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年初来安値とは

年初来安値(読み方:ねんしょらいやすね)

 

年初来安値とは、その年につけた最も低い値段のことです。
年初である1月1日から現在までに取引された値段の中で「一番安い値段」のことをいいます。

反対に一番高い値段は「年初来高値」といいます。

年初来安値は、株式市場以外に外国為替市場や商品市場などマーケット全般で使われる言葉となります。
他には自身の資産がその年で一番低くなった時に使ったりもします。
英語表記では「yearly low」や「year low」になることから、略して「YL」と言うこともあります。

年初来安値は、通常「1月1日~現在まで」の株価をベースに随時最安値を表示していますが、1月~3月については比較データが少ないので「前年1月~現在まで」の株価をベースに最安値を表示するのが一般的です。
前年1月~現在までの株価をベースにした最も低い価格を「昨年来安値」といいます。

ちなみに最安値を示すものとして「上場来安値」もあります。
上場来安値とは、新規上場日から現在までの株価の中で最も低い株価のことです。

 

年初来安値メモ

・年初来安値とは、その年につけた最も低い値段のこと
・反対にその年につけた最も高い値段は「年初来高値」と言う
・英語では「yearly low」等になることから略して「YL」と言うこともある

 

年初来安値の比較対象期間

年初来安値の比較対象期間は時期によって異なります。

・1月~3月は「前年1月から現在まで」
・4月~12月は「当年1月から現在まで」

一般的には上記の期間で取引された中で最も低い値段が年初来安値(昨年来安値)となります。
そのため、1月~3月の間は前年の安値が表示されていることもあります。

例えば、3月時点の各月の安値が次のように推移しているとします。

前年1月~11月安値:105円~110円
前年12月安値:103円
当年1月安値:104円
当年2月安値:105円
当年3月安値:107円

年初からの株価をベースにした場合は「当年1月の安値104円」が年初来安値になりますが、1月~3月は一般的に前年1月からの株価をベースにするので、3月時点の年初来安値(昨年来安値)は「前年12月の安値103円」が表示されています。

次に、4月時点の安値で確認してみましょう。
各月の安値が次のように推移していたとします。

前年1月~11月安値:105円~110円
前年12月安値:103円
当年1月安値:104円
当年2月安値:105円
当年3月安値:107円
当年4月安値:106円

3月時点と同じように考えると「前年12月の安値103円」が最も低い株価になりますが、4月から当年1月からの株価をベースにするので、4月時点の年初来安値は「当年1月の安値104円」が表示されます。

4月以降は比較対象期間が短くなるので、1月~3月に比べると年初来安値を更新しやすくなることもあります。
年初来安値や年初来安値更新を投資の材料に使うこともあるので、この点は覚えておくと良いかもしれません。

 

年初来安値メモ

・年初来安値は時期によって比較対象期間が異なる
・1月~3月は「前年1月から現在まで」
・4月~12月は「当年1月から現在まで」
・そのため、1月~3月の間は前年の安値が表示されていることもある

 

年初来安値で何がわかるのか

年初来安値は今年の一番安い株価を示すものですが、「年初来安値の更新」や「年初来安値を更新した銘柄数」に注目することで様々な情報を読み取ることができます。

・年初来安値更新から個別銘柄のトレンド
・年初来安値更新銘柄数から相場の方向性
・年初来安値上昇率から買い時や出遅れ株

1つずつ説明していきます。

年初来安値更新から個別銘柄のトレンド

年初来安値を更新するということは、その銘柄の株価は下落していることを示しています。
それもその年の最も安い株価を更新するほど下落が続いていることがわかります。

つまり、年初来安値を更新する銘柄は下降トレンド中で軟調な動きをしていると判断ができます。

トレンド発生中はその方向に動きやすいので、基本的には下降トレンドは「売り」と判断されます。
年初来安値を更新して株価が安くなったからといって、安易に「買い」と判断すると大きな痛手を負うこともあるので注意しましょう。

年初来安値更新銘柄数から相場の方向性

年初来安値を更新する銘柄数に注目することで相場の方向性を測ることができます。

相場(市場全体)が下落し始めると年初来安値を更新する銘柄も増えていきます。
そのため、普段から年初来安値を更新した銘柄数に注目することで、相場の方向性を測ることができたり、早い段階で相場の下降トレンド気付ける可能性があります。

また、年初来安値更新銘柄数がピークに達して減少してくると、今度は上昇に転じる動きに気付ける可能性もあります。

この時に年初来高値を更新する銘柄数も合わせて注目すると分かりやすいと思います。

相場の方向性が上昇中の時は「高値更新銘柄数が増えて、安値更新銘柄数は減る」傾向にありますが、相場が下落に転じると徐々に「高値更新銘柄数が減って、安値更新銘柄数が増える」傾向にあるからです。

このように上昇か下落かで銘柄数が逆転するので、年初来安値だけでなく年初来高値も合わせて注目しておくと良いかもしれません。

年初来安値上昇率から買い時や出遅れ株

年初来安値上昇率(年初来安値からの上昇率)に注目することで、買い時の判断材料にすることもできます。

例えば、1つの目安として「3分の1戻し」があります。

3分の1戻しとは、下落から上昇に転じて、下落幅の3分の1程度まで上昇することをいいます。

1つの目安として3分の1戻しの水準を超えるとさらに上昇が続く可能性があり、押し戻されると再び下落に転じる可能性があるとされています。
そのため、3分の1戻しを1つの目安として売買の判断をすることがあります。

ただ、3分の1水準を超えたと思っても再び下落に転じることもあるので、常に想定外の動きに備えて売買するようにしましょう。

また、年初来安値上昇率は出遅れ株を見つける時にも役立ちます。

出遅れ株とは、相場の上昇に乗り遅れた銘柄のことです。
あまり注目されずに放置された銘柄のことで、他の銘柄に比べると年初来安値からの上昇率が小さい傾向にある株となります。

出遅れ株の中には後に注目されて人気化する銘柄もあったりするので、そういう銘柄を探す時は年初来安値上昇率を活用すると見つけやすくなります。

証券会社によってはスクリーニングの検索条件に「年初来安値上昇率(年初来安値からの上昇率)」の項目があるので簡単に銘柄探しができます。

年初来安値は狙い目になるのか

中には年初来安値の更新を狙い目として売買する投資家もいます。

いわゆる「ブレイクアウト」を狙った手法です。
ブレイクアウトとは、節目となる株価を突き抜けて、さらに値下がり(値上がり)することをいいます。

年初来安値も1つの節目とされることが多く、安値更新をするとさらに値下がりすることがあります。
ですので、ブレイクアウトを狙った手法が有効になるケースもあります。

ただし、節目となる株価で底入れし、急反発するようなケースもあります。
ですので安値更新しそうな銘柄を単に売るのではなく、そうした想定外の動きもあることを理解した上で売買するようにしましょう。

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