連買いとは、連続的に売買が成立して株価が急に買い上がるときに表示される「連続約定気配」のことです。読み方は「れんがい」です。

板に「連」という文字が出たら、その銘柄は一時的に通常の売買が止まっています。

似た仕組みに「特買い(特別気配)」がありますが、表示される条件も、その後の動き方も違います。この記事では板を使って両方の違いまで解説します。

この記事でわかること

・連買いが表示される条件
・板でどう見えるのか
・1分後に起きる3つのパターン
・特買いとの決定的な違い
・大引け直前だけルールが変わること

連買いとは

連買いとは買いの「連続約定気配」のことです。反対に売り下がる場合は連売り(れんうり)といいます。

連続約定気配とは
次々に約定しながら、直前の約定値段から更新値幅の2倍を超えて
買い上がる(売り下がる)ときに表示される気配
→ 急激な株価の変動を抑えるための制度

目的は投資家に周知して、反対の注文を呼び込むことです。一瞬で株価が飛ぶと、成行注文を出した人が想定外の値段で約定してしまうためです。

前提となる「更新値幅」

連買いを理解するには、先に更新値幅を知る必要があります。

証券取引所には「直前の価格から一定の範囲内なら、そのまま次の売買を成立させる」というルールがあります。この一定の範囲が更新値幅です。

直前の価格(気配値段) 更新値幅(上下)
200円未満 5円
500円未満 8円
700円未満 10円
1,000円未満 15円
1,500円未満 30円
2,000円未満 40円
3,000円未満 50円
5,000円未満 70円
7,000円未満 100円
10,000円未満 150円

※ 東京証券取引所の定めによる。1万円以上の価格帯についても段階的に定められています。

たとえば直前の約定値段が150円なら更新値幅は5円なので、145円〜155円の範囲内であれば、そのまま次の売買が成立します。

連買いが表示される条件

1つの注文によって、直前の約定値段から更新値幅の2倍を超えて買い上がる場合
連続的に売買が成立して、更新値幅の2倍を超える水準に達する場合

ポイントは「約定しながら」動いている点です。売買が成立せずに止まってしまう特別気配とは、ここが根本的に違います。

板で見る:まず通常の約定を確認する

直前の約定値段が150円(更新値幅5円)で、次のような板だったとします。

売気配 気配値 買気配
100 164  
100 163  
100 162  
100 161  
100 160  
100 155  
100 153  
  150 100
  149 100
  148 100
  147 100
  146 100

ここに成行の買い注文500株が入りました。ルールがなければ、安い売り注文から順番に約定していきます。

① 153円 100株 ② 155円 100株 ③ 160円 100株
④ 161円 100株 ⑤ 162円 100株 → 合計500株

しかしこれでは150円から162円まで一瞬で12円も上がってしまいます。更新値幅5円の2倍である10円を超えているためです。

板で見る:連続約定気配が表示される

そこで取引所は、更新値幅の2倍以内である160円までは約定させ、それを超える分を保留します。

150円 + (5円 × 2) = 160円まで
約定する → 153円100株・155円100株・160円100株 = 300株
保留する → 残りの200株

この保留された200株が、160円に「連 200」として表示されます。

売気配 気配値 買気配
100 164  
100 163  
100 162  
100 161  
  160 連 200
  150 100
  149 100
  148 100

この状態が1分間続きます。「160円で200株買いたい人がいます。売ってくれる人はいませんか」と市場に呼びかけている状態です。

1分後に起きる3つのパターン

状況 結果
① 160円に売り注文200株が入った その場で約定し、通常の売買に戻る
② 入らないが、上に売り注文がある 160円を基準に更新値幅(±5円)の範囲内で約定。161円・162円と約定して通常に戻る
③ 範囲内に売り注文がない 特別気配(特買い)に切り替わる

③になるのは、たとえば次の売り注文が166円までない場合です。連続約定気配160円の上限は165円なので、そこに対当する注文が存在しません。

このとき「連続約定気配値段 ± 更新値幅」の値段に特別気配が表示され、以降は特買いのルールで動きます。

連買いと特買いの違い

どちらも急変を抑える制度ですが、発生する状況も、その後の進み方も違います。

  連買い(連続約定気配) 特買い(特別気配)
約定の有無 約定しながら到達する 約定せずに止まる
発生する状況 大口注文・注文の殺到 売りか買いの一方に偏った
基準 更新値幅の2倍を超える 更新値幅を超える
周知の時間 約1分 3分間隔
値段の更新 段階的な引き上げはしない 3分ごとに段階的に更新する
その後 解消しなければ特別気配へ 解消するまで更新を続ける

最大の違いは連買いは値段を段階的に引き上げないことです。1分だけ待って、決着しなければ特別気配に引き継ぎます。

気配の全体像は気配で解説しています。

板ではどう表示されるか

表示 意味
/ 連続約定気配
/ 特別気配

表示される文字は証券会社によって異なります。使っているアプリの凡例を一度確認しておくと、慌てずに済みます。

連買いが出やすい場面

この気配は、いつでも同じ確率で出るわけではありません。注文が一方向に集中する場面に偏ります。

場面 理由
材料が出た直後 決算や適時開示を見た注文が一斉に入る
寄り付き直後 前日夜のニュースを受けた注文が集中する
板が薄い銘柄 少ない株数でも更新値幅の2倍を超えてしまう
株価が低い銘柄 更新値幅が小さいため、2倍の水準に届きやすい
ストップ高へ向かう途中 買いが積み上がり、売りが引っ込む

とくに株価が低く、板が薄い銘柄では頻繁に発生します。200円未満なら更新値幅は5円しかないため、その2倍である10円はすぐに超えてしまうからです。

逆に売買代金が大きい銘柄では、多少の大口注文では板を食い切れないため発生しにくくなります。

大引け直前だけルールが変わる

2024年11月5日から取引時間が延伸され、あわせてクロージング・オークションが導入されました。

大引けまでの流れ
15:25 ザラバ(通常の売買)が終了
15:25〜15:30 プレ・クロージング(注文の受付のみ)
15:30 板寄せで終値が決まる

この5分間は注文は受け付けるが売買は成立しない時間です。そして最後の板寄せでは、更新値幅の扱いも変わります。

クロージング・オークションでの値幅は、ザラバでの最終値段における更新値幅の2倍までとされています。
つまり大引けでは、日中より大きく動く余地があります。

引け際に値が飛ぶことがあるのはこのためです。約定のタイミングを引けに寄せる場合は、この性質を踏まえてください。

連買いを見たときの注意点

注意点 内容
① 上がる合図ではない 急に買われたという事実を示すだけ。反対注文が出れば戻る
② 成行注文が危険 気配が解消された瞬間に高値で約定することがある
③ 一時的に売れない 表示中は通常の売買が止まっている
④ 理由がわからない 材料によるものか、単なる大口の注文かは板からは判断できない

②はとくに実害が出やすい部分です。「連」が出ている間に慌てて成行で買うと、想定よりかなり高い値段で約定します。値段を確定させたいなら成行注文ではなく指値を使ってください。

※ 本記事は制度の解説であり、特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

連買いに関するよくある質問

連買いが出たら株価は上がりますか?
上がるとは限りません。連続約定気配は「急に買い上がられた」という事実を示すだけで、その後の方向を保証するものではありません。反対注文が集まればその値段で約定し、通常の売買に戻ります。
連買いと特買いはどちらが強いサインですか?
強弱で比べるものではありません。連買いは約定を伴いながら急騰した状態、特買いは約定できずに買い注文が偏った状態です。特買いのほうが売買が止まっている時間は長くなりやすい傾向があります。
連買いの表示中でも注文は出せますか?
注文を出すことはできます。ただし表示されている間は通常の売買が成立しないため、約定するのは気配が解消された時点になります。そのため意図しない値段で約定する可能性があります。
1分経つと必ず解消されますか?
解消されるとは限りません。1分経過後に更新値幅の範囲内へ対当する注文があれば売買が成立しますが、無い場合は特別気配へ切り替わります。その後は3分間隔で気配が更新されていきます。
連続約定気配は値段が段階的に上がりますか?
上がりません。この点が特別気配との大きな違いです。連続約定気配は値段を引き上げずに1分間周知し、決着しなければ特別気配に引き継がれます。
更新値幅は自分で計算する必要がありますか?
通常は必要ありません。ただし価格帯ごとに値幅が決まっているため、自分が売買する銘柄の水準でどれくらいの幅なのかを把握しておくと、気配が出たときの動きを予想しやすくなります。
連売りとは何ですか?
売り下がる方向で連続約定気配が表示された状態です。連買いと仕組みは同じで、方向が逆になっただけです。板には同じく「連」と表示されます。
大引け前は連買いが出やすいのですか?
15時25分以降はクロージング・オークションとなり、注文の受付だけが行われて売買は成立しません。この時間帯はザラバとは異なる仕組みで終値が決まり、更新値幅もザラバ最終値段の2倍までとされています。

まとめ

連買いは「急に買い上がったので、1分だけ待ちましょう」という取引所からの合図です。

この記事のまとめ

・連買いとは買いの「連続約定気配」のこと
・約定しながら更新値幅の2倍を超えると表示される
・更新値幅は価格帯ごとに決まっている(200円未満なら5円)
・表示は約1分間で、その間は通常の売買が止まる
・値段の段階的な引き上げはしない
・解消しなければ特別気配(特買い)に切り替わる
・特買いは3分間隔で段階的に更新される
・表示中の成行注文は想定外の値段で約定しやすい

あわせて読みたい:特買いとは気配とは板とは歩み値とはストップ高とは寄り付きとは

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