
権利落ち日(Ex-Dividend Date)とは、その日に買っても次の配当を受け取れなくなる最初の日のことです。米国株の配当をもらうには、権利落ち日の前営業日までに買い、権利落ち日の取引開始時点で株を持っている必要があります。日本株の「権利付き最終日」にあたる日を、米国では権利落ち日を主語にして呼びます。米国の多くの会社は年 4 回の四半期配当を出すので、この日付は 3 か月ごとにやってきます。この記事では、配当にまつわる 4 つの日付、2024 年に決済が T+1 になって変わった点、日本の証券口座に配当が入るまでの流れと税金をまとめます。
- 配当の権利は権利落ち日の前営業日までに買えば得られる。権利落ち日当日に買っても次回の配当はもらえない
- 2024 年 5 月の T+1 決済移行で、権利落ち日と権利確定日は原則同じ日になった。以前は権利落ち日が権利確定日の 1 営業日前だった
- 米国株は年 4 回の四半期配当が主流。配当はドルで支払われ、米国で 10% 源泉徴収されたあと日本で 20.315% 課税される
配当にまつわる 4 つの日付:宣言日・権利落ち日・権利確定日・支払日
米国企業の配当は、取締役会が配当を決めてから実際に支払われるまでに 4 つの日付があります。
| 日付 | 英語 | 意味 |
|---|---|---|
| 配当宣言日 | Declaration Date | 取締役会が配当額・権利確定日・支払日を発表する日。プレスリリースで公表される |
| 権利落ち日 | Ex-Dividend Date | この日以降に買った株には配当が付かない。株価は理論上、配当額の分だけ下がって始まる |
| 権利確定日 | Record Date | この日の株主名簿に載っている人が配当を受け取る。T+1 決済では権利落ち日と同じ日 |
| 支払日 | Payment Date | 会社が配当を支払う日。権利確定日の 2〜4 週間後が多い |
個人投資家が覚えるべきなのは権利落ち日だけです。この日の前営業日までに買えば配当がもらえ、当日以降に売っても配当は受け取れます。逆に、権利落ち日の前日に売ってしまうと配当は付きません。
権利落ち日には、株価が配当額の分だけ下がった水準から取引が始まるのが理論上の動きです。たとえば四半期配当 0.5 ドルの株なら、前日の終値より 0.5 ドル低い価格が基準になります。配当だけを狙って直前に買っても、株価の下落で相殺されるため「配当の取りっぱぐれ」を防ぐ以上の得はありません。
T+1 決済で権利落ち日と権利確定日が同じ日になった
2024 年 5 月 28 日に米国株の決済期間が T+2(約定日の 2 営業日後)から T+1(翌営業日)に短縮されました。株主名簿に載るのは決済が終わった時点なので、権利確定日に名簿に載るためには、その 1 営業日前に約定していなければなりません。つまり「権利確定日の前営業日までに買う」=「権利落ち日は権利確定日と同じ日」という関係になりました。
| T+2 時代(2024 年 5 月まで) | T+1(2024 年 5 月 28 日以降) | |
|---|---|---|
| 権利落ち日 | 権利確定日の 1 営業日前 | 権利確定日と同じ日 |
| 配当をもらえる最後の買付日 | 権利確定日の 2 営業日前 | 権利確定日の 1 営業日前 |
古い解説記事には「権利確定日の 2 営業日前までに買う」と書かれているものがありますが、現在は 1 営業日前です。会社のプレスリリースや証券会社の銘柄情報には権利落ち日が明記されているので、迷ったら権利落ち日を見て「その前日までに買う」と覚えてください。
日本株は 2019 年から T+2 で、権利付き最終日は権利確定日の 2 営業日前のままです。日本株と米国株で数え方が 1 日違うので、両方を持っている人はとくに注意が必要です。決済期間の詳細は T+1 決済の解説 にまとめています。
四半期配当の仕組み:年 4 回、ドルで支払われる
米国の配当株の多くは年 4 回(四半期ごと)に配当を支払います。日本株の年 2 回(中間・期末)と違い、3 か月ごとにキャッシュが入るため、複数の銘柄を組み合わせれば毎月配当を受け取るポートフォリオも作れます。
| 支払月の型 | 代表的な銘柄 |
|---|---|
| 1・4・7・10 月 | JP モルガン、コカ・コーラ、シスコ、メルク |
| 2・5・8・11 月 | P&G、アッヴィ、ベライゾン、コルゲート |
| 3・6・9・12 月 | マイクロソフト、J&J、エクソンモービル、ホームデポ、多くの ETF |
配当額は 1 株あたりのドルで発表され(例:四半期 0.51 ドル)、年間では 4 倍の 2.04 ドルになります。配当利回りを計算するときは「四半期配当 × 4 ÷ 株価」です。会社によっては毎年同じ四半期(多くは 1 回目か 2 回目)に増配を発表するので、25 年以上連続で増配している会社は「配当貴族」と呼ばれます。
一部の会社は月次配当(リアルティ・インカムなど)、また利益に応じて額が変わる変動配当や特別配当を出す会社(エネルギー・海運)もあります。ETF の分配金も同じ仕組みで、権利落ち日と支払日が運用会社のサイトに掲載されています。
日本の証券口座に入金されるまでの流れと税金
米国株の配当は、支払日に会社から支払われ、米国の保管機関 → 日本の証券会社 → 投資家の口座の順に入金されます。日本の口座に反映されるのは支払日から数営業日〜1 週間程度後が一般的で、証券会社の「配当金・分配金の入金予定」で確認できます。
税金は 2 段階です。
| 段階 | 税率 | 備考 |
|---|---|---|
| 米国での源泉徴収 | 10% | 日米租税条約の軽減税率。証券会社経由で W-8BEN を提出済みなら自動で 10% |
| 日本での課税 | 20.315% | 米国で引かれた後の額に課税。特定口座(源泉徴収あり)なら自動 |
| 合計の手取り | 約 71.7% | 100 ドルの配当なら約 71.7 ドル。外国税額控除で米国分の一部が戻る |
NISA 口座では日本の 20.315% は非課税になりますが、米国の 10% は引かれたままで、外国税額控除も使えません。それでも課税口座より手取りは多いので、高配当株を NISA の成長投資枠で持つ人が増えています。外国税額控除の手続きは 外国税額控除の解説、配当を円で受け取るかドルで受け取るかは 円貨決済と外貨決済の解説 をご覧ください。手取りの試算は当サイトのコスト&配当手取りシミュレーターでできます。
権利落ち日に関するよくある質問
権利落ち日当日に買ったら配当はもらえませんか?
日本時間で考えるとき、何日の夜までに買えばいいですか?
権利落ち日はどこで調べられますか?
配当は円とドルのどちらで受け取りますか?
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外国税額控除とは、米国株の配当に米国で課された 10% の税金を、日本の所得税・住民税から差し引 - 円貨決済と外貨決済
円貨決済とは、米国株を円のまま注文し、証券会社が約定時に自動で両替する決済方法です。外貨決済は先 - 配当落ち日
配当落ち日とは、その日に株式を買っても配当を受け取る権利が得られない日のことです。 - 権利確定日
権利確定日とは、配当金や株主優待を受け取れる株主が確定する日です。 - 配当性向
配当性向とは、その年に稼いだ利益のうち、どれだけを配当として株主に配ったかを示す割合です。 - NISA
NISAとは、投資で得た利益に税金がかからなくなる制度です。 - 配当金
配当金とは、企業が稼いだ利益の一部を株主に分配するお金です。
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執筆:佐々木優也(Pacific Stock 編集長・専業投資家歴20年)
T+1 決済への移行は SEC の規則改正(Rule 15c6-1、2024 年 5 月 28 日施行)、権利落ち日の決まりは NYSE・Nasdaq の規則、税率は日米租税条約と日本の所得税法・租税特別措置法(2026 年 9 月時点)にもとづきます。各社の配当支払月は各社 IR の配当履歴を参照しました。 本記事は情報提供を目的とし、特定の銘柄・証券会社の売買や口座開設を推奨するものではありません。当サイトは証券会社の口座開設等によりアフィリエイト報酬を得る場合がありますが、比較の順位や数値には影響しません。最終更新 2026-09-17。
