経済指標とは何か?わかりやすく解説

経済指標とは

経済指標(読み方:けいざいしひょう)

 

経済指標とは、その国の経済状況を数値化したものです。

各国の公的機関・団体によって発表され、日本だけで見ても、生産や消費に関するもの・企業の過去の動向から将来の見通しに関わるものなど、様々な経済指標があります。

各国それぞれの雇用や物価・景気・金融政策など、経済状況を構成する要因を数値化したものであることから、経済指標は株式市場・為替市場関係者は常に注目している指標となっています。

経済指標は株やFXといった資産運用においては相場に大きな影響を与えるものです。
各経済指標が何を表しているのかを読み解くことで、将来の価格の方向性を予想する際に役立ちます。(経済状況に応じて相場が変化するため)

 

経済指標メモ

・経済指標とは、その国の経済状況を数値化したもの
・経済指標は各国の公的機関、団体によって発表される
・経済指標には雇用・物価・景気・金融政策など、様々なものがある

 

経済指標一覧

経済指標は各国共通のものから日本だけ、米国だけの経済指標など、実に様々です。

中でも大枠的なところでは次の4つが重要だといえます。

・景気
・雇用
・生産
・消費

踏まえて、日本の主な経済指標をわかりやすく一覧にまとめると以下の通りです。

日本の経済指標一覧

指標種類 名称
景気 GDP(国内総生産)
景気動向指数
日銀短観(全国企業短期経済観測調査)
雇用 完全失業率
生産 鉱工業指数(鉱工業生産指数)
消費 CPI(消費者物価指数)
企業物価指数

次に、それぞれの指標が何を表しているものなのかと合わせて、どのような見方をするべきなのか(経済指標の見方)を簡潔に解説していきます。

GDP(じーでぃーぴー)

GDPとは日本語で国内総生産と呼ばれ、Gross Domestic Productの略です。
日本国内において一定期間内に生産された付加価値の合計のことを指します。

各自GDP・実質GDPの2種類があり、簡単にいうと各自GDPから物価変動(インフレ・デフレなど)の影響を除いたものが実質GDPとなります。

日本のGDPは、まず速報値を出し、その後の統計から改定値を出す第1次速報・第2次速報といった発表形式になっています。(第1次速報での未発表統計を第2次速報で発表)

日本の場合、内閣府が年に4回発表します。
米国のGDPはBEA(商務省経済分析局)が年4回の発表を行います。

GDPの見方

GDPの見方として重要なポイントは次の3つです。

・各自GDPと実質GDPの違い
・経済成長率
・国内総支出

まず、各自GDPと実質GDPの違いをきちんと把握することです。

以下の例から読み進めください。

例)
2019年は50円のマスクが10万枚売れた

2019年度の各自GDPは50円×10万枚=500万円

2019年度と同様に2020年も10万枚のマスクが売れた

2020年はマスクの価格が上昇し、50円→100円となった

物価上昇により、2020年度の各自GDPは1,000万円となる

端的に、各自GDPと実質GDPにはインフレ・デフレといった物価変動の影響を含んでいるかどうかの違いがあります。

・各自GDP…市場取引価格に基づいて算出
・実質GDP…各自GDPから物価変動の影響を省いて算出

つまり、実質的にどれくらい経済が成長したのかを見る場合、実質GDPのほうを見るべきだということになります。

上記例の場合、2019年よりも2020年の各自GDPのほうが数字が高いですが、「物価変動によって各自GDPが伸びた」だけで実質GDPは変わりません。

次に、経済成長率についてですが、GDPの伸び率のことを経済成長率といいます。
GDPが前年比・前四半期においてどれくらい増減したのかを以下の算出方法でパーセントで示されます。

経済成長率の計算式
各自経済成長率(%)=(今年の各自GDP-去年の各自GDP)÷去年の各自GDP×100
実質経済成長率(%)=(今年の各自GDP-去年の各自GDP)÷去年の各自GDP×100

3つめのポイント、国内総支出の内訳には

・個人消費
・住宅投資
・設備投資
・在庫投資
・公共投資

などがありますが、例えば景気が好調だとしても、それが個人消費が伸びたからなのか・設備投資の伸びが下支えとなったからなのか等、GDP統計から把握することが重要です。

 

景気動向指数(けいきどうこうしすう)

景気動向指数とは、文字通り日本の景気動向を示す経済指標のことです。
簡単にいうと、景気の現状や方向性を判断するための指標で、内閣府が毎月公表しています。

景気動向指数にはCI(コンポジット・インデックス)と、DI(ディフュージョン・インデックス)の2つがあります。

CI…景気動向の変化の大きさ・テンポ(量感)を示す
DI…景気動向の変化の方向性を示す

CIとDIにはそれぞれ以下の3つの指数があります。

・先行指数…景気に対し先行して動く
・一致指数…景気に対しほぼ一致して動く
・遅行指数…景気に対して遅れて動く

従来の景気動向指数はDIを中心としていましたが、2008年4月分以降はCIを中心とした発表形態に移行しています。
理由としては、近年は景気変動の大きさを把握することがより重要となっていることからだといわれています。

しかし、DIも景気動向の方向性を把握するために重要な指標であることに変わりはありません。

景気動向指数の見方

景気動向指数の見方については【景気動向指数とは何か?わかりやすく解説】をご参考ください。

 

日銀短観(にちぎんたんかん)

日銀短観とは、日本銀行が実施する統計調査「全国企業短期経済観測調査」の略称です。

全国企業短期経済観測調査
調査対象:国内の資本金2,000万円以上の企業
調査内容:業績・設備投資や雇用状況

日本銀行が年4回発表している日銀短観は、日本の経済指標の中で最も代表的で注目度が高く、日本のみならず海外でも利用されている経済指標だといわれています。

日銀短観のほか「短観」ともいわれたり、海外では「TANKAN」として認知されています。

日銀短観の見方

日銀短観の見方については【日銀短観とは何か?わかりやすく解説】をご参考ください。

 

完全失業率(かんぜんしつぎょうりつ)

完全失業率とは、文字通り完全失業率をパーセントで表したものです。

具体的には、15歳以上の労働力人口(働く意欲のある人)のうち、仕事を探しても就業することができない人の割合で、総務省が労働力調査として毎月公表しています。

完全失業率の見方

例えば2020年3月の完全失業率は2.5%でしたが、前年同月など過去比較が基本的な見方だといえます。

【参考】完全失業率の求め方

完全失業率は

完全失業率=完全失業者÷労働力人口×100

で求められます。

・労働力人口(働く意欲のある人)…6,876万人
・完全失業者…176万人

の場合、完全失業率は2.5%

 

鉱工業指数(こうこうぎょうしすう)

鉱工業指数(鉱工業生産指数)とは、日本の鉱工業・製造業の動向を示す統計を指数で表したものです。

日鉄鉱業(1515)や住石ホールディングス(1514)などの企業が鉱工業に該当します。
鉱工業の生産や出荷・在庫などの状況を示す指数であり、GDPで鉱工業の割合は約2割(鉱工業関連も含めると約4割)を占めていることから、重要な経済指標の1つとされています。

鉱工業指数は経済産業省が毎月公表しています。

鉱工業指数の見方

鉱工業指数は日本の鉱業・製造業の動向を示す指数ではありますが、数量の変動のみを表すものです。(価格の変動は除く)

鉱工業指数の基本的な見方を箇条書きにまとめると、次のように考えられます。

・上昇率
・平均上昇率
・比較(前月比や前年同月比)
・移動平均
・年率
・上昇寄与率と寄与度
・景気変動と在庫動向

 

CPI(しーぴーあい)

CPIとは消費者物価指数のことで、消費者が購入する生活用品・サービスの価格変動を示す指数となっています。

純粋な価格変化を測定することを目的として、総務省が毎月公表しています。

ただ、世帯の生活様式、趣味・嗜好の変化などの原因となる購入商品の種類や品質、数量の変化に伴う生活費の変動を測定するものではないということは注意点となります。

CPIの見方

消費者物価指数の見方として、ここでは変化率について解説します。

例えば、前月比として当月指数を前月の指数と比べた変化率は

となりますが、商品の出回りの変化による季節的な変動も含まれている点には注意が必要です。

また、当月の指数を前年の同じ月と比べた変化率は

となり、1年前と今年の同じ月の比較となるので季節的な変動要因を考える必要がなく、当月までの1年間の物価変動を見るのに便利です。

次に、当年1月から12月の平均指数を前年の年平均指数と比較した変化率は

となり、1年間の物価の動きを見ることができます。

その他、より詳しくは【消費者物価指数とは何か?わかりやすく解説】をご覧ください。

 

企業物価指数(きぎょうぶっかしすう)

企業物価指数とは、 企業間で取引されるモノ(商品)の価格に焦点をあてた物価指数です。
企業物価指数と消費者物価指数の違い
消費者物価指数は消費者が普段購入している商品・サービスの価格に焦点を当てた物価指数なので、調査の目的や対象範囲が異なります。(消費者か企業か)
企業物価指数は日本銀行が年に4回公表しています。

企業物価指数の見方

企業物価指数は以下の3つの基本構成となっています。

・国内企業物価指数
・輸出物価指数
・輸入物価指数

企業物価指数=国内の企業間で取引される商品の価格を示している国内企業物価指数を指しているのが一般的です。

国内企業物価指数の総平均指数のほか、参考指標となる「需要段階別・用途別指数」の「消費財指数」などを併せて利用することが望ましいということが、日本銀行の企業物価指数に関するFAQ(よくある質問)には書かれています。

 

経済指標メモ

・経済指標は主に景気、雇用、生産、消費からそれぞれに指標がある
・各経済指標の見方は、それぞれ何を表しているのかを把握したうえでの見方をする

 

おすすめの経済指標カレンダー

様々な経済指標がありますが、指標結果の速報やスケジュール(週間・月間等)をカレンダー形式でチェックすることができるのが経済指標カレンダーです。

経済指標カレンダーは、Yahooファイナンス(Y!ファイナンス)や証券会社のマーケット情報などでチェックすることができます。

何を重要視するのかは個人差があるかと思いますが、

・カレンダー(日別・月別)
・国選択
・経済指標の重要度

など、誰でも簡単な操作で絞込み検索までできるYahooファイナンスの経済カレンダーは総合的におすすめではないかといえます。

おすすめの経済指標アプリ

iphone(App Store)やAndroid(Google play)で利用できる経済指標アプリには、FX・為替に特化したファイナンス系のものやニュース系アプリまで様々なものがあります。

以下、無料で利用できるものの中からいくつかピックアップしてみました。
※順不同

アプリ名 対象
Tradays — FX経済指標カレンダーとニュース Android
経済指標|経済ニュース|FX Android
新・羊飼いのFX!経済指標&通知アプリ iphone / Android
TradingView - FX、株価チャート iphone / Android
GMOクリック FXneo iphone / Android

 

経済指標メモ

・経済指標カレンダーや経済指標アプリは自身の環境はもちろん、見やすさなど「どの指標をどんな形で見たいのか」好みの形で表示できるものが好ましい
スポンサーリンク
おすすめの記事