発行価額とは

発行価額(読み方:はっこうかがく)

発行価額とは、企業が新株等を発行する際の「会社法上の1株あたりの払込金額」のことをいいます。

発行価額は概念の金額で実際に払い込まれる金額は「引受価額」となります。

引受価額とは、引受人となる証券会社等が発行会社や売出人から株式を引き受ける際に支払う1株あたりの払込金額のことです。
引受価額は発行価額以上の金額となりますが、同額となることもあります。

発行価額と発行価格

発行価額と似た言葉で「発行価格」があります。

発行価格とは、投資家が証券会社(引受人)から株式を購入する際の1株あたりの金額のことです。
IPO公募の場合は「公募価格」、売出しの場合は「売出価格」ともいいます。

証券会社は企業から引受価額で株式を引き受けて、引受価額に手数料等を上乗せして投資家に販売することになります。
そのため、発行価額と発行価格は異なる金額になることもあります。

なお、引受価額と発行価格の差額は証券会社の手取金となります。

発行価額と行使価額

新株予約権において「発行価額」と「行使価額」というものがあります。
この2つもよく比較されるので簡単に説明していきます。

新株予約権の発行価額とは、新株予約権を取得する際に発行会社に払い込む金額のことです。
つまり、発行価額を支払うことで新株予約権を取得することはできますが、この時点で新株の取得は行われません。

行使価額とは、新株予約権を行使して新株を取得する際に払い込む金額のことです。
発行価額の払い込みを行って新株予約権を取得し、その後、新株予約権の権利を行使して行使価額を支払って新株を取得することになります。

発行価額メモ

・発行価額は企業が新株等を発行する際の「会社法上の1株あたりの払込金額」のこと
・但し、実際に企業に払い込まれる金額は引受人が払い込む「引受価額」となる
・引受人が投資家に販売する価格を「発行価格」といい、発行価額とは異なるものである

発行価額に関してよくある質問

「発行価格」と「発行価額」、読み方は同じですが何が違うのですか?
「誰が支払う金額か」が違います。
発行価格:一般投資家が証券会社に支払う「購入価格」のこと。
発行価額:証券会社が企業に払い込む「卸値」のこと。 投資家は「価格」で買い、企業は「価額」を受け取ります。この差額が証券会社の「引受手数料(利益)」になります。
なぜ投資家は「発行価額(卸値)」を知る必要があるのですか?
企業が実際に手にする「正味の資金」を知るためです。発行価格から手数料(発行価額との差)を引いた額が、企業の設備投資や借金返済に充てられます。手数料があまりに高い場合、投資家から集めた資金が効率的に事業に使われない可能性があり、注意が必要です。
発行価額はどのようにして決まるのですか?
公募増資の場合、通常は決定日の終値を基準に3%〜5%程度のディスカウント(割引)をした「発行価格」が決まり、そこからさらに数%引いた額が「発行価額」となります。市場価格を無視して不当に安い価額で発行される(有利発行)場合は、既存株主の利益を損なうため、株主総会の特別決議が必要になります。
第三者割当増資における「発行価額」が極端に低い場合はどう判断すべきですか?
「既存株主への裏切り」となる可能性が高いです。特定の第三者に時価より大幅に安い価額で新株を発行すると、1株あたりの価値が激しく薄まる(希薄化)だけでなく、不公平感から株価が急落するリスクがあります。
発行価額が決まった直後に株価が動くのはなぜですか?
投資家が「希薄化の程度」と「調達額の妥当性」を計算し終えるタイミングだからです。発行価額が想定より低ければ、「会社が安売りされた」と判断され、売り材料になります。
適時開示に「払込金額」と書いてありますが、これは発行価額のことですか?
はい、同じ意味です。新株を発行する際、引き受けた人が会社に対して1株あたりいくらお金を入れるか(払い込むか)を指す法律上の用語が「払込金額」であり、実務上「発行価額」と呼ばれます。
発行価額(払込金額)が「額面」より低いことはありますか?
現在の日本の法律では「額面株式」の制度が廃止されたため、かつての50円額面といった縛りはありません。ただし、あまりに低い価額(例:1円など)での発行は、既存株主の権利を著しく害するため、裁判所や株主総会で厳しくチェックされます。
証券会社が受け取る「発行価格と発行価額の差」の相場はどのくらいですか?
一般的な公募増資(PO)では、2%〜4%程度が一般的です。この手数料は証券会社が「売れ残った株を引き受けるリスク」への報酬でもあります。
「発行価格 = 発行価額」となるケースはありますか?
「発行者直接募集」などの場合、証券会社を介さずに企業が直接投資家に販売するため、両者が一致することがあります。また、新株予約権(ストックオプション)の行使の際なども、手数料が発生しないため同額になるのが一般的です。
発行価額を見て「買い」と判断する基準はありますか?
発行価額が「直近の株価に比べて高めに設定されている」場合です。これは、引き受ける側(大手企業や銀行など)が、その価格でも将来的に十分元が取れると判断した「強気のサイン」であり、株価のサポート材料(下値支持線)になることがあります。

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