単元未満株とは、1単元(通常100株)に満たない株式のことです。1株から99株までがこれにあたります。

数万円の資金でも有名企業の株主になれるため、少額投資の入口として使われています。ただし通常の株式取引とは、注文方法も権利の内容も違います。

とくに大きいのが指値注文ができないことと、議決権がないことです。この2点を知らずに買うと、思った価格で約定しない、株主総会の案内が来ないといった戸惑いにつながります。

この記事でわかること

・単元未満株が発生する4つの原因
・1株から買えるサービスと、証券会社ごとの呼び名
・通常の取引と違う3つの点(注文方法・約定タイミング・権利)
・議決権・株主優待・配当はどうなるか
・株式分割などで発生したときの3つの処分方法
・NISAで使えるかどうか

単元未満株とは?まず結論から

単元未満株(読み方:たんげんみまんかぶ)

単元未満株とは、1単元に満たない株式のことです。国内の上場株式は2018年10月に売買単位が100株へ統一されているため、実務上は1株から99株までが単元未満株にあたります。

「S株」「ワン株」「プチ株」「かぶミニ」など、証券会社によって呼び名が違いますが、指しているものは同じです。「ミニ株」「端株」と呼ばれることもあります。

単元株(100株)
通常の取引
指値・成行が使える
議決権あり・優待の対象
単元未満株(1〜99株)
制限あり
成行のみ・約定は1日数回
議決権なし・優待は対象外が多い

同じ会社の株でも、単元に届くかどうかで扱いが変わる

売買単位そのものについては単元株で解説しています。

単元未満株が発生する4つの原因

意図して買う場合だけでなく、持っているうちに発生することもあります。

原因 具体例
単元未満株サービスで買った 1株ずつ買い増していく積立など
株式分割 1株を1.5株に分割 → 100株が150株になり50株が端数
株式併合・組織再編 併合比率や合併の交換比率で端数が出る
相続・持株会からの引出し 分割相続や従業員持株会の残高がそのまま移る

2つ目の株式分割は見落とされやすいパターンです。分割そのものは資産価値に影響しませんが、割り切れない比率だと端数が残ります。

1株から買えるサービス

単元未満株の買付に対応している主なネット証券と、その呼び名です(2026年8月時点)。

証券会社 サービス名
SBI証券 S株
楽天証券 かぶミニ
マネックス証券 ワン株
auカブコム証券 プチ株

選ぶときに比べるべき点は3つあります。

サービスを比べるときの3点

手数料とスプレッド:買付手数料が無料でも、売却時の手数料や基準価格への上乗せ(スプレッド)がある場合がある
約定のタイミング:1日1回か、前場・後場の複数回か。リアルタイム取引に対応しているかどうか
取扱銘柄の範囲:全銘柄か、対象銘柄が限定されているか

手数料の条件は各社で頻繁に変わります。買付は無料でも売却時に費用がかかる設計もあるため、申し込む前に必ず公式サイトの最新の料金体系を確認してください。

通常の取引と何が違うか

ここが最も重要な部分です。単元未満株には3つの制約があります。

① 指値注文ができない
原則として成行注文のみ。「1,000円になったら買う」という指定ができないため、約定価格を自分で決められない。
② 約定のタイミングが決まっている
注文してすぐ約定するのではなく、1日に決められた回数のタイミングでまとめて処理される。注文から約定までに株価が動く。
③ 信用取引には使えない
担保にもできず、クロス取引のような手法にも使えない。

①と②があるため、短期の売買には向きません。値動きを取りにいく用途ではなく、長期でこつこつ買い増していく使い方が前提の仕組みです。

板の状況を見ながら売買する通常の取引との違いは、気配の記事とあわせて読むと理解しやすくなります。

議決権・株主優待・配当の扱い

株主としての権利も、単元に届くかどうかで変わります。

権利 単元未満株 補足
配当金 受け取れる 保有株数に応じて按分される
株式分割 対象になる 分割比率どおりに株数が増える
議決権 ない 株主総会で投票できない
株主優待 対象外が多い 100株以上を条件とする会社が大半

配当が受け取れる点は見落とされがちですが重要です。1株でも保有していれば、株数に応じた配当を受け取れます。

一方、株主優待は100株以上が条件の会社がほとんどです。ただし1株から優待を実施する会社も存在します。優待狙いで単元未満株を買う場合は、その会社の優待条件を必ず先に確認してください。少額から狙える優待は少額優待でまとめています。

なお、議決権がないため、単元未満株は総議決権数の計算からも除かれます。この関係は持株比率で扱っています。

単元未満株を処分する3つの方法

株式分割などで意図せず発生した場合、通常の売買では処分できません。次の3つから選びます。

方法 内容 価格の決まり方
買取請求 発行会社に買い取ってもらう 請求が到達した日の終値。指定はできない
買増制度 不足分を買い足して単元株にする 同上。会社が制度を採用している場合のみ
証券会社で売却 単元未満株サービスで売る 約定タイミングの株価。成行のみ

判断の順番はこうなります。

どれを選ぶか

今後も持ち続けたい → 買増制度で単元株にする(通常の売買ができるようになる)
手放したい → 口座のある証券会社で売却(手続きが最も簡単)
証券会社が対応していない → 発行会社へ買取請求
配当だけ受け取りたい → そのまま保有(配当は受け取れる)

いずれの方法でも価格を指定できないため、売却額を最大化したいなら、株価水準を見て請求のタイミングを選ぶことになります。

NISAで単元未満株は買えるか

買えます。NISAの成長投資枠では、多くの証券会社が単元未満株の買付に対応しています。

少額から分散投資できるため、資金が限られている場合には相性のよい組み合わせです。ただしNISA口座では損益通算ができない点は通常の取引と同じです。

配当を非課税で受け取るには、受取方法を株式数比例配分方式にしておく必要があります。この設定を忘れると課税されてしまうため、配当金の記事で確認しておいてください。

制度の全体像はNISAでまとめています。

単元未満株のメリットと注意点

メリット 注意点
数千円から有名企業の株主になれる 指値注文ができず約定価格を選べない
少額で複数の銘柄に分散できる 約定タイミングが限られ即時に売れない
配当は株数に応じて受け取れる 議決権がなく株主優待も対象外が多い
積立の設定ができる証券会社もある 手数料やスプレッドが相対的に割高になりやすい

最後の点は金額が小さいほど効いてきます。数千円の買付で数十円のコストがかかれば、負担率は決して小さくありません。買付回数を増やしすぎないことも、実質的なコスト管理になります。

※ 本記事は制度の解説であり、特定の証券会社や銘柄を推奨するものではありません。サービス名・手数料・約定タイミング・取扱銘柄は変更されることがあります。記載は2026年8月時点の情報であり、実際のお取引にあたっては各証券会社の公式サイトで最新の条件をご確認ください。

単元未満株に関してよくある質問

単元未満株でも配当はもらえますか?
もらえます。1株でも株主であることに変わりはないため、保有株数に応じた配当を受け取れます。100株なら1万円、1株なら100円といった按分になります。NISA口座で非課税にするには、受取方法を株式数比例配分方式に設定しておく必要があります。
単元未満株で株主優待はもらえますか?
100株以上を条件とする会社が大半のため、通常はもらえません。ただし1株から優待を実施している会社もあります。優待を目的とする場合は、その会社が定める必要株数を先に確認してください。単元未満株を買い増して100株にすれば、通常どおり対象になります。
なぜ指値注文ができないのですか?
単元未満株は取引所の立会市場で売買されるのではなく、証券会社が相対で取引に応じる形をとっているためです。注文を集約して決められたタイミングで処理するため、株価を指定して待つ仕組みになっていません。この制約があるため、短期売買には向きません。
株式分割で50株の端株が出ました。どうすればいいですか?
3つの選択肢があります。買増制度で50株を買い足して100株にする、証券会社の単元未満株サービスで売却する、発行会社に買取請求する、のいずれかです。今後も保有するつもりなら買増して単元株にするのが最も使い勝手がよくなります。配当は受け取れるため、そのまま保有する選択もあります。
単元未満株を100株集めたら通常の株になりますか?
なります。同一銘柄で100株に達すれば1単元として扱われ、指値注文や議決権行使ができるようになります。株主優待の条件も満たします。1株ずつ買い増して単元株にする使い方は、少額から始める方法として一般的です。
買取請求と証券会社での売却はどちらが得ですか?
どちらも価格を指定できないため、決定的な差は手数料と手続きの手間になります。証券口座で保有しているなら、その証券会社の単元未満株サービスで売却するのが簡単です。買取請求は発行会社の株主名簿管理人を通す手続きが必要で、時間もかかります。
単元未満株は信用取引の担保になりますか?
なりません。信用取引の代用有価証券として使えるのは単元株です。単元未満株そのものを使った信用取引もできないため、優待クロスのような手法にも利用できません。あくまで現物の少額投資の手段と考えてください。
ミニ株と単元未満株は同じものですか?
ほぼ同じ意味で使われますが、厳密には異なります。かつてのミニ株は単元の10分の1単位で売買する仕組みを指していました。現在は1株単位で売買できるサービスが主流で、証券会社が独自の名称を付けています。端株は1株に満たない持分を指す言葉として使い分けられることもあります。

まとめ

この記事のまとめ

・単元未満株は1単元(100株)に満たない株式。1〜99株が該当する
・株式分割や併合、相続、持株会からの引出しでも発生する
指値注文ができず、約定タイミングも限られるため短期売買には向かない
配当は受け取れるが、議決権はなく株主優待も対象外が多い
・処分方法は買取請求・買増制度・証券会社での売却の3つ
・NISAの成長投資枠でも買える

単元未満株は、少額から始めたい人にとって有効な選択肢です。ただし「安く買えるから有利」なのではなく、注文方法と権利に制約がある代わりに少額で参加できる仕組みだと理解して使ってください。

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