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グロース投資とは

グロース投資(読み方:ぐろーすとうし)

 

グロース投資とは、成長性が高いと期待できる銘柄に投資する手法のことです。
成長株投資やグロース株投資とも呼ばれています。

また、グロース投資は「投資信託」などの運用手法としても使われています。
このような手法で運用されている投資信託を「グロースファンド」といいます。

グロース投資についてもう少しわかりやすく説明すると、毎年売上高や利益が増加し、今後もその増加が続くだろうと期待できる銘柄に投資することです。

グロース投資では、株価の割安性はあまり重視せず、企業の成長性を重視して投資します。
そのため、株価の割安性を判断する「PER」や「PBR」が割高を示す場合でも、成長性が高いと期待できる銘柄であれば積極的に投資が行われます。

ちなみに、株価の割安性を重視する投資手法を「バリュー投資」といいます。

 

グロース投資メモ

・グロース投資とは、成長性が高いと期待できる銘柄に投資する手法のこと
・株式投資だけでなく、投資信託などの運用手法としても使われている
・このような手法で運用されている投資信託を「グロースファンド」という
・グロース投資は株価の割安性はあまり重視しない
・企業の成長性が高いと期待できる場合は積極的に投資する

 

グロース投資の対象になる銘柄とは

グロース投資の対象になる銘柄は、企業の売上高や利益が増加し、今後もその成長が期待できる銘柄となります。
このような銘柄を「成長株」や「グロース株」といいます。

それでは、具体的にグロース株とはどういう銘柄を指すのでしょうか。

単純に成長している(増収増益が続いている等)銘柄を指すこともありますが、一般的に「市場平均よりも成長性が高いと期待できる銘柄」を指しています。
簡単に言うと業績の伸びが大きかったり、売上高や利益が今後も大きく増加すると期待できる銘柄です。
売上高や利益が伸びている場合でも、過去と比較して伸び率が縮小している場合は、成長が鈍化していると判断されるのでグロース株とは言えません。

売上高や利益の大きさは業種等によって異なることもあるので、市場平均だけでなく同業他社と比較したりすることも大切です。

また、グロース株は配当利回りが低かったり、配当金がないことが多いです。
これは利益を配当に回さずに事業に再投資する企業が多いからです。
再投資に資金を回すことで、企業は更なる成長を続けることができ、将来的に株価の上昇により株主に報いることができると考えられています。

つまり、グロース投資では「インカムゲイン」は期待できないものの、「キャピタルゲイン」として大きなリターンを狙える可能性があります。

他には、グロース株は将来の成長性を見込んで買われるので、大きな利益がなくても株価が高くなっている銘柄は沢山あります。
ですからPER」や「PBR」などで株価水準を測ると、基本的には高めの水準にあることが多いです。

 

グロース投資メモ

・グロース投資の対象になる銘柄を「成長株」や「グロース株」と言う
・市場平均よりも成長性が高いと期待される銘柄が対象となる
・配当利回りが低かったり、株価が比較的高いといった特徴がある

 

グロース投資でよく使われる指標とは

グロース投資で銘柄を探す際によく使われる指標は色々とあります。
ですが、株式市場には多くの銘柄が上場しているので、1つ1つ確認するのは非常に大変です。

そこでグロース投資でよく使われる指標を使って「スクリーニング」を行います。
スクリーニングとは、自分が設定した条件で銘柄を検索できる機能のことです。
検索したい指標と数値を設定するだけで、条件にあった銘柄のみを絞り込むことができます。

グロース投資でよく使われる指標として、次のようなものがあります。

・ROE
・売上高変化率
・過去3年平均売上高成長率
・経常利益変化率
・自己資本比率
・時価総額

簡単にどのような指標であるのかを紹介します。

ROE

ROE」とは、自己資本利益率ともいい、企業が自己資本をどれだけ効率的に運用して利益を生み出しているかを表した指標です。

ROEが高いほど「株主が投資したお金を使って効率よく稼いでいる会社」と判断できます。

一般的に、10%を超えると良いとされています。
ただ、業種によって平均値が異なるため、目安も多少変わってきます。
例えば、製造業は平均値が低く、IT業などは平均値が高くなる傾向にあります。

この点も踏まえて投資判断をするようにしましょう。

売上高変化率

「売上高変化率」とは、売り上げの変化を見るための指標です。
過去と現在の売上高を比較して、売り上げが伸びているか、伸びているのならどの程度の伸びがあるのか、などを判断することができます。

楽天証券やSBI証券では「前年度比」「3年前年度比」「5年前年度比」「前年同四半期比」の変化率を確認できます。

例えば、今年の売上が100万円、去年の売上が50万円だった場合。

{(100万円-50万円)/ 50万円 }× 100 = 100

「前年度比100%増」の変化があったことが分かります。
つまり、過去と比較して現在の売上高は増加しており、企業は成長していると判断できます。

売上高に関する指標として、他には「売上高成長率」や「過去3年平均売上高成長率」などもあります。
「売上高成長率」は直近決算期の売上高に比べて、今期の売上高はどれくらい成長するのかを予想する指標となります。
「過去3年平均売上高成長率」は年平均成長率を用いて過去3年の売上高の成長率を表したものです。

基本的に、数値が高いほど売上高が大きく増加している、または大きな増加が予想されるという見方ができます。

経常利益変化率

「経常利益変化率」とは、経常利益の変化を見るための指標です。
経常利益とは、簡単に言うと企業が通常の営業活動で得た利益のことです。

基本的なところは「売上高変化率」と同じで、過去と現在の経常利益を比較して、利益が伸びているか、伸びているのならどの程度の伸びがあるのか、などを判断することができます。

売上高がいくら伸びていても、利益を出せていないとあまり意味がありません。
ですから「売上高変化率」だけでなく「経常利益変化率」も見て、どちらも同じように伸びているか確認することが大切です。

どちらも同じように伸びているのなら成長していると考えることができますが、どちらか一方が伸び悩んだりしていると成長が鈍化していたり、コストにより経営が圧迫されている可能性などもあります。

自己資本比率

自己資本比率」とは、総資本に対する自己資本の比率を示すもので、資本構成から会社の安全性を測る指標となります。
自己資本は簡単に言うと返済の必要がない資金のことで、自己資本の比率が大きいほど自己資本比率は高くなります。

一般的に自己資本比率が高いほど「倒産しにくい会社」と言われています。

どのような投資手法を使うにしても、会社が倒産してしまったら意味がありませんので、自己資本比率で会社の安全性を測ることも大切となります。

1つの目安として「20~50%で普通」、「50%超」で優良企業とされています。
20%未満は改善が必要で、低ければ低いほど倒産リスクが高まるので注意しましょう。

時価総額

時価総額」とは、間単に言うと企業の価値を表す金額となります。
【 株価×発行済み株式数 】で算出することができます。
一般的に株価が上昇している銘柄ほど時価総額は高く、上昇していない銘柄ほど時価総額は低くなります。

つまり、時価総額が低い企業ほど、株価の上昇余地が大きいかもしれないと考えることができます。
グロース株は数年で数倍以上になることもよくあるので、時価総額が低い銘柄を選ぶのもポイントの1つです。

ただ、時価総額の低さのみで選ぶのは危険です。
時価総額が低い銘柄には業績が悪く、倒産リスクが高いような銘柄もあります。

時価総額の低い銘柄から選ぶ場合は、まずは売上高や利益、自己資本比率やROEで絞り込んだ上で選ぶのが良いでしょう。

 

このようにグロース株を探すときは様々な指標が活用されており、複数の指標を組み合わせて使うことで細かく絞込みが可能です。
上記の他には「PEGレシオ」や「PSR」などの指標が使われることもあります。

また、売上高や利益などを見るときは、直近1年だけでなく、過去数年分の推移を見て成長性を判断することが大切です。

各指標の目安についても、あくまでも一般的に使われるとされる目安となります。
グロース株といっても明確な基準があるわけではないので、指標や各数値については色々と試したりして、自分の投資スタイルにあったものを確立するようにしましょう。

グロース投資のメリット

グロース投資の最大のメリットは「大きなリターンを期待できる」ところです。

例として、2020年に大きな上昇を見せた2銘柄のチャートを見ていきましょう。

まずは【4488】AI insideです。

 

 

AI insideは、1月初めに年初来安値11,800円をつけていますが、その後は株価は右肩上がりとなっており、11月16日は年初来高値96,000円をつけています。
1年足らずで株価は約8倍まで成長しており、最低単元株の保有で約840万円の利益です。

 

次に【4477】BASEです。

 

 

BASEも株価を大きく伸ばした銘柄の1つです。
3月に年初来安値774円をつけていますが、10月8日に年初来高値17,240円をつけました。
1年足らずでなんと約22倍の上昇となり、最低単元株の保有でも約160万円の利益です。

AI insideの最低単元株と同等の金額で投資をしていた場合(約120万円で1500株を投資していた場合)は約2,470万円の利益になっていたことになります。

全てのグロース株がこのように大幅な上昇を見せるとは限りませんが、このように大きなリターンを得られる可能性があるところはグロース投資の大きな魅力になるでしょう。

グロース投資のデメリット

グロース投資は大きなメリットがある一方で以下のようなデメリットもあります。

・配当金が少ない、または無配当
・大きな損失を被ることがある

1つ目は配当金が少ない、または無配当である点です。

前述したようにグロース株となる企業は、利益を配当に回さずに事業への再投資に回すことも多いです。
そのため、配当金が少なかったり、企業によっては無配当のところもあります。
将来的に株価が大きく上昇する可能性がある一方で、配当金目的の投資には向かないというデメリットがあります。

次に大きな損失を被るおそれがあるという点です。
グロース投資の対象になる銘柄は、将来の成長を見込んで買われています。
つまり、先回りした買いが沢山入っているので株価は高いことが多いです。

そのため、企業の成長性が止まったり、停滞すると今まで買われていた反動もあり、一気に売られて急落するおそれもあります。

初動で買っていた場合は利確すれば良いですが、高値付近で買ってしまったりすると大きな損失を被ることがあります。

ですからグロース投資を行う場合は、値下がりリスクについてもしっかりと考えておくようにしましょう。

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