スピンオフとは何か?わかりやすく解説

スピンオフとは

スピンオフ(読み方:すぴんおふ)

 

スピンオフとは、会社が特定の事業部門(又は親会社が子会社)を切り離し独立させることをいいます。
スピンオフによって分離される会社の株式は、元の会社の株主に分配されます。

わかりやすく画像を使って説明すると以下のようになります。

A社は特定の事業部門を分離させるために、B社という新たな会社を設立して特定の事業部門を承継させます。
そしてB社の株式をA社の株主に分配します。
ですからA社の株主は、スピンオフ実施後、A社とB社の2つの会社の株主になります。

特定の事業を分離する場合は「新設分割」、子会社を分離する場合は「現物配当」により行います。
新設分割とは、新たに会社を設立し、その会社に事業を承継させることをいいます。
現物配当とは、金銭以外の現物資産による配当のことをいいます。スピンオフでは分離された会社の株式が分配されますが、これが「現物配当」となります。

なお、切り離し独立したB社を新規上場させる場合は「スピンオフIPO」と呼ぶこともあります。

スピンオフが実施されると保有株はどうなるのか

通常、会社から特定の事業部門を切り離し独立させた場合、理論上、その分だけ会社の価値が下がるので株価の下落につながります。

つまり、元の会社の株主に損失が生じる可能性があります。

ですが、スピンオフでは分離された会社の株式を元の会社の株主に現物配当して分配されるので、理論的には保有資産(株式全体)の価値は変わりありません。

例えば、元の会社(A社)の株価が3,000円だったとします。
スピンオフ実施前は「A社株式3,000円」という形で保有していますが、スピンオフ実施後は「A社株式1,500円保有、B社株式1,500円保有」という形で保有することになります(分配資産割合はケースバイケースです)。

A社の株価は下がることになりますが、その分、B社の株式が増えるので全体で見ると資産価値(3,000円)に変化はありません。

ただし、あくまでも理論上の話であり、実際の株価は様々な要因で変動するので、必ずプラスマイナスゼロになるとは限りません。

スピンオフとスピンアウト

スピンオフとよく比較される用語として「スピンアウト」があります。

スピンアウトとは、会社の特定の事業部門を切り離し独立させることをいい、広い意味ではスピンオフと同じ意味になります。

ただ、狭い意味では、特定の事業部門を切り離し独立させた後、元の会社と関係が継続する場合や、新会社の株式を元の会社の株主に分配するケースを「スピンオフ」といい、不採算事業を切り離し独立させる形で第三者に売却する場合や、会社の従業員等が新会社として独立する場合など、完全に関係が切れる場合を「スピンアウト」といったように使い分けられることがあります。

スピンアウトのイメージは以下の通りです。

 

前述したスピンオフではA社の株主にB社の株式が分配されます。
ですのでスピンオフ実施後はA社とB社の株主は同じになります。

スピンアウトでは事業を切り離し独立させる形で第三者に売却したりします。
ですのでB社の株式はA社の株主に分配されず、第三者に売却されることになり、関係は完全に切れる形となります。

スピンオフによる株価の動向

スピンオフは欧米ではよく行われていましたが、日本では2020年に【2157】コシダカホールディングスが実施したスピンオフが初事例となっています。

コシダカホールディングスは、カラオケ事業「まねきねこ」やフィットネスジム「カーブス」を運営する企業でしたが、2019年10月にフィットネスジム「カーブス」の事業を【7085】カーブスホールディングスとして切り離し独立させる形でスピンオフIPOを行うと発表。
そして2020年3月にカーブスホールディングスが新規上場となりました。

それでは、スピンオフを発表したコシダカホールディングスの株価を確認してみましょう。

まずはスピンオフの実施発表後の株価推移は次のようになっています。

 

 

2019年10月10日大引け後にスピンオフの実施を発表し、翌営業日である2019年10月11日は株価を大きく下げています。
国内初となるスピンオフの影響が不透明であることや、カーブスホールディングスの新規上場に関して新株発行が実施されるとのことから、株式の希薄化も懸念されて売られた形となりました。

ただ、スピンオフ実施後は、コシダカホールディングスの既存株主にカーブスホールディングスの株式が分配されるので理論的には株式全体の価値は変わりません。
ですからその後の株価は落ち着きを取り戻し横ばいで推移、目立った株価変動はありません。

次にスピンオフ実施前後(カーブスホールディングスが新規上場した前後)の株価を確認してみましょう。

 

 

2020年2月27日に株価を大きく下げていますが、これはコシダカホールディングスの中間配当金とカーブスホールディングスの株式分配の権利落ち日となっているため、「中間配当金(8円)」と「カーブスホールディングスの公開価格(750円)」分だけ株価が値下がりしています。

チャートだけ見ると大きな値下がりなので、コシダカホールディングスの株主は大損すると感じるかもしれませんが、カーブスホールディングスの株式が分配されるので理論的にはスピンオフによる損失を被ることはありません。
コシダカホールディングスの株価とカーブスホールディングス株価を合計するとスピンオフ実施前と同じ価値になります。

ただし、実際のところは株価は様々な要因で動いてしまうので、絶対に損をしない、というわけではありません。
コシダカホールディングスの場合もコロナウイルスなどが下押し要因となり売りが先行する展開となりました。

なお、カーブスホールディングスの上場日は2020年3月2日、株式分配については分配基準日である2020年2月29日(実質2月28日)時点の株主が対象となっており、2020年2月27日が権利落ち日となっていました。

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