東証上場の米国株 ETF とは?S&P500・ナスダック100 に円で投資できる銘柄一覧、米国 ETF(VOO・QQQ)との違い、税金の自動調整【2026 年版】

東証上場の米国株 ETF は、S&P500 やナスダック100 などの米国の株価指数に連動する ETF を、日本株と同じ口座・同じ取引時間(9〜15 時半)・円で売買できるようにした商品です。米国 ETF(VOO・QQQ など)を直接買うのと中身はほぼ同じですが、為替の両替が不要で、分配金の米国課税が自動で調整されるため確定申告なしで二重課税が解消されるのが大きな違いです。この記事では代表的な銘柄、米国 ETF との違い、税金の仕組み、為替ヘッジの選び方を説明します。

この用語の要点
  • 円で買え、日本株の手数料体系(多くのネット証券で売買手数料無料の対象)。為替スプレッドがかからず、1 口数千円〜数万円から。NISA 成長投資枠の対象
  • 二重課税調整(2020 年 1 月〜):国内籍の ETF は分配金の米国課税分を自動で調整するため、外国税額控除の確定申告が不要。ただし外国籍のまま東証に重複上場している銘柄(1557 など)は対象外
  • 経費率は米国 ETF より少し高い(S&P500 で 0.07〜0.1% 台、ナスダック100 で 0.2% 台。VOO は 0.03%、QQQ は 0.2%)。取引時間は日本の日中なので、米国市場の値動きは翌日の寄り付きに反映される

代表的な銘柄コード

指数為替ヘッジ銘柄(コード)
S&P500なしiシェアーズ S&P500 米国株(1655)、MAXIS 米国株式 S&P500(2558)、NEXT FUNDS S&P500(2633)、上場インデックスファンド米国株式 S&P500(1547)
ありiシェアーズ S&P500 為替ヘッジあり(2563)、上場インデックスファンド米国株式 S&P500 為替ヘッジあり(2521)
—(外国籍)SPDR S&P500 ETF(1557)=米国の SPY を東証に重複上場
ナスダック100なしNEXT FUNDS NASDAQ-100(1545)、MAXIS ナスダック100(2631)、上場インデックスファンド米国株式 NASDAQ100 為替ヘッジなし(2568)
ありMAXIS ナスダック100 為替ヘッジあり(2632)、上場インデックスファンド米国株式 NASDAQ100 為替ヘッジあり(2569)
NY ダウなしNEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株 30 種(1546)

同じ指数の ETF が複数あるのは運用会社が違うためで、中身はほぼ同じです。選ぶ基準は経費率(信託報酬)、売買代金の多さ(スプレッドの狭さ)、分配金の頻度の 3 つです。売買代金が少ない銘柄は、買値と売値の差(スプレッド)が経費率以上のコストになることがあります。指数の中身はS&P500・ナスダック100の記事を参照してください。

米国 ETF(VOO・QQQ)との違い

東証上場 ETF米国 ETF(VOO・QQQ)
通貨円ドル(円貨決済でも為替コストあり)
売買手数料日本株の体系(無料の証券会社が多い)約定代金の 0.495%(上限 22 ドル)が標準
為替コストなし片道 0〜25 銭/ドル(証券会社による)
取引時間日本時間 9:00〜15:30日本時間 22:30〜翌 5:00(夏時間)
経費率0.07〜0.25%0.03〜0.2%
分配金の米国課税自動調整(申告不要)10% 源泉徴収(外国税額控除は申告)
最低投資額1 口数千円〜1 口数万円〜(VOO は約 8 万円)
口座日本株の口座外国株式取引口座

少額から円で始めたい、確定申告をしたくない、という人には東証上場 ETF が向きます。一方、経費率の低さ、売買代金の大きさ、銘柄の豊富さ(セクター ETF や高配当 ETF など)では米国 ETF が上です。米国 ETF の基本はVOO・VTI・QQQ の違いを参照してください。

値動きの見え方も違います。東証上場 ETF は日本の日中に取引されるため、前夜の米国市場の値動きとその日のドル円の動きを織り込んだ価格で寄り付きます。米国市場が開いている時間帯には売買できないので、決算発表直後の値動きに反応したい人には向きません。

税金:二重課税調整で確定申告が不要になる

米国 ETF の分配金は、米国で 10% が源泉徴収されたあと日本で 20.315% がかかり、二重課税を解消するには外国税額控除の確定申告が必要です。国内籍の東証上場 ETF は 2020 年 1 月から「二重課税調整」の対象になり、ETF が米国で払った税金の分だけ日本の源泉徴収額が自動で減らされます。投資家は何もしなくても二重課税が解消され、手取りは日本の税率 20.315% だけを引いた額に近づきます。

商品米国課税日本課税二重課税の解消
国内籍の東証上場 ETF(1655・2558 など)ETF 内で負担20.315%(自動調整後)自動
外国籍の重複上場 ETF(1557)10%20.315%確定申告が必要
米国 ETF(VOO・QQQ)10%20.315%確定申告が必要

1557(SPDR S&P500)は米国籍の SPY をそのまま東証に上場した銘柄なので、二重課税調整の対象外です。円で買える点は同じですが、税金の扱いは米国 ETF と同じになります。NISA 口座では日本の税金がかからないため、二重課税調整の有無は関係ありません(ETF 内で負担する米国課税分は NISA でも戻りません)。売却益の税金は日本株と同じ 20.315%、損益通算も日本株・米国株と同じグループです。詳しくは外国税額控除と米国株の税金の全体像を参照してください。

為替ヘッジあり・なしの選び方と、買うときの注意

東証上場 ETF には同じ指数の「為替ヘッジあり」版があります。ヘッジありはドル円の変動を打ち消す代わりに、日米の金利差(2026 年時点で年 3% 前後)がコストとして毎年引かれます。10 年以上の積立ではヘッジなし、数年以内に円で使う資金や円高を見込む人はヘッジあり、が基本の分け方です。詳しくは為替ヘッジあり・なしを参照してください。

買うときの注意は 3 つです。1 つ目は寄り付き直後と引け間際を避けること。マーケットメイカーの気配が薄い時間帯はスプレッドが広がります。2 つ目は成行より指値。売買代金の少ない銘柄では成行注文が不利な価格で約定することがあります。3 つ目は基準価額(iNAV)との乖離。ETF の市場価格は需給で基準価額から離れることがあり、証券会社の画面や運用会社のサイトで iNAV を確認してから注文すると、割高な価格で買うのを避けられます。

東証上場 ETF は日本株の口座で買えるため、外国株式取引口座の開設は不要です。米国 ETF を直接買う場合との手数料・為替コストの差は、コスト&配当手取りシミュレーターで証券会社ごとに確認できます。

東証上場の米国株 ETFに関するよくある質問

東証上場の S&P500 ETF と VOO はどちらがよいですか?
円で少額から買い、確定申告をしたくないなら東証上場 ETF(1655・2558 など)です。経費率の低さと売買代金の大きさでは VOO が上です。長期で大きな金額を運用するなら経費率の差が効いてきます。
分配金の米国の税金は戻りますか?
国内籍の東証上場 ETF は二重課税調整の対象なので、米国課税分は自動で調整され、確定申告は不要です。外国籍の重複上場銘柄(1557)は対象外で、米国 ETF と同じく外国税額控除の申告が必要です。
NISA で買えますか?
成長投資枠で買えます。一部の銘柄はつみたて投資枠の対象にもなっています(対象は金融庁の一覧で確認)。NISA では売却益・分配金とも日本の税金がかかりません。
取引時間が日本の日中だと不利ですか?
米国市場が開いている時間帯には売買できないため、決算直後の値動きに反応したい人には向きません。長期の積立なら、前夜の米国市場とドル円を織り込んだ価格で買うだけなので不利はありません。

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執筆:(Pacific Stock 編集長・専業投資家歴20年)
銘柄コードと連動指数は日本取引所グループの ETF 一覧、経費率は各運用会社の公表値(2026 年 9 月時点、概数)、二重課税調整は 2020 年 1 月施行の税制改正(投資信託等の外国税額控除の自動調整)にもとづきます。個別の商品性は目論見書で確認してください。 本記事は情報提供を目的とし、特定の銘柄・証券会社の売買や口座開設を推奨するものではありません。当サイトは証券会社の口座開設等によりアフィリエイト報酬を得る場合がありますが、比較の順位や数値には影響しません。最終更新 2026-09-28。

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