つみたてNISAとは、2018年から2023年まで実施されていた少額投資非課税制度です。年40万円まで、最長20年間の運用益が非課税になる制度でした。

つみたてNISAは2023年末で新規の買付が終了しており、いまから始めることはできません。後継にあたるのが、2024年に始まったNISAの「つみたて投資枠」です。

ただし、2023年までに買った分はいまも非課税のまま持ち続けられます。この記事では「これから始める人」と「すでに残高がある人」の両方に必要なことを整理します。

この記事でわかること

・つみたてNISAが終わった時期と、いま何が後継なのか
・つみたて投資枠との具体的な違い
・旧つみたてNISAの残高が非課税でいられる期限
・非課税期間が終わったあとに何が起きるのか
・旧NISAと新NISA、どちらから売るべきか
・2026年度の税制改正で決まったこと

つみたてNISAとは

つみたてNISA(読み方:つみたてにーさ)は、2018年1月に始まり2023年12月末で新規買付を終えた非課税制度です。投資信託などの運用益にかかる約20%の税金が、一定期間かからなくなる仕組みでした。

項目 内容
制度の期間 2018年〜2023年(新規買付は2023年12月末で終了)
年間の投資枠 40万円
非課税期間 買った年から20年間
生涯で使えた最大額 40万円 × 20年 = 800万円
買えた商品 金融庁の基準を満たす投資信託とETFのみ
買い方 積立(ドルコスト平均法)に限定

「一括で買えない」「対象商品が絞られている」という制約は、裏を返せば初心者が大きく失敗しにくい設計でした。この思想はいまのつみたて投資枠にも引き継がれています。

つみたてNISAは2023年末で新規買付が終わっている

ここが最初に押さえるべき点です。2024年1月以降、つみたてNISAの口座に新しくお金を入れることはできません。

制度が切り替わった流れ
〜2023年12月 つみたてNISA/一般NISA/ジュニアNISA
 ↓ 2023年12月末で新規買付が終了
2024年1月〜 NISA(つみたて投資枠 + 成長投資枠)
 ↓
2027年1月〜(予定) こどもNISA(つみたて投資枠を18歳未満へ)

「積立NISA」「つみたてNISA」で検索してたどり着いた金融機関のページが、いまも旧制度の説明のまま残っていることがあります。2024年以降の話をしているのか、2023年までの話をしているのかを必ず確認してください。

つみたてNISAと「つみたて投資枠」は何が違うのか

名前が似ているため混同されがちですが、別の制度です。違いは大きく4つあります。

項目 つみたてNISA(旧) つみたて投資枠(現行)
年間の枠 40万円 120万円(3倍)
非課税期間 20年 無期限
他の枠との併用 一般NISAと併用不可(年単位で選択) 成長投資枠と併用できる
売った枠 戻らない(使い切り) 翌年に簿価分が復活する
制度の期限 2023年で終了 恒久化

特に効くのが「非課税期間が無期限になったこと」「売った枠が翌年に戻ること」です。旧制度では20年後の出口を意識する必要がありましたが、現行制度ではその心配がありません。

制度全体の枠組みはNISAとはで詳しく整理しています。

旧つみたてNISAの残高はいつまで非課税か

買った年から20年間です。制度が終わったからといって、途中で課税されることはありません。

買った年 非課税でいられる期限
2018年(制度初年度) 2037年末
2020年 2039年末
2022年 2041年末
2023年(最終年度) 2042年末

つまり最後に買った分でも2042年末まで、まだ15年以上の非課税期間が残っています。慌てて売る必要はまったくありません。

非課税期間中にできること

・いつでも売却できる(利益が出ていても非課税)
・そのまま持ち続けられる(保有に手数料や手続きは不要)
・分配金も非課税で受け取れる
・× 追加で買い増すことはできない

非課税期間が終わると何が起きるのか

ここが最も誤解の多いところです。20年が経過すると、保有商品は自動的に課税口座(特定口座など)へ移されます。

重要なのは移管された時点の時価が、新しい取得価額になるという点です。

40万円で買った投信が、20年後にどうなるか
【値上がりしていた場合】
40万円 → 100万円で移管 ⇒ 取得価額は100万円に書き換わる
 … 20年間の値上がり益60万円は非課税で確定。ここは得をする

【値下がりしていた場合】
40万円 → 25万円で移管 ⇒ 取得価額は25万円に書き換わる
 … その後30万円で売ると、実際は10万円の損なのに5万円の利益として課税される

つまり値下がりしたまま期間終了を迎えるのが最悪のパターンです。旧NISAには損益通算も繰越控除もないため、損失をほかの利益とぶつけることもできません。

2037年以降に期限を迎える人は、評価額を見ながら「非課税のうちに売るか、課税口座で持ち続けるか」を判断することになります。まだ十分に時間はありますが、仕組みだけは知っておいてください。

新NISAへのロールオーバーはできない

できません。旧制度から現行NISAへ資産を移すことは制度上認められていません。

やりたいこと 可否
旧つみたてNISAの残高を現行NISAへ移す できない
旧つみたてNISAを売って、現行NISAで買い直す できる(ただし現行の枠を消費する)
非課税期間の終了後に課税口座で持ち続ける できる(自動で移管される)
旧つみたてNISAの非課税期間を延長する できない

旧一般NISAには「翌年の非課税枠へ移す」ロールオーバーがありましたが、その受け皿だった旧制度自体が終わっているため、いまはどの旧NISAからも移管はできません。

旧つみたてNISAと新NISAは同時に持てる

持てます。しかも、旧つみたてNISAの残高は現行NISAの生涯枠1,800万円を1円も消費しません。

2018〜2023年に満額使っていた人の場合
旧つみたてNISA 最大 240万円(40万円 × 6年)
 +
現行NISA 生涯 1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで)
 =
合計 2,040万円ぶんを非課税で運用できる

旧制度を使っていた人は、その分だけ非課税で運用できる総額が上乗せされていることになります。放置していても損はしません。

旧つみたてNISAと新NISA、どちらから売るべきか

まとまったお金が必要になったとき、どちらを取り崩すかで結果が変わります。判断材料は3つです。

観点 どちらが有利か
売った枠が戻るか 現行NISA(翌年に簿価分が復活)。旧NISAは戻らない
非課税でいられる残り期間 現行NISA(無期限)。旧NISAは期限つき
期限切れで課税口座に移るリスク 旧NISAにだけある

3つとも同じ方向を指しています。売るなら旧つみたてNISAから。残すなら現行NISA。これが基本の考え方です。

※ ただし旧NISAが大きく含み損を抱えている場合は、売却して損を確定させても損益通算ができません。個々の状況で判断が変わるため、最終的な判断はご自身の責任でお願いします。

これから積立を始めるなら「つみたて投資枠」

いまから始める人にとっての選択肢は、NISAのつみたて投資枠ひとつです。旧つみたてNISAでできたことは、すべてこちらでできます。

項目 つみたて投資枠 成長投資枠
年間の枠 120万円 240万円
合計 年360万円まで/生涯1,800万円まで(成長投資枠は1,200万円まで)
買える商品 金融庁の基準を満たす投信・ETF 上場株式・投信など(一部除外あり)
買い方 積立のみ 一括・積立どちらも
非課税期間 無期限

月10万円まで積み立てられるため、旧つみたてNISA(月約3.3万円)では足りなかった人にも対応できます。商品の考え方はインデックス投資とはが参考になります。

2026年度の税制改正で決まったこと

2026年度の税制改正で、NISAはさらに広がります。いま積立をしている人に直接関係するのは次の2点です。

変更点 内容
こどもNISA
(2027年1月〜予定)
つみたて投資枠を0歳〜17歳にも解禁。年60万円・総額600万円まで。払出しは12歳以降
対象商品の拡充 つみたて投資枠の対象に債券を組み入れた投資信託が加わる方向
見送られたもの 売却した枠がその年のうちに復活する仕組みは今回は見送り(現行どおり翌年復活)

かつてのジュニアNISAが2023年で終わって以来、未成年名義で非課税投資をする手段はありませんでした。こどもNISAはその空白を埋めるものです。

※ 施行時期や細目は今後の法令・各社の対応で変わる可能性があります。実際に始める前に金融庁および利用する金融機関の最新情報をご確認ください。

つみたてNISAでよくある誤解

検索で出てくる情報には、旧制度のまま止まっているものが多く残っています。よくある誤解を整理します。

よくある誤解 実際は
つみたてNISAはいまも申し込める 2023年末で新規買付終了。いま申し込むのはつみたて投資枠
制度が終わったから残高も課税される 買った年から20年は非課税のまま。最長で2042年末まで
年40万円までしか積み立てられない 現行のつみたて投資枠は年120万円(月10万円)
一般NISAとは併用できない 現行はつみたて投資枠と成長投資枠を併用できる
元本が保証されている 保証されていない。非課税なのは「利益が出たとき」の話
損したぶんを他の利益と相殺できる NISA口座の損失は損益通算も繰越控除もできない

最後の2つは特に重要です。NISAは「利益が出た場合に税金がかからない」制度であって、損失を守る制度ではありません。課税口座であれば株式譲渡の損益と通算できますが、NISAではそれができないのです。

数字で見るNISAの利用状況

制度が切り替わってから、利用は大きく伸びています。金融庁の調査によると、次のような状況です。

項目 実績(2025年6月末) 政府目標(2027年12月末)
NISA口座数 2,696万口座 3,400万口座
買付額(累計) 63兆円 56兆円

出典:金融庁「NISA口座の利用状況調査」

買付額はすでに政府目標を上回っています。口座数も目標の8割に達しました。世代別の動きは20代のNISA買付額でも取り上げています。

つみたてNISAに関するよくある質問

つみたてNISAはいまから始められますか?
始められません。つみたてNISAの新規買付は2023年12月末で終了しています。いまから積立を始める場合は、2024年に始まったNISAの「つみたて投資枠」を利用することになります。名前は似ていますが別の制度で、年間の枠は120万円、非課税期間は無期限です。
つみたてNISAの残高は売らないといけませんか?
売る必要はありません。買った年から20年間は非課税のまま保有できます。2023年に買った分であれば2042年末までです。保有を続けるための手続きや手数料も必要ありません。
20年の非課税期間が終わったらどうなりますか?
自動的に特定口座などの課税口座へ移されます。このとき移管時点の時価が新しい取得価額になります。値上がりしていれば20年分の利益が非課税で確定して有利ですが、値下がりしていると、その後の売却で実際は損なのに利益として課税される可能性があります。
つみたてNISAの残高を新しいNISAへ移せますか?
移せません。旧NISAから現行NISAへのロールオーバーは制度上できない仕組みです。どうしても現行NISAで運用したい場合は、いったん売却して現行NISAで買い直すことになりますが、その分だけ現行の非課税枠を消費します。
旧つみたてNISAは新NISAの1,800万円の枠を使いますか?
使いません。旧NISAと現行NISAは完全に別枠で管理されます。旧つみたてNISAを満額使っていた人は、その分だけ非課税で運用できる総額が上乗せされていることになります。
お金が必要なとき、旧NISAと新NISAのどちらから売るべきですか?
一般的には旧NISAから売るほうが合理的です。現行NISAは売却すると翌年に簿価分の枠が復活しますが、旧NISAの枠は戻りません。また旧NISAには非課税期間の期限があるため、先に使い切るという考え方が成り立ちます。
つみたてNISAで損をしたら確定申告で取り戻せますか?
できません。NISA口座で生じた損失は、ほかの口座の利益との損益通算も、翌年以降への繰越控除もできない扱いです。これはNISA制度全体に共通する注意点で、現行NISAでも同じです。
子ども名義で積み立てる方法はありますか?
2026年8月時点ではありません。ジュニアNISAは2023年末で終了しています。ただし2026年度の税制改正で、つみたて投資枠を0歳〜17歳にも解禁する「こどもNISA」が2027年1月から始まる予定です。年60万円・総額600万円までで、払出しは12歳以降とされています。

まとめ

つみたてNISAは「終わった制度だが、残高は最長2042年末まで生きている」という状態です。新しく始める人と、すでに持っている人で、やるべきことがはっきり分かれます。

この記事のまとめ

・つみたてNISAの新規買付は2023年12月末で終了した
・いまから始めるならNISAの「つみたて投資枠」(年120万円・無期限)
・旧つみたてNISAの残高は買った年から20年間、最長2042年末まで非課税
・期間終了後は課税口座へ移管され、そのときの時価が新しい取得価額になる
・現行NISAへのロールオーバーはできない
・旧NISAは現行の1,800万円の枠を消費しない(別枠)
・売るなら旧NISAから。現行NISAは枠が翌年復活し、期限もない
・NISAの損失は損益通算も繰越控除もできない
・2027年1月からこどもNISA(0〜17歳・年60万円)が始まる予定

※ 本記事は2026年8月時点の情報にもとづく解説であり、特定の商品や投資判断を推奨するものではありません。制度の詳細は金融庁および各金融機関の最新情報をご確認ください。

あわせて読みたい:NISAとは20代のNISA買付額投資信託とはドルコスト平均法とはインデックス投資とは分配金とは特定口座とは

スポンサーリンク
おすすめの記事