株式併合とは何か?わかりやすく解説

株式併合とは

株式併合(読み方:かぶしきへいごう)

 

株式併合とは、発行済み株式数を減らすために、複数の株式を1株にまとめることです。
10株を1株にするケースもあれば、5株を1株にするようなケースもあります。
10株を1株に統合する場合は「10:1」、5株を1株にする場合は「5:1」といったように併合比率で表記されることもあります。

具体的に数字を出して説明すると、株式併合前後では以下のように変化します。
※「10:1」の株式併合の場合

株式併合前
発行済み株式数:1,000,000株
1株あたりの株価:100円
時価総額:100,000,000円
株式併合後
発行済み株式数:100,000株
1株あたりの株価:1,000円
時価総額:100,000,000円

株式併合後、発行済み株式は減少します。
株主である場合は、保有株が減少するということです。
しかし理論上の資産価値に影響を与えることはありません。
会社の価値は変わらないので、上記のように理論上の株価は上昇するからです。
たとえば、1株100円の株式を「10:1」で株式併合をするのなら、【1株100円×10株=1株1,000円】となり、理論上は株式併合前の10倍になります。

 

株式併合メモ

・株式併合とは複数の株式を1株にまとめること
・株主の場合は保有株数が減少することになる
・しかし併合比率により株価も修正されるので理論上資産価値に影響を与えることはない

 

株式併合の目的

株式併合は様々な目的をもって行われています。

1つ目は株価を適正価格にするためです。
株価が低いと投資家からあまり良いイメージを持たれないですし、投機の対象にもなりやすいです。
そのため株式併合を行って理論上の株価を引き上げ、株価の適正化を図ることがあります。

また、東京証券取引所等の取り組みで、現在の売買単位は100株に統一されていますが、2018年10月以前は1,000株単位の企業なども数多くありました。
これらの企業が売買単位を変更する際、株式併合により株価の調整を行うことも多かったです。
株価水準については、東京証券取引所等が望ましい投資単位として「5万円以上50万円未満」と明示しているものがあります。

2つ目は発行済株式総数を適正水準に戻すために実施することもあります。
企業は資金を調達するために「増資」を行ったり、流動性を高めるために「株式分割」を行うことがあります。これらは発行済株式総数を増加させてしまいます。
そのため、過剰になり過ぎた場合などに調整する目的で株式併合を行うことがあります。

他には企業再編や買収等を行うときに株式併合することもあります。
これは少数株主を排除する目的で行われることが多く、株式併合を行って株主の権利を消滅させて、強制的に買い上げてしまうものです。
株主併合は理論上の資産価値に影響を与えることはありませんが、株主の権利については消滅してしまうこともあります。
詳しくは株式併合のメリット・デメリットで説明します。

このように株式併合は様々な目的をもって行われることがあります。

株式併合のメリット・デメリット

株式併合には様々なメリットやデメリットがあります。
それぞれ順を追って確認していきましょう。

株式併合のメリット

株式併合のメリットは「コスト削減」や「少数株主を排除できる」などがあります。

企業にとって株主の増加は喜ばしいことですが、それなりの管理コストや経費がかかります。
そのため、株式併合により発行済み株式数を減少させて、株主を減らすことがあります。
これにより今までかかっていた株主優待や配当金、株主総会への召集通知等のコストを削減できるようになるので、企業側には大きなメリットになります。

少数株主を排除できる点も企業側にとってのメリットになります。
少数株主排除とは、スクイーズアウトともいい、大株主が少数株主の株式を強制的に買い上げるものです。
スクイーズアウトが行われると少数株主は株主の権利を失うことになり、最終的に大株主や企業が時価の資産価値で買い上げることになります。
これは大株主と少数株主が対立したり、確実な買収等を行う際に利用されます。

他には株価が適正価格になるという点もあります。
これは目的でも紹介しましたが、株価の安い「いわゆる低位株」は投機の対象になりやすいです。
投機の対象は、既存の株主・企業にとってはあまり好ましいものではありません。
そのため、株価の引き上げにより適正価格になる点もメリットの一つといえます。

株式併合のデメリット

株式併合のデメリットは「投資単価の上昇」や「株主の権利を一部失ってしまう可能性」などが挙げられます。

投資単価の上昇は、低位株であれば投機の対象になりづらくなったり、マイナスイメージを払拭できるというメリットがあります。
しかし今までの最低投資金額よりも高くなってしまうので、投資家からすると参入しづらくなってしまうデメリットがあります。
参入する投資家が減るということは、流動性の低下を招くことでもありますから、投資単価の上昇はデメリットになります。

他には株主の権利を一部失ってしまう可能性もあります。
理由は株式併合により「単元未満株」になってしまうからです。
単元未満株になってしまうと、株主の議決権が認められなくなるので、これは株主にとって大きなデメリットになります。
また、株主優待も単元以上(100株以上)で設定されていることも多く、単元未満株になってしまった場合は株主優待も受け取ることができなくなります。
ただ、単元未満株であっても配当金を受け取る権利は認められています。

このように株式併合には様々なメリットとデメリットがあり、株主に与える影響も大きなものとなっています。

 

株式併合メモ

・株式併合を行うことでコスト削減ができ、企業には大きなメリットになる
・少数株主を排除できるというメリットもあり、これにより確実な買収等を行うことができる
・投資家にとっては投資単価が上昇するので新規参入しづらくなったり、株主の権利を失ってしまう可能性というデメリットがある

 

株式併合による株価の動向

株式併合は、理論上、会社の価値に変化はありません。
そのため、資産価値に影響はないとされています。

しかし、株式併合の発表・実施による株価への影響は少なからず起こるものです。
株価の動向はケースバイケースとなっているため、一概には言えませんが、どちらかと言えば下落するケースが多いです。

もともと株式併合は、業績が低迷している企業が行うケースが多いです。
株価の引き上げやコスト削減など目的は様々ありますが、業績が低迷している以上、投資家にとってはあまり良い印象は与えません。
そのため、さらに売り圧力が強まるケースがあります。

また、デメリットでも紹介したように、株式併合は投資単価(最低投資金額)が上昇します。
そのため、新規の投資家は参入しづらくなり、新たな買い手が減少してしまうことになります。
そうなると結果的に買い支えが無くなってしまい、株価の下落につながります。

しかし必ずしも悪材料になるとは限りません。

中には「株価の適正化」や「発行済株式総数の調整」を評価した買いが入り、株価の上昇につながるケースもあります。
企業の状態等や目的等によっても異なるものですから、株式併合銘柄を売買する際はそのあたりも確認するようにしましょう。

 

株式併合メモ

・株式併合による株価の動向は下落することが多い
・もともと業績が低迷している企業が行うことが多いから
・ただ、中には好材料となって株価の上昇につながるケースもある

 

株式併合の注意点

株式併合の注意点として、以下のものが挙げられます。

・単元未満株について
・信用取引について

株式併合が行われると「単元未満株」が発生するケースもあります。
たとえば、100株保有しているときに、「2:1」の併合があると保有株は50株となってしまいます。
単元未満株になってしまうと通常の取引では売買できなくなってしまうので、買取請求をしたり、単元株に戻す為に買増制度を利用することになります(証券会社によっては単元未満株売買サービスを提供しているところもあります)。
買取請求は利用している証券会社を通じて行うことができますが、買増制度は証券会社や発行会社によって利用できる場合とできない場合があります。

他には信用取引を利用している場合も注意が必要です。
利用する証券会社によって違いはありますが、株式併用後は継続して信用建玉を保有することができないケースもあります。
何も知らずに保有していて、強制執行になってしまった、ということが無いように気をつけるようにしましょう。

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