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発行済株式数とは
発行済株式数(読み方:はっこうずみかぶしきすう)
発行済株式数とは、会社が定款で定めている株式総数のうち、実際に発行した株式のことをいいます。(発行済株式総数とも呼ばれます)
「会社が定款で定めている株式総数」というのは発行可能株式総数(授権株式数)のことで、会社の登記簿と定款に必ず記載されていなければならない事項です。
発行済株式数には浮動株と特定株(固定株)の2つの種類があります。
株式会社において、普通株式のみを発行する会社では『発行済株式総数=上場株式数』となり、基本的には発行済株式総数と上場株式数は一致しているものですが、NTT【日本電信電話(9432)】のように発行済株式数の一部を政府が保有している等の場合は例外もあります。
普通株式とは
投資家間で売買されている株式のことで、普通株ともいわれます。
一般に株式といえば普通株のことを指しています。
上場株式数とは
東証一部・二部など、証券取引所に上場している株式の総数のことをいいます。
・outstanding shares(発行済株式数)
・issued number of shares(発行済株式総数)
発行済株式数メモ
・普通株式のみを発行する会社において、基本的には発行済株式総数=上場株式数
発行済株式数と計算
発行済株式数は指標の1つだと捉えられますが、発行済株式数自体が何か意味をなすというものではなく、他の指標と連動して活用されるものとなっています。
例えば、企業の財務指標の計算などで用いられます。
具体的には
・BPS(一株当たり純資産)
・EPS(一株当たり利益)
・時価総額(企業の価値を評価する指標)
などです。
参考までに、それぞれの計算式は以下の通りです。
発行済株式数メモ
発行済株式数の変更と登記
すでに発行されている発行済株式において、株式の内容を変更(普通株式を種類株式へ等)するには、登記手続きが必要となります。
一般的に、株式と呼ばれるのは普通株式のことを指していますが、余剰金の配当や他の権利内容が異なる2種類以上の株式の場合は種類株式と呼ばれてます。(種類株式は優先株など全9種類)
種類株式を発行するケースは、主に以下の2つが考えられるかと思います。
ケース①:新規で種類株式を発行する
ケース②:既存の普通株式の一部を種類株式に変更する
ケース①の場合、定款に種類株式に関する事項を定めなければなりません。
そのため、定款の変更が必要となります。(定款の変更は特別決議が必要)
ケース②の場合も①と同様に特別決議を経た定款の変更が必要だという点は共通しています。
ですが定款変更だけでなく、種類株式への変更を希望する株主全員と会社の合意、普通株式に留まる株主(既存株主)全員の同意が必要となります。
発行済株式数を増やすには?
会社の設立後に「発行済株式数を増やしたい」という場合、株式分割を行うことにより、発行済株式数を増やすことが可能となります。
反対に、発行済株式数を減少させるには、株式併合や自己株式の消却を行うことで可能です。(減らす目的は主に株主還元など)
株式分割・株式併合・自己株式の消却について詳しくは
【株式分割とは何か?わかりやすく解説】
【株式併合とは何か?わかりやすく解説】
【自己株式の消却とは何か?わかりやすく解説】
をご参考ください。
発行済株式数メモ
・株式分割や株式併合を行うことにより、発行済株式数を増やすことが可能
・自己株式の消却を行うことにより、発行済株式数を減らすことが可能
発行済株式数の調べ方
発行済株式数の調べ方ですが、例えばヤフーファイナンスの場合は発行済株式数(自己株式を含む)について企業毎に見ることができます。(過去の発行株式数や普通株式・優先株式等の種類株式の詳細までは見ることができません)
また、企業によってはホームページ上で発行済株式数の推移が掲載されています。
ただ、各企業の発行株式数を一覧形式で見れるものや、発行済株式数に絞ったランキングまたは発行済株式数に特化したランキング等がチェックできるWEBサイト・コンテンツに該当するものが見当たりません。
発行済株式数の詳細について調べる方法としては、以下のように考えられるかと思います。
・四季報または四季報オンライン(有料)
・有価証券報告書を追う
・知りたい会社に電話してIR担当者に聞く
上記の四季報オンラインであれば有料ですが「資本異動」の項目で発行済株式数の詳細を見ることが可能です。
発行済株式数は、これまでも触れてきたように株式分割や株式併合などによって変化するものです。
そういった発行済株式の履歴について、資本異動の項目では略称で確認することができます。
資本異動の略称例)
「分」:株式分割
「併」:株式併合
など
他、企業毎個別で見れるものではありませんが、JPX(日本取引所グループ)のWEBサイト内【統計月報】の資料名『発行済株式数増減状況』(PDF形式)にて、株式分割や株式併合・新株予約権の権利行使等、年月ごとにチェックすることができます。
気になる方は一度チェックしてみると良いでしょう。