年2回もらえる株主優待10選|100株の実質利回りランキング2026年版

株主優待は年に1回届くものだと思われがちですが、半年ごとに2回届く銘柄があります。権利確定日を本決算と中間決算の年2回に設定している企業です。

株主優待を出している1,653社を1社ずつ確認したところ、100株の優待で権利確定が年2回あるのは325社ありました。そのうち買った年から受け取れて、金額が「◯◯円」と明記されているものを実質利回りで並べています。

年2回の優待には、読み間違えやすい点がひとつあります。内容欄に書かれた金額は、多くの場合「1回あたり」です。年間ではその2倍になります。この記事ではすべて年間の合計額に直して比べています。

外したもの 理由
ナイル(5618) 「定額カルモくん」に申込みをした株主が対象。基準日ごとに利用できるのは1名のみ
ニチリョク(7578) 額面30,000円は「堂内陵墓購入の販売価格優待」。お墓を買わないと使えない
ジェリービーンズグループ(3070) 備考に「クーポンの利用は、商品ご購入価格の50%が上限」。額面ではなく割引券
地域新聞社(2164) 1万円以上購入で使える3,000円引き割引券」。購入額に連動する
ユナイテッド&コレクティブ(3557) 1回の会計金額1,000円ごとに1枚(500円割引)」。購入額に連動する
日産自動車(7201) 株主紹介特典。新車を買うか、買う人を紹介しないと何も届かない
ラクサス・テクノロジーズ(288A) ブランドバッグのサブスク料金への充当。契約が前提

額面の数字が大きく出ていても、追加の支払いが必要なものは外しています。年2回の優待は割引券の形をとることが多く、「◯円以上の購入で1枚」という条件が付いているものが少なくありません。

この記事でわかること

・権利確定が年2回ある優待325社から選んだ実質利回り上位10社
・内容欄の金額は「1回あたり」であることが多く、年間では2倍になること
・「(年間◯円相当)」と併記してくれる企業とそうでない企業があること
・権利確定月の組み合わせで最も多いのは3月・9月(175社)
・もらえる回数と、継続保有を数える回数が一致しない銘柄があること
・買った年にはもらえない47社があること
・優待と配当を合わせた総合利回りの計算ツール

※ この記事は制度とデータの解説であり、特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。優待の内容は変更されることがあるため、購入前に各社のIR情報で確認してください。

今回のランキングの決め方

今回の順位に関しては以下の条件のもとで計算してランキング化した形です。

項目 条件
調べた銘柄数 株主優待を出している1,653社を1社ずつ確認
株数 100株(最低単元)でもらえるものだけ
回数 権利確定日が年2回あるものだけ(325社)
保有期間 買ったその年からもらえるものだけ
優待の性質 「◯◯円」と金額が明記されていて、購入額に連動しないもの
金額 1回あたりではなく年間の合計額に直して比較
実質利回り 年間の額面 ÷(株価×100株)×100
株価 2026年9月1日の終値

325社を機械的に判定したあと、利回りが高い順に1社ずつ企業の開示文を読み直しています。判定の内訳は次のとおりです。

判定 社数 扱い
「◯◯円」と金額が明記されている 138社 上から順に目視で検算
継続保有が条件 47社 買った年はもらえない
内容が特定できない・選択制 62社 個別に読み直して振り分け
「◯枚」としか書かれていない 57社 金額が出せないため対象外
「◯%割引」としか書かれていない 15社 使う金額で変わるため対象外
抽選・申込・記念 6社 確実にもらえないため除外

他の株主優待サイトの一覧と最も違うのは、1回あたりの金額と年間の金額を必ず区別している点です。年2回の優待を年1回の優待と並べるときは、年間に揃えないと比較になりません。

年2回もらえる株主優待10選

年間の合計額で計算した実質利回りの上位10社です。すべて100株・買った年から受け取れる・年2回届くという条件を満たしています。

銘柄(コード) 投資額 1回あたり 年間の額面 実質利回り 権利確定
① フィスコ(3807) 8,700円 6,600円 13,200円 151.72% 6月、12月
② ジーイエット(7603) 4,100円 1,000円 2,000円 48.78% 2月、8月
③ マーキュリー(5025) 58,300円 12,000円 24,000円 41.17% 2月、8月
④ 関門海(3372) 22,000円 2,000円 4,000円 18.18% 3月、9月
⑤ 山喜(3598) 16,700円 1,000円 2,000円 11.98% 3月、9月
⑥ AFC-HDアムスライフサイエンス(2927) 86,900円 5,000円 10,000円 11.51% 2月、8月
⑦ メディア工房(3815) 42,900円 2,000円 4,000円 9.32% 2月、8月
⑧ ワタミ(7522) 94,900円 4,000円 8,000円 8.43% 3月、9月
⑨ ANAPホールディングス(3189) 12,100円 500円 1,000円 8.26% 2月、8月
⑩ ストライダーズ(9816) 25,400円 1,000円 2,000円 7.87% 3月、9月

1位の利回りが151%を超えているのは、株価が87円まで下がっているためです。優待が手厚いという意味ではありません。

ここは先に強調しておきたいところです。利回りが高い銘柄が、良い銘柄とは限りません。利回りの高さは「優待が手厚い」ではなく「株価が安い」ことの裏返しである場合が多く、なかには優待そのものを取りやめる企業もあります。その見分け方は記事の後半で整理しています。

【1位】フィスコ(3807)151.72%

8,700円で、1回6,600円分 × 年2回 = 年13,200円分
グロース/情報・通信業 権利確定:6月、12月 クラブフィスコのIPOナビ(リミテッド)無料クーポン

フィスコの優待は、同社が運営する「クラブフィスコ」のIPOナビを1か月間無料で使える権利です。1回6,600円相当で、権利確定が6月末と12月末の年2回あるため、年間では13,200円相当になります。

投資額8,700円に対して年13,200円相当なので、利回りは151%を超えます。ただしこれは株価が87円まで下がっていることが最大の理由です。優待が手厚くなったわけではありません。

IPOの情報を実際に使う人にとっては額面どおりですが、使わない人にとってはゼロに近くなります。年2回という点でいえば、半年ごとに1か月ぶんの利用権が届くので、間隔をあけて2回使う形になります。

【2位】ジーイエット(7603)48.78%

4,100円で、1回1,000円分 × 年2回 = 年2,000円分
スタンダード/小売業 権利確定:2月、8月 買物優待券

ジーイエットは衣料品店を展開する企業で、優待はマックハウスやアウトレット-J、NAVYなどで使える買物優待券です。2月末と8月末の年2回、1回1,000円相当が届きます。

この銘柄は内容欄に「1,000円相当(年間 2,000円相当)」と、企業側が年間の金額まで書いています。年2回の優待では、この書き方をしてくれる企業のほうが親切です。

投資額が4,100円と、今回でもっとも少ない資金で買えます。ただし株価が41円まで下がった結果でもあります。使えるのは自社グループの店舗だけなので、近くに店舗がなければ額面どおりの価値になりません。

【3位】マーキュリー(5025)41.17%

58,300円で、1回12,000円分 × 年2回 = 年24,000円分
グロース/情報・通信業 権利確定:2月、8月 「Realnetマンションサーチ」利用クーポン

マーキュリーの優待は、不動産情報サービス「Realnetマンションサーチ」を6か月間無料で使えるクーポンです。1回12,000円相当で、2月末と8月末の年2回あるため年間24,000円相当になります。

6か月ぶんが年2回なので、実質的に1年をまるごと無料で使える形になります。マンションの価格や相場を調べるサービスなので、住み替えや購入を検討している時期には実用的です。

利用にはインターネットに接続できる環境が必要です。額面は大きいものの、マンションを調べる予定がなければ使い道はありません。

【4位】関門海(3372)18.18%

22,000円で、1回2,000円分 × 年2回 = 年4,000円分
スタンダード/小売業 権利確定:3月、9月 株主優待券

関門海はふぐ料理店「玄品」を運営する企業です。優待は株主優待券で、3月末と9月末に1回2,000円相当ずつ、年間4,000円相当が届きます。

半年ごとに届くので、季節を変えて2回使えるのが年2回の優待の利点です。ふぐは冬の食材という印象がありますが、同店は通年で営業しています。

投資額は22,000円で、実質利回りは18%を超えます。店舗のある地域に住んでいるかどうかで価値が大きく変わる優待です。近隣に店舗があるかを先に確認してください。

【5位】山喜(3598)11.98%

16,700円で、1回1,000円分 × 年2回 = 年2,000円分
スタンダード/繊維製品 権利確定:3月、9月 自社直営店 買物優待券

山喜はワイシャツを手がける企業で、優待は自社直営店で使える買物優待券です。3月末と9月末に1回1,000円相当ずつ、年間2,000円相当になります。

内容欄には「1,000円相当(年間 2,000円相当)」と書かれています。年2回の優待では、この「(年間◯円相当)」という併記があるかどうかで読み間違いが防げます。

投資額16,700円に対して年2,000円相当なので、利回りは11%を超えます。ワイシャツを定期的に買い替える人であれば、額面どおりに使い切りやすい優待です。

【6位】AFC-HDアムスライフサイエンス(2927)11.51%

86,900円で、1回5,000円分 × 年2回 = 年10,000円分
スタンダード/食料品 権利確定:2月、8月 株主優待割引券

AFC-HDアムスライフサイエンスは健康食品と化粧品の会社です。100株では複数の優待から選べますが、額面がそのまま使えるのは旅行券(5,000円券×1枚、年間10,000円相当)です。

同社の「株主優待割引券」のほうは、備考に「注文金額5,000円以上で割引券1枚使用可」と書かれています。こちらは購入額に連動するため、この記事では額面として扱っていません。同じ企業のなかでも、額面型と割引型が混ざっていることがあります。

旅行券はグループのAFCツアーズで使えます。使い道が限定されるので、旅行の予定と合うかどうかで価値が変わります。

【7位】メディア工房(3815)9.32%

42,900円で、1回2,000円分 × 年2回 = 年4,000円分
グロース/情報・通信業 権利確定:2月、8月 デジタルギフト

メディア工房の優待はデジタルギフトです。2月末と8月末の年2回、1回2,000円相当ずつ、年間4,000円相当が届きます。

注意したいのは継続保有の判定です。優待そのものは年2回もらえますが、継続保有の判定に使われるのは8月31日の名簿だけで、2月末は基準日ではないと明記されています。もらえる回数と、期間を数える回数は別だという例です。

デジタルギフトはWeb上で品目を選んで受け取る方式です。選択期間を過ぎると受取手続きができなくなります。年2回届くぶん、案内を見落とす機会も2回あることになります。

【8位】ワタミ(7522)8.43%

94,900円で、1回4,000円分 × 年2回 = 年8,000円分
プライム/小売業 権利確定:3月、9月 優待割引券

ワタミは「和民」「鳥メロ」などを運営する外食企業です。優待は優待割引券8枚(4,000円相当)で、3月末と9月末の年2回、年間8,000円相当になります。

枚数で届くタイプなので、1回の食事で全部を使い切る必要がありません。半年で8枚、年間16枚が届くため、月に1回程度の利用で消化できる計算です。

投資額は94,900円で、実質利回りは8%台です。店舗で使う前提の優待なので、通える範囲に店舗があるかを先に確認してください。

【9位】ANAPホールディングス(3189)8.26%

12,100円で、1回500円分 × 年2回 = 年1,000円分
スタンダード/小売業 権利確定:2月、8月 「ANAPオンラインショップ」ポイント

ANAPホールディングスはアパレルの企業です。100株では複数の優待が用意されていますが、額面がそのまま使えるのはデジタルギフト(1回500円相当、年間1,000円相当)です。

同社の「ANAPオンラインショップ ポイント」は3,000ポイントと金額が大きいのですが、備考に「ポイントの利用:商品ご購入価格の50%を上限」と書かれています。3,000ポイントを使うには6,000円の買い物が必要になるため、額面としては扱っていません。

金額の大きい優待ほど、備考に条件が書かれていないかを確認してください。この銘柄は、同じ企業のなかに「上限つきポイント」と「額面どおりのデジタルギフト」が並んでいる分かりやすい例です。

【10位】ストライダーズ(9816)7.87%

25,400円で、1回1,000円分 × 年2回 = 年2,000円分
スタンダード/不動産業 権利確定:3月、9月 割引クーポン券

ストライダーズは不動産を手がける企業で、優待はECサイト「北陸マルシェ」と自社ホテルで使える割引クーポン券です。3月末と9月末の年2回、1回1,000円相当ずつ届きます。

使えるのはECサイトのほか、成田ゲートウェイホテルとホテル・アローレです。ホテルで使う場合は事前に各ホテルへの電話予約が必要とされています。

贈呈は毎年6月下旬と12月下旬の予定です。使い道が自社グループに限られるため、成田周辺を利用する機会があるかどうかで価値が変わります。

内容欄の金額は「1回あたり」のことが多い

年2回の優待でいちばん間違えやすいのがここです。内容欄に「2,000円相当」と書かれていても、それは1回あたりで、年間では4,000円相当になることがあります。

企業によって書き方が分かれます。

内容欄の書かれ方 判定 意味
1,000円相当(年間 2,000円相当) 併記あり 迷わない。年2回の優待ではこの書き方が親切
2,500円相当×2枚(年間10,000円相当) 併記あり 枚数と年間額の両方が書かれている
5,000円相当(権利確定は3月・9月) 併記なし 年間10,000円相当なのか5,000円相当なのか、内容欄だけでは読めない

併記がない場合の見分け方は、権利確定月がいくつ書かれているかです。2つ書かれていて「◯月のみ」といった注記がなければ、年2回それぞれで受け取れると考えるのが自然です。ただし「※3月のみ」のように片方だけに限定している企業もあるため、備考まで確認してください。

もらえる回数と、期間を数える回数は別

もうひとつ間違えやすいのが、継続保有の判定です。優待が年2回もらえるからといって、保有期間も年2回数えられるとは限りません。

この記事の7位に挙げたメディア工房(3815)が分かりやすい例です。優待は2月末と8月末の年2回もらえますが、継続保有の判定に使われるのは8月31日の名簿だけで、2月末は基準日ではないと明記されています。

逆に、優待は年1回なのに名簿の確認は年2回行うという企業も多くあります。「1年以上=3回以上連続」という数え方をしている企業がこれにあたります。

項目 内容 補足
優待をもらえる回数 年2回 権利確定日が2つある
継続保有を数える回数 企業によって違う 年2回のこともあれば、年1回だけのこともある
判定に使われるもの 株主名簿への連続記載 同一の株主番号で何回連続して載ったか

仕組みの詳細は長期保有優遇とは?で解説しています。

年2回だと何が有利なのか

年間の合計額が同じなら、年1回でも年2回でも受け取る金額は変わりません。それでも年2回には実用上の利点があります。

観点 内容 補足
使い切りやすい 1回あたりの金額が小さいので、有効期限内に消化しやすい 年1回で10,000円分より、年2回で5,000円分ずつのほうが使いやすい
期限に追われにくい 半年ごとに届くので、次が来るまでの間隔が短い 使い忘れても半年後にまた届く
受け取りが分散する 年間の楽しみが2回になる
案内を見落とす機会も2回 申込制や選択制の優待では、手続きの回数も2倍になる デジタルギフトの受取期限などに注意

逆に、金額が小さくなることで「使うほどでもない」と感じて放置してしまう人もいます。1回あたりいくら届くのかを先に確認して、自分が使い切れる金額かどうかで判断してください。

買った年にはもらえない47社がある

年2回の325社のうち、継続保有を条件にしている企業が47社ありました。これは約14%にあたります。

書かれ方 意味
【1年未満保有】1,000円 /【1年以上保有】3,000円 買った年から1,000円分もらえる
【1年以上保有】3,000円相当 買った年は対象外
【初年度】3,000円 /【2年目以降】3,500円 買った年から3,000円分もらえる
備考に「◯年以上継続保有した株主に限る」 内容欄ではなく備考にしか書かれていないことがある

見分け方は「未満」または「初年度」という言葉があるかどうかです。継続保有が条件の銘柄については長期保有優遇の株主優待10選で522社ぶんを整理しています。

権利確定月の組み合わせで多いのは3月・9月

年2回の325社を、権利確定月の組み合わせで数えました。

権利確定月の組み合わせ 社数 分布
3月・9月 175社 ■■■■■■■■■■■■■■
2月・8月 63社 ■■■■■
6月・12月 54社 ■■■■
1月・7月 12社
4月・10月 10社
5月・11月 8社
1月・2月 2社
3月・6月 1社

3月・9月が最も多いのは、3月期決算の企業が多いためです。本決算が3月末、中間決算が9月末になるため、この2つが優待の基準日になります。

3月末は優待銘柄が最も集中する時期でもあります。権利付最終売買日に向けて株価が上がり、権利落ち日に下がる動きが出やすくなるため、この時期に慌てて買うのは避けたいところです。いつ買えばよいかは権利確定日とは?で整理しています。

ほかの条件で株主優待を探す

この記事で扱ったのは、権利確定が年2回ある325社から選んだ10社です。回数ではなく優待の種類から探したい場合は、検索ページで絞り込めます。

条件で絞り込む

100株で買える株主優待の検索ページ
優待の種類・投資額・権利確定月・業種で絞り込めます。
投資額の上限を決めてから種類を選ぶと、買える範囲だけが残ります。

優待の種類ごとにまとめた記事もあります。クオカード優待株10選食事券の株主優待10選高利回りの株主優待30選のほか、投資額を10万円以下に限定したい場合は投資金額10万円以下の株主優待もあります。

自分の条件で総合利回りを計算する

株価は毎日動くので、この一覧の利回りも日々変わります。いま検討している銘柄の数字を入れて計算できるツールを置いておきます。配当も合わせた総合利回りが出ます。

株主優待の総合利回り計算ツール

株価と優待額を入れると、優待利回り・配当利回り・その合計を同時に計算します。数値を変えるとその場で計算し直します。





投資額 94,900円
年間の優待額 8,000円
年間の配当額(税引前) 0円
優待利回り 8.43%
配当利回り 0.00%
総合利回り 8.43%

優待と配当を合わせた総合利回りが3%を超えると、高めの水準にあたります。

※ 優待利回り=年間の優待額÷投資額×100 / 配当利回り=1株あたり配当×株数÷投資額×100
※ 配当は税引前です。実際には約20.315%が源泉徴収されます。優待の金額換算は自分にとっての価値で見積もってください。

初期値にはワタミ(7522)の株価と、年間の額面8,000円を入れてあります。年2回の優待を入力するときは、必ず年間の合計額を入れてください。1回あたりの金額を入れると利回りが半分に出ます。

年2回の優待で失敗する4つの理由

ここまで年間の額面で並べてきましたが、この数字だけで銘柄を選ぶと外します。理由は4つあります。

理由① 実質利回りは株価が下がると自動的に上がる

実質利回りは「年間の額面 ÷ 投資額」で計算します。優待の金額は固定なので、株価が下がるほど利回りは自動的に上がります。

株価 投資額(100株) 年2,000円の優待の利回り
500円 50,000円 4.00%
200円 20,000円 10.00%
100円 10,000円 20.00%
41円 4,100円 48.78%

今回の上位に並ぶ銘柄も、株価が下がった結果としてこの数字になっています。優待をもらうために、株価の下落でそれ以上を失っては意味がありません。利回りが極端に高い銘柄を見つけたときは、まず「なぜ株価がここまで下がっているのか」を業績で確認してください。

理由② 優待は企業の判断でいつでも廃止できる

株主優待は法律で義務づけられた制度ではありません。企業が「やめます」と発表すればその時点で終わります。今回集めた開示情報のなかだけでも、株主優待の廃止や見送りを開示した企業が9社ありました。

さらに極端な例もあります。REVOLUTION(8894)は2024年10月に「2,000株以上の保有でQUOカードPay 6万円分(年間12万円分)」という優待の新設を発表しましたが、2025年3月11日に廃止を開示しました。一度も実施されないまま終わっています。

「優待が新設されたから買う」「利回りが高いから買う」という判断は、それだけでは危険です。利回りの高さは、その企業の業績が良いことを意味しません。

理由③ 年2回でも「片方だけ」の企業がある

権利確定月が2つ書かれていても、優待がもらえるのは片方だけという企業があります。内容欄や備考に「※3月のみ」「(9月末のみ)」と書かれている場合がこれにあたります。

この注記を見落とすと、年間の額面を2倍で計算してしまいます。権利確定月が2つある銘柄では、必ず備考まで開いて確認してください。

理由④ 優待は原則として課税の対象になる

株主優待は税務上、原則として雑所得として扱われます。「優待は非課税」という説明を見かけることがありますが、正確ではありません。

給与所得者の場合、給与以外の所得の合計が年20万円以下であれば確定申告が不要という基準があります。優待だけで年20万円を超えることはまれなので、結果として申告不要になっている人が多い、というのが実態に近いです。

ただし他に副収入がある場合は合算で判定されます。また住民税には20万円の基準がないため、自治体によって扱いが異なります。優待の金額換算については優待利回りとは?でも触れています。

年2回の株主優待に関するよくある質問

年2回もらえる株主優待とは何ですか。
権利確定日が年に2回ある優待のことです。多くの企業は決算期末(本決算)と中間期末の年2回、株主名簿を確定します。両方を優待の基準日にしている企業では、半年ごとに優待が届きます。今回調べた1,653社のうち、100株の優待で権利確定が年2回あるのは325社でした。
年2回のほうが得ですか。
年間の合計額で比べれば同じです。年1回で4,000円分の優待と、年2回で2,000円分ずつの優待は、年間ではどちらも4,000円分です。ただし年2回のほうが1回あたりの金額が小さいぶん使い切りやすく、有効期限に追われにくいという利点があります。
「2,000円相当」と書かれていたら年間2,000円ですか。
それが最大の落とし穴です。年2回の優待では、内容欄の金額が1回あたりの金額であることがほとんどです。年間では2倍になります。親切な企業は「1,000円相当(年間 2,000円相当)」と併記していますが、書いていない企業もあります。権利確定月が2つ書かれていたら、年間に直してから比べてください。
年2回とも権利を取る必要がありますか。
片方だけでも、その回のぶんは受け取れます。ただし年間の額面の半分になります。また継続保有の条件がある銘柄では、両方の基準日で名簿に載り続けることが条件になっている場合があります。
どの月の組み合わせが多いですか。
3月・9月が最も多く175社、次いで2月・8月が63社でした。3月期決算の企業が多いため、3月末と9月末の組み合わせが中心になります。
年2回の優待でも、買った年にはもらえないことがありますか。
あります。今回の325社のうち47社が継続保有を条件にしていました。優待の内容欄に「◯年未満」または「初年度」という区分がなければ、買った年は対象外です。
利回りが高い銘柄を選べばよいですか。
おすすめしません。実質利回りは「年間の額面 ÷ 投資額」で計算するため、株価が下がるほど自動的に上がります。今回の1位も株価が87円まで下がった結果です。利回りの高さは、その企業の業績が良いことを意味しません。
優待は課税の対象になりますか。
株主優待は税務上、原則として雑所得として扱われます。給与所得者の場合、給与以外の所得の合計が年20万円以下であれば確定申告が不要という基準があるため、結果として申告不要になっている人が多いのが実態です。詳しくは優待利回りとは?で触れています。

まとめ

権利確定が年2回ある優待は325社ありました。年1回の優待と比べるときは、必ず年間の合計額に直してください。内容欄の金額は1回あたりであることが多く、そのまま比べると半分に見積もることになります。

この記事のポイント

・100株の優待で権利確定が年2回あるのは325社
・内容欄の金額は「1回あたり」のことが多い。年間では2倍になる
・「(年間◯円相当)」と併記してくれる企業を目安にする
・1位はフィスコの151.72%。ただし株価が87円まで下がった結果
利回りが高い銘柄が、良い銘柄とは限らない
・もらえる回数と継続保有を数える回数は別(メディア工房は判定が年1回だけ)
・組み合わせで最も多いのは3月・9月(175社)
・買った年にはもらえないものが47社

年2回の優待は、1回あたりの金額が小さいぶん使い切りやすいのが利点です。ただし年間の額面で比べないと、年1回の優待と正しく比較できません。まず年間に直す、そのうえで自分が使える内容かどうかを確かめる、という順番で選んでください。

優待の種類から探したい場合はクオカード優待株10選高利回りの株主優待30選、条件で絞り込みたい場合は100株で買える株主優待の検索ページをご覧ください。

あわせて読みたい

株主優待とは?もらい方といつ買えばよいか
優待利回りとは?計算式と5つの落とし穴
権利確定日とは?いつ買えば配当と優待をもらえるか
長期保有優遇とは?株主番号で決まる仕組み
中間配当とは?年2回もらえる配当の仕組み
単元株数とは?100株に統一された理由
株主優待の選び方と100株優待ランキング
NISAとは?新NISAの枠と使い方

スポンサーリンク
おすすめの記事