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スクリーニングとは

スクリーニング(読み方:すくりーにんぐ)

 

株式用語のスクリーニングとは、簡単にいうと条件指定検索・絞り込み検索機能のことをいいます。

語源的に「振るい落とす」「選抜する」といった意味合いがあり、条件を設定してその条件に合った銘柄を検索する(探し出す)ことが株式用語におけるスクリーニング機能です。

証券会社のWEBサイトなどで簡単にスクリーニング機能は利用することができるようになっています。

例えば、以下の画像は楽天証券iSPEEDのスクリーニング機能「スーパースクリーナー」のものになります。

条件指定として、市場や株式の規模・指数採用の有無・業種等から銘柄を抽出することができます。
上の画像内には表示されていませんが、投資金額など他にも検索条件を追加して銘柄の抽出もできます。

ちなみに、この記事では株式用語としてのスクリーニングについて記述していますが、医薬品系企業のIRニュース・適時開示等で「スクリーニング検査」と記されているのを目にすることもあるかと思います。

スクリーニング検査とは、まだ症状が出ていない方に対して病気の可能性の有無を調べる検査のことをいいます。簡単にいうと「ふるい分け試験」のことです。

▼スクリーニング検査に該当する企業の適時開示例
栄研化学|フランスの大腸がん国家スクリーニング検査に継続採用についてのお知らせ

株の銘柄スクリーニングでおすすめの条件やサイトについて

スクリーニング機能を利用する際、「何をもっておすすめとするのか」は投資家・トレーダーによって「どんな条件で銘柄を探し出すのか」その絞り方に個人差があるかと思います。

そのため、「この条件でのスクリーニングがおすすめ」と明言することは難しいところがあります。

一般に証券会社のスクリーニング機能は、その証券会社に口座開設している状態であれば無料で利用することができます。

例えば、大手ネット証券のSBI証券は2019年12月に国内株式の銘柄スクリーニングをリニューアルしています。リニューアルは実際の利用者の要望を機能に反映しているという点がポイントです。(株価移動平均線乖離率・ゴールデンクロス・デッドクロスをそれぞれ最大3つまで選択可など)

他、マネックス証券はスクリーニングのツールとして評価が高い「銘柄スカウター」があります。

銘柄スカウターでは、過去10年間の業績等から銘柄を抽出できる「10年スクリーニング」機能や、企業が決算短信等では発表しない3ヶ月に区切った業績表示、PERPBR、配当利回りを最長5年間グラフ表示など様々な情報をチェックすることができます。

証券会社の他、「Yahoo!ファイナンス」【4436】ミンカブ・ジ・インフォノイド社が運営するサイト「みんなの株式」などで様々なスクリーニング機能を利用することができます。

特にツールやアプリは使い勝手など、自身に合ったスクリーニング機能が利用できるものを選ぶのが好ましいでしょう。

 

スクリーニングメモ

・株式用語におけるスクリーニングとは、条件を設定してその条件に合った銘柄を抽出すること(スクリーニング機能)
・スクリーニング機能のおすすめ条件等について、抽出方法には個人差があるため一概に明言はできない
・証券会社のWEBサイトやツール、スクリーニング機能が利用できるサイトにおいては使い勝手の良いものを選ぶのが好ましい

 

スクリーニング条件の参考

スクリーニング機能の概要的なところを簡潔に紹介しましたが、スクリーニング機能における具体的な条件検索について幾つか挙げておきます。

スクリーニング機能でROAから銘柄を探す

ROA(Return On Assets:あーるおーえー)とは、訳すと総資産利益率という意味になります。

わかりやすくいうと、『企業が総資産をどれだけ効率的に運用して利益を生み出しているかを表した指標』です。

ROAから銘柄を探す場合には、例えば『ROAが5%以上で、時価総額が400億円以下の会社』などの条件を設定すると、条件を満たした会社のみを一覧で抽出されることになります。

一般に

ROAが高い会社は『事業に投下されているお金を使って効率良く稼いでいる会社』
ROAが低い会社は『総資産に対して利益効率が低い』

といった判断がされます。

スクリーニング機能でROEから銘柄を探す

ROE(Return On Equity:あーるおーいー)とは、訳すと自己資本利益率という意味になります。

わかりやすくいうと、『企業が自己資本をどれだけ効率的に運用して利益を生み出しているかを表した指標』です。

ROEから銘柄を探す場合、例えば『ROEが10%以下で、時価総額が500億円以下の会社』などの条件を設定すると、条件を満たした会社のみを一覧で抽出されることになります。

ROEの数値ですが一般的に

ROEが高い会社は『株主が投資したお金を使って効率良く稼いでいる会社』
ROEが低い会社は『経営の効率が悪い会社』

といった判断がされます。

スクリーニング機能でPBRから銘柄を探す

PBR(Price Book-value Ratio:ぴーびーあーる)とは、訳すと株価純資産倍率という意味になります。

わかりやすくいうと、『今の株価は1株あたりの純資産に対して何倍の価格なのかを表した指標』であり、『PBR=企業の解散価値』といわれています。

PBRから銘柄を探す場合、例えば『PBRが1倍以下で、PERは12倍以下の会社』などの条件を設定すると、条件を満たした会社のみを一覧で抽出されることになります。

基本的にPBRは低いほうが割安といえます。(1倍が評価基準で、割安かどうか判断する場合は同業種の他社と見比べて判断すべき)

スクリーニング機能でPERから銘柄を探す

PER(Price Earnings Ratio:ぴーいーあーる)とは、訳すと株価収益率という意味になります。

わかりやすくいうと、『今の株価は1株あたりの純利益に対して何倍の価格なのかを表した指標』です。

PERから銘柄を探す場合、例えば『PERが15倍以下で、配当金を多く出してくれる会社』などの条件を設定すると、条件を満たした会社のみを一覧で抽出されることになります。

基本的にはPERは低いほうが割安といえます。日本株の平均PERは14~17倍程度とされているため、それよりも低ければ割安と判断する方も多いです。(市況にもよります)

スクリーニング機能で信用倍率から銘柄を探す

信用倍率とは、信用取引における『信用買いの量』と『信用売りの量(空売りの量)』のバランスを表した数値のことです。

信用取引の取り組み状況は今後の株価予測に重要となるものであり、信用倍率の数値は『1倍』が基準値です。

信用倍率から銘柄を探す場合、例えば『信用倍率が2倍以下で、時価総額が300億円以下の会社』などの条件を設定すると、条件を満たした会社のみを一覧で抽出されることになります。

信用倍率が高くなれば高くなるほど、相場の過熱感が増しているという目安となります。(信用倍率が高く信用残が多いということは、それだけ信用取引で買っている人が多いということ)

スクリーニング機能の醍醐味は複合的に絞り込むこと

参考として例に挙げた条件は一部で、他にも時価総額から抽出したり、出来高上場年での条件抽出も基本的なスクリーニングです。

スクリーニングは1つの条件ではなく、複合的に絞って利用することが多いものです。
例えば『時価総額100億以下でROE20%以上PER20%以下の銘柄』といった形ですが、前述した各例をもう一度見返していただければ複合的な例となっていることがわかるかと思います。

投資する企業を探すときに、「まずは○○○から選別していく」というのはひとつの方法としては有用でしょう。複合的に絞って検索をするのは、投資する会社に関する指標をより把握し、危険性を抑える動きにも繋がるのではないかと考えられます。

 

スクリーニングメモ

・スクリーニングの条件で迷いが生じるときは「何を重要視した上で銘柄を抽出したいのか・するのか」を優先視すると良い
・スクリーニングは1つの条件だけでなく複合的に絞った活用はトータル的なリスクヘッジにもなる
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