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QE(量的緩和)とは

QE(読み方:きゅーいー)
量的緩和(読み方:りょうてきかんわ)


 

QEとは、「Quantitative Easing」の略で、量的緩和のことをいいます。

量的緩和とは、中央銀行が実施する金融政策のひとつです。

金融政策は、中央銀行が景気や物価の動向によって実施する政策のことで、大まかに説明すると景気の過熱局面で「金融引き締め政策」、景気の悪化局面で「金融緩和政策」が実施されます。

量的緩和は、そのうちの金融緩和政策のひとつで、中央銀行が金融機関から国債などを買い入れ、資金供給量を増やし、世の中にお金を回りやすくするというものです。

中央銀行が国債などを買い入れすることで、金融機関が持つ資金量が増加することになり、融資の積極化につながります。
そうすると企業や個人は資金を借りやすくなるので、企業なら設備投資をしやすくなったり、個人なら住宅ローンで家を購入したりするなど消費意欲も回復していきます。

このように経済活動の活発化をはかり、景気回復を目指すのがQE(量的緩和)となります。

金融緩和政策は、代表的なもので政策金利操作、いわゆる「利下げ」があります。
通常はこの金利操作で景気の回復を見込めますが、金利を実質0%水準まで引き下げてもなお追加の金融緩和が必要な場合は「量的緩和」などの手段がとられます。

QEが株価に与える影響とは

一般的に、QE(量的緩和)は株式市場にポジティブな要因となります。

QE(量的緩和)や利下げなど、金融緩和政策が実施されると金利が下がり、資金供給量が増加します。

そうすると、企業は資金調達がしやすくなるので、設備投資に積極的になっていき、事業活動が活発化していきます。

また、景気回復に伴い、個人の消費意欲が強まることで、企業業績の回復も見込めることになります。

他にも、QEが実施されると市場に出回る資金が増えることになるので、通貨の価値が下がると考えられています。

例えば、日本でQEが実施されると、円の価値が低くなるので「円安ドル高」になるといわれています。

こうした通貨安は、海外売上高の比率が高い「自動車」や「電子部品」などの輸出企業にとってプラスとなり、企業業績の追い風となります。

こうした背景から期待感が先行して株式などのリスク資産に資金が集まりやすくなります。

QEとテーパリング(量的緩和の縮小)

QEと関連する言葉として「テーパリング」があります。

テーパリングとは、量的緩和策を段階的に縮小させていくことをいいます。
「量的緩和の縮小」や「QEの縮小」といったりもします。

量的緩和の縮小は、ざっくり説明すると量的緩和の買い入れ金額を減額することです。

QEは、中央銀行が金融機関から国債などの資産を買い入れて市場に資金を供給するものですが、これをいつまでも続けるわけではありません。

一定の成果が出るといずれはQEを終了することになります。

ただ、一気にやめてしまうと、急激に市場が冷え込む恐れもあるので、そうならないように段階的に資産の買い入れ額を減らしていきます。

この買い入れ額を減らしていく過程をテーパリングといい、量的緩和策の“出口戦略”のひとつとなります。

QEとQTの違い

QEと似ている用語として「QT(量的引き締め)」があります。

QTとは、「Quantitative Tightening」の略で、量的引き締めのことをいいます。
量的引き締めとは、量的緩和(QE)によって拡大した中央銀行のバランスシートを段階的に縮小することをいいます。

先ほど説明したとおり、QEは一定の成果が出ると終了するものですが、中央銀行はQEで買い入れた膨大な量の資産を保有することになります。
そのため、量的緩和が終了しても、市場では緩和的な状態が維持されることになります。

そこで今度は金融政策を正常な状態に戻すために、量的緩和(QE)によって拡大した中央銀行のバランスシートを段階的に縮小していきます。

具体的には、量的緩和で買い入れした資産について、満期到来での再投資を停止したり、資産の売却を行うなどして減らしていくことになります。

QEは株式市場に良い影響を与えてくれますが、QTはいわゆる「金融引き締め政策」となるので、株式市場に悪影響を及ぼす可能性があります。

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