車・バイクの株主優待12選|100株の実質利回りランキング2026年版

2026年9月時点で、100株で車やバイクに使える株主優待は12社ありました。そのうち買った年から額面が確定して受け取れるのは、4社です。

このテーマは、額面をそのまま足すと実質利回りが100%を超えます。バイク王&カンパニー(3377)は投資額38,500円に対して券の額面が40,000円。計算すると103.90%です。ただし126cc以上のバイクを買わないと、1円も使えません。

この記事は株主優待を出している1,653社を1社ずつ確認して作りました。額面のうち「車やバイクを買わなくても使える分」だけを算入して並べています。データはすべて2026年9月時点のもので、次に当てはまるものは外しています。

外したもの 理由
車やバイクの購入が前提の割引券 買わなければ1円も使えない。額面には入れず、別の章で扱う
継続保有が条件のもの 買った年にはもらえない。カー用品店の多くがここに入る
「◯%割引」だけの優待 キーパーLABOの20%割引など。使う金額で得する額が変わる
抽選・応募制の優待 確実にもらえない。ホンダとトヨタのイベント招待が該当
まだ始まっていない優待 豊田合成(7282)は2027年3月からの実施予定

車・バイクの株主優待を出している企業は33社ありましたが、上記の条件で調べると、買った年から車やバイクの費用に使えて額面が確定した優待を受け取れるのは4社となった形です。

この記事でわかること

買った年から使える全4社を1社ずつ解説
額面を全部足すと利回りが100%を超えるという、このテーマの落とし穴
・機械判定で該当した13社のうち、車に使えるのは3社だけだった内訳
・車やバイクを買うなら価値が変わる2社
カー用品店の優待は継続保有が条件という6社の一覧
自動車部品メーカー9社のうち8社の優待はクオカードなどの金券だったという集計
・優待と配当を合わせた総合利回りを計算できるツール

※ この記事は制度とデータの解説であり、特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。優待の内容は変更されることがあるため、購入前に各社のIR情報で確認してください。

今回のランキングの決め方

今回の順位に関しては以下の条件のもとで計算してランキング化した形です。

項目 条件
銘柄数 株主優待を出している1,653社を1社ずつ確認
株数 100株(最低単元)でもらえるものだけ
保有期間 買ったその年からもらえるものだけ
優待の性質 車やバイクにかかる費用に使えて、額面が円で明記されているもの
実質利回り 年間の額面 ÷(株価×100株)×100
株価 2026年9月1日の終値

33社を機械的に判定したあと、利回りが高い順に1社ずつ内容を読み直しています。判定の内訳は次のとおりです。

判定 社数 扱い
額面が円で書かれている 13社 上から順に目視で検算
継続保有が条件 12社 買った年はもらえない
内容が特定できない 6社 個別に読み直して振り分け
「◯枚」としか書かれていない 1社 利回りが出せないため対象外
抽選・申込・記念 1社 確実にもらえないため除外

他の株主優待サイトの一覧と最も違うのは、券の額面をそのまま合計していない点です。このテーマは額面を全部足すと利回りが100%を超えますが、その大半は車やバイクを買わないと1円も使えません。買わなくても使える分だけを額面に入れています。

買った年から使える車・バイクの優待株4選

該当した全4社を実質利回りの高い順に並べています。すべて100株・買った年からもらえる・額面が円で確定しているという条件を満たしています。

銘柄(コード) 投資額 年間の額面 実質利回り 権利確定
① VTホールディングス(7593) 53,700円 10,000円 18.62% 9月
② アップガレージグループ(7134) 137,300円 3,000円 2.18% 3月
③ 中央自動車工業(8117) 222,300円 2,000円 0.90% 3月
④ トヨタ自動車(7203) 313,300円 500円 0.16% 3月

機械的な判定では「額面が円で書かれている」の区分に13社が入りました。しかし1社ずつ読み直すと、車やバイクに使えるのは3社だけでした。

判定 社数 銘柄
クオカードなどの金券だった 6社 小田原機器・カネミツ・東京ラヂエーター製造・エッチ・ケー・エス・西川ゴム工業・デイトナ
車やバイクに使えた 3社 アップガレージグループ・中央自動車工業・トヨタ自動車
金額に換算できない 1社 トピー工業の交通傷害保険
新車の購入が前提 1社 日産自動車の株主紹介特典
まだ始まっていない 1社 豊田合成は2027年3月からの実施予定
買った年はもらえない 1社 ニッタは「3年未満保有株主 優待品はありません」と明記

ここにVTホールディングス(7593)を加えた4社が、上の一覧です。同社は選択制の記載があるため機械判定では「要目視」に入っていましたが、読み直したところ車検券が確実に届くと確認できました。

🔴 ニッタ(5186)は注意が必要な書かれ方をしています。「3年未満保有株主 優待品はありません」と明記されており、買った年どころか3年目までは何も届きません。金額だけを拾うと1,200円相当の優待があるように見えます。

【1位】VTホールディングス(7593)18.62%

53,700円で年10,000円分
プライム/小売業 権利確定:9月 継続保有の条件なし

愛知県を地盤に、国内とニュージーランドで自動車ディーラーを展開する会社です。9月末の株主に4種類の優待券がまとめて届きます。

🔴 この銘柄は「額面をどこまで数えるか」で利回りが4倍変わります。券の額面を全部足すと40,000円で、投資額53,700円に対して74.49%になります。ただし30,000円のほうは新車か中古車を買わないと1円も使えません。

この記事では車検時利用優待券の10,000円だけを算入して18.62%としました。車検は車を持っていれば必ず来る出費なので、車を買い増さなくても使えるためです。ほかにレンタカー20%割引の5回利用券と、キーパーLABOの20%割引券も付きます。配布は12月初旬、有効期限は翌年12月31日です。

【2位】アップガレージグループ(7134)2.18%

137,300円で年3,000円分
スタンダード/小売業 権利確定:3月 継続保有の条件なし

カー用品とバイク用品の中古買取・販売を手がける会社です。3月末の株主にアップガレージ商品券3,000円相当が届きます。

🔴 使うには店頭で合計3,000円(税込)以上を購入する必要があります。ウェブからの購入には使えません。タイヤやホイール、バイク用品を3,000円ぶん買って、そこに3,000円の券を充てる形です。

今回の一覧では、カー用品そのものに使える額面としては最も分かりやすい優待です。贈呈は毎年6月中旬。なお300株以上の区分には1年以上の継続保有条件が付きますが、100株にはこの条件がありません。

【3位】中央自動車工業(8117)0.90%

222,300円で年2,000円分
スタンダード/卸売業 権利確定:3月 継続保有の条件なし

社名のとおり自動車関連の卸売業で、東証スタンダードに上場しています。3月末の株主に2,000円相当の優待品が届きます。

3年以上保有すると3,000円相当に増えます。継続保有の条件は付いておらず、買った年から2,000円相当を受け取れます。

🔴 品目は事前に公表されていません。毎年6月の定時株主総会が終わったあとに案内が送られる形です。中身を先に知りたい場合は、会社のIRページで前年の優待品を確認してください。

【4位】トヨタ自動車(7203)0.16%

313,300円で年500円分
プライム/輸送用機器 権利確定:3月 継続保有の条件なし

国内最大の自動車メーカーです。3月末の株主にTOYOTA Wallet の残高500円相当が付与されます。

保有期間で金額が変わる設計で、1年以上で1,000円相当、3年以上で3,000円相当になります。今回は買った年にもらえる500円で計算しているため、実質利回りは0.16%にとどまります。

🔴 受け取りにはTOYOTA Walletアプリのインストールと顧客情報の登録が必要です。アプリを入れなければ受け取れません。このほか、レース観戦ペアチケットなどの抽選にも応募できます。

額面をそのまま足すと利回りが100%を超える

このテーマで最初に注意したいのがここです。券の額面を単純に合計すると、他のどのテーマでも見ない数字が出ます。

銘柄(コード) 投資額 券の額面の合計 額面どおりの利回り 中身
① バイク王&カンパニー(3377) 38,500円 40,000円 103.90% バイク購入30,000円割引 + メンテパック10,000円割引
② VTホールディングス(7593) 53,700円 40,000円 74.49% 新車・中古車購入券30,000円 + 車検券10,000円

バイク王&カンパニー(3377)は103.90%、VTホールディングス(7593)は74.49%。数字だけ見れば、優待利回りとしては異常な水準です。

この数字が成立しない理由は単純で、どちらも「買わないと使えない」からです。

券の中身 いつ使えるか 額面への扱い
新車・中古車購入時利用優待券 30,000円(7593) 車を買ったときだけ 算入しない
車検時利用優待券 10,000円(7593) 車検のとき。車を持っていれば必ず来る 算入した
レンタカー20%割引 5回利用券(7593) 割引率のみ。使う金額で得する額が変わる 算入しない
キーパーLABO 20%割引券(7593) 割引率のみ 算入しない
バイク購入30,000円割引(3377) 126cc以上のバイクを買ったときだけ 算入しない
メンテナンスパック10,000円割引(3377) 単独では使えないと明記されている 算入しない

🔵 線引きは「車やバイクを買い増さなくても使えるか」に置きました。車検は、車を持っている人にとって避けられない出費です。だから車検券10,000円だけを算入し、VTホールディングスの実質利回りを18.62%としています。

この考え方は、割引券の株主優待10選で「◯円ごとに◯円割引」型を分けたのと同じです。額面を受け取るために自腹が必要な優待は、額面どおりの価値になりません。

車やバイクを買うなら価値が変わる2社

逆に言えば、買う予定がある人にとっては、これらの券は額面どおりの価値になります。

銘柄(コード) 投資額 内容 権利確定
① 日産自動車(7201) 31,760円 株主紹介特典。新車を購入した場合のみ5,000円相当(株主本人の購入なら10,000円相当) 3月・9月
② バイク王&カンパニー(3377) 38,500円 126cc以上のバイク購入で1台あたり30,000円割引/メンテナンスパック加入10,000円割引 11月

バイク王&カンパニー(3377)は投資額が31,760円です。126cc以上のバイクを買う予定があるなら、株を持っておくだけで30,000円が引かれます。投資額より割引額のほうが大きいという、めずらしい関係になります。

🔴 日産自動車(7201)の株主紹介特典は性質が違います。制度を利用して新車を購入した場合にだけ、紹介した株主と購入者の双方にデジタルカタログギフトが贈られる仕組みです。株主本人が購入した場合は10,000円相当になります。車を買わない年には何も届きません。

VTホールディングス(7593)の新車・中古車購入券30,000円も、この枠に入ります。車を買い替える年に合わせて株を持っておく、という使い方であれば額面がそのまま効きます。

カー用品店の優待は継続保有が条件になっている

オートバックス、イエローハット、キーパーLABO。名前を知っているカー用品・カーケアの企業は、いずれも継続保有を条件にしていました。

銘柄(コード) 投資額 もらえるもの 条件
① オートバックスセブン(9832) 156,900円 グループVポイント 1,000ポイント(1pt=1円分) 1年以上
② 本田技研工業(7267) 169,200円 イベント招待・割引クーポン 応募制・抽選
③ イエローハット(9882) 177,800円 買物割引券300円×10枚(年20枚)+ウォッシャー液引換券 1年以上
④ ヤマハ発動機(7272) 189,600円 株主優待ポイント 1,000ポイント(3年以上で3,000ポイント) 1年以上
⑤ パーク24(4666) 200,800円 カーシェアeチケット 2枚(3年以上で3枚、5年以上で4枚) 1年以上
⑥ KeePer技研(6036) 333,500円 キーパーLABO 20%割引券+VTHD新車・中古車購入券30,000円相当 半年以上

🔴🔴 イエローハット(9882)は条件が新しくなります。2026年3月末以降の基準日からは、継続保有1年以上の株主が贈呈の対象になると明記されています。買った年には届きません。

🔵 パーク24(4666)だけは、買った年から受け取れるものがあります。カーシェアeチケットは1年以上の保有が条件ですが、「タイムズカー入会特典」として入会後3か月間の月額基本料金が無料になる特典には、保有期間の条件が付いていません。ただしこれは新たに入会する人向けの特典で、4か月目からは月額880円が発生します。

KeePer技研(6036)は半年以上の保有で、VTホールディングス店舗で使える新車・中古車購入優待券30,000円相当がもらえます。1社の株で2社ぶんの購入券が手に入る形になりますが、こちらも車を買わなければ使えません。

🔴 本田技研工業(7267)は保有期間ではなく応募制です。1年未満の保有でもカーシェア割引クーポンなどに応募できますが、応募者が多い場合は抽選になります。確実に受け取れる優待ではありません。

自動車部品メーカー9社のうち8社の優待は金券だった

ここがこのテーマで最も意外だった点です。自動車部品のメーカーは優待を出している会社が多いのですが、その中身は車と関係のない金券がほとんどでした。

銘柄(コード) 投資額 もらえるもの 権利確定
① ヨロズ(7294) 91,400円 株主優待商品またはQUOカード 1,000円相当 3月
② 小田原機器(7314) 131,000円 QUOカード 2,000円相当 12月
③ カネミツ(7208) 131,900円 QUOカード 500円相当(1年以上で1,000円相当) 3月
④ ムロコーポレーション(7264) 135,500円 QUOカードまたはAmazonギフト券 500円相当 3月
⑤ 東京ラヂエーター製造(7235) 155,900円 QUOカード 500円相当 3月
⑥ エッチ・ケー・エス(7219) 253,000円 QUOカード 1,000円相当(3年以上で3,000円相当) 8月
⑦ トピー工業(7231) 308,000円 交通傷害保険の付保(3年以上でQUOカード500円相当) 3月・9月
⑧ 西川ゴム工業(5161) 370,000円 QUOカード 500円相当 3月
⑨ デイトナ(7228) 404,000円 プレミアム優待倶楽部ポイント 500pt(2年目以降1,000pt) 12月

9社のうち8社が、クオカード・ギフト券・ポイントのいずれかです。タイヤやホイールの割引券、オイル交換の無料券といったものは、1社もありませんでした。

🔵 理由は事業の形にあります。部品メーカーは自動車メーカーへ部品を納める会社であって、個人に商品を売る窓口を持っていません。自社製品を配ろうにも、株主が使える形の商品が存在しないという事情があります。

🔵 唯一の例外がトピー工業(7231)です。ホイールなどを手がける会社で、株主に交通傷害保険を付保するという優待を出しています。交通事故によるけがが対象で、疾病は対象外。死亡・後遺障害は最高100万円、入院特約は1日3,000円と案内されています。車に関係する優待という点では、部品メーカーの中でこの1社だけです。

🔴 「自動車関連株の優待だから車に使える」とは限りません。クオカードが目当てならクオカード優待株10選のほうが選択肢は広くなります。

買った年にはもらえない12社がある

車・バイクの優待では、継続保有を条件にしている企業が12社ありました。これは今回の33社のうち約36%にあたります。

書かれ方 意味
【1年未満保有】1,000円 /【1年以上保有】3,000円 買った年から1,000円分もらえる
【1年以上保有】3,000円相当 買った年はもらえない
【初年度】3,000円 /【2年目以降】3,500円 買った年から3,000円分もらえる
備考に「◯年以上継続保有した株主に限る」 内容欄ではなく備考にしか書かれていないことがある

見分け方は「未満」または「初年度」という言葉があるかどうかです。「1年未満保有」や「初年度」という区分が用意されていれば、買った年から何かはもらえます。「1年以上保有」しか書かれていなければ、初年度は対象外です。

🔴 この分野では、実店舗を持つカー用品・カーケアの企業がすべてここに入ります。オートバックスセブン(9832)、イエローハット(9882)、KeePer技研(6036)、パーク24(4666)、ヤマハ発動機(7272)。買ってすぐの権利確定日には届きません。仕組みは長期保有優遇とは?で詳しく解説しています。

権利確定月は3月と9月に集中している

車・バイクの優待を出している33社の権利確定月を数えると、3月と9月に偏っています。

権利確定月 社数 分布
3月 20社 ■■■■■■■■■■■■■■
9月 9社 ■■■■■■
12月 4社 ■■■
8月 2社
11月 1社
10月 1社
6月 1社
2月 1社

3月と9月だけで、のべ29社に達します。この2か月に買いが集中するため、権利付最終売買日に向けて株価が上がり、権利落ち日に下がる動きが出やすくなります。

今回の4社では、VTホールディングス(7593)の9月末が3月を避けた選択肢になります。バイク王&カンパニー(3377)の11月末、パーク24(4666)の10月末、ヤマハ発動機(7272)とデイトナ(7228)の12月末も、権利確定を分散させたいときの候補です。いつ買えばよいかは権利確定日とは?で整理しています。

ほかの車・バイク優待を探す

今回の記事で扱ったのは該当した4社です。残りの銘柄は投資額や権利確定月で絞り込めるようにしてあります。

条件で絞り込む

100株で買える株主優待の検索ページ
優待の種類・投資額・権利確定月・業種で絞り込めます。
このテーマには専用のカテゴリがありません。業種の絞り込みで「輸送用機器」を選ぶと、自動車まわりの企業が並びます。

投資額を10万円以下に限定したい場合は投資金額10万円以下の株主優待、100株に届かない資金で始めたい場合は単元未満株でもらえる株主優待もあります。

自分の条件で総合利回りを計算する

株価は毎日動くので、この一覧の利回りも日々変わります。いま検討している銘柄の数字を入れて計算できるツールを置いておきます。配当も合わせた総合利回りが出ます。

株主優待の総合利回り計算ツール

株価と優待額を入れると、優待利回り・配当利回り・その合計を同時に計算します。数値を変えるとその場で計算し直します。





投資額 53,700円
年間の優待額 10,000円
年間の配当額(税引前) 2,000円
優待利回り 18.62%
配当利回り 3.72%
総合利回り 22.35%

優待と配当を合わせた総合利回りが3%を超えると、高めの水準にあたります。

※ 優待利回り=年間の優待額÷投資額×100 / 配当利回り=1株あたり配当×株数÷投資額×100
※ 配当は税引前です。実際には約20.315%が源泉徴収されます。優待の金額換算は自分にとっての価値で見積もってください。

初期値はVTホールディングス(7593)の株価と、車検時利用優待券の10,000円だけを入れてあります。配当は自分で調べた数字に置き換えてください。新車・中古車購入券の30,000円を足すと利回りは74%を超えますが、それは車を買う年にだけ成立する数字です。

車・バイクの優待で失敗する4つの理由

ここまで実質利回りで並べてきましたが、この数字だけで銘柄を選ぶと外します。理由は4つあります。

理由① 優待は企業の判断でいつでも廃止できる

株主優待は法律で義務づけられた制度ではありません。企業が「やめます」と発表すればその時点で終わります。

今回調べた1,653社のうち、優待の廃止や見送りを開示していた企業が11社ありました。直近では2026年8月24日にコンヴァノ(6574)、2026年2月13日にザ・パック(3950)が廃止を開示しています。

この分野では「継続保有の条件が後から追加される」変更に注意が必要です。イエローハット(9882)は、2026年3月末以降の基準日から継続保有1年以上を条件にすると明記しています。いま買った年からもらえる銘柄でも、翌年から条件が付く可能性があります。開示のタイトルに「拡充」とあっても、本文に保有期間の要件が足されていることがあります。

理由② 実質利回りは株価が下がると自動的に上がる

実質利回りは「年間の額面 ÷ 投資額」で計算します。優待の金額は固定なので、株価が下がるほど利回りは自動的に上がります。

株価 投資額(100株) 10,000円の券の利回り
1,074円 107,400円 9.31%
537円 53,700円 18.62%
268円 26,800円 37.31%

VTホールディングス(7593)が18.62%になっているのは、車検券が高額だからというより、投資額が53,700円と小さいからです。株価が半分になれば、利回りは倍に見えます。

優待をもらうために、株価の下落でそれ以上を失っては意味がありません。利回りが極端に高い銘柄を見つけたときは、まず「なぜ株価がここまで下がっているのか」を業績で確認してください。

理由③ 使える店が決まっている

車・バイクの優待に固有の問題がこれです。クオカードは全国のコンビニで使えますが、これらの優待券は特定の店でしか使えません。

銘柄(コード) 使える場所
VTホールディングス(7593) 同社グループのディーラー・車検工場
アップガレージグループ(7134) アップガレージの店頭のみ。ウェブ購入には使えない
オートバックスセブン(9832) オートバックスグループ各店
イエローハット(9882) 商品引換券はイエローハット店舗のみ
KeePer技研(6036) キーパーLABO店舗
バイク王&カンパニー(3377) バイク王で126cc以上を購入したときだけ

近くに店がなければ、額面は価値になりません。とくにVTホールディングスは地域によって店舗の有無が分かれます。買う前に、自分の生活圏にその店があるかを地図で確認してください。

車・バイクの優待で確認しておくこと

車やバイクを買わなくても使える券か(購入前提の券は買わない年には0円)
使える店が生活圏にあるか
車検は2年に1回。毎年届く券を毎年使えるとは限らない
④ 継続保有の条件が付いていないか(カー用品店はほぼ全社が条件付き
⑤ 有効期限(VTホールディングスは12月初旬配布・翌年12月31日まで

🔴 ③は見落とされがちです。新車は初回3年、それ以降は2年ごとが車検の基本的な周期です。車検券が毎年届いても、使える機会は数年に一度ということになります。実際に受け取る価値は、計算上の数字より小さくなります。

理由④ 優待は原則として課税の対象になる

株主優待は税務上、原則として雑所得として扱われます。「優待は非課税」という説明を見かけることがありますが、正確ではありません。

給与所得者の場合、給与以外の所得の合計が年20万円以下であれば確定申告が不要という基準があります。優待だけで年20万円を超えることはまれなので、結果として申告不要になっている人が多い、というのが実態に近いです。

ただし他に副収入がある場合は合算で判定されます。また住民税には20万円の基準がないため、自治体によって扱いが異なります。優待の金額換算は優待利回りとは?でも触れています。

車・バイクの株主優待に関するよくある質問

車やバイクに使える株主優待は何社ありますか
この記事では12社を扱っています。買った年から額面が確定して受け取れるのが4社、車やバイクの購入が前提の券が2社、継続保有や応募が条件のものが6社です。今回の候補は全部で33社ありました。
VTホールディングスの実質利回りが18%を超えるのはなぜですか
投資額が53,700円と小さいところに、車検時利用優待券10,000円が付いているためです。なお同社は新車・中古車購入券30,000円も配っており、額面を全部足すと74.49%になりますが、そちらは車を買わないと使えないため算入していません。
バイク王の優待は本当に40,000円ぶんもらえるのですか
券の額面としては30,000円と10,000円の2枚です。ただしどちらも126cc以上のバイクを購入したときにしか使えず、10,000円のメンテナンスパック割引は単独では利用できないと明記されています。バイクを買う予定がない年には価値になりません。
オートバックスセブンやイエローハットの優待はもらえますか
もらえますが、買った年には届きません。オートバックスセブン(9832)は1年以上の継続保有でグループVポイント1,000ポイント、イエローハット(9882)も2026年3月末以降の基準日から継続保有1年以上が条件になります。
トヨタやホンダの優待は何がもらえますか
トヨタ自動車(7203)は3月末の株主にTOYOTA Walletの残高が付与されます。1年未満の保有でも500円相当が対象で、1年以上で1,000円相当、3年以上で3,000円相当に増えます。本田技研工業(7267)はイベント招待や割引クーポンですが、応募制で応募者多数の場合は抽選になります。
自動車部品メーカーの優待は車に使えますか
ほとんど使えません。買った年からもらえる部品メーカー9社のうち8社は、クオカードやギフト券などの金券でした。部品メーカーは自動車メーカーへ納める事業なので、個人が使える商品を持っていないという事情があります。例外はトピー工業(7231)の交通傷害保険です。
車検の優待券は毎年使えますか
新車は初回3年、それ以降は2年ごとが車検の基本的な周期です。券が毎年届いても、使える機会は数年に一度になります。実際に受け取る価値は、計算上の実質利回りより小さくなると考えてください。VTホールディングス(7593)の券は12月初旬配布・翌年12月31日までが有効期限です。
権利確定日の直前に買っても優待はもらえますか
権利付最終売買日までに買えばもらえます。これは権利確定日の2営業日前です。ただしこの分野は継続保有が条件の銘柄が多く、33社のうち12社が該当します。仕組みと費用はクロス取引とは?で解説しています。

まとめ

車・バイクの株主優待を、額面のうち「買わなくても使える分」だけで整理しました。額面をそのまま足すと利回りが100%を超えてしまう、という点が要点です。

この記事のポイント

・車やバイクに使える優待を100株で出しているのは12社(候補は33社)
・そのうち買った年から額面が確定して受け取れるのは4社
額面を全部足すとバイク王は103.90%。ただし126cc以上を買わないと使えない
・線引きは「車やバイクを買い増さなくても使えるか」に置いた
オートバックス・イエローハット・キーパーはすべて継続保有が条件
部品メーカー9社のうち8社の優待は金券。例外はトピー工業の交通傷害保険だけ
車検は数年に一度。毎年届く券を毎年使えるとは限らない

車・バイクの優待は、額面の大きさより「買わなくても使えるか」と「近くに店があるか」で価値が決まります。買い替えの予定がある年に合わせて持つ、という考え方をすると数字の見え方が変わります。

他の種類の優待と比べたい場合は割引券の株主優待10選クオカード優待株10選ポイントの株主優待10選、条件で絞り込みたい場合は100株で買える株主優待の検索ページをご覧ください。

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