・6・9・12月に公表 | FRBのサイト、FOMC後の報道 |
| 声明文の変化 | 前回との文言の差(「さらなる利上げが適切」→「追加の調整」など) | FRBのサイト。報道が差分を解説 |
| 議長の記者会見 | 決定の30分後。質疑応答での発言で相場が動く | 日本時間の木曜3:30/4:30から |
「利下げしたのに株が下がった」のは、利下げ幅や今後の見通し(ドットチャート)が市場の期待より弱かった場合です。反対に据え置きでも、「次回は利下げ」をにおわせれば株は上がります。FOMCの日に見るのは決定の数字より、事前の織り込みとの差です。トップページの「今日の株式」欄に、次回のFOMCの日程を日本時間で載せています。FRBの仕組みそのものはFRBの解説、タカ派・ハト派の読み方はタカ派・ハト派の解説をご覧ください。
FFレートに関するよくある質問
FFレートと日本の政策金利の違いは何ですか?
FOMCの結果は日本時間の何時に分かりますか?
利下げが始まったら米国株は買いですか?
FFレートは個人の預金金利にも影響しますか?
関連する用語
- 米国雇用統計(発表日と日本時間)
- FOMC
FOMCとは、アメリカの金融政策を決める会合のことで、正式名称は連邦公開市場委員会(Federa - FRB
FRB(連邦準備制度理事会)とは、米国の中央銀行にあたる組織の中枢を担う機関です。 - 利上げ
利上げとは、中央銀行が政策金利を引き上げることです。 - 利下げ
利下げとは、中央銀行が政策金利を引き下げることです。 - タカ派
タカ派とは金融引き締めに積極的な立場、ハト派とは金融緩和に積極的な立場のことです。 - QT(量的引き締め)
QT(量的引き締め)とは、中央銀行が保有する国債などの資産を減らして、市場に出回るお金の量を絞る - QE(量的緩和)
QE(量的緩和)とは、中央銀行が国債などを大量に買い入れて、市場にお金を大量に供給する政策のこと - 円安
円安とは、1ドル150円が160円になるように、外国のお金に対して円の価値が下がることです。 - 米国10年債利回り(長期金利)
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執筆:佐々木優也(Pacific Stock編集長・専業投資家歴20年)
FFレートの仕組みはFRBの公表資料、2020〜24年の推移はFOMCの声明文によります(2026年9月時点)。この記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄や証券会社の売買・口座開設を勧めるものではありません。当サイトは証券会社の口座開設などでアフィリエイト報酬を得る場合がありますが、比較の順位や数値には影響しません。最終更新2026-10-06。

