回転日数とは、信用取引の建玉が入れ替わるのに平均で何日かかっているかを示す指標です。信用回転日数ともいいます。
信用残高の「量」ではなく「その建玉がどれだけ長く滞留しているか」を教えてくれる、数少ない指標です。
この記事では、計算方法から信用期日との関係まで解説します。
この記事でわかること
・日数の長短で何が読み取れるか
・期日での投げ売りを予想する使い方
・信用倍率・貸借倍率との違い
・見るときの注意点
目次
回転日数とは
回転日数(読み方:かいてんにっすう)とは、信用取引の建玉が一巡するのに要する平均日数です。
すべて入れ替わるまでに何日かかるか
→ 短ければ短期売買が中心、長ければ持ち続けている人が多い
信用残高の数字だけを見ても、「昨日建てた玉」なのか「5か月前から抱えている玉」なのかはわかりません。その違いを推し量るのがこの指標です。
計算方法
回転日数 = 平均信用残高 ÷ 1日平均の信用売買高
平均信用残高 =(期首の信用残高 + 期末の信用残高)÷ 2
1日平均の信用売買高 =(期間中の新規建て + 返済)÷ 営業日数
計算例で確認します。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 期首の信用残高 | 100万株 |
| 期末の信用残高 | 120万株 |
| 平均信用残高 | 110万株 |
| 1日平均の信用売買高 | 22万株 |
| 回転日数 | 5日 |
※ 計算の期間の取り方や集計方法は、公表している機関によって異なる場合があります。
この例では建玉が平均5日で入れ替わっているということになります。短期売買が中心の状態です。
この指標が示しているもの
回転日数の本質は「その銘柄で、参加者がどれくらいの期間ポジションを持っているか」です。
建てては返すの繰り返し
→ デイトレードや短期売買が中心
→ 需給が滞留していない
値動きは荒くなりやすい
建てたまま動かしていない
→ 中長期で持っている人が多い
→ 含み損で動けない建玉が混じっている可能性
将来の需給の重しになりうる
右側が投資判断で重要になります。回転日数が長いということは、古い建玉が残っているということです。
日数の目安
| 回転日数 | 状態 | 読み方 |
|---|---|---|
| 3〜5日 | 非常に短い | 短期資金が大量に出入りしている |
| 5〜10日 | 標準的 | 多くの銘柄がこの範囲に収まる |
| 20日以上 | 長い | 建玉が滞留している。期日の投げに注意 |
※ 一般に語られる目安であり、絶対的な基準ではありません。銘柄の性質や市場全体の状況によって適正な水準は変わります。
重要なのは絶対値より「その銘柄の過去と比べてどうか」です。普段5日の銘柄が20日になったなら、明らかに何かが変わっています。
信用期日との関係
ここがこの記事でもっとも実用的な部分です。回転日数は、期日での投げ売りを予想する材料になります。
買い残が多く、かつ回転日数が長い銘柄では、期日にまとまった売りが出る可能性が高まります。
逆に回転日数が短ければ、建玉は次々に入れ替わっているため、期日を意識する必要は小さくなります。
回転日数が長い銘柄の特徴
| 状況 | 背景 |
|---|---|
| 急騰後に下落した | 高値で買った建玉が損切りできずに残っている |
| 値動きが乏しい | 動かないため決済する理由がなく、放置されている |
| 売買代金が少ない | そもそも取引が細く、入れ替わりが起きにくい |
| 中長期の資金が中心 | 意図的に長く持っている参加者が多い |
1行目が典型的なパターンです。急騰の天井で買った建玉は、損切りできないまま「しこり玉」として残ります。
この状態はしこり玉と呼ばれ、株価が戻ってきたときの戻り売り圧力になります。
回転日数が急に変わったとき
絶対値より変化のほうが情報量を持ちます。
| 変化 | 考えられる背景 |
|---|---|
| 急に短くなった | 材料が出て短期資金が流入した。出来高も急増しているはず |
| じわじわ長くなっている | 決済されない建玉が積み上がっている。含み損の可能性 |
| 長い状態が続いている | 値動きが乏しく、決済する動機がない状態 |
| 長かったものが急に短くなった | 滞留していた建玉が整理された。需給が軽くなった可能性 |
4行目は前向きなサインになりえます。上値を抑えていた古い建玉が消えたということだからです。
信用倍率・貸借倍率との使い分け
| 指標 | わかること |
|---|---|
| 信用残高 | どれだけの建玉があるか(量) |
| 信用倍率 | 買いと売りのどちらに偏っているか(方向) |
| 貸借倍率 | 同上。日々更新されるため速報性が高い |
| 回転日数 | その建玉がどれだけ古いか(時間) |
この4つは「量」「方向」「時間」という別の軸を見ています。回転日数だけが時間の軸を担当しています。
信用買残が多い + 回転日数が長い
↓
古い買い建玉が大量に滞留している。上値が重く、期日の売りに警戒
回転日数の調べ方
| 確認する場所 | 内容 |
|---|---|
| 証券会社の銘柄情報 | 信用残と併せて表示されることがある |
| 金融情報サイト | 信用取引の詳細ページで確認できる |
| 自分で計算する | 公表されている信用残と信用売買高から算出する |
表示していないサービスもあるため、信用残と信用売買高から自分で計算できるようにしておくと確実です。
見るときの注意点
「平均20日」でも、1日で返す人と5か月放置している人が混在している可能性があります。個別の建玉がいつ建てられたかは公表されていません。
一般信用の建玉は含まれないか、集計方法が異なることがあります。
1日の売買が急増すれば、回転日数は一時的に短くなります。数週間の推移で見てください。
需給の一側面にすぎません。業績や相場全体の環境のほうが株価への影響は大きくなります。
①は原理的な限界です。回転日数はあくまで推測の材料であって、建玉の年齢を直接示すものではありません。
実際の使い方
④が具体的な使い方です。回転日数が長い銘柄で半年前のチャートを見ると、出来高を伴った急騰があることがあります。そこで買った建玉が、期日を迎えます。
※ 本記事は指標の解説であり、特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
回転日数に関するよくある質問
まとめ
回転日数は「信用残の年齢を推し量る指標」です。量や方向を見る指標では読めない、時間の軸を担当しています。
この記事のまとめ
・平均信用残高 ÷ 1日平均の信用売買高で計算する
・5〜10日が標準的な目安
・長いほど古い建玉が滞留している
・買残が多く回転日数が長いと、期日の投げ売りに警戒
・信用残は量、倍率は方向、回転日数は時間を示す
・平均値であり、個別の建玉の年齢はわからない
・半年前のチャートと組み合わせると期日を推測できる











